魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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リローデッド・メモリマジでいつ来るんだよ…(絶望)


マスターデュエルにおいてランクが増えたのでちょっと投稿ペース落ちると思います。


九校戦編 その二

定期試験終了の打ち上げから数日後…達也は指導室に呼ばれていた。その噂を聞いたエリカ、レオ、美月、ほのかの四人は達也を迎えに指導室まで向かい、総司と雫は真相を探るため、ジャングルの奥地へと向かった…

 

 

「失礼します」

 

 

指導室から出てきた達也はちょうど迎えに来た四人と遭遇する。

 

 

「どうしたんだみんな、そんなに慌てて」

 

「どうしたはこっちの台詞だぜ達也。なんだって呼び出しなんて…」

 

「実技試験のことで尋問を受けていたんだ」

 

「尋問?穏やかな表現じゃ無いわね」

 

「なんで達也さんが尋問なんて受けることに…」

 

「理論の成績と差がありすぎて、手抜きを疑われてしまったんだ」

 

 

一高では試験成績優秀者を学内ネットで発表するのだが、総合成績では深雪、ほのか、雫が上位を占め、実技の成績も同様の結果だったのだが、理論だけは毛色が違っていた。

理論の上位メンバーは達也、深雪、達也達とクラスメイトの二科生、吉田幹比古がランクインするという大波乱が起きていた。特に、達也は2位の深雪に()()()で10点以上の差を付けたぶっちぎりの1位だったのだ!

 

因みに余談だが、我らが総司は予想を裏切らず実技、理論、総合でぶっちぎりの最下位をマークして無事トリプルスコアを達成していた。

 

 

「それで、転校を勧められたんだ」

 

「転校?何処にだよ?」

 

「四高だな。四高はウチよりも技術に重きを置いているから、俺に向いているんじゃ無いかって」

 

 

達也が転校するかもしれないことに慌て出す四人…特にほのか。

 

 

「達也さん、転校しちゃうんですか!?」

 

「いや、断ったよ。善意からの言葉だったのかもしれないが余計なお世話だからな」

 

 

達也の言葉に冷静さを取り戻す四人。

 

 

「だが先生は最初は中々折れてくれなかったな。いつの間にか入ってきていた総司が先生の耳元で、『止めとけ止めとけ…ブラコン女王様に凍りづけにされるぞ…』と言い残していってくれなかったらもう少し長引いたかもな」

 

「総司の奴何やってんだ!?」

 

 

達也からの言葉に驚く面々だが、『でも深雪なら…』と全員が納得してしまった。

 

 

「そういや総司は?」

 

「雫も居ないわよね?」

 

「ほのかさんは何か知りませんか?」

 

「総司さんは分からないけど…雫が『総司君に会いに行ってくるね』と言って私と別れたのは覚えてる」

 

 

レオは雫がわざわざ総司に会いに行った事に疑問符を浮かべ、エリカはニヤニヤと、美月は顔を赤面させる。ついでに達也だが、雫には失礼だが「趣味が悪いな…」と考えていた。総司に失礼だとは一切思っていない。

 

 

 


 

 

「…!?これは!?」

 

 

場面は変わりとある空き教室での出来事である。

この教室にて古式魔法の一種である喚起魔法の練習をしていた元『神童』、吉田幹比古は喚起魔法にて呼び出した精霊達の様子がおかしい事に気づく。

精霊達がまるで何かに引っ張られるかのように術者である幹比古の命令さえ無視して教室の外に出て行くでは無いか。

 

この異常な光景を目にした幹比古は精霊達を追って教室を飛び出す。すると精霊達は近くにある他の空き教室に向かって行くのが見えた。あそこに何かがあるのか?と幹比古がその教室に入ると…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「叩いて!」

 

「被って!」

 

「「ジャンケンぽん!」」

 

 

二科生の男子生徒と一科生の女子生徒が実に懐かしい遊びをしていた光景だった。

 

 

「…うう、負けちゃった…」

 

「甘いな雫ちゃん、俺に勝とうなんざ二万年早えよ!」

 

「…何やってるんだ君たち」

 

 

思わずツッコミを入れてしまった幹比古の方を二人が一斉に見る。

 

 

「あなたは…誰?」

 

「雫ちゃん、彼は僕のクラスメイトのコックカワサキ君だ」

 

「違うよ!?僕の名前は吉田幹比古だ!そこの女子はともかく橘君は知ってるよね!?」

 

「もう総司君、クラスメイトの名前を間違えるなんてダメだよ?」

 

「ああ、すまない。今までコックカワサキで覚えてたんだ。スマンな、インセクター羽蛾」

 

「よろしくね、羽蛾君」

 

「いや間違ってる!間違ったままだよ!?というかそこの女子は名前を間違えた事を咎めたのに自分も間違えたままじゃん!?」

 

 

幹比古の指摘に「何言ってるの?」と言いたげに首を傾げる二人。

 

 

「何言ってんだよ、俺達は名前間違えてないぞ幹比古」

 

「そうだよ吉田君。訂正してもらえる?」

 

「いやいやいや!さっきカワサキとか羽蛾とか言ってたじゃん!」

 

「え?どうしちまったんだよ幹比古。俺達はそんなこと言ってないぞ?なあ雫ちゃん?」

 

「ホントにね。体調でも悪いんじゃ無い?吉田君保健室でも行ってきたら?」

 

「なんなんだこの二人…!」

 

 

思わず両手を地面について叫ぶ幹比古。それを見た総司が何故か勝ち誇った顔で腕組みをし、それを見た雫が真似をしてドヤ顔で腕組みをしたところで、幹比古はこの教室に足を運んだ理由を思い出す。

 

 

「そうだ二人とも!さっきこの教室に精霊達が引き寄せられていたんだ!何か知って…」

 

 

言いかけた幹比古は目の前の光景に絶句してしまった。

 

 

「総司君それ何やってるの?」

 

「んー?いや精霊達が遊んで欲しそうだったから構ってやってんだよ」

 

 

そう言いながら球状の精霊約10体あまりを使って総司がお手玉をしていたのだ。しかもお手玉されている精霊達はどこか嬉しそうにしていた。

 

 

「た、橘君!それは一体どうやって…!」

 

「どうやってって、なんとなくだが」

 

「もしかして、精霊達をしっかりと認識できているのか!?」

 

「認識どころか色も分かるが…」

 

 

何気ない事のように言い放つ総司。しかし幹比古は彼が古式魔法に…少なくとも精霊の扱いに長けていることが分かったのだ。その瞬間には「この男が僕よりも上…?」などとかつてのような傲慢な思考をしてしまったが、今の彼はなりふり構っていられるような状況では無かった。

 

幹比古は総司に足早に近づいて懇願する。

 

 

「頼む橘君!僕に魔法を教えてくれ!」

 

「え…?んにゃぴ…(魔法)よく分かんないです…」

 

「嘘だろ!?じゃあなんで精霊の色まで認識できるんだ!」

 

「いや、俺の家系的にできることなんじゃないかな…」

 

「家系!?古式の家に橘なってあったか…?」

 

「いや、家柄は俺知ってるけど育ったのは孤児院だし、両親にも会ったことないからよくわからんぞ」

 

「そ、そうか…」

 

 

自身のスランプの解消に一歩近づいたのでは?と考えていた幹比古は目に見えて肩を落とす。

その様子を見た総司はふと思いついたかのように幹比古に言った。

 

 

「じゃあさ、達也の奴に相談してみたらどうだ?」

 

「司波君に?」

 

「ああ、達也は術式を自作した事もあるらしいからな。お前のアドバイスもできるんじゃないか?」

 

「…君はウチの術式に問題があると言っているのか?」

 

「いや、お前の事なんてそんな詳しく知らんが…とりあえず聞いてみたらどうだ?お前の理想が高すぎて術式が追いついてないだけって可能性もあるからな」

 

「…分かった、ありがとう。明日彼に相談してみるよ…」

 

 

そう言って退席しようとした幹比古。しかし彼が扉を開ける前にガラッと音を立てて扉が開いたので幹比古は驚く。

 

 

「わりーな総司、遅れちまった…って、誰だお前?」

 

「総司君のお友達?」

 

 

そこにいたのは一科生の二年生、桐原武明と壬生紗耶香だった。彼らはどうやら総司に用があるみたいだ。

 

 

「えっと、吉田です。…それで先輩方は何で此処に?」

 

「俺達はアレをやりに来たんだ」

 

 

そう言って桐原はヘルメットとピコピコハンマーを指さす。

 

 

「…え?」

 

「そうだ!吉田君もやらない?もう一人参加する人がいるんだけど、奇数だったからシードになっちゃってたのよね!」

 

「いや、結局それ勝った方がシードじゃねえか…」

 

 

先輩の言っていることが理解出来ない幹比古をよそに、先輩二人はおかしい方向に話を飛躍させていく。

 

 

「別にいいんじゃないですか?人数が多い方が楽しいでしょ」

 

「それもそうだな、よし!総司と北山はもうやったんだよな?じゃあ次は俺と紗耶香だ!」

 

「望むところよ武明君!雫ちゃんは審判お願い」

 

「はい、忖度とかしませんから」

 

 

ブランシュ壊滅の後、無事に交際がスタートした先輩二人は困惑する幹比古を放ったまま準備を始めた。

 

 

「いや僕は…」

 

「いいじゃんいいじゃん。気晴らしにやってけよ、いい経験…とは言えないかもだが、少しは気分も晴れるんじゃ無いか?」

 

 

珍しくまともなことをまともじゃない場面で言い放つ総司に言われるがまま、幹比古も参加の意思を決めた。

するとしばらくして、桐原と壬生が今だ激しい競り合いを見せる中…ガラッ音がした。どうやら自分の相手が来たようだ…と幹比古がそちらを見ると…

 

 

「…え?」

 

「スマン、遅れた…む?お前は確か…吉田家の…」

 

 

そこにいたのは顔つきも体格もおおよそ高校生とは言い難い、まるで巌のような男…!

 

 

十文字家次期当主 十文字克人 参戦!!

 

 

「ま、まさか、僕の相手って…!?」

 

「おっ、克人先輩来ましたね!幹比古が加わったんで、この後幹比古とやってください!」

 

「ふむ、了解した。お手柔らかに頼む」

 

「え、え…え?」

 

 

『神童』吉田幹比古 VS 『鉄壁』十文字克人 ファイ!

 

 

 

 

 

 


 

 

その後無事に敗北した幹比古だったが、総司と克人の壮絶な戦い、壬生と雫の女としての格を決める(決まらない)ドロッとした戦い、総司と桐原のリア充への憎しみたっぷりな蹂躙を見せつけられた。

確かに気分転換にはなったがそれ以外は全く得るものが無かったと言っていいだろう。克人は他者の戦いを見て自身のトレーニングに組み込めるような閃きをしていたが。

 

 

「…はあ、疲れた」

 

 

克人に一方的に敗北し、桐原にギリギリで負け、壬生と雫には勝ったものの、総司に一撃でぶっ飛ばされた幹比古の顔には明らかに疲労が浮かんでいた。

 

 

「こんなことなら…この教室に入るなんてことし無ければ良かった…」

 

 

既に遅い後悔をしている幹比古の肩を優しくたたく手が一つ。

 

 

「疲れたみたいだな」

 

 

幹比古が振り向くと総司が実にいい顔で何かの袋を突き出していた。

 

 

「あげせん…食う?」

 

「もらうけど…疲れたのは君のせいだよ、たち…いや、総司」

 

 

差し出された袋から一つあげせんを取り出しながら、幹比古は苦笑いで総司に言い返した。




魔法科世界の秘匿通信

・実は雫は総司の周りの人間に自身の気持ちを教えて外堀を埋めている。


・今回の発案者は総司ではなく克人



お前達は何をやっとるんだ…(呆れ)21世紀末に叩いて被ってジャンケンぽんとか信じられんのだが。


この作品には中身が同じなのが複数います。
例:司波達也、五条悟(総司のイメージビジュアル)、迅悠一(ネタ)


吉良の同僚のスタンド『ヤメトケヤメトケ』の正体は深雪だった…!?(謎)

別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?

  • いいともー!
  • 駄目だね~駄目よ、駄目なのよ~

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