魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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ほんと遅れてごめんね…言語化ムズイ…時間足りない…風呂敷の中身が大きすぎて閉まらない…


妄執の機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)編 その三

「…と言う事で、京都にやって来ました~パチパチ」

 

「おい、こんな『そうだ、京都行こう』みたいなノリで来て良い場所なのか此処は」

 

「普段の京都なら問題無いんじゃないですか?今の見渡す限り狂信者だらけの状況でもそう思えるかは謎ですが」

 

 

ここは京都の町外れ。ここには現在達也、束、そして雫の三人がいる。この人里から少し離れた場所に、藤原邸はあるのだ。敵対する総司の中の偽神は、超越的な視点を持つが故に、自分に対抗してくる者は力尽くで屈服させる以外の選択肢を持っていない。しかし、自身に並びうる可能性を感じた場合事前に介入してくる可能性があるため、一高と協力者達は班を分けたのだ。

その一に、十文字克人率いる十師族総掛かりの軍勢だ。本拠である京都を支配されてしまい、連絡が取れなくなってしまった九島以外の十師族、あの四葉さえも協力を宣言する、日本史で最も強力な軍隊と言えよう。しかしその軍勢など、本丸の為の露払いにしかならない。偽神は雑兵が億ほど集まろうが、容易く塵にできてしまう。本質的な役割は本命の目的を隠す為の囮になる。

 

その二に、零次率いる一高の在学メンバー達だ。実戦において抜きん出た実力を持ち、総司と非常に親しい彼らは、総司の意識が残っており人体に直接干渉する魔法が使えない偽神に対して、五つの難題を揃えた雫以外の唯一の勝ち筋と言えよう。彼らの目的は十師族のアシストを受けて、雫達がレリックを集める時間稼ぎ、あわよくばその場で偽神を打倒する役割だ。

 

そして三つ目が束率いる三人だけの少数精鋭。難題が保管されている場所を唯一知る束、手に入れた傍から装備して、偽神との戦闘に向かえるように雫、二人をアシストするために高い戦闘力と隠密スキルを併せ持つ達也。この三人が、藤原邸に潜入する役割を持っている。

 

そして現状の説明をすれば、この町外れにすら大勢の狂信者達が自分達の神に仇成す者達に対して警戒を強めている。京都の中心なんてそれはもう酷い事になっているだろう。

 

 

「さて、まずは目下の狂信者達を制圧して行きましょうか」

 

「ああ…雫?」

 

 

早速潜入を開始しようとする束だが、そこで達也がふと雫の様子がおかしいことに気づく。雫は、先程から時折爆発音が聞こえる様になった京都の中心街の方に目を向けて放心していた。おそらくはそこに居るであろう総司の心配をしているのだ。それに気づいた達也は、そっと雫の肩に手を置いて言葉を掛ける。

 

 

「行こう、雫。君が総司を助ける鍵なんだ、一刻も早く助けてやりたいだろう?」

 

「…そうだね、達也さん」

 

 

そうして三人は、密かに歩を進めた…

 

 


 

 

さて、軽いノリで京都を訪れていた束の部隊だが、それはあくまで藤原家が所有する裏道を通ってきたからに他ならない。つまるところ何が言いたいのかと言うと…

 

 

「っく、数が多すぎる…!」

 

「まさか、京都だけでなく、大阪や奈良の市民まで…!?」

 

 

十師族の軍勢は陸路を進んでいくのだが、そこに大量の市民からの妨害が入る。流石の魔法師部隊も、千を遙かに超え、万にすら届きうる人数を捌くのは容易ではなく、足が止まってしまう。また、妨害が入っても進める様にと部隊をいくつかに分けていた(四葉などと関わりたくない一部の十師族の思惑もあるが)にも関わらず、その全てに同じほどの数の妨害工作を行う市民が現われており、京都の中心街を観測する衛星からの情報も合せると、どうやら京都だけでなく他の県の市民すら連れてきているようなのだ。非常に数が多い。

しかも数が多いだけではなく…

 

 

「グワァッ!?」

 

「…!?まさか、敵の魔法師か!?」

 

 

そう、民衆に紛れて『伝統派』の魔法師が攻撃を仕掛けてきているのだ。服装も一般人に合わせているため非常に分かりにくい。こちらは向こうの魔法師を認識できていないが、あちらはできているという、何たる不平等だろうか。よって十師族の勢力は着々と削れ…おや?

 

 

「っ!?いきなり爆発した…!?一般人じゃないだろうな!?」

 

「…いや、ソイツは魔法師だ。サイオンを制御できていたからな」

 

「!貴方は…」

 

 

市民に紛れて攻撃をしていた魔法師が突如爆散した。丸で血を入れた水風船の様に。こんな現象を起こせるのは間違いなく一条家の『爆裂』だろう。そう、この男は一条将輝なのである。将輝の攻撃により敵魔法師が爆散する。その様子を見た市民達は、将輝を恐れる…そう思われていた。

 

 

「…おお、なんと恐ろしい事か!かのような化け物、我らが神に近づけさせる訳には行かぬ!」

 

「我らが神の為に、怪物殺しを!」

 

「…まさかここまで状況が酷くなっていたとは」

 

 

恐れてはいる、死への恐怖を感じている。だが、だからと言って神に背いてまで逃げだそうとは思わない。むしろ神の為に自らを犠牲にしてでも敵を打ち倒さんとする。まさしく狂信者と言えるだろう。その状況に目を覆いたくなる将輝。このままでは、市民すら手に掛けてしまう必要が…

 

 

「…!?なんだこの障壁は!?」

 

「この魔法は…」

 

「…お前もいたのか、一条」

 

「十文字さん」

 

 

そんな暴徒化した市民たちの前に現れた障壁。その障壁はまさしく『ファランクス』、十文字家が誇る、日本最硬の魔法であった。そうなれば、こういった戦場に出てくる『ファランクス』の使い手など、一人しかいるまい。そう、十文字克人ただ一人だ。彼は確かに偽神に対抗できる人員の一人だが、それと同時に十氏族を率いる必要があるのだ。そうして行軍に参加したのだが、どうやらそれは幸運だったらしい。こうして一部ではあるが、京都市内に潜入できそうである。

 

 

「さあ、一刻も早く神を騙るあのバカを りつけに行くぞ」

 

 

十氏族の軍勢が、京都に攻め入る…!

 

 


 

 

そして…一高のメンバーはと言うと…

 

 

「ああ、クソッ!やっぱりヘリなんて使うべきじゃなかったんだ!古式魔法師を舐めすぎだ!」

 

「今グダグダ言ってもしょうがないわよミキ!」

 

「僕の名前は幹比古だ!」

 

 

京都市内で、多数の古式魔法師とそれに追従する狂信者たちと戦闘を行っているのは幹比古とエリカだ。彼らの発言から察するに、一高メンバーはその人数の少なさを活かして、ヘリで上空からの潜入を試みたようだが、古式魔法師に撃墜されてしまったようだ。それによって分断されてしまったのだろう。周囲には二人以外の仲間は見受けられない。

 

 

「早くみんなと合流するわよ!」

 

「一般人は切ったら駄目だからね!」

 

 

二人は戦場となった京都を駆け出した…!

 

 


 

 

「……」

 

 

長いこと薄れていた意識が覚醒していく中、総司の姿は神泉苑にあった。その様相は、平安時代には現在の30倍の面積を持っていたとされる当時の様子を思わせる広大さだ。

 

 

「…なんで俺ここにいるの?」

 

「回答。それはここが私の精神世界だからだ」

 

 

総司が池を眺めていた後ろから、唐突に話しかけられた。その驚きは相当なものだ、何せ自分の声から呼びかけられたのだから。後ろには、それこそ自分自身がいた。ただし、その眼には生気を感じない機械的なものを感じる。まさしくこの総司こそ、今現在日本全体と戦争を行う「偽神」であるのだ。となれば…

 

 

「今ここでお前を倒せば、全て丸く収まる可能性があるってコトォ!?」

 

「笑止。ここは私が支配する世界。勝つ方法など…」

 

「お前を〇す」デデン!

 

 

総司が偽神をノーモーションで殴りつける。それにより偽神は数メートル吹き飛ばされる。その様子を見た総司は、自分の拳の威力が著しく低いことに気づいた。今の手ごたえであるならば、普段は数百メートルはくだらない程吹き飛ばすはずだ。しかし実際は違った。そのことに総司は非常に困惑したのである。

 

 

「…無駄。貴様が現状使用できるのは、貴様が有する異能のみ。精神世界ではあるが、貴様は魔法を無かったことにする異能を持つだけの存在だ、本来有していた身体能力も剝奪されている」

 

「ふ~ん、終わりじゃん」(絶望)

 

「…その割には全く絶望しているようには見えないが」

 

「だって、お前はそんな危険もなさげな俺という絞りカスを対処しに来たんだろ?ならそれには何らかの意味があるはずだ」

 

「…やはり失策だったか」

 

 

偽神は、以前焦って総司の精神を乗っ取ろうとした際に自身がとった方法が間違いだったと確信した。その方法とは、偽神自身の精神を総司と同化させることにより、気づかれることなく総司を支配するというものだ。しかしそれは残念ながら、今こうして裏目にでている。裏目に出た要素は二つ。

一つは今こうして総司が明確に偽神に対して抵抗ができる点である。この精神世界は偽神のものであって総司のものではない。だが総司の中には僅かながらに偽神が混ざっているため、総司は明確な抵抗を示すことができている。

二つ目は、先ほどの総司の発言とは思えない長文だ。偽神の一部が混ざったことにより、総司の知能に著しいブーストが掛かっている可能性が高い。普段の総司なら意味を大して理解せずに戦闘に向かうだろうが、彼は現在自分の存在が偽神にとって不利益極まりないものであると一瞬で看破してのけた。やはりこの存在はここで消すしかない。

 

 

「…時間をかけるつもりもない、すぐに貴様を掌握する」

 

「強がりか?やめておけ、俺はお前が何をしてきたか、この一瞬で知識として知ったが…信仰に狂わせることでしか人の心を掌握できないお前は、きっと千年たっても俺を取り込めないよ」

 

「強がりは貴様もだろう!」

 

 

総司と偽神が、精神世界の京都で激突する…!




現在の戦況


・十氏族(克人、将輝はここに含まれる):現在市民や『伝統派』の妨害を受けながらも行軍中。被害は既に看過できないほどに上っている。


・一高メンバー(零次、真由美、摩利はここに含まれる):ヘリを用いて上空からの侵入を試みるも失敗。合流を目指しながらも、総司を探す。


・潜入メンバー:藤原家に向けて隠密行動開始。藤原家は元老院なので、非常時用の通路を所有しており、そこから京都に侵入した。


・総司:偽神が異能を我が物とするために制圧しようとしていることを上昇した知能で察知。自分が抗うことで時間稼ぎになると信じて戦闘を開始する。

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