りっく司令、提督になる   作:ピギヤンマ

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外伝 再起

(駒門視点)

 

翌朝、朝食を終えた第1艦隊、第2艦隊のメンバーは作戦会議室に集まっていました。

彼女達の表情を見ると、決意を固めた子もいれば迷いを抱えた子もちらほらと見えました。

そんな彼女達は正面の作戦ボードの前に立っている私の言葉を待っている。

 

駒門「集まりましたわね。現時刻、0830をもって戦艦級比叡捕獲作戦を決行いたしますわ」

金剛「捕獲……」

 

救出ではなく捕獲という言葉に俯く金剛。

 

そんな彼女を気に留めながら説明を始めようとしたその時、突然会議室の扉が開かれました。

 

長門「待ってくれ!」

 

入って来たのは長門と、彼女を止めていたのでしょうか、息を切らしている74式でした。

 

90「何事ザマス!」

74「すまな…すいません麗香様!こいつが作戦会議中に」

駒門「…どうしましたの?」

 

冷や汗を流しながら謝罪する74式を下がらせて、長門を見る。

長門は私の前に立つと深々と頭を下げた。

 

長門「急にすまない……私も、作戦に加えてくれ」

木曾「っ…!」

 

長門の言葉に木曾を初めとした数人の艦娘達がどよめきだす。

私も顔には出しませんでしたが、正直動揺しました。

 

彼女が急に復帰するなんて…いったい何が…?

 

長門「もう迷わない…もう躊躇わない…だから、戦わせてくれ…!」

駒門「…」

 

…全く、決めるのが遅くってよ。

 

…けど

 

少しだけ眉間を抑え、再び長門を見る。

 

駒門「…さっさと座りなさい。時間がありませんの」

長門「……ありがとう…!」

 

ここで長門が来てくれた事は嬉しい誤算ですわ。

 

長門は近くの席に座り、再び作戦ボードの前に立つ私の言葉を待っている。

 

駒門「…それじゃ、改めて概要を説明しますわ。作戦目標は比叡の確保、及び捕獲です。…もう彼女は艦娘ではなく深海悽艦。説得等は無駄と判断しましたわ」

 

金剛を初めとした出撃メンバーに酷しい現実を突きつけていく。

金剛や木曾、雪風らは悔しそうに歯を食い縛っているのが見える。

 

駒門「だけどこのままじゃ終われませんわ!捕獲して元に戻せるように彼のいる鎮守府と協力してなんとかしてみせますわっ!」

雪風「しれぇっ…!」

五十鈴「そうこなくっちゃ!」

駒門「この作戦が彼女を止める最後のチャンスですわっ!比叡が深海悽艦として完全に敵に回ってしまう前に何としても捕まえますわよっ!!」

 

私の言葉に先程まで沈んでいた数人の表情が少しですが明るくなっていきました。

 

そんな彼女達を見て力強く頷き、改めて作戦ボードを使って説明を続けます。

 

駒門「まずは比叡を深海悽艦たらしめている艤装の破壊、その後人型深海悽艦用捕獲鎖で彼女を確保する戦法ですわ」

木曽「向こうの提督がくれた鎖だな」

駒門「えぇ。次に出撃メンバー。第1艦隊旗艦……金剛」

金剛「…イエス」

 

昨日の件があったせいか声に覇気が無く、それどころかこちらを疑うような…いえ、どちらかといえば試すような目線を送っていました。

 

駒門「金剛、昨日はああするしかなかったとは言え、辛い思いをさせてしまってごめんなさい……。けど、私も最後まで足掻いて協力しますわ。だから…気合い入れて行きなさい!」

金剛「っ…わかりまシタ…!連れて帰りマスッ!!」

 

私の言葉で納得してくれたのか、先程までの表情も消えていき、私が知っている何時もの金剛が少し戻ってきてくれました。

 

駒門「次、那智、木曾、北上、五十鈴、加賀」

 

五十鈴「えっ?」

 

自分がまさか第1艦隊に選ばれると思っていなかったのか、彼女すっとんきょうな声を上げましたわ。

 

駒門「貴女の能力なら第1艦隊に入れても問題ないですわ。頼みましたわよ」

金剛「よろしくデース!」

木曾「お前なら背中を預けられるぜ。よろしくな」

五十鈴「…えぇ、五十鈴に任せて!」

加古「じゃあ第2の旗艦って誰なんだ?」

 

加古の質問に舞い上がっていた五十鈴達も確かにと顔を見合わせる。

 

駒門「第2艦隊旗艦は、長門…貴女ですわ。次に加古、阿賀野、雪風、不知火、海風の順ですわ」

長門「なっ…」

 

旗艦の指名に驚く長門。そして次第に不安気な表情へ変わっていく。

 

駒門「何を今更不安になっていますの?元第1艦隊旗艦。さっき見せた覚悟で皆を引っ張って行きなさい」

長門「しかし…私が旗艦で本当に良いのか…?」

 

不安気に第2艦隊メンバーである阿賀野や雪風達の方を見る。

 

加古「あーあ、折角あたしが旗艦になれると思ったのになぁ~」

長門「っ…」

加古「でも、長門さんなら仕方ないか」

 

ニシシと笑い、納得した様子の加古。

そして他のメンバーも納得し、歓迎していました。

 

長門「…ありがとう…!皆の期待は絶対裏切らない!!」

 

拳を強く握り締め、加古達に清々しい表情で宣言する長門。

 

おかえりなさい、長門。

 

私もその様子を見てどこかホッとしましたが、直ぐ様気を引き締めて金剛や長門達に言い放ちます。

 

駒門「では皆さん、準備に掛かってくださいましっ!艦隊、出撃!!」

一同「了解!!」

 

全員起立し敬礼した後、会議室を後にする。

 

金剛「第1艦隊、出撃デース!!」

長門「第2艦隊、出るぞっ!」

 

トラック泊地へ進んでいく一行を私は執務室の窓から見送っていました。

 

 

 

絶対に全員生きて帰って来てください。

 

 

 

その時、執務室の扉が開き16式が入室してきました。

 

16「麗香様っ!彼女から連絡が入りました!」

駒門「来ましたわね…!例の準備をさせてくださいましっ!」

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