りっく司令、提督になる   作:ピギヤンマ

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孤島

とある孤島。

 

そこは本土に近いものの海に囲まれている為かつての戦いの傷跡が修復されず放置されており、流れ着いた戦車や戦闘機の残骸が辺り一面に転がっていた。

 

私達はその残骸の1つ。砂浜に落ちている比較的損傷が軽い戦闘機の操縦席で基盤を弄っていた。

 

「いけそう?」

「これがだめならもうチャンスはないわね。…この信号が最後の希望ってとこかしら」

 

操縦席で基盤を操作している私の様子を見ているのは元山岳レンジャー、松本亜衣璃。

 

そして私は『特戦群』と呼ばれる陸軍特殊部隊に所属していた出浦信(あき)。

 

私達は基盤がいくつか剥き出しになっている操縦席を弄りながら会話を続けていた。

 

(出浦視点)

 

松本「この数ヵ月これを治す為に頑張ってきた…」

出浦「そうね…あなたの知識には何度も助けられてきたわ」

 

島に漂着してからの数ヶ月、私達は亜衣瑠の知識で食料の調達から寝床の確保まで何かと助けられてきた。

私も一応同じ部隊の仲間だったしのぶから何回か教わっていたけれど、付け焼刃の知識じゃ彼女の知識と経験には敵わなかった。

 

 

松本「それにしても、あの時……あの爆発でここに漂着なんて、運が良かった…」

出浦「……本当、運が良かったわよ…」

松本「…?」

 

含みのある言い方をする私を不思議そうに見る亜衣瑠。

 

彼女には言っていないのだが、当時のこの近辺は今以上に深海棲艦が徘徊していたわ。

私もそうなのだけど、その中を掻い潜ってここ迄流されたのは本当に運が良かった。

 

その時島の奥から何者かが音を立ててやって来る。

と言っても誰かなんてのはすぐに察しがついた。

 

松本「収穫はどう?」

 

操縦席から顔を出し、出てきた人物を見る。

そこには服に付いた葉っぱを払い落とすAH-64D改と両手いっぱいに果物を抱えたOH-1改がいた。

2人とも亜衣瑠と同じ部隊にいたらしく、撃墜されて私達が流れ着いた場所の反対側の場所に不時着したらしい。

そして無事だったのは良かったけれど装備が大破して飛べなくなったとのこと。

 

 

OH「意外な穴場を見つけました!ほらっ!」

 

差し出された両手いっぱいの果物に目をやる。見たことのある果物から見た目が怪しいものまで色とりどりだ。

 

64「わたしは魚っ!!」

 

流れ着いたボロ布で作った風呂敷には十数匹の大小の魚が包まれていた。

 

今夜は久し振りに満足に食べられそうね。

 

松本「日も落ちてきたし…食事にする…」

 

操縦席から飛び降り、食事の準備に掛かる。

 

私が火を起こし、亜衣瑠がサバイバルナイフで魚を捌いていく。

これまで何度もやって来たお陰か、日が落ちる前に目の前にこんがり焼かれた魚にありつけた。

 

 

出浦「それじゃ、いただくわ」

 

串に刺し、焚き火で焼いた魚を食べはじめる私達。

最初は64が不満を溢したりOHが不安で泣いたり大変だったけど今日まで生き延びられた。

 

今もなお発信され続けている救難信号。

あとはこれを誰かが拾ってくれれば……。

 

 

その時だった。

 

松本「何か来る…!」

一同「!?」

64「救援……!?」

出浦「だとしても早すぎるわ」

OH「奴等に気付かれたみたいね……!」

出浦「ついてないわね…火を消して森の中に隠れるわよ」

 

急いで焚き火に水を掛け、森の中に身を隠す。

そして手頃な木に登って双眼鏡を覗きこんだ。

 

そこには瞳をライトのように光らせている深海棲艦の部隊が3つほど確認出来た。

 

 

出浦「囲まれてるわ」

松本「こっちでも確認した…ちょっと厳しいかも」

 

今迄も何度か奴らが接近してくることはあったけれどこんなに多くやってくることは無かった。

このタイミングでこんなに来るなんて、私達が発した救難信号を受信したとしか思えないわね。

 

 

 

深海悽艦の瞳がこちらを見付けようと島の至る所を見ている。

その時別の方向からライトの光が深海悽艦の身体をを照らしだした。

 

利根「敵艦隊発見!夜戦じゃ、いくぞっ!!」

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