魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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全然間に合わなかった…

今回も強化されたキャラがいます。

後総司が後半絡まないからシリアスになってる…やめてくれよ…


入学編 その八

「い、痛いです…」

 

「こんなのもう勧誘じゃない…!」

 

 

光井ほのかと北山雫は今年度の入試試験において実技成績2位と3位である。毎年この勧誘期間には、何故か入試成績が漏出しており、成績優秀者は必然的に狙われる。ならば1位である深雪を狙えば?と思われるかもしれないが、首席は毎年生徒会に所属することが通例になっており、逆に手を出されづらいし、生徒会室にいる可能性が高いため、そもそも遭遇できなかったりで勧誘そのものは首席に影響は少ない。

 

となると狙い目は2位や3位であろう。ほのかと雫が狙われるのは必然的といっても過言ではないだろう。さらに首席である深雪のいい意味での近寄りがたさがあるが、ほのかと雫にはそれがないため、余計に狙われているのだろう。

そして彼女達を求める手はドンドン増えていき、もはや彼女達を無視した喧嘩に発展している。雫の言うとおり、これは勧誘ではなく一種の限定品の奪い合いのようなものだ。

 

 

「きゃっ!?」

 

「何?」

 

 

その奪い合いを制したのはその二人を持ち上げ連れ去った二人組の女子である。

 

 

「こいつらだよね?」

 

「ああ、間違いない。今年の実技の2位と3位だ」

 

 

これは余談だが、首席以外には成績は本人にも告げられることはない…あれ?真由美が達也に教えていたような?

ともかく、そんな当事者もあずかり知らぬ成績を二人が知っていることに雫は疑問符を浮かべる。ほのか?ああ、いいやつだったよ(適当)

 

 

「止まれ!そこの不良生徒!」

 

「おっ、摩利じゃん!」

 

「卒業したお前らが、どうして此処にいる!?」

 

 

追ってきた風紀委員長の摩利の発言からして、どうやらこの二人は学校のOGだったようだ。摩利とは浅からぬ縁がありそうで、摩利は怖い顔をしている。

そんな中二人は呑気にどうやって逃げおおせようか話し合っている。次の瞬間には彼女達に不運が訪れるのだが。

具体的に不運だったのは、自身の失言が原因で友人から逃げ出したとあるバカに現場を見られていたことである。

 

 

「これからどうする?流石に摩利と根比べはきちいぞ?」

 

「部室に連れ去った後に、さっさとトンズラするのがよさそうだね」

 

「うんうん、それでそれでー?」

 

「「それでー…っ!?」」

 

 

OG達の会話に割り込む第三者の声。一瞬は連れている一年のどちらかか?と思考するが、明らかに男の声であった事からソレはないと判断する。そして二人が横を向くと、お互いの間にあるスペースにて、自分達のボードと完全に併走している男子生徒が視認できた。

まさか併走して追いかける奴が現れるとは思いもよらなかった二人は、このとてつもない自己加速術式の使い手に驚愕する…二人は自己加速術式だと思っているが、実際には魔法は一切使用されていないのだが。

 

 

「そ、総司さん!?」

 

「雫ちゃん、慣性緩和頼める?」

 

「…!うん、任せて、総司君」

 

 

もう一人驚愕していたほのかをよそに、雫に慣性による影響を防ぐよう頼んだ男子生徒…橘総司は、OG二人が操るボードそれぞれに手を置き…

 

 

「フン!」

 

 

軽く力を入れる…ように見えた。訝しむOG達の目に飛び込んできたのは、総司の手が置かれた部分から亀裂が入っていくボードの姿だった。

みるみるうちにボードは壊れていき、ついにOG達と、ほのか達も投げ出されてしまう。涙目になるほのかだが、雫は妙な安心感とともに魔法を使用する。それは簡単な慣性制御魔法であり、慣性緩和が行われる…しかし、猛スピードで地面に落下していく四人。

しかし一陣の風が吹き、次の瞬間には四人は五体満足で地面に座っていた。

 

 

「今のは…!?」

 

 

その一部始終を見ていた摩利は、総司が落下前に目にもとまらぬスピードで四人を抱きかかえて着地、完全に停止してから四人を地面に下ろすのを知覚した。

 

 

「ナイス雫ちゃん。前よりその魔法、上手くなったんじゃない?」

 

「…練習してたからね」

 

「ん?練習?その魔法の使用用途って…」

 

「うるさい黙って総司君」

 

「イエス、マム!」

 

 

四人を下ろした後、先程の慣性制御魔法の熟練度を褒めた総司。どうやらこの二人の間で先程の魔法を使った何かがあったらしい。おそらく雫からの許可は下りないので詳しくは言えないが、どうやら雫と総司は二人で()()に出かけたらしい。歩いた?のは総司だけで雫はずっと背負われていたらしいが…どうやらこれ以上話すと作者の頭がフォノンメーザーに焼かれそうなので一旦此処までにしておく。

 

 

「あ!摩利先輩!現行犯で二人確保です!」

 

「あ、ああ…確かにお手柄だが…お前には残念な話をしなければな…」

 

「残念な話?」

 

 

いきなり残念な話とやらを切り出す摩利。総司は臨時ではあるが風紀委員として問題行動を取り締まっただけだが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このボード…多分うちの備品だぞ…」

 

「…あっ」

 

 

あっ(察し)

 

後日無事にボード二台分を耳をそろえて弁償した総司なのであった。

ちなみに、ほのかと雫は意外と楽しかったと感じたのか、SSボードバイアスロン部に所属することとなった。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

ここは第一高校の第二体育館、通称「闘技場」。総司に逃げられ、超不機嫌だったエリカに流される形で此処に訪れた達也だったが、意外にも楽しめていた。

 

 

「ふーん、魔法科高校なのに剣道部があるんだ」

 

「何処の学校にも剣道部ぐらいあるだろう」

 

 

達也は何気なく言い放つが、聞いていたエリカは非常に驚いた顔をしていた。何か間違っていたのだろうか?と達也が考えていると、エリカが説明する。

 

 

「魔法科高校では剣道じゃなくて剣術をやる生徒の方が多いから、剣道部は珍しいの」

 

「剣術?剣道と同じじゃないのか?」

 

「全然違う…とは言い切れないけど、別物ね。一番の違いは、剣術は魔法ありきのものなの」

 

「なる程、そして剣道は魔法を使わない…と」

 

「そのとおりね。でも意外、達也君ならこれぐらい知ってそうだけど」

 

「俺にも知らないことぐらいはあるよ」

 

 

意外そうな目を向けられてむず痒くなった達也は謙遜する。事実達也は完璧な人間ではないので謙遜でもなんでもないのだが。

 

 

「…でもつまんないわね」

 

「何がだ?」

 

 

レギュラークラスの女子が華麗な一本を決めたのを見てエリカがつぶやく。どうやらご不満のようだ。

 

 

「だってこれ台本通りでしょ?もはや演習じゃなくて殺陣よ殺陣。つまらなくもなるわ」

 

「まあ、あくまでも勝つことが目的ではなく、興味を持ってもらうのが目的だからな。」

 

「そりゃそうだけどさ-」

 

 

エリカがブーブー言っていると、先程まで演習をしていた女子生徒が面を外した。その瞬間、男子が色めきだった声を上げる。そしてエリカはその人物のことを知っていたようだ。

 

 

「あれって、二年前の全国女子剣道大会()()者の壬生紗耶香じゃない!通称剣道小町とかでマスコミに取り上げられてた」

 

「なるほどな。実力もあってルックスもいいとなればマスコミが騒ぐのも当然だな」

 

 

などと言い合っていると、剣道部の演習に一人の男子生徒が乱入する。

 

 

「なんか面白くなってきたわね!近くで見るわよ!」

 

「おいエリカ!」

 

 

自分の腕を引っ張られながら、達也が耳にしたのは男子からのからかいのような声だ。「今日こそ勝てよー!」だとか、「いいとこ見てみたいー!」だとかだ。どうやら乱入した男子生徒に向けられているもののようで、その生徒は若干照れくさそうにしていて、剣道部の他の生徒は実に渋い顔をしていた。

 

 

「あの男子生徒って」

 

「知ってるのか?」

 

「面識はないけどね。女子の方はさっき話したけど、男子の方は剣術の関東大会チャンピオンの桐原武明ね」

 

「全国大会には出ていないのか?」

 

「剣術の全国大会があるのは高校からなの。だから関東チャンピオンって称号は結構凄いのよ」

 

 

エリカはどうやら剣道や剣術について非常に詳しいようだ。彼女の家柄を考えれば当然なのかもしれないが。

 

 

「桐原君!()()なの?いい加減に諦めてちょうだい!」

 

「わりいな壬生、俺はお前が剣術に来ないことがどうしても我慢ならねえんだよ!」

 

 

そう言うと桐原は壬生に竹刀をかまえて突貫する。手に持つ面を投げ捨てて、同じく竹刀で応戦する壬生。

 

 

「だから、前から言ってるでしょ!私は剣道を辞めるつもりはないの!」

 

「だが、高い剣の腕と、()()()()()()()()()()()()を持つお前には、俺以上に剣術の才能があるんだ!ソレを見逃すほど俺は大人しくないんだよ!」

 

「なら、いつもみたいに返り討ちにしてあげる!」

 

「やってみせろ!」

 

 

そう言って二人は本格的に戦い始めた。達也は一瞬止めようかとも考えたが、魔法を使用せずに打ち合っているだけのこの状況では、「剣道部の演習を手伝っていただけ」と弁明されるだろう。対処するのは魔法が使用されてからでも遅くない…それ以上に、この二人の打ち合いを見てみたいと思った達也は、いつでも出られるよう、CADを起動した上で待機することにした。

 

 

「はあっ!」

 

「やあ!」

 

 

桐原と壬生のお互い手加減のない苛烈な攻撃。これは熱くなりすぎているのか、はたまたお互いの腕前を信用しての事か。

お互いの攻撃をいなしあいながら決め打ちを狙う二人。コレを眺めているものは、さながら二人が苛烈で、だが美しい舞をしているかのような錯覚に陥る。この舞とも呼ぶべき戦い、どうやら有利なのは壬生らしい。

「相手を殺さずに無力化」という点なら、相手を切り伏せる技術である剣術を使う桐原よりも、あくまで「技」としての側面が強い剣道をしている壬生のは方が有利といえる。

 

そして遂に桐原の腕に壬生の竹刀が直撃する。

 

 

「…これは真剣なら、致命傷よ。今日も私の勝ちね桐原君」

 

「真剣…?真剣と言ったな?今」

 

 

勝ちを宣言し、桐原を下がらせようとする壬生。しかし桐原は不敵な笑みを浮かべていた。

途端桐原はバックステップを踏み、後退した後、CADを操作する!

 

 

「真剣勝負がお望みなら、お前も抜けぇ、壬生ウ!」

 

「嘘でしょ!?くっ!」

 

 

桐原が使用したのは「高周波ブレード」詳しい解説は以前行った為省かせてもらうが、ようは武器が高速振動することで、物体を脆くして切り裂くと言った魔法である。

驚きのあまり壬生はしばらく放心していたが、桐原が迫ってくると同時に彼女も「高周波ブレード」を展開する。

高速振動する竹刀同士がぶつかった事により、単体でも非常にうるさい特有の嫌な音が、さらに不快感を増して体育館内に響き渡る。

 

 

「落ち着いて!桐原君!」

 

「うおおおおおお!」

 

 

壬生は必死に制止するが、桐原は完全に頭に血が上っているのか止まる気配はない。仕方なく迎撃しようと壬生が構えたその時、体育館内全ての生徒に激しい頭痛の症状が現れた。

 

 

「これ…は!?」

 

「きゃあっ!?」

 

「っ!壬生!」

 

 

打ち合っていた二人の高周波ブレードが解除される。桐原は頭痛と共に魔法がきれた事に驚愕するが、驚いた壬生が体勢を崩したのを見て、慌てて助けに入る。幸いにも間に合い、壬生の体は桐原に抱き留められた。

 

 

「魔法の不正使用の容疑でお二人には同行して頂きます」

 

 

そこにはいつの間にかエリカの横から移動していた達也がいた。彼の肩に紋章がないにも関わらず、彼がつけている腕章は「二科生で風紀委員」であることを示していた。

 

 

「おい!一年、それも二科生のクセして嘗めた態度取ってんじゃ…「やめろ!」っ、桐原…」

 

 

剣術部の生徒が達也に文句を言いながら接近するのを桐原が止める。

 

 

「…今回の事は俺が魔法を使い、自衛として壬生が魔法を使ったんだ。不正使用に当たるのは俺だけだ、壬生は見逃してくれ」

 

「桐原君…」

 

 

桐原は壬生が魔法を使わざるを得ない状況に追い込んだ自分のみを連れて行けと進言する。

 

 

「わかりました…此方第二小体育館。逮捕者一名、今から連行します」

 

「…感謝する」

 

 

桐原は達也が自分の要望を聞き入れてくれた事に感謝する。

 

そのまま桐原を連行する達也。どこからか、自分を見定めるかのような視線を感じながらも、自分の職務を優先したのだった。




魔法科世界の秘匿通信

・北山雫と橘総司が二人で所謂デートのようなものをしていたとの目撃情報(提供者:M.H)

・総司はかなり鈍感。雫とのデート中も、「将来こんな感じのデートしてみたいなー」とか思っていた。今してるよ(小声)

今回強化が入ったのは桐原と壬生です。

壬生は二科生ではなく一科生、桐原はわかりにくいですが、剣道ではなく剣術…つまり殺し合いの技術は壬生より上になっています。

また二人とも、千葉の秘剣を用いないエリカと同等の強さがあります。



前回までにおいて、誤字報告を数多く頂きました。

アクルカ様、紅月 雪様、Komash様、みやっち♪様、チルッティドラグーン様、水澤七海様、誤字報告感謝いたします。

これからも大量の誤字があると思いますが、暖かい目でご覧になって頂けると幸いです。

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