正確には半分ほど書いたんですがね。正直ここでプロフィールに正確にまとめてしまうと、後からライブ感で動かすのが難しくなりそうだったのでね…
後、最終章って言ってたじゃん!ってコメントが来ていたのですがね、ほら某透き通る青春物語も最終章やったけど終わらなかったじゃん。そういうことだよ。
古都内乱編 その一
「どうしてお前って生徒会長に立候補しなかったんだ?怠惰?」
「いきなりなんだ総司…」
九月某日、論文コンペまで一か月を切った今日ではあるが、一高生達の主な話題はそのことについてではなかった。食堂までの道すがら(総司は雫と合流するため)、チラチラと達也の一行を見てくる生徒たち。
その話題は今週末に迫った生徒会長選挙についてだ。
やれ深雪たんスーハースーハーだの(この生徒は後日達也に締められました)、達也は何故立候補しなかったのかだの、総司が会長になったらこの学校は終わるだのと好き勝手に噂話がなされていた。
その噂話を耳にしたが故の総司の質問なのだが、どうやら様々な事情で学校に来られないことを考慮してのことだという事を理解していないようだ。
そしてその話に乗っかるかのように、エリカと美月が達也に質問を投げかける。
「総司君は確かに失礼だけど、確かに気になるわね。どうして立候補しなかったの?」
「え?俺なんか失礼なこと言った?」
「なんで自覚してないのよ」
「確か達也さんって、去年は無効票とは言え中条先輩に勝っていましたよね?」
美月の確認の問いに反応したのは、達也ではなく総司であった。
「は?みんな馬鹿なのか?こんな仏頂面よりあーちゃんの方が万倍可愛いだろうが」
「生徒会長は可愛さで選ぶものじゃないぞ総司」
「マジ?みんな深雪ちゃん選んでるからそうかと思ってた」
「深雪を可愛いという単語だけで評価できると思うな殺すぞ」
「達也君って最近面白くなったよね」
豹変した達也からの罵倒を受けてシュン…と大人しくなった総司を見ながら、エリカが楽し気に言い放つ。それに美月は「あはは…」と苦笑いを浮かべた。
しばらくすると達也は、自分を落ち着かせるために頭を振る。ここ最近自分が暴走しがちなのを理解しているようだ。しかしその原因が、ここ最近魔法の開発に精を出しすぎて寝不足だからというのには気づけていないが。
「俺は学校を度々空けるしな。学校にいない会長なんてお飾りもいいところだろう?」
「そこを解決してこその会長だよ」
「お前は俺と会長という地位をなんだと思っているんだ」
呆れ気味に総司を見やる達也。一高には、かつてと変わらぬ平和が戻っていた…。
その少し前の時間、生徒会長選挙の準備をしていた深雪、及びその手伝いをしていたほのかと雫も、似たような話題で話をしていた。
「…ほのか、お兄様との時間が減ることを危惧しているのは分かっているけれど、その質問には飽きたの。まだ選挙も終わっていないのだし、急かさないでほしいわ」
「うっ、ごめん…」
「ほのか、おちんついて」
「雫?総司君から教わったのね?その言葉遣いはやめなさい?」
ほのかが気にしていたのは、深雪が生徒会役員を決めているのかどうか。つまり達也と自分が生徒会役員になれるのかどうかを確かめたかったのだ。達也に惚れているほのかは、生徒会役員同士という立場は達也と接するために貴重な機会となる。気になるのは必然であろう。
すると、深雪は何かを思いついたかのように言葉を発する。
「…どうしようかしら、もしかすると二人とも役員にしないかもしれないわね?」
「うう…いじわる言わないでよ深雪ぃ…」
ほんの嗜虐心の疼きからの言葉だったのだろう。深雪はついそんなことを口走ってしまう。その場にいたのが二人だけだったのなら、深雪の意地悪に翻弄されるほのかという構図ができていただろう。事実今そうなっているが…この場にはもう一人いた。
「…ってことは、忙しくないほのかと達也さんでイチャラブチュッチュできるってことじゃん」
「「雫!?」」
雫の繰り出した総司仕込みの時代遅れなセクハラが二人を直撃する。その発言に声を上げる二人。その二人はどちらもその考えがあったか!という顔なのだが、チャンスを感じているほのかと、ピンチの予感を感じた深雪と違いがあったりした。
特にピンチを感じた深雪は、内心二人は確定で役員に選んで監視しようと思いながらも、雫に注意を促す。
「雫?そういう言葉遣いはダメだって」
「いいじゃん深雪。いつも家で甘美の限りを尽くしているだろう深雪なんだから、学校でぐらい達也さんを譲っても」
「雫?怒るわよ?それとも怒られたいのかしら?望みどおりにしてあげましょうか?」
「でも事実でしょ?」
「そんなわけないでしょう!?家には水波もいるのよ!?」
「えっ…もしかして、3P?」
瞬間、猛烈でありながら、指向性を持った冷気が雫へ襲い掛かる。深雪が怒りのままに発動させた冷却魔法だ。しかし雫は強化された反射速度と身体能力で、ハンカチに偽装してある『火鼠の皮衣』を展開してその冷気を防いだ。
フー!フー!と肩で息をしている深雪を、防御するために顔を覆っていたマントをずらし、少しニヤついた笑みを浮かべた雫は、展開した皮衣をハンカチに戻しながら窓から生徒会室を脱出するのであった。
「…雫」
どこか置いて行かれたかのような悲し気な顔をしたほのかに気づかぬまま。
時は戻り、食堂で合流した総司と雫は、中庭で二人仲良くお弁当を食べていた。その際の話題は、つい先ほどイジってきた兄妹の様子であった。すっかり一高の超機動カップルと化してしまった二人、他の生徒が羨み、崇めることしかできない二人をおもちゃ扱いだ。
そして話題は論文コンペの話に移る。
「論文コンペの会場は京都…なんだか不思議な感覚だね」
「俺にとっては地元だし、雫たちもこないだ行ったばかりだしなぁ…」
いつものメンバー内では、あの事件は総司の変わらぬハチャメチャぶりに加え、総司が『再生』で破壊された街を元通りにしたこともあって、タブーにはならずに済んでいる。なので誰も京都に後ろめたいものを覚えていないことを知っていてほしい。
「ところで、私が可愛いっていう論文でいこうって五十里先輩に提案したんだってね?」
「おう。絶対優勝とれるぞ」
「いや、総司のかっこいいとこを論文にまとめた方が優勝できるよ」
こいつらは何を言っているんだ?(困惑)んなわけないんだよなぁ…と中庭にいて聞き耳を立てていた生徒たちの思考は一致した。二学期から一段とくっつくことが多くなったカップルに声をかける猛者などいないのだが。
「あ、いたいた。総司先輩!」
居たわ。
周囲の「よせってやめろ!空気読め!」というプレッシャーを物ともせずに総司たちに話しかける勇者七宝琢磨。彼は雫とは別方向から総司に最も近しい人物の一人と言える。二人の間に遠慮はいらない、それを知っている雫にも遠慮はいらない。そういう関係性なのだ、彼らは。
琢磨は二人に近づいて、早速要件を述べた。これはこの場に長くいたくないという訳ではなくて、単純に琢磨本人の昼ご飯がまだだからだ。
「次期の部活連会頭、先輩でほぼ確定みたいですよ」
「え?はんぞー君は俺に会頭やらせるの嫌だって言ってたじゃん」
「ほんとですよねー。寄りにもよって総司先輩なんて、服部会頭なんか悪いものでも食べたのかな…?」
「ぶっとばすぞ?」
「それストレート出しながら言う言葉じゃないですよね?」
後輩からの急な毒に、右ストレートで反省を促そうとした総司だが、寸でで琢磨に避けられる。どうやら琢磨の目的はそれを伝えるのが主だったらしい。さっさと食堂に向かっていく琢磨を見ながら、総司はふと気になったことを雫に尋ねた。
「そういや風紀委員長はもう決まったんだろう?誰になったんだ?」
「私はやりたくなかったから、他の委員の子に圧をかけて満場一致の吉田君だよ」
「幹比古ェ…」
幹比古は泣いていい。そう思った総司なのであった。
後書き何も書くことないわ…
別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?
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いいともー!
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駄目だね~駄目よ、駄目なのよ~