(ヒリュウ視点)
蒼龍と雪子さん&椿ちゃんは重巡ネ級と戦闘を開始したものの、蒼龍は中破。またソーニャのヘリも被弾し撤退を余儀なくされていました。
蒼龍「なんでよりによって飛行甲板に被弾なのよ…!」
蒼龍をやらせる訳にはいかない…!所属する鎮守府は違うし私はこんな身体になっちゃったけど……同じ二航戦だから!!
ヒリュウ「蒼龍下がって!」
飯塚「テメーの相手はアタイだぁっ!」
追撃してくるネ級に応戦する私と椿ちゃんだけど対空射撃で残った艦載機は全滅、ヘリも被弾してしまう。
ヒリュウ「そんなっ!」
大和「流石にヘリの機動力じゃ限界があるわね…!」
ネ級は煙を上げ、不安定な飛行をするヘリに照準を定める。
それを阻止する為に北上さん、木曾さんが合流してくれる。
北上「させないっての!」
残っていた魚雷全てを発射するけど、命中したのはそのうちの2,3本で撃沈には至らなかった。
攻撃を食らったネ級は目標を北上さんに変え、砲撃を開始する。
北上「やば…ぐぅっ!」
まともに直撃はしなかったものの中破してしまう。
どうしよう…艦載機がなきゃ何も…!
その時、ふと隣にいる蒼龍を見た。
その矢筒にはまだ矢が……艦載機があった。
ヒリュウ「蒼龍、艦載機を貸して」
蒼龍「はぁ!?」
ヒリュウ「私が貴女の代わりに江草隊を出すわ。だから」
蒼龍「ふざけないで!!」
ヒリュウ「っ!!!」
私の提案に激昂する蒼龍。
その顔には嫌悪感がこれでもかと発せられている……。
提督があれだからたまに忘れてしまうけど、私は深海悽艦なんだ……拒絶されるのは当然ね……。
蒼龍「江草隊は私の大事な艦載機よっ!それをあんたに…深海悽艦になんか死んでも貸すもんですか!!!」
ヒリュウ「…蒼……龍…」
蒼龍の反応は当然…当然だ。
……だけど…彼女の想像以上に強い怒りと拒絶に動きを止めてしまった。
大和「避けなさい!」
ヒリュウ「っ!」
その隙を突かれ砲撃を受け、大破してしまい艦載機の発着が不能になってしまった。
更に最悪な事にヘリの燃料漏れが発覚、撤退せざるを得なくなってしまった。
大和「無様ね…撤退よ…!」
飯塚「ちくしょう…!覚えてやがれよっ!!!」
北上「…これってピンチじゃない?」
航空援護が無くなり、残る対抗手段は北上さん、木曾さんの持つ単装砲のみ。
二人の頬に冷や汗が伝っている。
その時だった。
ミーシャ「すまない。待たせたな」
ヒリュウ「…ミーシャさん…!」
ミーシャさんが乗っているヘリが駆け付けてくれた。
北上「あー、そこのマグマ憲兵さん?」
ミーシャ「ぬ?私か?」
北上「私らの火力じゃこいつを倒しきれないんだけど…なーんか手はない?」
ミーシャ「ほう…本当に良いタイミングだったな」
北上さんの質問に思わずにやけるミーシャ。
何か打開策があるのかしら?
ミーシャ「早速出番だ。16」
16「……」
16ちゃんが後部席から身を乗り出して構えたのは、戦車砲だった。
だけど彼女が普段装備している戦車砲ではなく何処と無く深海悽艦が持つ主砲に似ている。
……まさか対深海悽艦用の戦車砲が完成したの…!?
ミーシャ「明石と奈良が急ピッチで組み立てた砲だ。外すなよ?」
16「シレイノテキシレイノテキシレイノテキシレイノテキシレイノテキシレイノテキシレイノテキ…」
ミーシャ「やれやれ……」
あ、16ちゃんの脳内が提督のことでいっぱいになってるわね。
…いつもの事だけど。
ミーシャ「普段はただめんど……厄介だが戦闘中にこうなると頼もしいものだぞ」
今面倒って言いかけましたね……。
だけど、確かに彼女が発する威圧感は凄まじく、彼女と戦車砲を見て身の危険を感じたネ級が主砲を構える。
だがそこへ北上さんと木曾さんが単装砲で妨害してくれた。
北上「へいへーい」
木曾「よそ見するんじゃないぞ!」
2人の妨害で意識がヘリから逸れる。
そして狙いを定めた16ちゃんが冷たい目でネ級を見下ろしていた。……うわこっわ。
16「司令の邪魔をする奴は……私が消す…!」
16ちゃんが放った砲弾が見事ネ級に命中、海中に引き摺られるように沈んでいった。
16「あ゛っづい゛!!!」
ミーシャ「ぬ、やはり試作品ではこうなってしまうか」
戦車砲に欠陥があったのか、排熱が上手くいかず砲内に溜まった熱が16ちゃんを焼き始めていました。
砲身の熱に耐えられず、慌てて投げ捨てるように外す16ちゃん。
16「ヒィィ……し、しし司令官にふ、フーフーしてもらわなきゃぁ~…し、司令の息で……フヘヘヘ…」
うわこっわ……
彼女から目を背けるように辺りを見回して戦況を確認する。
残る敵は長門さんや金剛さん達が相手をしている戦艦と……天龍さんが戦っている軽巡級だけだった。