壊れた少年のマーチ   作:オリの中のカナリア

11 / 62
伏線バラマキほぼ終了!あと一話で本編!

記者:今回の状況から言って進捗はどうでしょうか?

作者:や っ た ぜ(コロンビアポーズ)


Re:Take

目覚めた時には何も知らない場所だった。

ここはどこなんだろうか。

どこかに横たわっていることはわかる。

白く無機質な天井。何もついておらず注目すべき点はない。

 

「知らない、天井だ」

 

頭の中に出てきた言葉を言う。ここはどこだろうか。

腹部に鈍痛を感じる中体が動くかどうかの確認をする。

その時に手が何かに当たった。これは・・金属製の柵だ。

 

「?」

 

なぜ柵があるのかは分からない。ただ少なくとも僕が起きる前にはだいぶ暴れていたようだ。

頭の中に記憶の断片が再生される。

どうやらルーナに思いっきり奇襲を掛けて身体ごと吹き飛ばしたようだ。

 

「何てこったい」

 

あともう一つの謎は「俺」の存在だった。奴は一人称を俺で話し、戦闘能力が高いことがわかった。ただし、これがどこから発生した力なのかが分からないし誰なのかも分からない。それに奴は「全て終わらせる」と言っていた。奴の目標地点は何だったのだろうか。

 

「もし全てが敵意を向けた人間のことだったらどうなっていただろうな」

 

被害の量は計り知れないだろう。パワーが桁違いの(人間)が無防備になっている所に襲いかかるのだ。いくら人が死んでも止められないだろう。

そんなパワーを発揮できる身体を持っているのが僕なのだ。

 

「僕はそもそも人間なのだろうか」

 

人間かどうかさえ分からなくなる。正解はどうすればいいのだろうか。

部屋にある空気が動く。誰かが来たようだ。

 

「・・やっと起きてくれましたか」

 

聞き覚えのある声だ。ルーナに違いない。彼女は僕を見に来たようだ。

 

「会話はできますか?」

「ああ」

「これらの色は鮮明に見えますか?」

 

彼女が出してきたのは白色、黒色、赤色、黄色、青色、緑色、紫色、茶色の八色が描かれた紙だった。

 

「ああ、右上から白色、黒色、赤色、黄色、青色、緑色、紫色、茶色だな」

「色覚は正常そうですね。あなたの名前はわかりますか?」

「フォーマルハウテ・ヴァルフだ」

「私の名前は?」

「フォーマルハウテ・ルーナ」

「対戦者の名前は?」

 

これに関しては彼が言っていた記憶がない。

 

「・・分からない」

「記憶系も大丈夫そうですね、このペンを使って文字を書いてみてください。」

 

うん、ペンのボタンを押して書くタイプのものだ。とりあえずルーナの名前でも書くか。

 

「日常動作も大丈夫、と・・」

「後遺症の検査にしては入念だな」

「ええ、学校に事態の報告をするよう言われてますから」

 

・・学校に帰ったらお咎めなしとはいかなさそうだ。

 

「ここはどこだ?」

「保健室です。交渉に時間はかかりましたがあなたをここに連れることができました」

「何で僕は生きてんだ?」

「私が冷凍睡眠(コールドスリープ)を使いましたから」

冷凍睡眠(コールドスリープ)?」

「身体を魔力ごと凍らせて身体の活動と発動している魔術を無理矢理一時的に止める魔法です。ちなみに失敗すると相手が凍死します」

「・・かなり使い所が限られそうな魔法ですね」

「ええ、ただし魔力の動きまで止められる魔法はこれだけです」

 

・・つまり僕は魔力の動きまで止めななきゃいけないような状態だったらしい。

 

「あれからいくら経った?」

「二日とちょっとですね」

「傷は?」

「完全にではありませんが回復しています」

「そうか・・」

「でも早めに動けて良かったです、あともう少しで失血死でしたよ」

「そんなに血が出てたか?」

「ええ、大きな血溜まりを作る程度には」

 

なかなかの惨状だ。一種の殺人現場だ。

 

「それとあの戦い方は何だったんですか」

「どっちだ。僕か、僕じゃない僕か」

「どっちもですよ。手加減し続けて戦ったと思いきやいきなり本人を狙うからびっくりしました」

「あれは固有魔法を出したくないからであって手加減では・・」

「手加減ですよ」

「・・そうか、すまなかったな」

「しかも勝つならまだしもこんなに大きな怪我をして・・回復大変だったんですから」

「それはほんとうに想定外だった、あとそれは僕じゃない」

「あなたがやったから一緒です」

 

ひどい理論だ。僕がやったわけではないのになぜ僕が責め立てられるのだろうか。

 

「それにまともに食事も取っていないんですからね」

「流石に食事は摂れよ」

「料理下手なのはわかってますしあの保存食が美味しくないんですよ。どうすればいいのかと」

 

だいぶ舌の感覚が戻ったせいで美味しくないことに気づいたらしい。

 

「どれもこれもあなたのせいです」

「いやそれはないだろ」

「私がそう言ったらそうなんです!」

 

いや、そうとは限らないだろ。

 

「ほんとうに死んだんだと思ったんですからね」

「そうか、それはすまなかった」

「それに何で私にこの事案を相談しないんですか!そんなに頼りになりませんか?」

「かなり信頼しているが自分だけで解決できると思ったんだ。ルーナには迷惑はかけたくないからな」

「もっと頼ってください!私にとってあなたが死ぬことがどれだけ悲しいか知らないでしょう!」

「そうだな、今度からはそうしよう」

「死んだ後からじゃ遅いんですからね!ちゃんと言ってくださいよ!」

 

「心配かけたことは謝る。よくここまでして助けてくれたな。生かしてくれてありがとう」

「・・一時的な気の迷いです」

「それでも俺は生きてんだ。生かしてくれた事実に感謝はする」

「・・ご厚意に感謝します」

 

取り敢えず許してもらえたようだ。

 

「それと僕じゃない僕についても解析してほしい」

「それは私としても調べたいなと思っていました。戦っている間の記憶はありますか?」

「いや、ないな」

「意識がなくなる前の記憶はどんな記憶ですか?」

「“俺が全てを終わらせる”と言っていたな」

「全てを、ですか・・全てとは何を指すのでしょうかね?」

 

彼女はは僕と同じ点に引っかかった。全てを指す内容が分からないのだ。

もし全てが倒すべきものの全てならまだいいだろう。想定している中で一番危険なのはこの世界の全てのものを指した場合だ。僕が制御できない環境でそれらを壊すとなると人間を惨たらしい方法で殺す可能性がある。

 

人を殺せば誰かがそいつの為に悲しむ。

その誰かは殺したものを探し、疑い、恨み、殺す。

そしてその殺されたものに対し悲しむ。

そしてそいつは殺したものを探し、疑い、恨み、殺す。

 

このサイクルにより人間は悲しみ、互いに互いを殺し合うようになる。

その結末だけは避けておきたい。

 

「チョーカーを外さないようにしたほうが?」

「いいと思いますよ。あれは理論値ではありますが魔力の奔流は抑えられるので」

 

なるほどな。魔力自体の流れを統制すれば魔力の暴走は抑えられるかもというのか。

 

「ところで」

「?」

「飯いつから食ってねぇんだ?」

「・・二日前です」

「・・よく生きてたな。家帰ってから飯食べるか?」

「もちろんです!」

「食欲はあるみたいだな。体調は良いようだ」

「・・私はいつでも元気です」

「今までの会話でよく言えるなそれ」

 

こいつ自分が死ぬ前まで強がっているのかもしれん。注意しなければ。

・・というかこいつそもそも一人で生活できるのか?

 




次回予告
絶大な力を得た少年。しかし、神はそれを許さない。
その代償は少年に重く、大きくのしかかる。
次回! 神の救済
この次も!サービスサービスぅ!








書くことないときこんな感じに次回予告します(なんか似てる?知らないね!)
あと伏線解けたらタグ増えます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。