さぁやってまいりました入学式!ついに学校へ行けるぜぇ!
・・なーんてハイテンションで行けるはずもなく。
朝ごはんを食べた僕はいつも通りの生活だ。少し彼女は落ち着きがないが。
「ついに学校へ行ける!」
「ルーナ、いったん落ち着こう、まだ学校じゃない」
「いいでしょう今日くらい、学校では上手くやりますから」
・・どうやら内と外で使い分けるつもりのようである。本当に器用な人だ。
「んで、今日の予定は?」
「今日は入学式、校則の確認、クラスの確認、寮の割り振りの発表があります」
「・・暗唱できるほど読まなくても良かったんだぞ」
「でも覚えてる方がいいじゃないですか」
「それができるならね」
「事実私が出来ています!何なら入学式の内容も言いましょうか?」
正直あれだけを読み込んで覚えるのはすごいと思う。基本的に僕は体の動きで思い出すのでパッと思い出せる彼女に尊敬の眼差しを向ける。
・・かといってこんなしょうもない内容を覚えてもどうにもならんでしょ。
我にかえり尊敬の眼差しを向けることを
「・・全員ルーナと同じじゃないんだよ」
はぁ、危なかった。彼女の悪ふざけを助長しそうになった。
彼女は不満そうな意見を述べるが明らかに笑顔だ。どうやら判断ミスではないらしい。
「では制服に着替えて学校に行きましょう」
「ああ、ここから少しばかり遠いからな」
「ルーナは着替えたら部屋の外で待っていてくれ」
「外に出ないといけませんか?」
「なら何処で待つ?」
「部屋の中でとか」
「当然却下だ」
「・・残念です」
「何がだ」
彼女は観念したのか部屋に入っていった。
部屋の中から声がする。
「・・別に気になるなら入ってきてもいいんですよ」
「・・安心しろ、絶対入らないから」
彼女は自分の体を大切にすることを教えなければならない。それに自分も少し期待したような気がする。彼女は美しいからどこで
彼女は
自分に彼女は自分のものに絶対にならないと思い続けていると彼女が出て来た。
彼女の制服は白のブラウスに紺色を地色に銀の装飾とスカーレットの校章があしらわれたブレザーを羽織り紺色の膝ほどの丈のロングスカートを着ていた。
・・こうやって見ると出るとこ出てて絞るべきとこ絞ってあるなぁ。
「まさか本当に入ってこないとは」
「・・ある意味正しい考えを持っていてくれて良かったよ」
「ちなみに入ってきたら氷漬けにしてました」
「・・マジで?」
「嘘です、思いっきり歓迎してたかもです」
「・・どっちも笑えねぇのリアクションに困るんだけど」
彼女は基礎的なところが足りていない。寮生活で問題にならなければいいが。
「じゃあさっさと着替えてきます」
「ならば」
「ダメに決まっているでしょうに」
「・・ちっ」
・・僕に対する配慮はないのだろうか。
制服は白のシャツに紺色のジャケットと紺色のズボンとなっている。模様自体は彼女とほぼ変わらないな。
・・ドアの後ろから気配がする。
取り敢えず無属性魔法の基本魔法をドアにかけておく。
「
これで安心だろう。さっさとしないと彼女に怒られそうだ。
§
「解除」
そう唱えドアを開けた瞬間彼女はドアから崩れ落ちてきた。
取り敢えず事実を確認しよう。笑顔で。
「どういうことかい?」
「え、えーっと、あっ、そう!ドアにもたれていたらいきなりドアが開いたんです!」
「・・ふぅん」
「ごめんなさいドアが開かないのでドアに張り付いてました」
「素直でよろしい」
だろうと思った。でないとこんな倒れ方はしない。
「そんなに興味があるものですかねぇ?」
「ドアの向こうは見たくなるのが私です!」
・・もう何とも言えない。むしろ言わないでおこう。
「着替えたし学校へ行こうか」
「勿論です!」
・・尻尾を振ってついてくる犬のようだ。色々不安になる。
「ルーナは先に行って」
「何故です?」
「そっちの方が
「・・別に一緒でも気にしませんのに」
「君は良くても家家の名に傷が入るのは良いとは言わないだろう?」
「・・しょうがないです」
取り敢えず僕からは引き離させよう。僕は呪われたものだから。
「あ、それとできるだけ
「・・そんなにひ弱に見えますか?」
彼女の肉体の出来は素晴らしいと思う。ただし、それは戦闘用ではない。
「もしもの可能性があるので。魔力回復薬はちゃんと持っていきますよ」
「そんなにもしものことが起こる可能性はないと思いますが・・」
「何かが起こってからでは遅いですから」
「・・分かりましたよ、やっておきます」
「んーっと、あったあった」
戸棚から見つけ出したのは短剣と毒薬。先日夜に裏のマーケットと交渉して最安値で売ってもらったものだ。
これらは僕が戦地に向かう際に持っていたような記憶があるがある。
「これと魔力回復薬と書類を持って
ついに運命が動き出す時が来た。
§
学校にたどり着いたのは閉門ギリギリだった。
「学校に入れたしセーフ、かな」
「どこから入っているんだい!止まりなさい!」
「ありゃ、壁越えはアウトかぁ」
取り敢えず走る。入学式の会場へと走る。
「うわぁ警備の人がいっぱいだぁ」
こんな時には焦らないのが大事だ。
なるべく人の上の天井を走るように越える。クラスの張り紙があったが今は後だ。
「・・ここか」
入学式会場へと入る。よし、まだ開会宣言されてない。セーフだ。
隣にはルーナが座っていた。
「・・本当にギリギリね、間に合わないかと思ったわ」
「それでも間に合わせるのが僕だ」
「わけが分からないわよ。後ついでに言うと表向きにはアウトよ」
先生方が僕のことを凝視している。明らかに奇異の目だ。
「そんなに人気者になれるとは」
「・・学校より先に病院に行きなさい」
「少しはポジティブに感じさせてくれよ」
まぁこの後の事態は予測できているが。
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この後想定通り先生方にみっちりと怒られた。書類を出せから始まり、今は生活規律についてまで来た。ちなみにこの話実に24分以上かかっているのだ。
「・・ですからこの後生活習慣に関するお話を個別にしたいと思います。いいですね?」
「はい」
内容に関することは覚えているが正直しんどい。こんなに話を続けられた経験なんてない。教官でも長くても2分43秒を超えたことはない。怒ると言っていながら手を出さないのも怖くてたまらない。
「では教室に向かいましょう。あなたの教室はS-3です」
やっと教室に行ける。そう思ったが地獄でした。
うん、僕の噂のせいだな。髪を染めれば良かった。
明らかに僕が教室に入った瞬間ざわめきが一瞬止まり、席に着いた瞬間ざわめきが僕の話一色になった。
まぁ忌み嫌われた色ではあるからしょうがないが結構ダメージはある。
先生も僕の色に気づいたらしい。威圧されたので同程度で返しといた。
寮の部屋分けも出された。寮は男子寮と女子寮で分かれている。
僕は・・まぁ妥当か、一人だ。一人だと何かと楽だと思う。
もう話すこともなくなり先生が質問等良いぞと言った瞬間手を上げたやつがいた。
「先生、仲間との交流を目的とした質問を仲間としていいでしょうか?」
先生が頷くとやつは僕を指差した。
「お前はどうやって学校に来た?」
「おいおい、初対面でその呼び方はないでしょ」
「お前には指示権はない」
・・おぅ、どうやらケンカを売ってきているようだ。初日から元気なことだ。
「どうやって入ったか答えろ」
「どうもこうも普通だよ、試験受けて入った」
「不正でもしたんだろ」
「随分とひどい言い草ですね。僕は不正なんてしてる暇なやつではないんですよ」
「お前の家ならどんな不正でもできるだろ」
流石にキレそうだ。僕ならまだしもルーナの家のことを悪く言った。
「・・お前が僕に勝てるのならこの学校を辞めてやるよ」
「・・言ったな?」
「その代わり、お前が負けたらフォーマルハウテ家を悪く言ったことを謝れ」
「よし、今日この時間の後スタジアムに来い。俺はそこで
「そこまで臆病じゃぁないさ。観客もつけよう」
「ああ、平等に、な」
こうして新学期開始早々に生徒対生徒との
黒髪の人間が忌み嫌われる理由
・・「厄災」と呼ばれる怪物の人の時の姿が黒髪とされているから。
「厄災」は人を食物として生きているとされる怪物でこれが来ると人が次々に喰われるとされている。また人に姿を変え、人を誑かしその人を食べるとも言われている。
実際に「厄災」が現れたとされる国では国の三分の二の人口が消滅し、三国同盟を組んだ部隊により「厄災」を討伐したとされている。