魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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情報戦の時はシリアスになるのに、いざ実戦になるとふざけまくるのはそ~うじ?


優等生見てると「作画安定しないな…達也なんか違うな…」って去年のリアタイ時と全く同じ感想が出てきます。まあ雫ちゃんの出番が非常に多い(メインキャラの一人なんだから当たり前)ので、オッケーです。


横浜騒乱編 その十五

駅のシェルターへと移動を開始する一同。途中で克人が師族会議の一員としての義務を果たすとか果たさないとかで車を一台借りて一人で魔法協会支部に向かった故、欠けたメンバーこそいるが全員無事にシェルターが設置してある駅前広場に到着した一行。だが…

 

 

「そんな…!」

 

「広場が…!」

 

「直立戦車…いったい何処から…?それにこの大量の総司君のクローン…隠れ潜んでいたとしても何処に?」

 

 

駅前広場は凄惨な状況だった。広場は大きく陥没し、その上直立戦車とクローン兵が気持ち悪いぐらいの数存在していた。見ろ!まるでゴミの(ry

 

 

「…ターゲット確認」

 

「「「「!?」」」」

 

「…情報一致、オリジナルの学友及び上級生と判断。排除します」

 

 

呆けていた一高生を発見したクローンから、総司の顔に似つかない機械音声と共に、驚愕の事実を知る。それはつまり、今此処にいる一高生の情報が知られていると言うこと。この中でも特段有名な真由美だけならまだしも、全員が関係者であるとバレている。まあバレていなかったからと言って向こうが襲ってこないという訳では無いのだが。

 

 

「優先順位設定…第一目標、北山雫」

 

「私っ…!?」

 

「なるほど?こいつら作らせた奴はよっぽど総司が嫌いなんだな。的確に弱点狙おうとしやがってよォ!」

 

 

クローン達の行動目標には、総司の仲間達の排除も含まれていたのだろうか。そう考えたくなるほど、大量のクローン達が囲みこんでくる。

総司のクローンに殺害予告を出された事に、クローンといえどもショックを受けた雫。そんな雫とは対称的に、過去総司とともにブランシュを壊滅させた経験がある桐原と壬生は即座に雫をかばうようにして立ってから得物を抜く。

 

いきなりな戦闘に困惑を隠せない面々を余所に、桐原達の即時行動に感心しつつも響子が指示を飛ばす。

 

 

「皆さん聞きましたね!?どうやら奴らの目的は今北山さんのようです!真由美さん達は魔法で迎撃!近接が得意な方々は護衛を!即席の防衛戦です!」

 

 

その指示を聞いて、呆けていた全員が即座に陣形を取る。レオ、エリカ、摩利、壬生、桐原、響子達軍人三人が前衛、残りのメンバーが後衛を担当する。ショックから立ち直った雫もやる気十分だ。

 

 

「よし!やるぞお前ら!千代田!広場が陥没してるんだから『地雷原』は使うなよ!」

 

「相手は人のようであるとは言えクローンです!気が進まないかもしれませんが、彼らを殺害する覚悟はしてください!特に北山さん!」

 

「大丈夫です!偽物なんて要らない!総司君は私一人のものだから!」

 

「なんか理由おかしくない?」

 

「直立戦車のことも忘れないで!」

 

 

駅前広場にて、一高生+α対クローン軍団with大亜連合軍兵器の戦いが始まった!

 

 

 


 

 

クローン軍団対一高の戦いは、一高側の防衛戦であると言う点とクローン達の魔法適性がオリジナル以下とはいえ脅威的な身体能力を持っている故の先制のしやすさから、先手はクローン軍団に譲る形となる。

 

 

「対象…抹殺!」

 

「出来るとでも!?」

 

 

一体のクローンが雫へと手を伸ばす。一見すればただ掴もうとしているだけに見えるが、強化された彼らの握力によって掴まれれば、その部位は間違いなく破損してしまうであろう事は明白。そして何の妨害もなければ、寸分違わず雫の頭を掴み取り、そのままトマトのように潰せるであろうその掌は、代わりに割り込んできた男の腕を掴む。だがクローン達には何の問題も無い、そのまま握りつぶせばいいのだから。

 

そうして力を込めて男の腕を潰し…とここでクローンは気づく。この男の腕にいくら力を込めても形を変えることすらない。それどころか、男の身に纏う服すら不動なのだ。

そう割り込んできた男とは、レオであった。彼の操る『硬化魔法』は耐久力を上げるのではなく、部品と部品の相対位置を固定することで、結果的に硬度を上げるような芸当が可能なのだ。レオは掴まれていない方の腕でクローンを殴り飛ばす。そのあまりの威力に、クローンの一体は沈黙した。

そしてこの応酬で、彼らの中に共通認識が発生する。

 

 

「いくら似ててもやっぱクローンってとこか!こいつら魔法の無効化までは出来ないみたいだぜ!」

 

「こっちは一撃で切れた!耐久力も本物には遠く及ばないわね!」

 

 

こちらでは総司の異能であるエイドスの正常化がもたらす魔法無効化をコピーしている訳では無いことが判明した。そもそも彼らは知らぬ事だが、総司の異能は世界でただ一つのオンリーワンなのだ。そしてもう一つの声…エリカの報告では、クローンの耐久力は人並みである事が判明した。本物はエリカの剣を食らっても鼻をほじっていられるぐらいには堅い。千葉家の娘をして、『どうやっても切れない』と思わせるほどの耐久性…それをクローン達は持ち合わせていなかったのである。

 

 

「これならまだ…!」

 

 

そう言って天空に無数の術式を展開し、そこから『雷童子』を放ったのは幹比古だ。彼の操る古式魔法は、一高入学時こそスランプだったものの、総司と達也のアドバイスによって改善された事によって以前よりも強い力を得ることが出来た。

そんな幹比古の術式でみるみる数を減らすクローン達。しかし次から次へと、援軍かのように他の地区から流れ込んでくるクローンに痺れをきらす者が一人。

 

 

「あーもう!どこ向いてもあのアホ面が映るとかどんな地獄よここ!さっさと一掃したい~!」

 

「花音抑えて!ここで『地雷原』みたいな振動系魔法を放つのは悪手だ!地盤が崩れて陣形が乱れるし、なにより地下シェルターの人達が危ない!」

 

 

それは一高の風紀委員長、千代田花音その人であった。彼女の得意とする魔法は振動系。この地形状況と全くかみ合わない、この戦闘には不向きな人物であった。そんな彼女は今、戦闘を苦手とする許嫁の啓を守るようにして立ち回っている。総司の為に雫を狙うクローン達だが、それは彼女の死が最も総司にダメージを与えられる方法であるからであって、この場にいる全員(響子の部隊の軍人は除く)の死は少なからずダメージを与えられるとしてちょくちょく狙ってくるのだ。特に戦闘能力に乏しいと見られたのか、啓はやたらと狙われる。こうなってはカバーをする必要性が出てくる為、花音が自主的に請け負っているのだ…

 

 

「やっかましーぞ千代田ァ!」

 

「そういう武明君も!叫んでないで手を動かす!」

 

「やってるよ!数が全然減りやがらねえんだこのヤロー!」

 

 

そう言い合いながらクローンを切りつけるのは桐原と壬生のペアだ。彼らは幼少の頃から、エリカ程では無いが剣を修めており、その技量は魔法剣士として見れば超一流のものであった。しかし剣で切れるのはいいとこ同時に三人。次から次へと雑草のように現れるクローン達の相手は、さすがの二人といえどもすぐに音を上げる程だ。

 

 

「お二人とも、下がってください!」

 

「「!」」

 

 

背後からの聞こえた声に反応し、二人の剣士が勢いよくバックステップを踏む。途端、二人が居た場所を巻き込んで広範囲の領域が凍り付く。無論、回避が間に合わなかったクローン達は等しく氷像と化した。

 

 

「すっご…」

 

「司波妹め、俺達が間に合わなかったらどうするつもりだったんだよ…」

 

「ふふっ、お二人なら回避できると思っておりましたので」

 

「ふ~ん?随分信頼してるじゃ無い深雪?壬生先輩、彼氏さん取られちゃうかもよ?」

 

「馬っ鹿千葉!変なこと言ってんじゃねーよ!」

 

 

『ニブルヘイム』。振動・減速系の超高難度魔法である。領域内の物質を均質に冷却するこの魔法は、使用者である深雪の技量と、彼女の兄のCAD及び魔法式の完璧な調整の合わせ技により、より一層の破壊力をもたらす。更に…

 

 

「っ!?…おっと、向こうも派手にぶっ放してやがるな?」

 

 

そう呟く桐原の視線の先には、直立戦車と連携して攻撃を仕掛けようとして来たクローン達にドライアイスの弾丸を放つ真由美の姿があった。威力は凄まじく、直立戦車ごとクローンを吹き飛ばしていく。

 

 

「ボサッとするなお前達!」

 

「こんな偽物、総司君の足下にも及ばない…!」

 

 

この戦闘の中で呑気な会話を交わしていたメンバーを叱咤しながら、独特の剣筋でクローンを完封する摩利。背後から摩利を援護するように『フォノンメーザー』をぶっ放す雫。彼女の気迫には鬼気迫るモノがあり、現在響子達の部隊を含めても、最も撃破数が多い。しかしそれは何度も魔法を発動していることの裏返しでもあり、若干息が上がっている。このペースでは、真っ先にダウンするのは雫だろう。

 

だが現状は一高側の優勢であり、クローン達は確実に数を減らしていく。故に、自分達の不利を悟ったのであろう、一体のクローンが発声する。

 

 

「戦況…不利。提案…前衛と後衛の分断、及び各個撃破」

 

「「「「賛同」」」」

 

 

直後、クローン達の動きが変わる。主に戦闘力の低い者と優先目標である雫を一律で狙っていたクローン達の視線が、この場にいる全員に均等に向く。どうやら陣形を崩さなければ突破できないと考えたクローン達。強引に後ろに下がっていた者達を愚直に狙うのでは無く、数体で近接の足止めをし、残りで目標を排除。更には足止めに留まらず、そのまま殺害さえも視野に入れる。そして…

 

 

「おいおい…まだ来るって言うのか…!?」

 

「これ何体居るの!?」

 

 

今回の侵攻に用いられたクローンの総数、その数はなんと約一万を超える。現在は追加で二割、合計して四割を倒した脳筋コンビと先程までの戦闘で少々減った事を鑑みても、横浜全体にはまだまだクローンがウジャウジャ居る。そして今この場には、残存するクローン兵力の約三割が集結していた。数に直すと三千人、数人の魔法師達にとってオーバーキルもいいところだ。

 

 

「そんな…!こんな数、とても…!」

 

「か、勝てる訳がない…」

 

 

絶望の表情を浮かべる美月とほのか。彼女達の目には涙が浮かび、言い表せない死の恐怖が彼女達を襲っていることは明白だ。だが、

 

 

「ダメよ美月!そんな弱音を吐いては!」

 

「そうだよほのか!私は必ず総司君と一緒に一高に帰る!ほのかやみんなと一緒にね!」

 

「深雪さん…そうですね、申し訳ありません」

 

「…ありがとう雫!でも無理はしないで、私も一緒に戦うよ!」

 

「無理をしてるのはそっちじゃない?」

 

 

今だ戦意を衰えさせない二人の激励に、ほのか達はまだ顔は青いながらも奮い立つ。ただほのかは意地を張りすぎて雫に心配されてしまったが。

 

 

「攻撃、再開。再度、対象の抹殺を試みます」

 

「来るぞ!総員構えろ!」

 

 

果たして、一高生達は生き残れるのだろうか!?

 

 


 

 

 

~一方その頃~

 

 

「…クローン達の動きが変わった…?」

 

「歯ァ食いしばれお前らァ!国防仮面()(最強)は、ちっとばっか響くぞォ!(ドゴォン!!)…フー、うん?」

 

 

別の地区で戦闘をしていたとある二人が、クローン達の異変に気づいたのだった…




魔法科世界の秘匿通信


・何故クローン達がオリジナルの親しい者達を殺そうとするのか…それは開発を指示した者のみ知る…


()()()()()()流れ込んでくるクローン:あっ(察し)ふーん(同情)



総司を散々警戒してたのに自分と同じシステムで情報を得られて、日本への工作拠点を潰されてしまい、警戒の意味なくてブチ切れてる…一体何ード・ヘイグなんだ…?

別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?

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