九月二十九日、今年は生徒総会も生徒会長選挙も何事もなく終わった…いや、次代の三巨頭に不安を覚えた現三巨頭による(あずさは代理として桐原・壬生を送り込んだ)、力づくでも達也に三つの委員会を兼任させようという策略を達也本人が直々に叩き潰した際に、三巨頭VS達也・レオ・幹比古の三対三の戦闘が内々に勃発していたのだが、それを知るのは本人たちだけなので、他の生徒からしたら何事もなく終わったのだ。
「それでは!深雪の会長就任を祝し!ミキの風紀委員長就任ザマァと総司君の会頭就任に絶望しながら!」
「「おいこら」」
「かんぱーい!」
「「「「「かんぱーい!」」」」」
エリカの音頭に二人以外が追従する。名指しで罵倒された二人は顔に青筋を立てながらエリカに詰め寄る。
「おいこらエリカちゃん…お前表でろや…」
「ザマァってそんな風に思ってたなんてね…それと僕の名前は幹比古だ」
「何?そんな寂しいなら二人で表でなさいよ」
「それもそうだな(?)行くぞ幹比古」
「…ゑ?」
エリカの発言にまんまと乗せられた総司は、幹比古の首根っこを掴んで、そのままアイネブリーゼの外までドナドナして行ってしまった。恐らく完全に表に出るまでは総司は自分のやっていることの無意味さに気づけないだろう。
「…しっかしまあ、順当と言えば順当なんだけどね?」
「まったくもってその通りです!深雪先輩は登校を代表するにふさわしい人材です!この実力!才能!美貌!まさしく天からの思し召しです!」
「言い過ぎよ泉美ちゃん…」
「私はコイ…司波先輩でもよかったと思うけどね」
「それは俺もそう」
エキサイトしている泉美をよそに、素直な感想を述べる香澄。そこに一人で戻ってきた総司が同調する。
「ミキは?」
「外に連れ出したらなんだか俺を怒らせたのが幹比古の様に思えてきたから…ちょっと埋めてきた」
「鳥頭?」
「レオ、引っこ抜いてきてあげて」
「なんで俺なんだよ?」
ぶつくさ文句を言いながらも、幹比古を連れ戻そうと席を立つレオ。その後ろ姿を見ながら、琢磨が先ほどの話題に戻す。
「…実のところを言うと、達也先輩に入れたって人は結構多いみたいですよ?」
「…また無効票か」
「ねえねえ七宝、総司にはどれくらい入っていたの?」
「マイナス一億票ぐらいですかね」
「はいこっち来ようね~」
今度は琢磨の首根っこを掴んで表に連れていく総司。その際に、気絶した幹比古を俵抱きで担いで戻ってきていたレオが、すれ違いざまに奇異の視線を向けた。
「アイツ何やったの?」
「自業自得ですから拾いにいかなくていいですよ先輩」
「そうか?ならいいんだけどよ」
香澄の鶴の一声によって、琢磨を心配する人間はだれ一人としていなくなった。悲しいかな、琢磨はこの中では比較的雑に扱われる役なのだ。
そうして、一同の話題は気になっていたあの話になる。
「深雪は役員はもう決めたの?」
雫からのその問いに、耳を研ぎ澄ます者が二人。その気配を感じ取りながらも、深雪は気づかないふりをしながら質問に答えた。
「副会長は泉美ちゃんにお願いしようと思っているわ」
「本当ですもがっ!?」
深雪からの副会長、つまり右腕に任命されたことが嬉しすぎた泉美が悲鳴に近い大声を上げようとするが、雫からの「止めろ」というアイコンタクトを受けた総司が泉美の中に向けてロールケーキ射出した。それによりもがもがし始めた泉美。だが誰もそれに興味を示すことなく、深雪に話の続きを促す。悲しいかな、テンションがおかしい時の泉美は比較的雑に(ry
「でも他の役員はまだ決めかねているの。ほのかには入ってほしいけれど、雫を引き抜いたら吉田君が大変でしょうし…」
深雪は未だ気絶したままの幹比古をみながら言う。確かに今の風紀委員会はただでさえ人手不足である。そこから最強の風紀委員である雫を引き抜いてしまえば、その戦力はガタ落ちだろう。雫が手に入れた戦闘力を鑑みれば、事務的な仕事が多い生徒会よりも、実戦が多い風紀委員会の方が雫を活かせるというのもある。
「…じゃあさ、水波ちゃんはどうさ」
「それは…」
「やっぱ知らない人より知ってる人がいいだろ?水波ちゃんも魔法が上手いって話じゃん?問題ないと思うけどなあ」
総司の提案は、総司本人が意味を理解しているかどうかはともかく、達也や深雪にとっては願ったり叶ったりなのだ。何せ委員会にはCADの校内携行許可が下りるからだ。ガーディアンとしての務めを水波が果たすなら、それは必須と言えるだろう。
その後、他愛のない会話が続いたが、達也が生徒会に入るかどうかの話は行われることはなかったのだった…
その頃、まるで監視をするかのように…いや、事実監視のためにアイネブリーゼを張っている影が二つあった。
「…本当にやるの姉さん?」
「当たり前でしょう?本家からの指令よ、断ることなんてできないわ」
「でも…あの惨劇を起こして、その後自分で元に戻すような奴だよ?」
「それでもよ」
その二人は、四葉の分家黒羽家の双子、黒羽文弥と黒羽亜夜子であった。何故二人がアイネブリーゼを監視しているのか。その口ぶりからして、どうやら監視しているのは…総司だろう。監視が必要と判断するほどまでに四葉は総司を警戒しているという事なのだろうか…
「…!?誰だ!?」
それは、この男に暴いてもらうとしましょう…
「誰だとはこちらのセリフだ。…ゴスロリというんだったかその恰好?そんな恰好で不審な行為をしていて、気づかれないと思っていたのか?」
「(まさか!?これでも裏社会で十分通じるレベルの隠行だったのに!?)」
「(やはりこの男…侮れない…!)」
ゴスロリといういかにも浮いた格好でこそこそしている二人に、特化型CAD『スター・アサルト』を二丁向ける男…彼こそ風紀委員の実績エース、森崎瞬なのである…
魔法科世界の秘匿通信
・実は、雫は風紀委員の仕事をあまり積極的に取り組んではいない。その結果、検挙率が最も高いのは森崎だったりする。
・ちなみに一高内で唯一総司を検挙できたりするのも森崎だったりする。
え~、アンケートの結果を反映いたしまして、この度新たにこの作品と同一世界の魔法科高校世界を舞台とした、キグナスの乙女たち編を別小説で始めさせていただきます。
題して、
『絶対防御☆百合百合カップル♡ VS 百合の破壊者(自称)VS 恋する秀才 VS ダークライ VS またしても何も知らない大〇洋』
となります(ダークライとまたしても何も知らない〇泉洋は本来の題名に含まれません)。
気になっていただけたのなら、読んでいただけるとありがたいです。
https://syosetu.org/novel/329493/
別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?
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いいともー!
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駄目だね~駄目よ、駄目なのよ~