学校に行くまで1ヶ月待つのは時間の関係で新入生として皆と同じラインで開始できるらしい。
一応彼女もその年から学校に行くらしい。頼もしい仲間が最初にいるのはありがたい。
そして学校に行く前に知識がなければいけない理由を彼女からみっちりと教え込まれた。
要約すると「学園には結構力のあるお偉いさんもいてそいつに無礼を働くと最悪首が飛ぶ」らしい。
そんな物騒な学校行きたくないよ!
というか僕が通ってた学校と内容が違うなぁ。僕が通っていた学校は読み書きと化学反応に関することと運動だけだったからなぁ‥
そんなことを言っていると彼女は”下準備“のスケジュールを仮立てしていたようだ。スケジュールを紙に書いて見せてきた。
えーと、なになに‥‥
| 言語のマスター | ある程度の補強必須 |
| 能力検査 | 空き時間を兼ねて測定 |
| ”魔法“のコンセプトの理解 | 出来るだけ時間を |
| 学校提出書類 | 保護者の記載をどうにかする |
| 礼節のマスター | 確実に覚えさせる |
‥‥やることが多いな。
即日やれるものから何日もかかるものまで多岐に渡るようだ。こういう時には早目にやるのが鉄則だな。
と思っているとお腹が空いた。
そういえば起きてから何も食べていなかったな。
「何か食べるものが欲しい」
そう彼女に言うと彼女は食べるものを取ってきてくれた。銀紙に包まれた細長い食料だった。
うん、これ見覚えあるぞ。タンパク質が多く含まれるように作られた保存のしやすい携帯食品だな。あまり美味しくはないんだよあれ。
ま、まぁ食べてみれば違うかもしれない。もしかしたらめちゃくちゃ美味しく改良されているかもしれない。
とりあえず開けて齧ってみる。
「‥‥‥」
‥‥正直に言おう。胡桃が入っている以外変わっていなかった。味もそこまで良くない。
なんでこんなダメ栄養食品が‥‥と思うと一つの結論に至る。
「すまない」
「何でしょうか?」
「君はいつもこれを食べているのか?」
「そうですが何か」
‥‥証明の要素が予想通りだった。もしかしてと思い質問を続ける。
「‥‥他には食べないのか」
「研究時に使うゼリー状のもありますよ。カフェイン入りですが」
「質問が悪かった、こういった系統のものしか食べないのか」
「一番栄養摂取効率がいいので」
こいつ‥‥確定演出を出しやがった。完全完璧な
絵に描いたようなダメ少女である彼女は独り言を呟きながらも計画を練る。僕の未来よりこいつの未来が不安になってきた。
そしてその頭は結論を弾き出す。
「今日は天賦に関するデータを取りましょう」
「了解」
とりあえず言われたことには答えておく。相変わらず
ラボの扉を抜け廊下を通ると広いアリーナのようなところに出てきた。
「今日は適正についてを調べるわ」
実技試験の予行演習のようなものか。とりあえず周りを見渡す。
円形で壁に囲まれており、距離は約30kmといったところか。
「まずはこっちで‥‥っていない!?」
思わず駆け抜けていた。まずは壁まで。そのまま壁を蹴り、壁に強く踏み込み斜め上へと力をかけながら前に進む。楽しい、楽しすぎる。そのまま半周回った後脚力を強化させ踏み込み真ん中に着地しようとする。
すると。足元がおぼつかなくなると同時に。
ガラガラガラ‥‥
大きな音を立て、壁の表面が崩れた。
「!?!?!?」
着地の体制を取ろうにも地面から近く、下手に動けば落石で怪我をする。
痛みに耐える体制を取ったがなかなか来ない。目を開けると僕は彼女の腕の中にいた。
「無茶は絶対にダメですよ。怪我の治療が一体どれだけ大変だったのか分かっているんですか?」
顔は笑っているが目が笑っていない。完全なお怒りモードである。
「ヒェッ」
「一体どれだけ手をかければいいのですか。どれを禁止にすればいいのですか」
「ゴ、ゴメンナサイ」
「ちゃんと理解してますね」
「モウシマセン」
「よろしい」
‥‥とりあえず命の危機は去った。もう無茶はしません。‥‥多分。
「まぁいいです、欲しかった情報の半分ほどは手に入りました」
「ソ、ソレナラ」
「許すわけがないでしょう。研究対象がいなくなっては困ります」
研究を名義にはしているが目は心配の色を醸していた。
‥‥一応人の心はあるらしい。
「‥‥何か余計なことを考えましたね」
前言撤回、やっぱ鬼でした。
その後はちゃんと言われた通りに能力のデータを取ったらいつもの顔に戻っていた。
そして僕の寝室を与えられた。
但し。これだけはいただけない。
「何故あなたと相部屋なのです?」
「ならば倉庫で寝ますか?それとも私のクローゼットのn「ここで眠らせていただきます」‥納得したならいいでしょう」
他の選択肢がかなり酷かった。というか彼女のクローゼットの中は色んな意味でおかしくなりそうだ。
ということで自分の寝室をゲットしたが。
その‥‥何というか。
「これ本当に寝てました?」
「最近は研究室籠りで寝ていませんから」
1、ベットに埃が乗っている。
2、部屋が銀紙とパウチの空き袋だらけ。
3、服や下着が出しっぱなし。
かろうじて1と2は掃除してどうにかしよう。3はやめてくれ。目に毒すぎる。
ということで相部屋の住居人と共に掃除をすることにした。もちろん、服は全て彼女の手で片付けさせた。
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二時間ほどがたっただろうか。ちゃんと部屋としての機能を取り戻した部屋は大きなベッドが一つと簡易ベッドが一つ、合計2つのベットが現れた。
彼女はシャワーを浴びに風呂場へと行ってしまい、部屋には僕一人が簡易ベッドに座っていた。
改めて部屋を見渡すとかなり上等な部屋だ。
‥‥にしてもベッド一人分にしてはデカくないか!?
大きなベッドは見たサイズだとキングサイズに匹敵していた。
彼女曰く、
「通販でクリックしたらこれが届いてしまって」
「‥‥大きすぎません?」
「大きいに越したことはないですよ」
と言っていた。
意外と私生活ボロボロだな、と思っていると彼女が帰ってきた。
うっすらと濡れた銀髪やゆとりがあるように作られた部屋着を見ると変に色っぽく見えるが気にしないように努める。
彼女は部屋に帰るなりキングベッドに飛び乗った。
「柔らかいです、椅子よりも」
「でしょうね」
「あ、シャワー浴びたかったら使っていい、タオルはそこ」
「ご親切にどうも」
至極当然な会話をしつつ名前を聞き忘れていたことを思い出した。
「そういえば、あなたの名前は?」
少女は少しの間黙ると、
「‥‥フォーマルハウテ・ルーナ」
「ではフォーマr」
「ルナって呼んで」
「‥‥ではルナさんは」
「さんはいらない」
「ですが」
「私が良いと言っているのよ」
「‥‥ではルナ」
少女はベッドに改めて座り直した。
「ルナは私が何者か知っていますか?」
少女は首を横に振った。
「知りたいですか?」
ルーナは少しの思考の後首を縦に振った。
「ならば私は何者なのか、貴女に教えましょう」
次回、彼の出生について。少しシリアスになるかも。