ソーニャ「歩兵はさっさと私の対海水スーツを持ってきなさい!私達は運転にまわるわ!」
歩兵「こちらにあります!」
海水に弱いマグマ軍兵士用に作られたスーツを着たソーニャと歩兵がそれぞれヘリの運転席に乗り込む。
奈良はヘリの近くに停まっているトラックの荷台から深海悽艦用の捕縛鎖を取りだし半分を大和と鯖江に渡す。
奈良「使い方は一緒です」
大和「だったら簡単ね。さて、さっさと終わらせましょう」
3人はそれぞれソーニャと歩兵が運転するヘリの後部席に乗り込み、ヘリは天龍達がいる海域へ出発した。
鎮守府正面海域にて(天龍視点)
大破した響を守るように暁と砲撃するが、軽巡から放たれる砲撃と敵艦載機からの爆撃でじわじわと追い詰められていく。
クソッ!このままじゃジリ貧じゃねえか…!
提督『第一艦隊聞こえるか!?』
天龍「提督!」
提督『今から空母捕獲作戦を決行する!第一艦隊は残った軽巡の撃滅と艦載機を出来るだけ減らしてくれ!!』
天龍「捕獲ぅ!?」
コイツ正気か!?深海悽艦を捕獲するなんて聞いたことねえぞ!?
提督『このまま夜戦へ持ち込んでも勝てる可能性は低い!…正直一か八かだか頼む!』
その時、鎮守府の方向からヘリの音が聞こえてきた。……マジでやる気なのかよ…!
天龍「はは…マジかよ……やるしかねぇっ!暁と響は艦載機の相手を頼むぜ!!」
暁「暁の出番ね!」
響「大破しててもこれくらいは…不死鳥の名は、伊達じゃない…!」
ソーニャ「見えてきたわね…。歩兵は右から回り込んで!私達は左側から責めるわ!」
歩兵「了解しました!」
戦闘海域の手前でヘリは2手に別れる。挟撃する気か。
オレ様は軽巡目掛けて突撃、撃破に成功したけど1発良いのを貰っちまって中破しちまう。
暁「天龍さん!」
天龍「心配すんな!この天龍様がこの程度でやられるかよ!」
響「残るはアイツだけだね」
その時あかりから通信が入る。
奈良『3人共に聞こえますか!?』
天龍「あかり!」
奈良『今から空母に仕掛けます!皆さんは空母に威嚇射撃しつつ後退を!』
指示を聞きすぐさま機関砲で弾幕を形成しつつ後退する。
歩兵「第一艦隊の後退を確認!」
鯖江「…行くよ!」
ヘリは海面すれすれまで高度を下げ、空母を挟み込むように突撃する。
奈良「2人とも良いですか?」
鯖江「ババーンと、いっちゃうよ」
大和「司令君見ててね…!」
空母の真正面、真後ろまで接近した瞬間、後部席から深海悽艦用捕獲鎖を射出する。
空母「!?」
鎖の先端に付いている針が空母の身体に見事突き刺さる。
奈良「刺さった…!今ですっ!!巻きつけて!!!」
奈良の言葉を合図にヘリは反時計回りで空母に鎖を巻き付けていく。
空母級は予想外な出来事に状況を飲み込めていないのか困惑しているみたいだ。
天龍「す、すげぇ…」
暁「あんな至近距離でお互いのヘリが海面ギリギリでお互いにぶつからないように動いてる…!」
響「…ハラショー…としか言いようがないな…」
憲兵組の洗練されたコンビネーションにオレ達は思わず魅入られていた。
そして2機のヘリは互いの距離を空け、上昇し始める。
空母「ッ!」
空母の体が浮き上がり始めた瞬間、空母は自分が何をされてるのか察し、力いっぱい暴れ始める。
大和「きゃぁ!」
ソーニャ「なんて馬鹿力なのよ…!」
歩兵「こ、このままでは海面に墜落してしまいます!」
暁「あっ!ヘリが!!」
天龍「…流石にすんなりいかねえか……けど」
単装砲を暴れている空母に向ける。
その数メートル周辺には空母の力でふらついているあかり達のヘリもあるが、オレ様にかかればこれくらい撃てらぁ!
天龍「そのお陰で天龍様の見せ場が出来たぜぇっ!!」
撃った砲弾は空母の頭部、艦載機が発着陸する艤装に見事に着弾。
その衝撃で脳震盪を起こしたのか空母級は気絶、ヘリも態勢を直し再び上昇する。
鯖江「……あの状況から鎖を巻かれていない頭部へのピンポイント射撃…。しかも私達のヘリへの被害も最小限に抑えて……あの娘、ただ者じゃないわね」
大和「あれが、新しい武器娘の……艦娘の力……」
奈良「皆さんご無事ですか?」
鯖江「ええ、もちろん」
奈良「今司令官に連絡を入れました。帰投します」
鯖江「了解」
空母をぶら下げたヘリは鎮守府の方向へ飛び去っていく。
暁「天龍さんすっごい!かっこよかった!!」
響「一緒の艦隊で良かったと感謝している……スパスィーバ」
先程の砲撃を見て興奮気味の暁達。
そんな尊敬の眼差しで見るなよ~気持ちは分かるけどよぉ~~?
天龍「ふっふーん!ったりめーだろ!世界基準軽く超えてっからな!!」
提督『皆、無事か!?』
天龍「おう!オレも中破しちまったが航行に支障はねぇ!このまま帰港するぜ!」
提督『わかった。損傷した天龍、響は補給後入渠。必要なら高速修理材も使っていいぞ。あと、奈良から聞いた……天龍、良くやったな…ありがとう』
天龍「いいって事よ!にしても提督、お前のいた部隊ってすげぇんだな…」
あの洗練された動き…相当修羅場をくぐってやがる。アイツらを指揮していたのが提督なのか…。
さっきは暁達にあぁ言ったが、オレはあのレベルまで強くなれるだろうか…。
提督『あぁ、自慢の部下であり大切な家族だ。…そしてお前達もその一員だ』
オレ達もか…クソ、たった一言なのにそれだけで何故か自信が付いちまったじゃねえか。
天龍「……そうか、そうだな!」
やってやる…!ここで、全員生き残って深海悽艦を1匹残らずブッ潰してやるよっ!