魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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日刊ランキング三十六位…!?
ランキング入り自体予想だにしませんでしたねぇ!


入学編 その四

前回のあらすじ!

 

キレた森崎!

お前達の差別って、醜くないか?

はい、チョンパァ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

いともたやすく行われたエゲツナイ行為によって、森崎のCADを破壊した総司。

そんな総司を見た達也は驚愕を隠しきれなかった。

 

CADは魔法師の命綱とも呼べるため、基本的にはかなり頑丈に作られているはずだ。それをあのような方法で破壊するなど明らかに異常だ。魔法を使っていたなら話は別だが、この男は単なる運動能力による攻撃で…真夜が恐れるのも無理はないだろう。

 

二科生含めた全員から驚かれている総司。それをしばらく見ていると総司の方を見て呆然としている女子生徒が目に入った。先程食堂で森崎の発言に批判をしていた女子生徒の一人で、クールな印象を受ける。

だがそこで、いがみ合いをしていたことを一瞬忘れていたが、フリーズから解放されて思い出した一科生達が森崎の敵討ちに攻撃を開始する。そこで一人の一科生の女子生徒が他を冷静にさせようと閃光魔法を発動しようとする。

使用魔法の判別が分からない他の生徒達にはその女子生徒も含めて一科生が一律で攻撃魔法を発動すると思っているだろう。

 

達也はその女子生徒以外の魔法を止めようとする。一科生達が発動しようとしているのはどれも殺傷ランクがBはある魔法だ。さすがに危険すぎる…そう考えた時、またしても総司が動いた。

 

 

「昇竜拳!」

 

 

と言って腕を突き上げる。最も、()()()()()()()()()()()()()()のだが。

ゴウッ!!っと風が吹き荒れる。しかも本来の自然現象ではあり得ない、下から上への風だ。その風に一科生を含めた女性陣は急いでスカートを抑え、男性陣は単純に顔を覆っていたが、覆っていない者も何人かいた。

 

だが彼らの魔法が発動することはなかった。困惑する一科生達。だが達也は何が起こったのかを正確に把握していた。

総司が起こした風に()()()()()()()()()()()のである。その様は達也も使用する魔法解体(グラム・デモリッション)の性質に似ていたが、問題はやはり、魔法を使っていないことだ。

魔法もなしに世界最高の対抗魔法と同質の効果を発揮できるなどもはや人外の域である。

 

 

 

ところで。

先程述べたクールな印象を受ける女子生徒についてである。彼女は呆然と総司を見ていたのだ。そう、達也が目をつけるほど()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

そんな彼女がだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

唐突な突風に反応できると思うか?

 

 

「…?…!!!」バッ!

 

 

結論から言おう。彼女は総司に気をとられていたあまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「…見た?」

 

 

達也もレオも、困惑していた一科生達もスカートを抑えながらの問いかけに何があったのか察してしまう。

 

だが幸運なことに、達也とレオは顔を腕で覆っていたので見ておらず、一科生達はそもそも達也達の方を見ていたので女子生徒の方は見ていなかったのだ。どうやら誰も見ていないようだ。

 

よかった、コレで解け…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やったーパンツ見えたー!」

 

 

バカ!ホントバカ!

 

 

「っ!」

 

 

男の人っていつもそうですよね!…とは流石には言わなかったが、その女子生徒は恥ずかしさのあまり、総司に近づいて彼の胸をポカポカ殴りだしたのだ。

 

 

「はっはっはっは、効かんな」

 

「…バカ」

 

 

しかし尚も余裕をかます総司に女子生徒は上目遣いで抗議する。は?そこ変われや。

そんな一瞬でカップルみたいな事をし出した二人に全員がポカンとしていた。そこへ…

 

 

「こらー何やってるの!?」

 

 

生徒会長の七草真由美ともう一人女子生徒が近づいてきた。

 

 

「風紀委員長の渡辺摩利だ。君たちは1-Aと1-Eの生徒だな。事情を聞くのでついてきなさい」

 

 

この学校でも権力が高い二人に気圧され一科生、二科生共に何も言うことが出来なかった…一人を除いて。

 

 

「いやあ、すいません。ちょっと僕ら魔法が苦手なもんで、一科生の皆さんに教えてもらってたんですよ」

 

「それは本当か?」

 

「…」

 

 

この学校で一科生の二科生差別を知らないはずはない摩利は総司に問うが、総司は笑顔を見せるだけだ。おそらくコレでは何も聞き出せないだろう。

 

 

「とりあえず今回の騒ぎは見逃していただけませんかね?」

 

「…フン、いいだろう、今回だけだぞ」

 

「ちょっと摩利!」

 

「真由美さんも、ね?」

 

「っ!…いいでしょう」

 

 

ここまで一度も描写していなかったが、総司の顔面はクトゥルフTRPG基準でAPP16はある超イケメンである。

摩利はともかく真由美は絶世のイケメンのウィンクを至近距離で喰らったため願いを承諾してしまう。こんなバカがイケメンとか世も末だな!

 

 

「一応、名前は覚えておこう。君、名前は?」

 

 

しかし業務上、何もせず見逃すと言うことは出来ないらしく、摩利は総司に名前を確認する。

それに対し、総司は答えた。

 

 

「自分は1ーEの…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()です」

 

 

「「「「「「「「…は?」」」」」」」」

 

 

この男はあろうことか、自身の名前ではなく達也の名を名乗ったのだ!

 

 

「司波達也か…覚えたぞ」

 

 

違います。その男は橘総司です。

二科生の面々、特に名前を使われた達也と妹の深雪は唖然としている。

 

 

「ま、摩利!違うわよ、この子は司波君じゃなくて…」

 

「やっべ、逃げろ!」

 

 

きちんと総司の名前を訂正にかかる真由美の姿に焦った総司は相変わらずの、しかしある程度セーブした速度で達也達に合流する。そこには先程パンツを見られてしまった可哀想な女子生徒に、その友人も近くにいた。どうやら深雪にとって一科生の中で現状友と呼べるのはこの二人だけのようだ。

全員がポカンと口を開けている所に総司が駆け寄り急かす。

 

 

「話は聞いていたな?さっさとここから逃げるぞ!」

 

 

何が話は聞いていたな?だよ全部お前が悪いんだよ。

 

 

「今のは明らかにお前が悪いだろ…」

 

 

奇しくも達也も作者と同じ意見のようだ。

 

 

「いや、シャミ子が悪いんだよ」

 

「誰だよシャミ子」

 

「誰でもいいだろ?ともかく全部シャミ子が悪いんだよ」

 

「え?ホントにそのシャミ子とか言う奴に全部言わされてるとかなのか?」

 

「は?何言ってんだよレオ。シャミ子は別に悪くないよ。後誰だよシャミ子って」

 

「お前が言い出したんだろ…」

 

 

相変わらずの総司の奇行ににレオは全くついて行けなかった。そんな会話をしていると後ろから摩利の怒号が聞こえる。

 

 

「こらぁ!戻ってこい!橘ァ!」

 

 

総司を名字で呼んでいることから摩利は真由美から正しい知識をインプットされたようだ。

明らかに捕まれば殺されてしまいかねない程の気迫で此方に向かってくる。

 

 

「やばい!鬼の風紀委員長が来るぞ!捕まったら物理的に食されちまう!」

 

「その認識も矯正する必要があるようだな橘ァ!」

 

「聞こえてんのかーい!」

 

 

等と呑気なことを言いながら総司は校門に向かって走り出す。速度が明らかに遅い事から考えると、達也達にも付いてこいと言外に伝えているのだろう。なまじ総司の身体能力を見てきた達也は、2日の付き合いでもそれを読み取ることが出来た。

 

 

「…俺達も行くぞ」

 

 

ため息をつきながら仲間達に呼びかける達也。エリカとレオはノリノリで、クールな女子生徒は総司を見つめてどこか顔を上気させながら、彼女の友人の女子生徒と美月はオロオロしながら、深雪は意外にも青春らしいイベントに若干楽しさを覚えながら、総司に追従した。

 

また、明日総司となぜか達也だけが生徒会室で摩利に叱られるのは別の話だ。

 

 

 

 

 

 


 

 

「はぁ…はぁ…は、速い…」

 

「本当ね。魔法なしでどうやってその速度を出しているのかしら?」

 

 

ある程度離れて場所で止まった一行。美月は息を切らしながら苦言をもらし、エリカが総司の速度に疑問を呈する。

 

 

「はは!それはまた今度な!とにかく今はそのお二人さんだよ!」

 

 

総司ははぐらかしながら付いてきた一科生の女子生徒二人に話題を転換する。エリカは明らかに不満げだ。

 

 

「…自己紹介しなきゃだね。私は北山雫。よろしくね、変態さん」

 

「ちょっと雫!失礼だよ!?…あっ、私は光井ほのかです!先程は助けていただきありがとうございます!」

 

 

その二人…北山雫と光井ほのかの言葉のみの印象では雫は総司を嫌い、ほのかは感謝しているように見えるだろう。ほのかはその通りだが、雫の目は変態を見る目ではなく、若干熱っぽいものだ。二人からの総司への好感度は悪いものではなさそうだ。

 

 

「オッス!オラ橘総司!またの名を西城レオンハルト!よろしくな、二人とも!」

 

「おい総司!」

 

 

再び友人の名を騙る総司。てか何だよまたの名ってさ。ふざけんな?

それはそれとして(デビルマン)。

雫は先程の事について総司に問いかけた。

 

 

「それで、さっき…見たって言ってたけど、本当?」

 

 

雫は先程の総司の発言が一科生達を困惑させるための虚偽だという可能性を考慮して…というより願っていた。

 

 

「モチロン!嘘に決まってるだろ?」

 

 

総司は実にいい笑顔でそう答える。達也達は「絶対嘘だ」と思っていたが雫はとりあえず信じることにしたようだ。

 

 

「ならいいの。見てないなら何の問題もないし」

 

「ああ!イメージ的に青いのを履いてそうだけど実は可愛らしい白のレース物を履いてた事実なんて俺は見てないぜ!」

 

 

雫は怒りを露わにし総司へと襲いかかる。それから走って逃げる総司。雫がギリギリ追いつけない速度を維持しているあたり確信犯である。

 

達也はこれからの学校生活を憂いながら…しかし退屈はしないだろうな。と考えながら、子供のように走り回る(理由も子供っぽいが)二人を…正確には総司を見て、そう感じたのであった。

それはそれとして警戒はするのだが。

 

 

天気予報にもなかった雨を感じながら達也達は帰路についたのだった。




橘君の豆知識

・最後の雨の描写は、総司の昇竜拳で上昇気流が発生したために雨が降り始めようとしているのである


まあ、雫の反応から皆さんもう彼女がどのような立ち位置かご理解いただけたでしょう。大変そうだな…(他人事)

別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?

  • いいともー!
  • 駄目だね~駄目よ、駄目なのよ~

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