魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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全然書けない…スランプ&モチベ無


古都内乱編 その七

「…めんどくせー!」

 

 

暗闇に金属光沢の光だけがきらめく世界で、白虎と相対している総司だが、本人の精神時間ですでに一時間ほど戦闘を続けていた。総司の顔には疲れは見えないが、明らかにやりにくそうな表情をしている。

 

 

「こいつ、しぶとすぎる…それに戦法卑屈すぎんだろ!」

 

「ギャアアアアオ!(うるせえ!)」

 

「うわ返事帰ってきた!?」

 

 

総司が苦戦している理由、それは本人の発言通り白虎がとっている戦術にあった。凶将の中でも凶悪ではあるが、そのうえで堅実な戦い方を白虎は取っていた。

金属により作られた様々な形状の武器を射出しながら、白虎そのものは下がっていく…所謂引き撃ちだ。精神世界であるがゆえに異能は使えないし、そもそも魔法で生み出された金属加工品を射出する、異能では防げないタイプの攻撃であるため、総司は一撃一撃に丁寧な防御を要求される。

更に白虎本体のバイタリティも相まって、総司は白虎を打倒するのに苦戦していた。

 

 

「…よっと、掴んだ!これをこうしてこうやって…よし、ボールを相手のゴールに向かってシュート!」

 

「ギャアオ!(残念だったな、トリックだよ!)」

 

「何ィ!?ガッ!?」

 

 

ただでさえ近づけないのに逃げていく白虎。この状況を打開しようと総司は飛んできた金属を掴んでこねくり回し、ボール状に成型して蹴りだす…が、白虎の力は金属を生み出す力だけではなく、操る力も持っている。故に総司が放ったシュートは空中で静止し、総司に向かって帰ってきたのだ。

驚きのあまり対処が遅れた総司は、クリーンヒットではないがダメージを負ってしまう。だがそれも僅かであったのか、体勢を立て直して着地する。

 

 

「…ふう、なかなかやりにくいぜ…」

 

「ギャアオ(お前みたいなバカに使われたくないから、全力で抵抗させてもらう)」

 

「お前四文字に意味詰込みすぎだろ」

 

「ギャオ(気にするな)」

 

 

白虎は途轍もない強敵だ。だからと言って諦めるわけにはいかない、というか諦めたら死ぬ。総司は気を引き締めなおして、白虎に向けて走り出す。

取る戦法はいたって単純、近づいて殴るだ。というかこの男はそれしかできない。飛び道具になりそうな金属は相手の支配下であるし、精神世界故か拳を振るっても風圧が起きない。なら直接ぶち当てる以外にない。

 

 

「くたばれオルァン!!」

 

「ギャオギャオ!(貧弱貧弱ゥ!)」

 

「ゴッホ!?殴り返しは卑怯だろうがァ!」

 

 

飛来してくる無数の金属類を避け、白虎に肉薄する総司。そして顔面に目掛けて強力なパンチを放つ…が、直前で白虎に殴り返されて墜落した。だがその場所は白虎の足元であり、未だ距離を放されたわけではない。

総司は右拳を握りしめ、再び白虎の顔面へ狙いを定める。

 

 

「行くぞォ!お前の幻想をぶち殺してやるー!!」

 

「ギャアアアオ!(お前の元ネタその1のセリフパクってんじゃねえぞ!)」

 

「はっ、馬鹿め!それを待っていたんだ!」

 

「ギャアア!?」

 

 

某ツンツン頭の名台詞をパクりながら白虎の顔へと跳躍する総司。それに対して白虎は、先ほどと同じように殴り返すことで対応しようとした。だが、それは総司の狙い通りだったのだ。

総司が狙っていたのは、白虎の足の破壊である。殴り返しによる反撃には、人間であれば腕を使えるが知性を持っているとはいえ体が虎である白虎では、前足を使わざるを得ない。それに気づかれ、総司にまんまと前足を一本砕かれた。そのダメージで動けなくなった瞬間、総司は隙を逃さず残りの足も破壊する。

 

白虎の巨体が精神世界に横たわる。先ほどまで総司を苦しめていたのは、白虎の引き撃ちによるしぶとさであった。だが一時間も戦い続けて、白虎も流石に疲労したのだろう。弾幕にブレができてきた辺りで総司はこの結末を予見していた。

痛みにより、四肢をもがれた様に頭しか動かせなくなった白虎。そんな白虎に最後の一撃を入れようと総司が進んでくる。その姿を見て、白虎は咄嗟に命乞いを始める。

 

 

「ま、待て!それ以上近づけば、貴様は金属の刃で貫かれ死ぬだろう!」

 

「お前しゃべれたの!?」

 

「さっきから会話しとっただろうが!」

 

「してないが!?」

 

 

白虎の口から人間の言葉が発せられたことに眼が飛び出るほど驚く総司。そもそも鳴き声で相手の言いたいことを理解できていたさっきもおかしいのだが、やはり虎が流暢に話し出す状況はびっくりするのだろう。

だが白虎はその驚きの間に金属でできた巨大な刃を生成する。

 

 

「ほれ!それ以上近づけばこれが落ちてガハアアア!?」

 

「DAKARANANY」

 

 

一閃。刃による脅迫むなしく総司の拳は白虎の脳天をカチ割り、それと同時に精神世界が崩壊し始めるのだった…

 


 

 

「総司さん…」

 

「…こいつこのままにしておいた方が良かったりしないか?」

 

「お兄様、事実でも言っていいことと悪いことがあるんですよ」

 

「光宣さん、介抱変わります」

 

「あっ、よろしくお願いします」

 

 

一方その頃、傍から見ればグースカ寝てるだけの総司の周りに仲間たち四人が集っていた。総司が気絶した後、光宣は四葉のエージェント達相手になかなかに不利な状況の戦闘を強いられていたのだが、松尾大社を訪れた深雪の一声で、エージェント達はこの場を離れていった。これにより、光宣は深雪と達也の正体に勘付いてしまったが、自分を助けるような真似をしたという事は仲間なのだろうと考えた。

 

事実達也達三人は総司の気配を追ってここまで来た。到着するや否や自分たちの家の手駒が友人を殺さんとしていたことにビックリした三人は、次期当主候補最有力と目されている深雪の咄嗟の判断によりエージェント達を下がらせはしたが、当初どう立ち回るべきか悩んだが、そのあたりで総司のギャグ空間に立ち入ってしまい考えることをやめてしまった。

結果として家の方針に反逆する行動をとることになる三人だが、総司がいればたいてい何とかなるので大丈夫だと考えていた。思考停止にも程があるだろう。

 

しかし気絶している総司というのは非常に珍しい光景だ。一体何があったのかと光宣に問うたところ、『十二天将』の白虎を手に入れた瞬間にこうなったと説明する光宣に、達也は先ほど『精霊の眼』で見た虎の幻影はこれだったのかと納得する。

そんな時…

 

 

「…ッハ!」

 

「うわめんどくさいやつ起きた」

 

「…なんで君たちいるの?」

 

 

総司が目を覚ます。その表情は健康そのもので、全員が彼に介抱の必要はないと判断した。

達也達がここにいる事情を話すと、総司は今いち分かっていなさそうな顔をしていたが、「大体わかった」と返事したので全員がそれ以上言うのをやめた。

 

 

「…で、なんでここにいるの?」

 

「フンッ!」

 

「痛ァ!?」

 

 

言うのをやめたが手を出すのをやめたとは言っていない。総司の間抜けな返しに、達也は渾身の右ストレートを叩き込むのであった。




魔法科世界の秘匿通信


・総司の当初のイメージは、『使い勝手の良い幻想殺しを手に入れた全盛期オールマイト」』

別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?

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