(提督視点)
そいつらが現れたのは本当に突然だった。
マグマ軍との戦争が終結してから暫くして、沿岸部から後の駆逐級·軽空母級·軽巡級が出現し船舶を攻撃しているという報告が相次いだ。
謎の生命体出現の報告を受けた陸軍は、中隊規模の部隊を編成し、情報収集も兼ねて出撃させた。
しかしその後、彼女達からの報告は無く本部から『隊員全員の死亡及び消息不明』の報告が届いた…。
正直信じられなかった……彼女達の練度は全員100を超えているベテランだ。
マグマ軍との戦いでもそうそうやられることが無かった皆が……死んだのだ。
それから約1週間後、再び出現。
前回より数が多く前回見られなかった人型の個体も多く見受けられた。
本部は前回の反省を踏まえ敵勢力の倍以上の人員を派遣。味方マグマ軍含め大隊規模での戦闘が起きた。
しかし結果は『大敗』。出撃した人員の8割を損失した。
そしてこの戦闘で通常火器が意味を為さない事が判明し、本部の御偉方がキレ散らかしていたのは今でも覚えている。…正直自分も流石に頭を抱えた。
だが、決して無駄な戦闘では無かった。
『SSNO』の装備が現状唯一奴らに対してダメージを与える事が出来ていた事が判明し、本部は清算度外視で月詠機関にありったけの装備の開発を依頼、それと同時に海上での戦闘に特化した武器娘(後の艦娘)の開発に着手した。
そして奴らの名称もこの段階で『深海棲艦』に決定し、以降それで統一された。(第一案がアクア軍だったらしいが、マグマ軍皇族から反発されて没になったらしい)
そして3度目の戦闘が勃発。陸軍及び味方マグマ軍の総兵力を投入した総力戦が始まった。
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総力戦から数時間後、司令室
提督「第6部隊応答しろっ!!」
自分は返事が返ってこない無線に必死に呼び掛けていた。
着弾の衝撃でひび割れた頭上のモニターには現在の戦況、そして出撃している隊員の状態が表示されていた。
だけど自分はそのモニターを直視することが出来なかった。
そこには大半の隊員の状態が『LOST』と表示されていたからだ。
そんなはず無い…機械が壊れただけだと信じながら無線の周波数を弄りながら各部隊に呼び掛けていた。
提督「もういいっ!本部から撤退命令が出ている!!!誰でもいいから返事をしてくれ!!!!」
また1つ…また1つと警告音と共に隊員に『LOST』の表示が増えていく……。
その時今までに無い大きな衝撃と共に部屋の一部が倒壊し、外の様子が…地獄が直接目に入ってきた。
提督「……ウソだろ…!?」
先程の衝撃の正体は遊撃要塞が近くに落ちたのが原因だった。
そしてその付近には巻き込まれたであろう陸軍兵士や整備士、マグマ軍兵士の亡骸が転がっていた。
提督「…なんなんだ…!くそったれっ……!!」
成す術も無く只立ち尽くすしか出来ない自分に腹が立つ。
アルマータ「閣下!!」
突如聞こえたアルマータの声で我に返った。
彼女も全身傷だらけで至る所に出血、特徴的だった頭部の角も折れていたが……生きていた…無事だった…!
提督「無事だったか!?他の皆は!?」
アルマータ「私の部隊は本部からの撤退命令を聞いたので撤退させましたっ!」
提督「よくやった!アルマータは動ける隊員と一緒に怪我人の運搬を頼む!!」
アルマータ「はっ!」
敬礼した後直ぐ様行動に移るアルマータ。
その直後に再び近くで敵の砲撃が着弾し爆発、その勢いで自分は瓦礫に吹き飛ばされてしまった。
アルマータ「閣下っ!!あぁ……なんて事…!!」
衝撃で頭を打ったせいか意識が朦朧とする中、爆発を聞いてUターンしたアルマータに抱き抱えられる。
彼女の表情を見たところ相当大怪我を負ってしまったんだろう。
市ヶ谷「大丈夫ですか司令!……酷い傷……!運びますよ!」
別の部隊の指揮を取っていた市ヶ谷も隊員を撤退させた後爆発を見てこちらに合流してくれた。
そして2人に運ばれ撤退用に用意されたヘリの後部席に寝かされ離陸、ヘリは撤退を始める。
それと同時に陸側からジェット音が聞こえてきた。
市ヶ谷「航空隊…!?」
ヘリとすれ違うように海へ飛んでいく複数の戦闘機。……おそらく撤退の時間稼ぎの無人飛行機だろうか。
そして深海悽艦目掛け爆撃するが、SSNO装備では無いため相手は傷一つ負わないのは見なくても分かった。
そして仕返しとばかりに艦載機と対空砲火で次々と撃墜されていく音が外から聞こえてくる。
うっすらと聞こえる爆発音とそれを見て絶望する市ヶ谷を横目で見ながら自分の意識はだんだん遠退いていった。