魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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すいません…インフルエンザにかかって投稿が遅れてしまいました。焦りからか今回は短めの文量です。申し訳ない…


古都内乱編 その六

「よっ、久しぶりだな光宣」

 

「僕からしたらそこまで久しぶりではないですけどね…」

 

 

某日、総司は九島の本邸を訪れていた。その理由は総司の目の前に立つ男、九島光宣からの呼び出しを受けていたからだ。総司的には四月以来なのだが、光宣は八月に偽神にボッコボコにされた苦い記憶があるので、あまり久しぶり感はしていなかった。

 

 

「そんで?用件はなんだ?」

 

「…総司さんが『十二天将』を探しているという話を聞きました。僕もそのお手伝いをしたいと思って…」

 

「ほーん…じゃ、呼び出したからには何か教えてくれるってわけだな?」

 

「ええ、早速ですが情報を掴んだので!」

 

 

そうして、光宣はAR端末で地図を呼び出し、そこにマーキングされた地点を指さす。マーキングは四か所あり、東西南北に一つずつされていた。

 

 

「『十二天将』の内、四方向を守護している四神は祀られている伝承がある神社に式神の札が安置されているようです」

 

「おっ、じゃあ早速取りにいこうぜ」

 

「ですが、ここに行くと『伝統派』に襲われる可能性が高く…って、総司さん話聞いてますか?」

 

 

光宣が危険性を説明しているのにも関わらず、総司は既に外出の用意をしていた。そして総司は振り向いて光宣を見やる。その視線は、「お前何言ってんの?」と言いたげだ。だって…

 

 

 


 

 

「ヒャッハー!」

 

「「「「うわああああああああ!」」」」」

 

「フォー!」

 

「「「「ぐあああああああ!」」」」」

 

 

大半の戦力を、偽神を由来とする戦闘で十師族の魔法師団との戦闘で失った『伝統派』。そんな虫の息な組織に対して、頭として担ぎ上げられていた本人が殲滅できない道理は無く…

早速一枚目の札を回収しに来た二人を妨害しようとした『伝統派』の一団は、哀れ総司に吹き飛ばされてしまった。戦闘シーンを書きづらいんだよお前ェ…!

 

 

「これがその札ってやつなんだろ?」

 

「はい、ここは松尾大社なのでこの札は『白虎』のものだと思われます」

 

「なるほどね…確かに何か力を感じはするけどな…」

 

「式として扱えそうですか?」

 

「それはまだ何とも言え…ッ!?」

 

「総司さん、どうかしまし…っ!?総司さん!?総司さん!?」

 

 

物珍し気に札を眺めていた総司であったが、突如として体勢を崩して膝を折る。一瞬何者かの気配を感じて周囲に目をやっていた光宣は気づくのが遅れてしまったようだ。必死に光宣が総司を揺するが、総司はどこか上の空で違うものを見ているような眼をしていた。

 

 

「…これは、まずいことになったな」

 

 

総司が倒れないように壁にもたれ掛けさせた光宣は、立ち上がりながら周囲に敵意を飛ばす。すると茂みや木の陰から、黒服の男たちが現れた。体運びからして一人一人が達人と言えずとも強者。『伝統派』ではないだろう、となれば…

 

 

「四葉…!」

 

 

残るは総司を殺そうとする四葉の集団に他ならないだろう。事実黒服たちは光宣に警戒心を向けども、殺意は総司にのみ向けていた。光宣は狙っていないということなのだろう。目的が尊敬する総司の命なのであれば、光宣が手を抜くことなどない。光宣はCADを構えて、黒服たちと対峙するのであった…

 

 

 


 

 

「…ここは、精神世界か?」

 

 

周囲にまばゆい光沢を放つ金属が無数にある謎の空間、そこに総司は居た。偽神との戦いを経験した総司は、ここが精神世界であると断定することができた。そして…

 

 

「…っ、バカでかい存在感だな…!!」

 

 

総司の前に、巨大な虎があらわれた。そう、『白虎』である。この時の総司は知る由もないが、『十二天将』はかの安倍晴明が使役したからと言って、全て所謂善い神であった訳ではない。吉将(善い神)と凶将(荒々しい神)が六体ずつ。それが『十二天将』の内訳だ。

中でも『白虎』はかなりの凶暴さをもった凶将であったとされている。

 

最近の創作物、特に四元素(火・水・風・土)を取り扱う作品では、『白虎』は風属性を割り振られていることが多いが、実際は土属性に該当する。本来水属性を持つ『玄武』が土、風属性の『青龍』が水のイメージを持たれているのが災いしているのだろう。

ともかく『白虎』は土の力を操る、特に金属に類する力を扱うのが得意だ。それゆえ…

 

 

「うおっ、なんか飛んできた!?」

 

 

『白虎』の眼が輝いたかと思うと、途端に周囲から輝く何かが飛来し総司を貫かんとしてきた。それらを拳で全て弾き返した総司は、弾いた輝く何かが消える直前に、それが金属が鋭利に尖った物であったことを認識した。

 

 

「へえ~、やってくれるじゃん…!」

 

 

普段の総司であれば何の問題もないだろう攻撃だが、ここは精神世界。ガードできなかったという認識が致命傷になりかねない。自分を殺す気でかかってくる目の前の獣のごとき凶暴さを放つ神に、総司は不敵な笑みで答えるのであった…

 

 


 

 

一方その頃…

 

 

「ごめんなさいね、こんなおもてなししかできなくて」

 

「いえ、歓迎されているだけでもありがたいので」

 

 

先ほどまで総司たちがいた九島家の屋敷には、深雪と水波を連れた達也が訪れていた。どうやらかつて四葉に対して敵対行動をとっていた周公瑾を匿っていた『伝統派』の情報を得るためのようだ。四葉は周公瑾が大亜連合の手先であったことに気が付いているようだ。だからと言って、次期当主候補の深雪を現在敵対している九島に向かわせるなど言語道断なのだが…

そこには現在の九島家内部の情勢が関係している。

 

現在九島は、その権威を老師と総司の二人の力だけで支えている。『電子の魔女(エレクトロン・ソーサリス)』と讃えられる藤林響子も居るにはいるが、やはり直接的な戦闘力こそ十師族の権威を確かにするものである。

そんな権威を支える総司の最も嫌いな事は、身近な人間に手を出されることである。敵であったとしても、彼の学友であり総司自身が友とする達也たちに手を出せば、九島は自らの首を絞めることになる。故に総司の機嫌の為に達也達は丁重に扱われているのである。

 

閑話休題

 

 

「それで、『伝統派』の情報が欲しいんだってね…?」

 

「ええ。ご協力いただけたらと」

 

「そうね…せっかくだし、総司君にも同席してもらおうか?」

 

「総司ですか?今京都にいるので?」

 

「今は所用で松尾大社に…」

 

 

その時である。その場にいた全員が、弾かれるように席を立ち、同じ方角を睨みつけた。その方角はまさしく松尾大社がある方角であり、そこには総司がいるとのことだが…

 

 

「…虎?」

 

「お兄様?」

 

 

一人『精霊の眼』で松尾大社の状況を確認した達也だが、見えたのは松尾大社がどこにあるか見えなくなるほどに強大な虎の形状の『霊子』であった…

別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?

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