りっく司令、提督になる   作:ピギヤンマ

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外伝 イレギュラー

(長門視点)

 

私達は目的の海域まで数百メートルまで近付いてきていた。

五十鈴と加賀はそれぞれ水上偵察機と艦載機を飛ばして偵察を行っている。

 

五十鈴「敵艦反応あり!…これって…!」

長門「どうした!?」

 

険しい顔の五十鈴と加賀を見て、緊張感が高まっていく。

 

加賀「敵艦隊多数…前方、およそ60…」

金剛「ホワッツ!?」

 

加賀の報告に、私も含め皆信じられないと目を見開く。

五十鈴を見るが、五十鈴も同じ結果だったのか静かに頷く。

 

木曾「なんて数だ…!」

不知火「奴等も警備を厳重にした…!?」

那智「だが、退くわけにはいかない…!」

五十鈴「そろそろ見えてくるわよ!」

長門「くそっ…総員、砲雷撃戦用意!!」

 

主砲を構え、戦闘準備に入りながらも前進していく。

そして情報通り敵深海悽艦の姿が見えてきた。

空母級20、軽・雷巡級15、戦艦級20、駆逐級5の大部隊を前に私と金剛は冷や汗を流していた。

 

こんなのとまともにやりあっていたら比叡にたどり着く前に消耗してしまう…!

だが、やらなければそもそも突破すら出来ない…!

 

せめて第1艦隊だけでも!!

 

長門「大歓迎だな…!第2艦隊、総員主砲構えっ!!」

駒門『その必要は無いですわ』

 

狙いを定め、撃とうとした瞬間提督から無線が入る。

それと同時に私達の後方上空から複数のミサイルや砲弾が通過していき、前方にいる艦隊を攻撃した。

 

金剛「な…!」

長門「これは一体…!?」

 

全員の視線がミサイルを放った物体に集まる。

その正体に思わず足を止め、驚愕の余り数人が口をあんぐりと開けている。

 

なんだこれは…!?

 

駒門『間に合いましたわねっ!遊撃要塞ブレストですわっ!!』

 

『遊撃要塞ブレスト』たしか資料で見たことがある……意思を持ったマグマ軍の巨大移動要塞で様々なタイプがあったと聞くが…。

 

提督や90式達はこんなのと戦っていたのか……!?

 

 

駒門『雑魚はコイツに任せてくださいまし!貴女達は早くと比叡を!』

金剛「レーカ…!サンキューデース!!」

駒門『さぁ、お行きなさいブレスト!久し振りに大暴れしちゃって!!』

ブレスト「ギュイイイィィィイイイイイィィイイイイイイイイ!!!!!」

 

雄々しい雄叫びと共に左右の巨大な連装砲が火を吹き、深海悽艦を吹き飛ばしていく。

私達はブレストの攻撃で出来た艦隊の隙間を全速力で進んでいく。

 

加賀「艦載機より入電。前方に反応あり…比叡です」

金剛「っ!……了解デース…!」

 

加賀の報告からしばらくして、前方に1つの影が見えてくる。

それは紛れもない深海悽艦と化した比叡の姿であった。

 

ヒエイ「……来タカ、艦娘共……」

 

金剛「比叡…今度こそ連れて帰りマスッ!!」

ヒエイ「連レテ帰ル……?」

 

戦闘態勢に入っている金剛を睨み付ける比叡。

 

ヒエイ「ナラワタシハ……アンタ達ヲ沈メテヤル……!」

 

その瞬間、艤装から砲弾が放たれる。

私達は、第1及び第2艦隊で別れて比叡を包囲するように回り込み、反撃を開始する。

 

金剛「ファイアー!!」

長門「主砲一斉射!ってぇ!!」

 

金剛との合図で同時に主砲を射っていく。

加賀も艦爆を発進させ、比叡目掛け爆撃を開始する。

 

だが比叡はその場から動くこと無く、砲撃と爆撃を一身に受ける。

 

金剛「シィット!…あれだけ攻撃したのに掠り傷しかついていまセン…!」

五十鈴「なら、雷撃ならどうかしら…!?木曾!北上!阿賀野達も行くわよ!!」

木曾「おうよっ!」

北上「りょーかい!!」

不知火「不知火達も続きます!」

 

比叡から放たれる砲弾を避けつつ、五十鈴を始めとした軽巡・雷巡・駆逐艦のメンバーが比叡に接近していく。

私や金剛、那智は副砲で彼女達の援護に回る。

 

そして五十鈴・木曾・北上は比叡の左側から。阿賀野・雪風・海風・不知火は右側から接近し、そしてすれ違い様に魚雷を放っていく。

 

魚雷は見事命中、水柱が比叡を包み込み小さな虹が出来上がる。

 

木曾「これだけの魚雷を食らったらひとたまりもない筈だっ!」

長門「油断はするなっ!艦隊、陣形を再編し距離をとれっ!」

 

各々陣形を組み直し、降り注ぐ水飛沫の中を凝視している。

 

金剛「まだデスね」

長門「あぁ、まだまだだ」

 

水飛沫が減っていき向こう側がうっすら見えてくる。

そこには黒い影が佇んでいるのが伺えた。

 

ヒエイ「調子二乗ルナ…!!」

 

その時だった。

比叡の足元から大きな水飛沫が上がり巨大な腕が飛び出してくる。

 

長門「なんだ!?」

ヒエイ「アナタ様ハ…!」

 

「随分楽シソウナ事ヲシテルジャナイ」

 

比叡が足元から現れたそれに膝まずく。

その正体は黒髪の女性……いや、深海棲艦なのだが……艤装が今迄見たことの無いタイプで、一言で言い表すのであれば『化け物』という言葉が良く似合うものであった。

 

だが、それだけじゃない……この深海棲艦……喋っている…!

『言葉を話す』ただそれだけの事なのに、異質であると同時に他の奴等とは違う威圧感を感じた。

 

戦艦「コノ戦艦棲姫モ混ゼテモラウワ」

艤装「オオォォォォォォォォオオオオ!!!!」

 

凄まじい咆哮をあげる戦艦棲姫の艤装。

 

金剛「来マスッ!」

長門「各艦警戒しろっ!!」

 

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