ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブ 作:Wandarel
作者のワンダレルです。
さて前回、湯ノ森シャイニングゼロとして日本へそして世界を制する為に始動した小中高最強のチーム!
初戦へと向かい、栄光を掴め!
それでは!ガンプラファイト!レディーゴー!
予選を難なく突破した湯ノ森シャイニングゼロ。
はっきり言えば秒殺だった。
年齢層の違い故にぶつかることは多いものの、基本的な強さでカバーしきっていた。
そして、本選の第一戦の前日。
「はーい!休憩ー!」
レイカは輝いていた。
レイトとヒカルは死にかけていた。
当然である、本選向けに五十本組手の半分をほぼ休憩無しで行っていたのだから。
「あの、レイカさん?いやレイカ様?」
「レイカでいいですよ〜。」
「指が死にそうなんですが……。」
思わずヒカルがそんなことを言う。
「あらあら、気合いで何とかしましょ♪」
「なんとかならねぇから言っt………。」
レイトが少し口応えしたその瞬間。
ベコォッ!!
「大丈夫ですよ!だって私もこうして元気ですから!ね?」
アルマの敷地とはいえ、レイカはレイトとヒカルの背後の壁の一部を粉砕した。
「「あ、すみませんなんでもないです。」」
ある意味地獄だったと思う。
日本代表戦本選の会場は湯ノ森から大手の電車の八つ隣駅にあるダイバーシティTokyo。
「広いわ〜……。」
「まぁ、大都会ってやつだしな。」
「さすがは本選って所だな。」
なお、主催者の話はそこまで深くもないのでこの三人は全く聞いていなかった。
「それでは、選手の皆様の健闘を祈ります。」
湧き上がる拍手。
「美味しい物食べたいですねぇー。」
「アルマのおっちゃんが奢ってくれるだろ。」
「さすがは大人だ。」
その拍手の中我が道を行く湯ノ森シャイニングゼロ。
その夜、アルマに呼び出された。
「さてと諸君、既存のチーム戦なら対策のひとつでも立てるところだが………。」
レイカ、レイト、ヒカルの三人は既に眠っていた。
「……ふふ、彼らにはその必要はなさそうだね。」
アルマはホテルの部屋から出ていった。
……その数秒後に全員が起きて、枕投げを始めたのは言うまでもない。
本選第一戦ブロック
「みなさんお待ちかねぇ!実況、司会進行を務めるMCストーカーでございます。さて皆さん、待ちに待っていた日本代表戦!これにより世界選手権へのチームが決定する戦いの第一打!予選でのシード権を含めた計八チームによる本選出場をかけた熾烈な戦いの幕開けです!では!入場していただきましょう!チームクロノクルとチーム湯ノ森シャイニングゼロの入場です!」
会場がざわめき始めた。
「そういや、湯ノ森がこの大会出るの久しぶりなんだってな。」
「なるほどぉ〜なら、皆さんが知らないからでしょうか。」
「だったら俺たちで湯ノ森を示してやろうじゃねぇか、な?」
「「あ、そういうのいいです。」」
「こいつら……。」
チームクロノクルの人達は男性が一人、女性が二人のチームだった。
「よろしくお願いしますね、湯ノ森シャイニングゼロ。」
「こちらこそよろしくな、チームクロノクル。」
お互いのチームリーダーが握手をした。
そして、お互いがデバイスにセットしていく。
耳の良いレイカが、相手側の思惑を把握した。
「クロノクルの皆様、どうやらレイトとヒカルを先に潰しに行くそうですよぉー。」
「……ほほう、小学生のガキだからってレイカも舐められたもんだな。」
レイトが笑いながらそんなことを言う。
「なら好都合だ、あまり手の内を晒さずに済みそうだな。」
「えぇ、作戦はそれでいいんですね?」
「おう、やってやろうか。」
会場の歓声が響く。
そして、それと同時にカウントが始まる。
「それでは!ガンプラファイト!レディーゴー!」
MCストーカーのその掛け声と共に出撃する。
「タカミヤ・ヒカル、ガンダムAGE2BreakerFA!出るぞ!」
「プラネッツナイトガンダム、アリネ・レイト!行くぜ!」
「ガンダムアストレイ・ゴッドフレーム、デンノ・レイカ、行きまーす!」
ステージは宇宙空間。
リングは視認可能な距離である。
相手のリーダーのガンプラはブルデュエルにストライクノワールを組み合わせた機体、ブルノワール。
ガンダムエピオンを元にガンダムエクシアと融合したガンダムEE。
ガンダムフラウロスとデュナメスを組み合わせたフラウロスD。
戦術は完璧だった。
「各員!予定通りに動きなさい!」
「「ラジャー!」」
そして、ブルノワール、EEが近づきフラウロスDが狙撃に入り、レイトを執拗に狙いながら、AGE2Breakerを牽制する。
「ちっ!!」
プラネッツナイトがフラウロスDの攻撃に被弾しないように回避しながら、シールドで残り二機の攻撃を捌く。
「やべーな、やっぱ近づけねぇ……。まぁ、全部俺の想定内だがな。」
ヒカルは不敵に笑った。
「各員押し込め!フラウロスD!ダインスレイヴを打ち込め!」
「はーい♪」
「よし、やれ!」
次の瞬間、撃ち抜かれたのはガンダムEEだった。当然、格闘特化の回避型故に一撃でブレイク判定になった。
「!!何してるのD!」
プレイヤーの方では揉めていたが、Dが言い放ったのは衝撃の一言だった。
「いや、俺は打ってない!俺はしばらく前にブレイクされてた!」
「………は?」
遡ること一分前。
「当たらないな……。さすがは予選を突破しただけはあ……」
このセリフを言うと同時に一気にブレイク判定が入っていた。
その背後には残忍な戦女神がいた。
「ふふ、借りるわね〜♪」
そう言ってゴッドアストレイはブレイクされる前にフラウロスのダインスレイヴの弾頭を持って右手のみを一瞬だけハイパーモードにし。
「えい♪」
素手で投げた。
「………!」
気がつくと目の前にゴッドアストレイがいた。
至近距離、刹那、ゴッドアストレイはトツカノツルギを引き抜き、四肢を裂き、ハイヒール状の脚部によるかかと落としでブルノワールを破壊した。
「し、試合終了ー!!わずか二分!たった二分で決着を着けたァァァ!!」
ストーカーがそういった後に静まり返っていた会場が大騒ぎが始まった。
「今何したんだ!?」
「あの金色のアストレイ何時からいなくなってた!!カメラ回せ!」
さぞ衝撃だったろう、マスコミが騒ぐ騒ぐ。
「あー、うるせぇ。」
レイトがぼそっと愚痴をこぼす。
「私何か悪いことしたんでしょうか、ヒカル?」
「まぁ……だいぶ悪い事したな!」
ヒカルがニヤッと笑う。
「やだー、レイカ怖ーい!」
「「お前が一番怖いんだよ!!」」
ヒカルが相手のリーダー、ヤシマ・アイに握手した。
「お見事、シャイニングゼロ。圧倒的な力を感じたわ。」
「そりゃどうも。なにせうちのチームは暴れん坊将軍とじゃじゃ馬のハッピーセット(皮肉)だからな。」
「あら〜誰がじゃじゃ馬なのかしら〜?」
「お前だよガキンチョ。……あだだだ!ギブギブ!!」
このことは歴代史上初の事だ。
わずか二分での決着、ましてや日本代表戦という大きな舞台でこれを出来たのは後にも先にも彼らだけである。
宿泊施設にて。
「お疲れ様、わずか二分で終わらせるなんて本当に伝説になりそうだね、君達なら。」
「まぁ、ある意味ズルしたからなぁ。レイカが相手の戦術聞こえてなかったら集中砲火受けてたレイトが少し危なかったくらいだし。」
「あんくらいなら避けれはするが、作戦の為とはいえヘイトを稼ぐのはもうコリゴリだぞ俺は。」
「でもレイトさん優しいですよね?自分から
「う、うっせ……あーもう、トイレ行ってくる!」
そう言ってレイトは出ていった。
イチカとヒビキはもう寝ている。
「……イチカやヒビキ君も私たちの姿を見てガンプラバトルをするんでしょうね〜♪」
「そうなったらビシビシと鍛えてやるかレイカ。」
「イチカに手を出したら殺しますよ?」
「あーやっぱ今のナシで。」
そんなやり取りがいとしくて楽しかった。この時は。
宿泊施設のトイレにて
「がハッ…ゲホッゲホッ………、クッソ……まだ………。」
(余命は長くて半年、下手をすれば一ヶ月でしょう。)
「……死んでたまるかよ……なぁ、コアα………。」
便器の中に広がる血反吐、レイトはコアαと共に皆に心配をかけないように生死をさまよっていた。
「……終わりにゃ出来ねぇ………ここまで来たんだ……日本は取る………、絶対に………。」
彼らは栄光の終わりへと走っていく。
脇目も振らず、上を目指して……。
「強い……この人達!」
「まだ、終わってねぇぞオラァ!!」
「そっちとは射程がダンチなのよね!」
「もらったぁ!!」
「流派!冥王不敗の名のもとに!」
次回
ガンダムビルドブレイカーズ:オルタナティブ
栄光の三人編第八話
「準決勝湯ノ森シャイニングゼロVSチームアリメノール」
それでは次回も!
ガンプラファイト!レディーゴー!