(ミーシャ視点)
提督の鎮守府のヘリポート。
深海悽艦接近の報を受け、各ヘリの運転席にいる歩兵、大和、ソーニャがエンジンを起動させる。
各後部席には私、飯塚、主砲を外し銃を持ったベレーザの編成で座っている。
大淀『提督からの出撃許可下りました!ヒリュウさんも出撃です!』
ヘリの無線から大淀の指示が入る。
ほう、早速彼女も前線行きか。
ミーシャ「了解した。おいヒリュウ!貴様も出撃だそうだ!準備しろ!!」
無線を切り、弾薬の積み込みの手伝いをしていたヒリュウに叫ぶ。
ヒリュウ「っ!わかりました!」
ヒリュウが出撃ドッグへ向かったのを見届け、各員に出撃指示を出す。
3人が先に起動準備を終えていた為、すぐにヘリが離陸し、敵がいる海域へ飛んでいく。
ヒリュウ「お待たせしました!」
離陸から間もなくして、艦娘用の艤装を付けたヒリュウが合流。
偵察と先制攻撃をするため艦載機を放つ。
ヒリュウ「イ級、ホ級、ル級の編成ね。艦載機で先制、数を減らします!」
ヒリュウの合図と同時に前方で水柱が幾つか上がる。距離はそう遠く無い。
そして敵の部隊が視認できる距離になってきた。
ミーシャ「見えてきたな…総員射撃準備!」
敵艦隊を中心に円を画くように旋回するヘリ。
ヒリュウの攻撃でイ級2体撃沈、ホ級1体が大破している。
奈良『試作品の為、何が起こるかわかりません!くれぐれも扱いにはご注意をっ!!』
鎮守府に残り、主砲の開発を急いでいる奈良から通信が届く。
急遽支給された対深海悽艦装備は見た目は何処かかつて遊撃要塞の素材を用いて使われていたキメラ装備に似ているが、それなりに大きくかなりの重量がある。その重さのせいでベレーザ以外持ち上げる事が出来ずヘリに直接取り付ける事になり、スーパーコブラに至っては飛ぶことが出来ず今回は待機となった程だ。
…全く、こんなのをぶっつけ本番とはな。
ミーシャ「各員構え!……ってぇ!!!!」
私の合図で各ヘリから銃撃音が発せられる。
そして放たれた弾丸は見事深海悽艦の身体を貫通、ダメージを与えていく。
飯塚「っしゃあ!効いてるぜ!!」
大和「明石さんとあかりに感謝しないとね」
ミーシャ「各員銃に異常は無いか?」
ベレーザ「今のところは問題なしですわ」
上空から確実に敵を仕留めていく。
そして残るはあと1体まで追い込んだ。
ソーニャ「あとは戦艦級ね!」
ベレーザ「戦艦名乗るだけあってやるじゃない…!」
ル級に一斉射撃を行うが、頑丈な艤装で防ぎ合間を縫って砲撃や機銃で応戦している為中々倒せずにいた。
ソーニャ「危なっ!」
ル級が放った砲撃がソーニャのヘリの横を掠める。
ミーシャ「気を付けろ!ヘリの装甲も強化したが軽巡級の砲撃を耐えるのがやっとだ!」
ソーニャ「そんなことわかってるわよ!」
大和「どうするの…?あいつ本体に当てなきゃ…!」
飯塚「あいつの顔面に一発かませりゃ良いんだけどよぉ!」
上空からの攻撃を上手く避けるル級。
ヒリュウも艦載機で援護するが、練度不足のせいか上手く当てる事が出来ずにいた。
ヒリュウ「……ミーシャさん、私でもその銃使えますか?」
ミーシャ「使えんこともないと思うが……何をする気だ?」
ヒリュウ「ル級に接近して至近距離で撃ちます」
突撃か…。
ヒリュウの提案は確かに打開策としては有効性はあった。だが危険の方が高く下手をすればヒリュウが轟沈、最悪全滅もあり得た。
ヒリュウ「こうしてる間にも天龍さん達が…提督が危険です!………お願いです、やらせてください!」
その間にもル級の攻撃が続く。
提案を受け入れるしかなかった。
ミーシャ「しくじるなよ?」
ヒリュウ「…二航戦の名に懸けて…!」
ミーシャ「歩兵!ヒリュウの真上に来るように合わせろ!」
歩兵「了解しました!」
ヒリュウの動きに合わせるようにヘリが動き出す。
ル級も何かを感ずいたのか我々を攻撃しようとする。
しかし、飯塚とベレーザの援護射撃によって防がれる。
飯塚「おらおら突っ立ってんじゃねーぞゴルァ!!」
ベレーザ「じゃないとその頭撃ち抜くわよ?」
残りのヘリがル級の左右に分かれ援護してくれる。
更にヒリュウの艦載機の攻撃が加わりヒリュウ達への注意が逸れた。
ミーシャ「受けとれ!」
ヒリュウ「っ!重いっ…!けどっ!!」
後部席から銃を落とし、ヒリュウはバランスを崩しかけるものの見事キャッチ。
ル級目掛け突撃していく。
ル級「!?」
迫ってくるヒリュウを見て、咄嗟に艤装を前に出してガードするが、その瞬間左右から艦載機の攻撃を受ける。
ル級「ッギャア!」
痛みで思わずガードを解き、苦悶の表情を浮かべる。
ヒリュウ「そこぉっ!」
その隙を突いてル級の喉に銃を突き立て引き金を引いた。
弾丸は見事ル級の喉を貫通。その威力で数秒宙に浮き、着水。そのまま沈んでいった。
ヒリュウは沈んだ場所を見て、放心している。
ヒリュウ「はぁ…はぁ………やった…?」
大淀『敵艦隊全滅を確認しました!』
ヒリュウ「……ハッ!天龍さん達は!?」
大淀『未だ戦闘中とのことです!』
アルマータ『今閣下から正式に許可が下りたわ。各員はそのまま進軍、天龍達と合流しなさい』
ヒリュウ「了解しました!……ん?」
アルマータの通信を聞いて進軍しようとするが、ヒリュウが目の前に何かが浮かび上がって来るのを見て立ち止まる。
ヒリュウ「ミーシャさん!」
ミーシャ「…これは」
浮かんできたのは黒髪の女性……艦娘だった。
ミーシャ「これが噂のドロップ艦現象か…さっき戦艦級だった者か…」
ヒリュウ「どうします…?このまま放置という訳にも…」
ミーシャ「私が保護し、鎮守府に送り届けよう。その後合流する。皆もいいか?」
私の提案に同意し、一行はドロップした艦娘を任せて進軍をはじめる。
そして私は戦艦級だったと思わしき艦娘とヒリュウに渡していた銃を後部座席に乗せ、鎮守府へ向かった。