我が魂はヤルダバオトと共に(ガチ)   作:小此木

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第0話 プロローグ

 

 

 

申し訳ありません兄さん。

 

『放せ!お前ら正気かよ!一人だけ人質にさせるつもりか!?』

 

俺はこれ以上…

 

『反抗的な態度ですねぇ。どれ、王国の貴族たちに最後の仕事を与えましょうか。』

 

自分の感情を抑える事が出来そうにありません!!

 

「そこの髭!今すぐその足をどけてもらおうか!!」

『おや、反抗的な輩がもう一人出てきましたねぇ。』

 

周りの生徒が自分の命可愛さに、大貴族の令嬢を人質に出し、それを止めようとした勇敢な青年をリンチしているなど…

 

「勇敢に敵陣へ乗り込む娘を案じて止める漢を、己が命可愛さに虐げる者どもよ。その男とお前たちでは、背負っているもの見ているものが違うのだ!貴様()それすらも分からないのか!そして、髭の男よ、()()()()で俺を止められると思うなぁ!!」

 

()日本人として見過ごせねぇ!!

 

『なっ!?動けばモンスターが「全て砕く!止めても無駄だぁぁぁぁ!!」ッ!?』

 

それに、こんな()()()に遅れを取るなら、今後の戦いは乗り越えられんしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話をしよう。

 

あれは今から36万…いや、1万4000年前だったk

 

ってそんな前じゃなかった。

 

ま、十年前ぐらい前、俺はこの世界があるゲーム作品に似た世界だと気が付いた。

 

切っ掛けは、師匠との組手でボコられて気絶したときだけど…『フム、修行が足りんから気絶なぞするのだ。』し、師匠!?俺の回想に出てこないでくださいよ!?

 

で、前世の記憶を取り戻した俺は…今の状況を見て絶望的な未来を知り、二度目の気絶に至ってしまった。

 

 

 

俺の記憶整理ついでに解説しよう。

 

この世界は、中世とSFの混ざった世界で、女性の立場が強く男性の立場が弱い「女尊男卑」で何故か大型起動兵器(ガン〇ムの劣化版)が存在する。

 

兄さんとその妻(義姉)夫婦は、辺境の土地を管理する貴族で、俺は兄夫婦と一緒に暮らしている。

 

両親とも先の戦争で戦死(したらしい)し、物心付いたときは既に兄さんが俺を育ててくれていた。

 

おっと、兄さん達の名前を言ってなかったな。驚くなよ俺の兄の名は「アルティス・()()()()()」で、妻(義姉)の名が「メイシス・()()()()()」現アルバーク家当主!!(何故か嫁入りしてくれた)

 

そう、察し良い奴はもうわかっていると思うが、俺が前世でやってたゲーム、「スーパーロボット大戦COMPACT3」「スーパーロボット大戦OG外伝」で登場した羅国の修羅に所属する将軍アルティス・タールとメイシス・マルクその人そっくりだった。

 

余談だが、記憶を取り戻したその日、俺は一人部屋のベッドの布団に包まり二人が夫婦になれていた事にうれし涙を流した。

 

メイシス義姉さんは、この世界でもアルティス兄さんとは幼なじみで、夫婦になった今でも「アル」「メイ」と呼び合うほど仲が良い。

 

で、話は戻るが「師匠」についてだ。師匠は別の世界…別の星と言った方が正しいな…から来た人で、テンプレで申し訳ないが、俺が森で偶然魔物に襲われていたところを助けられた時、その「力」と「技」に憧れて弟子入りしたのがきっかけ。

 

今では、アルバーク家の戦術顧問となって俺たちを日夜指導している。

 

 

 

今思い返せば、師匠との出会い…いや、師匠の技が俺の前世の記憶を取り戻させるキーだったのかもしれない。

 

そして、これから起こるであろう、この星の存亡を掛けた()()()()を生き抜くためには、もっともっと力と知識を身に着け、()()を集めていかないと!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()では、毎年中期に三学年合同で行われる〝修学旅行〟が行われていた。

 

しかし、〝豪華客船〟へ乗っていたバルトファルトとオリヴィア、アンジェリカ達はホルファート大国の魔獣に包囲され、学生を人質に大貴族であるアンジェリカの身柄を要求してきた。

 

そして、冒頭へ戻る。

 

「乱獣を打ち込む!『機神乱獣撃ぃ』!!」

 

そう叫んだ赤髪の青年の両腕から、闘気で作られた白い龍が次々に放たれ豪華客船を囲んでいた魔獣が食いちぎられていく。

 

「な、な、こ、こんな事が「この二人は返してもらう」ヘブラッ!?」

 

その赤髪の青年は気付けば髭おや…ゲラットの隣でバルトファルトとアンジェリカを両肩へ俵担ぎ(お米様抱っこ)し、回し蹴りを叩き込んでいた。

 

「す、すげぇ!?」

「で、でも、まだ周りに大型魔獣が多くいるのよ!此処で私が死んだらどうしてくれるのよ!!」

「そ、そうよ!!」

 

一瞬で現状を変えても周りは敵だらけ。彼女ら学生がこの危機を乗り越えるのは万に一つもないだろう。

 

「…チッ、現実を見ない貴族共が。それよりも、あんな赤髪のチートキャラなんていたか?…ルクシオン、済まないがアロン『我が魂はヤルダバオトと共に!!』って、今度は何するつもりだあのチート野郎!?」

 

赤髪の青年はまた吠える。今度は何をするのか学生たちは固唾を飲んで見守るしかできない。

 

<ヒュ!ドン!!>

 

1つの赤い鎧が…鎧と見まごう赤いロボットが空から落ちてきた。

 

「ルクシオンあれはお前の同機か!?」

『いいえ、全く別物です。(この星の機体や私達のようなロストアイテムのものでもない。一体…)』

 

バルトファルトとその相棒、ロストアイテムである人工知能(AI)のルクシオンが驚く中、

 

『機神拳の力…その身をもって知れ!!』

 

いつの間にか機体に乗り込んだ赤髪の青年の声が響き、

 

『はあっ!!』

 

魔獣どもを足場に、

 

『はっ!はあっ!!』

 

その両の拳と、

 

『ぬおおおおっ!!』

 

両の足で、

 

『でえいっ!はあああっ!!機神!猛撃拳!!』

 

文字通り蹴散らし、大型魔獣も体の半分を消し飛ばされてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺の名は、フォルカ・アルバーク。単刀直入に言う。この星を守るために俺の仲間になってくれ!!」

 

「なに!お前も前世持ちだったのか!?」

 

「刮目しろ!これが神化を遂げたヤルダバオトだ!!」

 

「リオンよ、我が戦友(とも)よ、未来を…この星の未来を頼む!!」

 

 

 

 

「ルクシオン、アロガンツを出せ!フォルカ一人じゃ反対側が破られちまう!!」

 

「マスター!フォルカを止めてください!あの機体は()を燃やして戦う危険な機体です!!」

 

「ルクシオン!オリヴィア、アンジェリカでもいい!あいつを、フォルカのバカを止めてくれ!このまま戦えばあいつ死んじまう!!」

 

 

 

 

 

「フォルカ、我が弟子よ。都会の甘味はいつ届けてくれるのです?」

「おや?シンディ殿、このような場所で如何なされました?」

「…ッ!?メ、メイシツか。いや、何でもない(甘味は今日届くはずなのだが…)」

 

彼の名はフォルカ・アルバーク。

 

新たなフロンティアを探し旅に出た「影業(えいごう)のシンディ」の二人目の弟子。

 

何の因果か彼女に機神拳を学び、この世界にいないアレディ・ナアシュの弟弟子である。

 

「あれ?この世界ってスパロボの世界だろ?」

 

盛大な勘違いをしたまま彼は闘争の渦に身を投じていく。

 

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