りっく司令、提督になる   作:ピギヤンマ

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発見

(アルマータ視点)

 

 

 

 

 

各々食事を済ませた後、第1艦隊とヘリ部隊は出撃、残った者は鎮守府内で各々作業を、そして私は閣下に代わって執務を開始していた。

 

コンコン

 

執務を始めて数時間後、控えめなノックが響く。

入室を促すと入ってきたのは暁だ。

暗い表情で入ってきた暁を見て、私は用件を察してしまった。

 

アルマータ「…どうだった?」

 

答えが解りきっているが、一応聞いてみる。

彼女は無言で首を横に振る……やはり、そうでしょうね。

 

暁「天龍ちゃん……やっぱり部屋から出て来なかったわ……」

 

暁の用件は、軽巡ホ級…もとい龍田を自分の手で殺めてしまった天龍の事だ。

執務を一時中断し、暁をソファーへ促す。

 

アルマータ「…そう…食事のほうは?」

 

ソファーに座った暁の所にお茶を出し、私自身も専用の椅子に腰掛ける。

 

 

 

暁「この間利根さんや椿さんが無理矢理食べさせて以降、少しだけど食べるようになってるわ」

アルマータ「ツバキから聞いたわ。部屋に入ったら衰弱してたらしいわね…」

暁「天龍ちゃん……ずっとあのままなのかなぁ……?」

 

 

正直、私達に出来る事は祈る位しかないだろうと思う…。外で私達が何を言っても、実際に立ち直るかどうかは彼女次第なのだから……。

 

でも、閣下が指揮する鎮守府に居るのだから絶対に立ち直る。

私はそう信じているわ。

 

……全く、昔の私なら『閣下以外虫けら同然』と気に掛けていなかったけれど、気が付けば仲間意識というのかしら……彼女達を気に掛けるのが当たり前になっていた。

 

ふふ、閣下のお側にずっと居たせいなのか閣下の影響を受けてしまったようね。

 

アルマータ「今は、信じて待つしかないわ…そこから立ち上がるかどうかは天龍自身が決める事だから……ごめんなさい……今は、こんなことしか言えないわ」

暁「グスッ……ううん…そう、よね…」

アルマータ「…落ち着くまでここに居るといいわ。この件は閣下にも伝えておくから、きっと大丈夫よ」

 

暁を慰めた後、再び執務を再開しようと立ち上がる。

そこへ大淀が入ってきた。

 

大淀「アルマータさん!」

アルマータ「ノックもせずにどうした?」

 

急いで入ってきたのか少し肩で息をしている大淀。

 

大淀「救難信号をキャッチしたんです!ここから南東、本土から数キロ離れた所に位置する孤島です!」

アルマータ「ここから南東…?」

 

場所を地図で調べる。

そしてその場所を見て思わず目を見開いた。

 

アルマータ「あの戦いがあった場所…!」

 

……このタイミングで閣下や私達に因縁のある場所なんて…!

 

アルマータ「艦隊の状況は?」

大淀「現在予定海域で作戦行動中。帰投予定時刻は1530です」

 

机に置いてある時計に目をやると1201を表示している。

第一艦隊が帰還して直ぐに再出撃すれば行けそうだが、閣下のいない状況でこのような作戦をとっても良いのか悩ましい…。

 

他の鎮守府に頼むべきか…?いや、他の鎮守府からだと距離が遠過ぎる。

 

アルマータ「……艦隊帰還後、その海域に向けてすぐに出撃させるわ」

 

大淀「艦隊の疲労度合いにもよりますが、連続出撃は……」

アルマータ「わかってるわ……。この作戦の責任は、私が全て負います」

 

全ては閣下の為に。

 

 

アルマータ「現在の敵の動きは?」

大淀「今の所大きな反応はありません。ただ、信号は現在も発信されているため気付かれてしまうかと」

 

利根『こちら第一艦隊じゃ。作戦は成功、損害も無しじゃ』

 

丁度いいタイミングで艦隊から作戦の成功の報せが届く。

このままいけば時間通りに帰還出来そうね。

 

 

アルマータ「今すぐ帰投を。戻り次第ブリーフィングを開いて補給が済み次第再び出撃させる」

利根『なっ!?急にどうしたのじゃ!?』

アルマータ「鎮守府から数キロ離れた海域で救難信号を拾ったのよ。場所的に一番近いのが私達よ」

利根『……そういうことならば仕方がない。わかった、出来るだけ急いで戻る!』

アルマータ「頼むわね」

 

そして15:08。

事情を知って急いで帰投した利根達を、大淀が出迎えてくれた。

そして彼女から軽く説明を受け、こちらにやってくる。

 

利根「艦隊帰投したぞ!」

アルマータ「よし、概要を説明する」

 

執務室に出撃メンバーが揃い、作戦概要の説明を始めた。

 

アルマータ「先ずは作戦ご苦労。ゆっくり休ませたい所だがそうは言ってられなくなった。南東の方角にある孤島…ここで救難信号がキャッチされたわ」

 

地図を指しながら説明していく。

 

ヒリュウ「なんでそんなところに…?」

アルマータ「…以前、そこの近辺で陸軍と深海棲艦の戦いがあったのよ。もしかしたらその生き残りの可能性もあるわ。これより第一艦隊とヘリ部隊は補給完了後出撃、救助任務を行ってもらう。連続の出撃で辛いと思うけど頼むわね…!」

 

敬礼する一同。

そして各自補給と間宮から受け取った軽食を食べ終え、配置に着く。

 

利根『艦隊何時でも出撃OKじゃ!』

 

利根から無線が入る。

それに続くようにヘリ部隊の方でも出撃準備完了の無線が届いた。

 

アルマータ「了解。今回は夜戦になる可能性が高い。各自索敵に気を配るように。……出撃!」

利根『第1艦隊抜錨じゃ!』

鯖江『全機離陸するよ!』

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