しばらく短いかもしれませんがご容赦を。
学校に着いた。
やはりながら街の様子はだいぶ変わっていた。場所によっては地面が抉れており、急ピッチで修復を行なっていた。
学校は無事だった。ヴェリアとジュークが守ってくれなければ吹き飛んでいただろう。
やはり僕の計画には狂いがある。それの原因が人為的なものかを除けば大きな問題だ。
「どうするかねぇ」
「どういうことですか?」
「やろうと思えば全部直せるんだよね、あの地面」
「・・どうやって?」
「簡単な話さ。空気の中には砕けて散った物質がどこかにある。それを拾い集めてくっつける」
「・・それを簡単と言える脳を分けてほしいです」
「あれ?なんかおかしかったけ?」
分からん。何がおかしいんだ?
「・・それができれば全ての穴は埋まってますよ」
ルーナ曰く色々足りないらしい。
1つ目に考え方。
そもそも壊れた破片の一部が空気中を漂うっていう考えを持ちにくいらしい。それにそんなことをするくらいなら普通に埋めてしまうとか。意外と頭が固いのかなぁ。
2つ目に魔力量。
一つずつに魔力で誘導をかけ、それをどこのものか識別しながら集めることが難しいらしい。さらにそれを起こせる魔力を持つ人は少ないんだと。残念だ。
3つ目に被害量。
確かにそれで直してもいいけどそれはすごく大きなものが壊れた時かつ早く直したいときのみやると思われるらしい。今みたいに小さなものがたくさんあるときは効率が悪くなるため避けた方がいいらしい。時間は早くなるのになぁ。
「ルーナ、荷物持って先行ってて。あの人々を手伝う」
「そんなことしてたら遅れますよ!」
「大丈夫、
「はい?」
「んじゃよろしく!」
「あっ!・・もう、しょうがない人ですね。遅れないでくださいよ」
時間掛かりすぎてちょっと見てられん。やってくるか。
「ちょっと失礼、ここの監督者さんかな?」
「あ?お前なんでこんなとこにいんだ?」
「ちょーっとだけ仕事を楽にしてあげようかなと」
「そんなものいらねぇ。俺たちは俺たちなりにやってんだ」
・・うわぁ。自分の仕事のプライドめっちゃ高い人じゃん。
「・・3時間分を5分にしたくないのですか?」
「そんなもん出来ねぇよ。仕事が多い」
「だからお手伝いに来たんです。あ、給料は要りません」
「・・一度だけだ。やってみろ」
「ありがとうございまーす。それじゃいきますよー。あ、周り気をつけてくださいね」
ちゃんと忠告はした。あとはやるだけ。
「
本来の形を見る。あとはパズルだ。
「あるべき姿へと戻れ、
空中で石が形成される。
「戻れ」
地面の穴に沿って元の石が嵌まる。
「展開終了、っと。こんなものですね。あとは隙間を埋めれば完成です」
監督者の方を見る。どうやら問題はないらしい。
「・・学校に入ったばかりか?」
「まわりの人より経験がある新入りです」
「・・いい腕してるな。国王の器、いやそれ以上になるかもしれん。精進しろよ」
「お褒めに預かり光栄でございます」
「見事だったぞ。助かった」
「それでは目的地があるのでここらでお暇させていただきます」
彼のもとから下がる。学校に行かなくては。遅れてしまう。
§
まぁ間に合わせた。学校の塀を飛んで越えたが。セーフだ。
教室の前でルーナが待っていた。
「これ、アンタの分」
「サンキュ」
「よく間に合ったわね、あんなバカなことをしておいて」
「間に合ったじゃない。間に合わせた」
「つまり時間が足りなかったということね」
「まぁそうなる」
「自分で言っておきながら間に合わないなんて・・ここからは私とアンタは“別の人”だから」
「大丈夫、分かってる」
「しっかりやりなさい」
「ニヤけない。だらしないわ」
「はいはい」
「返事は一回」
「了解」
ここからは別の領域だ。自己保身に走らなくては自分が潰れる世界だ。
席につけば分かってはいたが奇異の目を向けられる。
そうだ。彼にあの書類を渡さなければ。でないと彼との契約に綻びが生じる。
「ジューク、これをどうぞ」
「・・なんだいこれは?」
「契約内容に応じたものです。お読みいただくかどうかはお任せします」
「・・後で読む。感謝する」
「いえ、こちらが感謝しなければなりません」
「何にだ?」
「この学校を守ったことですよ。あれを防御で受け切ったから僕が間に合ったんです」
「そこまで凄くないだろう」
「いえ。かなり凄いです。そもそもあれ
「・・そんなに強かったのか?」
「ええ、僕たちの知り合いは大抵そうです。一発で殺すか闇に紛れて殺すかです」
まぁ僕は例外だが。
「その報酬分のデータです。あなたがほしいデータが載っています」
「分かった。受け取っておく」
「これはついでですが聞いても?」
「何だ?」
「ヴェリアってどこのクラスですか?」
◇◆◇◆◇
「ヴェリア・リーゼはいるか?」
教室のざわめきが一瞬止まる。
「え、あ、はい」
「ちょっと廊下来い」
「は、はい喜んで?」
・・なんか脅したみたいな雰囲気じゃん。
「喜ばんくていい。ちょっとしたプレゼントだ」
「中身は?」
「見たらすぐ分かる。ただし人には見せるな」
「はいはーい。で、ざっくりとした内容は?」
「昔やってた研究のまとめだ。おそらく今が一番役に立つ」
「ほうほう。で、料金は?」
「何を言っているんだ?プレゼントは
「・・これが?私、これに値するようなことってありました?」
「再興に必要な知識類だ。しょうもない小ネタも大量にあるからあまり需要がない。売るつもりはないが」
「へぇ、とりあえずありがとうございます」
「とりあえずって何だよ・・学校を守ってくれてありがとう。正直あそこまでは見えてなかった。君の反応速度が早かったから間に合ったのさ」
「まぁたまたまです」
「色々と世話になる。あともう無茶はしない」
「それは頼みますよ。あの敵の攻撃は私たちもわからなかったので」
「とりあえずこれで『名声』は獲得したな」
「ええ、良かったです」
「計画は始まったばかりだ。これからも頑張るぞ」
「ええ。そうしましょう」
これでとりあえず先の借りは返せたかな。
「あ、そうです。彼はどこの人なのですか?」
「・・僕に対し私怨を持つ奴らです。実力もピンからキリまであります」
「まさしくガラクタ倉庫ね」
「おっ、うまいこと言いますね。持っている武器もやっている志もぐちゃぐちゃですからねぇ。それがぴったりな気がします」
「やった。褒められた」
「まぁ褒めたに入るかは微妙ですが」
「うわぁ辛口評価」
「まだやることがあるので失礼しますね」
「あーい」
うん。前のことが気になることはなかったか。まぁそれが望ましいが。
「・・よく考えたら僕まともに授業受けんの初めてか?」
自分がかなり置いて行かれていることに今気づいた。
§
前回の敵は二手に分かれてこちらを攻めてきた。
ならば今回獲得した戦果の人間は何かを知っているということでいいのだろうか。
「・・考えれば考えるほどわかりませんねぇ、何を目的にしているのか」
識別番号2003が僕に勝てると思っていたのであれば違うだろう。そもそもあいつの戦い方は僕の対策に合ってしまう。
それに僕に対して異様なまでに好戦的だった。あいつは超遠距離から一撃で狙撃するタイプだったはずだ。わざわざ格闘の得意な僕に対して格闘戦をやるだろうか。
もし学校の陥落を目指すならば外から撃てばいい。
もし僕を殺すことが目的なら西に行ってあのデカブツの手伝いをすればいい。
もし市民を殺すのが目的なら尚更接近しなくてもいいはずだ。
一体何が目的であの距離で戦い始めたのだろうか。
「・・何かがここにあってそれを守りたかったのか?」
そう考えるとあの距離で攻撃していたのもわかる。超遠距離からでは誤差が発生する。守りたいものを守るために来たのだろう。
そうなるとここには何があるのだろうか。奴が守りたくなるようなものとは何なのだろうか。
「学校書架内の地理の本にも記述はなかったからなぁ・・何が目的だ?」
「浮かない顔をしてますねぇ」
「そうだな、奴らの目的が・・ってなぜアンタはここにいる」
隣にはルーナがいた。
「悩み事の顔しているからです。あともう昼ですが」
「そうか。それがどうした」
「いやどうしたじゃなくて。周りを見てください」
そういやいつの間にか全員いなくなってるな。
「全員昼食を摂りに行きました」
「僕はいい。あまり食べないから」
「・・購買で買ったものがあるので置いておきます。食べてください」
「サンキュ、ルーナ」
「帰ったら始末はつけてくださいね。私は利子が高いですよ」
「問題ない。全て成果で払う」
仕事処理は得意だからな。暗殺から爆破工作までいけるぞ。
「・・ま、いいです。期待してますよ」
「何にだい?」
「いろいろです。学校から帰ったら
・・問題が山積してきた。片付けられるかな。
次回予告
家へと帰る二人。
家は唯一残された楽園の一つであった。
しかし、そこに星が降る。
美しさと危険性を兼ね持つ、危険すぎる星が・・
次回! 堕ちた星 夢の世界は、遠く離れていた。