ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブ 作:Wandarel
作者のワンダレルです。
前回、あの天才モデラーのキミヤ・カナデを討ち果たし、妹のイチカを守るために鬼に、そして修羅となり零の戦女神と呼ばれるようになったレイカ。
しかし、そんなレイカに挑む一人の男が現れます!
その男は一体何者なのか?
それはこのお話でわかります。
それでは!ガンプラファイト!レディーゴー!
一人、また一人とレイカは倒していく。
若き伝説、
全ては……そう、全ては……。
「イチカの為に……。」
もう何回と相手にしてきたのだろう。ヴァルキリーゼロの名を聞いて挑んでくる大人もいた。
だがそれすらもレイカにとってはイチカの邪魔をする存在としか思えてなかった。
故に、レイカは誰にも負けなかった。
だが……。
「レイカ、最近あの公園でよくガンプラバトルをしてるのか?」
「そうだよ、お父さん。」
「……レイカ、お前はガンプラバトルを楽しんでるか?」
「パパ……。」
「………うん、楽しんでるよ。」
嘘だ。
本当は楽しんでなんかない。
敵を潰す。
イチカの邪魔をする奴を潰す。
ただそれだけのマシーン。
(イチカを守る為に負けるわけにはいかない)
ただそれだけが、レイカを動かした。
そして、通算勝利数が千を超えたあたりだった。
「シャイニングフィンガーソォォォドッ!!」
また、1つのガンプラを粉砕した。
「さすがは零の戦女神!サインください!」
「お断りよ。時間が無いの。」
(イチカを守る為……イチカを守る為……。)
そんなことを考えていた時だった。
周りの野次馬がざわっとどよめいた。
「ねぇ、あれって……ガンプラファイト選手権の王者じゃない?」
「え!?あのメイジン達を一掃した!?」
「………?」
何を言ってるかは分からないが、デバイスをしまおうとした私の前に一人のおじいさん(?)がいた。
「ほう、恐ろしい眼をしておる。そこまでして世界が憎いか小娘。」
「……誰、アンタ?」
「ワシの名を知らぬか。ワシは
「どうでもいい。貴方も私と戦うんでしょうおじいさん?」
「ふっ……貴様の名前はなんという?」
「レイカ。デンノ・レイカ。」
「ならばレイカよ、構えるが良い。」
レイカはデバイスをセットしゴールドフレーム天光をセッティングした。
そして、相手のマスターアジアは、マスターガンダムを元にしたミキシングプラモを設置した。
そして、バトル開始の音が鳴る。
「ガンプラファイト!レディーゴー!」
「潰す……。」
レイカは一気に仕掛けた。
拳の連打、当時プラモトレースシステムが無い時でも目に見えない速度でのパンチを繰り出せた。
しかし、マスターアジアは涼しい顔でそれを避け続けてる。
ひとしきりパンチのラッシュを終えた時、マスターガンダムがかかってこいと言わんばかりに手を動かした。
「確かにその力、とても恐ろしいものよ。」
「邪魔をしないで……私はイチカを、妹を守るの。」
「貴様、守るという言葉を勘違いしておるのではないか?」
「なんですって?」
ぽっと出のおじいさんにそんなことを言われたレイカは青筋を立てた。
しかし、その言葉の後に拳を振るわれた。
レイカは不意打ちだったこともあり、ダウンした。
「そのような覚悟で討たれた者は、さぞや無念であろうな。」
「……。」
すると、レイカは目の前でマスターアジアは演武を始めた
「相手のことを省みず己が過剰に守ろうとするから敵に敬意が払えなくなり、己を見失うのだ。」
「敵……ですって?それに私が己を見失ってる……?」
「その力を背にした貴様の理屈がこのグランドマスターガンダムと流派東方不敗に通じるかどうか……試してみるがいい!」
「……上等よ。絶対に倒す!」
レイカはヨウスケに突撃した。
「邪魔だ……どけぇぇぇぇ!!」
レイカは一気に勝負を仕掛けるためにシャイニングフィンガーソードを構えた。
振り回し、絶対に当たる位置を狙った。
だが、その全てが空を切るだけだった。
「でぇりゃぁぁぁっ!!」
全てを返され、カウンターを打たれた。
大きく吹き飛ばされるアストレイ天光。
「どうしたどうしたぁ!その程度のものに過ぎんのか!」
「……なめるなぁぁぁっ!!」
レイカは最大出力でシャイニングフィンガーを構えた。
「シャァァァイニングッ!!フィンガァァァァァァッ!!」
だが、それを肘打ちで止められた。
そして、そこからは一方的だった。
「未熟!未熟!未熟千万!だからお前はアホなのだ!」
その言葉と共にレイカの何倍も早い連撃を加えられ、蹴り飛ばされた。
無論、アストレイ天光はスタンが入り行動不能になっている。
「ダァァクネスッ!フィンガァァァァァァッ!!」
レイカは一撃で全てのパーツをブレイク判定にされた。
そして、零の戦女神は地に引きずり落とされた。
バトルエンドの音声が流れ、フィールドは解除された。
「……私が負けた……。いや、負けちゃダメ。イチカを守れるのは私だけ………。」
レイカは目の前のクロス・ヨウスケを睨んだ。
「ふ、今ここで貴様がワシを殴るのは簡単だろう。しかし、お前が守ろうとしてる者が本当にそれを求めているのか?」
「うるさい!アンタに何が……!」
そういった時、いつの間にかイチカが走ってきてレイカを捕まえていた。
「お姉ちゃん、もういいよ!もういいんだよ!」
「イチカ……?離しなさい、コイツは私が……。」
「もうやめてお姉ちゃん……。いつもの優しいお姉ちゃんに戻ってよ……お姉ちゃん……。」
振り返ると、イチカが号泣しながらレイカを止めようとしていた。
「……イチカ。」
「それが真実よ小娘。貴様は守ろう守ろうと必死になりすぎて守られる者の事を何一つ考えていなかった。今貴様は自身の守るべき者に守られたのだ。」
「お願い、お姉ちゃん……。」
「………ごめんね、イチカ。お姉ちゃん失格ね……。ごめんね……。」
レイカは自然と涙が零れてきた。
「私はあの時からイチカさえ守れればいいと思ってた…でも、それは間違っていた。イチカの事を何も分かってないくせに守ろうだなんて……。」
「人の言葉を返すだけではまだまだ未熟よ。貴様の強さはまだまだ高みへと到れる。拳を鍛え精進せよ小娘。」
そういうとマスターアジアは踵を返し、立ち去って行った。
そして、周りの野次馬達もざわざわと帰って行った。
レイカは帰り道、イチカと手を繋いで帰っていた。
「イチカ、イチカのザクは……」
「大丈夫だよお姉ちゃん。私のザクをいいものだって言ってくれた人がいたんだ。だからお姉ちゃんも無理しないで、一緒に強くなろ!」
「………。」
レイカは常々このイチカの笑顔に元気をもらっていた。
「そうね、私少しやろうと決めたことがあるの。」
「うん、私応援するねお姉ちゃん!」
「………うん。」
二人はしっかりと足を踏み家へと帰った。
レイカは心に決めた覚悟と共に、帰路についた。
血まみれの戦女神はようやく、本当の姿を取り戻したのだ。
「恥は覚悟の上です!」
「ようし……その覚悟、しかと受けとったぞ。」
「行くぞレイカ!」
「はい!師匠!」
次回
ガンダムビルドブレイカーズ・オルタナティブ
第三話〜飛び立つ戦女神〜