拙い文章力ですが良ければ読んで貰えれば&評価やコメント頂けるとモチベーションが上がりますのでよろしければ
かつて人類はマグマ軍と呼ばれる謎の生命体に侵略されていた。
日本陸軍本部はそれに対抗する為、人型でありながら戦車や戦闘ヘリと同等の戦闘力を持つ『武器娘』の開発に成功。彼女らを用いてマグマ軍に占領されていた地域を次々と解放していった。
武器娘による反撃から約2年後、一部マグマ軍が人類側へ亡命した事件を切っ掛けに戦況は大きく傾き、人類とマグマ軍の戦争は人類側の勝利。そしてマグマ軍と和平を結んでこの戦争は終結した。……だが人類に牙を向いたのはマグマ軍だけではなかった。
戦争終結から約1年後、海から突如として現れた深海悽艦と呼ばれる生命体によって人類は再び窮地に追い込まれた。
深海悽艦が現れて間もない頃武器娘とマグマ軍による攻撃が行われたが、こちら側の攻撃が通用せず一方的に攻撃され壊滅。人類は制海権を奪われた。
その後制海権奪回の為に軍部が下した決断はマグマ軍襲来の際解体していた海軍の復活と海戦に特化した武器娘の開発であった。
それから数日後陸軍の約半分と一部マグマ軍によって再編された新生海軍が発足。更に数ヵ月後、海戦専用の武器娘の開発に成功。海軍は彼女らを『艦娘』と名付けた。
そして艦娘の手により、海沿いの地域とその周辺の海域の奪還に成功、人類の反撃が始まろうとしていた……。
艦娘が運用されはじめてから数日後、とある場所の鎮守府の門前
「ここが今日から俺たちの新しい駐屯地か……」
目の前に佇む施設に思わず感嘆の声を洩らしてしまう。
古巣であった陸軍司令部と遜色ない建造物。目に前の門には『横須賀鎮守府』と刻まれている。
……そういえば海軍の施設はそう呼ばれているんだった
「閣下。駐屯地ではなく、鎮守府というらしいです」
「ぬ……それを言うなら俺も閣下ではなく提督らしいぞ」
横には自分と同じく陸軍から異動してきた元マグマ軍武器娘『アルマータ』
元々は敵だったのだがとある戦闘で鹵獲し、今に至る迄様々な困難を乗り越えてきた戦友の1人であり大切な妻の1人だ
アルマータと門をくぐる。建物に向かって歩きながらも、思わず物珍しそうに辺りを見回してしまう。
ある程度建物に近づいて行くと入り口の前に誰かが立っているのが見えた。女性だ。
女性も此方に気付きこっちに向かってきた。
「今日付けで鎮守府に着任される提督とその副官殿、ですね?大本営から派遣されました。大淀と言います」
提督「元陸軍部隊司令の提督だ」
アルマータ「同じく元陸軍部隊副官のアルマータと言います」
大淀と呼ばれる女性と挨拶を済まし、早速建物内へ足を踏み入れる。
大淀「では、これから執務室の方へ案内しますね」
大淀の案内で執務室へ通される。中はシンプルながら使われている机や来客用ソファ、資料を保管する棚はどれも一級品だとわかる。
大淀「こちらでお待ち下さい。今他の者も呼びますので」
自分に敬礼をし、大淀は執務室から出ていった。
それを見届けた後、自分は提督用の椅子に腰掛け、アルマータは執務室に設置されている本棚のファイルを眺める。
数分後ドアがノックされ、入るように促すと二人の少女とピンク髪の女性と割烹着姿の女性、そして大淀が入ってきた。
暁「暁型一番艦、暁よ!」
響「暁型二番艦、響」
明石「開発、建造任務担当の工作艦、明石です!」
間宮「ここでの食事を担当しています。間宮です」
提督「提督だ。今日からよろしく頼む」
アルマータ「副官の重戦車014號アルマータです」
提督「…それにしても、まさかこんな小さな子が艦娘とはな」
暁「私は一人前のれでぃーなんだから子供扱いしないでよね!」
自分の呟きに怒る暁。その顔はプンスカという擬音が似合う可愛らしい顔だった。
武器娘でこんな小さな子はいな……いや、何人かいたか?
提督「あはは…すまんすまん」
暁「うぅぅ…撫で撫でするなぁ~!」
あまりにも微笑ましかった為、思わず暁の頭を撫でる。だがアルマータの刺さるような視線を感じすぐに止めた。これくらい許してほしい。
提督「ご、ごほん!顔合わせは一先ず済んだな!では、明日から本格的に運営を開始する。では解散!」
艦娘たちは敬礼をし、執務室を後にしていった。
アルマータ「閣下…?まさかあんな子供に手を出したりなんて、しませんよね?性的に」
提督「あ、当たり前だ!俺はロリコンじゃないし、お前とケッコン済みだろ」
アルマータ「うふふ、そうでしたね♪では閣下、一緒に施設を見て回りましょ?」
提督「おう」
アルマータは仲間になって以降自分に対して盲目的に好意を寄せるようになってしまい、それが原因で何度か……いや、何百回か駐屯地内で諍いがあった。
今でこそ彼女の扱い方になれたが、当時は死にかけた……戦闘中でもないのに死にかけた。
そんな昔の出来事を思い出しながら鎮守府を見て回る。
艦娘が住む寮、食堂、娯楽室、訓練所、酒保…多少の違いはあれど駐屯地の施設とあまり変わっていない。これならすぐに慣れそうだ
そして最後に工房へと向かった。
明石「あ、提督とアルマータさん!何か御用ですか?」
提督「ちょっとした見学だよ。で、これが建造機か……武器娘の頃より少しデカイな」
明石に軽く挨拶し、建造機を眺める。
アルマータ「あら、投入する項目が1個多いのね。ボーキサイト?」
明石「ボーキサイトは主に空母を建造したいときに投入する物です。他にも空母に搭載する艦載機の開発、補充にも使われます」
アルマータの疑問に丁寧に答えていく明石。アルマータも興味津々に聞いている。
アルマータ「あと最後に1つ……艦娘の装備を武器娘や我々マグマ軍が使用する事は出来る?」
その問いに思わず明石を見つめる。しかし彼女の申し訳なさそうな表情で察しがついてしまった。
明石「現段階では無理ですね…。私達艦娘と陸軍の武器娘では根本的な違いがあってどうしても運用出来ないんですよ……」
やはりか……。
陸の時は式神だったが、資料を見たところ艦娘は妖精を使用しているらしい……ここら辺に違いが出てしまっているのか…
提督「じゃあ、今武器娘達の装備を艦娘の装備に近付ける事は出来ないかな?」
明石「うーん……どうなんでしょう……そちら側の装備の仕組みは解って無いので何とも言えませんね……。ただ可能性としてはありかもしれませんね」
明石の答えを聞いてアルマータは顔を見合わせた。
アルマータ「閣下…!」
提督「あぁ!アイツを呼んでみるか…!」
自分たちのやり取りに戸惑いを隠せない明石。
提督「俺がいた部隊にその手の専門家がいたんだ。彼女を呼べばもしかしたらと思ってな」
明石「本当ですか!?是非会ってみたいです!」
提督「わかった。アルマータ、彼女に連絡を入れてくれ。あと向こうに保管してある装備も幾らか持ってこさせよう」
アルマータ「わかりました」
明石に礼を言って工房を後にし、アルマータは件の人物に連絡をとる為に執務室へ戻り、電話をかける。
プルルル…プルルル…ガチャ
『はい、こちら市ヶ谷駐屯地です』
アルマータ「お久し振りです市ヶ谷さん。アルマータです」
市ヶ谷『ア、アルマータさん!』
アルマータが電話を掛けた相手は、かつて自分達と共にマグマ軍と戦った軍人『市ヶ谷愛』。
市ヶ谷はアルマータの声を聞くや否や、驚きと喜びが混ざったような大声をあげていた。
市ヶ谷『司令官もそちらにいるのですか!?いきなり二人が海軍に編成されたんですから皆混乱してたんですよ!!』
アルマータ「ごめんなさいね。こっちもごたついてて、今朝ようやく鎮守府へ着任出来たの。閣下も今他の所へ見廻りをしているわ。それで、本題なのだけれど…」
軽く近況報告した後電話を掛けた経緯を説明。
市ヶ谷『成る程…1日程時間を頂けますか?彼女、一時的に古巣の方に居ますのでこのあと連絡を入れて、そちらの方へ向かわせます』
アルマータ「ありがとうございます。閣下に伝えておきますね」
市ヶ谷『司令官によろしく伝えておいて下さいね。では…』
通話が切れたのを確認すると受話器を戻し、アルマータは執務室を後にした。
一方自分は食堂で暁と響と話していた。
これから戦っていく仲間だ。少しでも彼女達の事を知りたいし仲良くしていきたい。
提督「成る程、艦娘にも色々種類があったんだな」
二人から艦の種類や運用について聞いている。
響「陸の方じゃ違ったのかい?」
提督「こちらも似たような感じだったかな。歩兵から始まって戦闘車・中戦車・重戦車に戦闘ヘリ…」
暁「アルマータさんは重戦車だっけ?」
提督「そう。艦で例えるなら…重巡や戦艦ってとこかな?彼女には助けられっぱなしだよ」
暁「でもあの人ちょっと恐いのよね……」
気まずそうに手を弄る暁。確かに初見じゃ無理もない。
そんな彼女の手をそっと握り、微笑みながら話す。
提督「確かにアルマータは元々マグマ軍だっただけあって冷酷で俺でも未だにヒヤッとする所もある。……でも彼女は仲間を文字通り身体を張って守ろうとする素敵な人だよ。今は会ったばかりで恐いかも知れないけど、少しずつ彼女の事を理解してくれると嬉しいな」
暁の目を見て不安を和らげるように優しく語りかける。暁は顔を紅くし、モジモジしながらも頷いた。
暁「わ、わかったわ…が、頑張るわ」
提督「ありがと、暁」
響「それより司令官」
空気を変えるように響が話しかける。
提督「ん、なんだい?」
響「言うタイミング逃して言えなかったけど、さっきからアルマータさんが後ろに……」
提督「……」
場の空気が凍りつくのがわかる。恐る恐る後ろを向くと、アルマータが殺気の篭った笑顔を自分に向けながら立っていた。
あぁ、この表情久しぶりに見たなぁ……人気投票でアルコナに入れた時以来か?
アルマータ「閣下……?私がいない間に何をしているのでしょうか?」
提督「ま、待てアルマータ……これは親睦を深める為であってだな……」
暁「う…ふぇ…やっぱり怖い……グスッ」
冷や汗を流しながら説明するが、彼女の笑顔の圧がどんどん強くなっている……。
その時だった。
間宮「皆さーん!今日のお昼はボルシチにしましたぁ!」
冷えきった空気をぶち壊すように厨房から香しい香りと共に間宮がやってくる。
アルマータ「まぁ!良いわね!」
響「ハラショー。こいつは良い」
アルマータ「あら貴女、ボルシチの良さを分かるなんて素晴らしいわ」
響「ボルシチもそうだがピロシキなんかも好物だ」
アルマータ「気に入ったわ!貴女とは仲良くなれそうだわ♪」
アルマータと響が談笑しながら間宮からボルシチを受け取りに向かう。
提督(間宮さん…助かった…!!)
先程の修羅場のような空気を吹き飛ばした間宮にひっそりと感謝する。
その後大淀も合流し、5人で食事をすることになった。
提督「そうか。あいつ向こうへ戻ってたのか」
アルマータ「ええ、明日改めて連絡がある筈です」
ボルシチを頬張りながら、市ヶ谷と話した報告を聞く。
暁「そういえば司令官とアルマータさんってどういう経緯で一緒になったの?」
大淀「確かに。確かマグマ軍って元々人類の敵だったんですよね?」
アルマータとのやり取りを見て改めて不思議に思った暁が首を傾げながら提督に聞く。
提督「俺が駐屯地の司令になりたての頃の話になるな。当時まだ武器娘の量産が充分じゃなくてね。マグマ軍の兵器を鹵獲、運用するっていう作戦が本部から送られて来たんだ」
大淀「随分無茶な作戦ですね…」
提督「俺もそう思ったさ、しかも上はご丁寧に鹵獲用の鎖を送ってきてな。半ばやけくそになりながら仲間達と鹵獲作戦を決行したんだ」
アルマータ「それで捕まったのが私ってわけ」
暁「よく司令官に味方しようって思ったわね」
響「確かに。敵側に運用されるなんて屈辱だった筈」
アルマータ「えぇ。最初は抵抗したり運用されるふりをして後ろから撃とうとすらしたわ。でも閣下と接している内に…」
響「惹かれた?」
アルマータ「そうなるわね」
提督「その後も色んなヤツを鹵獲しては仲間にして、今じゃ他の武器娘達より多くなってな」
アルマータ「閣下の人柄のせいか、他の連中も閣下になついて…」
暁「そのうち深海悽艦とも仲良くなったりして!」
提督「あはは!そうだと良いんだけどなぁ!」
その後も5人で楽しく食事を過ごし、暁達と別れアルマータと再び工房へ向かった。
アルマータ「何故、また工房へ?」
提督「戦闘に出られる艦娘が二人と考えるとやはりどうしても不安でさ。実験も兼ねて建造しようかなって」
建造機の前に立ち、備え付けられているタブレットに必要資材量を入力していく。
提督「これで良しっと……どうやら夕食頃に出来そうだな。それまでは書類仕事としよう」
アルマータ「はい、閣下」
その後執務室へ戻り、夕方まで執務をこなしていった。
そして夕食時間の少し前、執務室の扉がノックされる。
提督「どうぞ」
「おう、入るぜ」
扉が開く。そこには眼帯をし、刀をもった少女が。
天龍「オレの名は天龍。天龍型軽巡洋艦の一番艦だ」
提督「おぉ、軽巡洋艦か。提督だ、よろしく頼む」
アルマータ「アルマータと言います」
お互いに挨拶を済ますと天龍が怪訝な表情をする。
天龍「アルマータ?そんな艦いたか?」
提督「彼女は元々マグマ軍だ」
天龍「マグマ軍ってあの深海悽艦みてーなヤツじゃねえかっ!?」
刀に手を掛け、警戒する天龍。
アルマータは少し呆れ気味だがこれはマズイ……説明しなくては。
アルマータ「はぁ…一緒にしないで欲しいわ」
提督「とりあえず彼女は敵じゃないから刀を下ろしてくれ!これから一緒にやっていく仲間だ」
アルマータに敵意を向ける天龍に説明し、天龍も納得したのか渋々剣を納めた。
提督「やれやれ…そういえばこのあと夕食なんだ。他の皆への紹介も兼ねて一緒に行かないか?」
天龍「そうだな。じゃ、案内頼むぜ!」
3人は食堂へ向かい暁達に紹介し、夕食を済ませた後、明日の予定を確認。
その後解散し、執務室へ戻った。
提督「明日から忙しくなるな」
アルマータ「そうですね。でも、私達には閣下がいますから」
提督「はは、期待に応えられるよう頑張るよ」
そして夜が更け、自分とアルマータの着任初日は終わった。