魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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キグナス書けないんだが…?第二話でここまで詰まるとか頭を抱えちまうよ…


古都内乱編 その五

今季の生徒会には『書記長』という役職ができた。これは深雪が達也を自分より下の立場にしたくなかったが故に生まれた役職なのだが、職員室では少し問題になった…が、深雪の暗黒微笑とその背後で目を見開きながら肩を回す総司、この二人の圧に押されて教師陣は押し黙るしかなかった。

 

そうやって深雪と総司が教師陣を黙らせた辺りで、新生徒会発足に合わせて代替わりした新風紀委員長と副委員長が生徒会室に挨拶をしに来た。

 

 

「なんか今更こう言うのも不思議な気持ちがするけれど…一年間よろしくお願いします」

 

「こちらこそ、よろしくお願いしますね吉田君」

 

「お前に風紀委員長が務まるのか!?」

 

「押し付けたの君の彼女なんだけど!?」

 

「黙れ小僧!」

 

 

新三巨頭が挨拶を済ませているときに、副委員長として生徒会室を訪れた雫はほのかと談笑していた。

 

 

「達也さんが生徒会に残ってよかったねほのか」

 

「うん…でも、雫今すっごく不満そうな顔してるけど」

 

「そりゃ、達也さんには風紀委員会で馬車馬…社畜…エースとして働いて欲しかったから、この機に風紀委員会に連れ戻せなかったのが悔しいんだ」

 

「雫?お兄様を今なんと呼んだのかしら?」

 

「妹のことが大好きなイケメンお兄さんかな」

 

「まあ!雫ったら、私とお兄様は結ばれるべきだなんて…!」

 

「耳ひん曲がってる?」

 

「もう駄目だよこの学校」

 

 

目の前で繰り広げられるコントを見て、この学校の自治組織の内二つのトップが頭がおかしいことを改めて理解した幹比古は頭を抱える。ついでに言えば、雫が面倒くさがって幹比古に委員長を押しつけていなかったら風紀委員会も頭のおかしい委員長であった可能性があることを忘れてはならない。

 

 

「…誰か雫ちゃんの事をバカにしてる気がするんだが…」

 

「気のせいだろう、仮にしていたとしても妬みか何かだ」

 

「…そっか」

 

 

達也のファインプレーで総司が荒れ狂うのを阻止できた。そんな時、総司が思い出したかのように達也と幹比古を手招きで呼ぶ。

 

 

「どうした総司。ついにこの学校を退学する時が来たのか」

 

「んな訳ないだろうが、まだ会頭になったばっかりだぞ?そうじゃなくてだな…」

 

 

総司は一呼吸おいて、二人に問う。

 

 

「二人とも、『十二天将』って知ってるか?」

 

 

 


 

 

~回想~

 

 

「『十二天将』をおまえにつがせる!」

 

「おかのした」

 

「でもなるべくじぶんでさがせ!」

 

「おかのした」

 

 


 

 

「ってことなんだけどさ」

 

「回想短っ!?」

 

「というか、それを誰に指示されたんだ?」

 

「烈爺だけど」

 

「老師がそんな話し方するわけないだろ!」

 

「でも要約すればこんな話だったから」

 

 

総司は家族であるが故に烈に対してかなり失礼な態度をとるが、やはり京都に実家を持つ幹比古としては九島家の大魔法師に対して失礼がないようにと振舞うのは当然なのだろうか。

烈に対する総司の態度に幹比古が苦言を呈している際、達也が耳元によってきて小声で質問をする。

 

 

「総司、お前『フリズスキャルヴ』はどうした?」

 

「いや、それがな…いつの間にか使えなくなってたんだよ」

 

「…なんだと?」

 

 

達也がもっとその事に対して掘り下げると、どうやら端末を使用しても、アカウントが無いと閲覧を拒否されてしまったとのことだ。その旨を総司が友人であるレイモンド・クラークに相談したところ、

 

 

「どうやら管理者権限でソウジのアカウントが消されてしまったようだね。恐らくだがその端末での『フリズスキャルヴ』の利用はもう不可能だろう」

 

 

との見解が帰ってきたとのこと。故に自分で調べる必要があるのだが、どうやらこの時代、『伝統派』の根回しにより『十二天将』の情報は軽々しくネットには出てこなくなっているようで、こういった機械音痴の総司はダークウェブで探すなんてこともできない為、こうして二人に質問をしたそうだ。

 

 

「…幹比古、もうお説教はいいからさ。『十二天将』について何か知ってることはないか?」

 

「…『十二天将』は、陰陽師にとって必須の占術の『六壬神課』で使用する象徴体系の一つで、北極星を中心とする星や星座に起源を持っていて、それぞれが陰陽五行説に当てはまるんだ」

 

「…?」

 

「おい幹比古、総司が全く理解していない。もっと嚙み砕いて説明してやってくれ」

 

「はあ…まあ、方角に対応してて占術に使われる象徴…いわゆる神様だね」

 

「なるほど…?」

 

 

未だに総司の頭には?マークが浮かんでいるが、それでも何とか理解は示しているようだ。ここで、総司ではなく達也から質問が飛ぶ。

 

 

「…だが、老師は総司に『十二天将』を継がせると言っていたんだろう?象徴をどうやって継ぐんだ?…そもそも、象徴体系の何を継ぐんだ?」

 

「それはおそらく、『十二天将』の神々をかの安倍晴明が式神として従えていたという逸話からだろうね」

 

「ということは…『十二天将』は式神として今も存在しているということか?」

 

「九島家が態々総司に継がせると宣言したんだ、少なくとも九島家は式神としての『十二天将』の実在を信じているようだね」

 

「…?」

 

「だめだ肝心の総司が付いてこれていない」

 

「ほっとけばいいでしょ」

 

 

宇宙猫状態の総司をおいて、生徒会室での時間は過ぎていった…

 

 


 

 

その日の放課後、総司の姿は屋上にあった。眼下で巡回をしている幹比古、森崎、そして雫を見ながら、隣にいる人物に話しかける。

 

 

「それで、いきなり訪ねてきた理由は?」

 

「…東京、特にお前たちが居住している区域周辺で、四葉と思われる諜報員が多数確認されている。それは、この学校周辺もだ」

 

「それはあの双子の事か?」

 

「いや、もっと多い。この学校を張っていた奴らはあの二人以外は俺が気絶させて一か所にまとめて回収しやすくはしておいたがな」

 

 

もしこの場に何も知らない生徒がいた場合、総司は双子であったのかと錯覚するだろう。何せ同じ顔の人間が横並びで座っているからだ。

その片方…零次が、言葉を続ける。

 

 

「…どうやら俺の雇い主は、お前が四葉を壊滅させることを望んでいるらしい」

 

「おいおい、そんなこと言うなら自分で滅ぼせやって感じなんだが」

 

「七草の保有戦力では、どこに居を構えているか分からない四葉と戦りあうのは少々不利だ」

 

「お前がいるじゃん」

 

「…確かにそうだが、それでも七草が直々に手を出してしまえば、十師族同士の争いとして大問題になる」

 

 

総司が「めんどくせー!」と言葉を漏らす。そういった組織としてのしがらみは、総司はあまり好まないのだろう。あれ?でもこいつ部活連のトップ…?

そんな時、総司は零次の言い分から、疑問に思ったことを聞いてみた。

 

 

「お前が戦うことは七草が動くことになってダメなんだろ?だったら俺が動いても九島が動いたことになるんじゃないのか?」

 

「…そう思うのも当然だが、それは違うと明確に否定することができる」

 

「なんでさ」

 

「理由は二つだ。一つに、お前の立場だ。俺は七草の当主に直々に使える使用人だが、お前は既に当主を引退している九島烈が引き取って育てた孤児だ。故にお前は明確には九島の人間ではない…というのは、二つ目の理由の為の方便だな」

 

「よくわからないけど…二つ目は?」

 

「二つ目は、お前の戦闘は公にこそなっていないが、正式に災害扱いされることが陸軍の軍議で決定づけられたからだ」

 

「なんでさ!?」

 

 

総司が目を見開いて驚愕する。今まで化け物扱いされたことは多々あるが、災害扱いされたことはなかったからだ。その顔には「そこまで言われるようなことしてないけど」と書いてある。お前暴走したこと忘れてんのか。

 

 

「そう決定された理由として、お前はあまり魔法を戦闘に用いない、そして用いたとしてもお前の異能によってその魔法痕跡が消されてしまう…故に、お前がやったと言わなければ、今の技術ではお前の所業かどうかを確かめるすべがないんだ。故に、お前が自白しない限りは災害扱いとなる」

 

「そんな理由で人の事災害って言うのなんなんだよ…」

 

 

総司ががっくりと肩を落としたのを横目で見ながら、零次は「用件は伝えたぞ」と透明化してこの場からいなくなってしまった。その後もしばらくショックから立ち直れなかった総司だが、仕事終わりの雫を迎えに行くために腰をあげるのであった。




えー、以前本作とキグナスを5:4ぐらいで投稿すると言いましたが、変更して9:1ぐらいに変更します…キグナスは今のところ一か月に一回投稿できるかどうかだと思います。それぐらいに書けないです。

別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?

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