魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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俺は…何を書いているんだ?


来訪者編 その二十二

達也が大まかな作戦概要を話し始める。その手には何故か通信端末がある。全員合流しているというのにも関わらずだ。

 

 

「まずはだな、気さくな態度で奴らに話しかけるんだ」

 

「ナンパか何か?」

 

「なるほど…そうやって相手を油断させて、知らず知らずのうちに領域を広げてしまおうって事よね?」

 

「その通りだ」

 

「エリカ!しっかりして!?貴女疲れてるのよ!」

 

 

おおよそ敵に対してやって良い事の範疇を超えている達也の提案。それに同調するエリカに、すでに深雪とリーナは疲労困憊だ。疲れてるのは君達だよ、深雪にリーナ。

 

 

「次に、なんやかんやで効果切れまで時間を稼ぐ」

 

「なんやかんやって何ですかお兄様!?」

 

「そしてなんやかんやで総司を復活させる」

 

「そのなんやかんやを説明しなさいよタツヤ!」

 

 

なんと、簡単に察する事は出来たが、やはり達也の作戦とは、作戦とも呼べないクソほど頭の悪いものだった。そもそもギャグ時空で戦うってなんだよ、まともな作戦が最後の隙を突いて『再生』させるしかないではないか。因みに最後をなんやかんやにしたのは『再生』を隠す為だと気づいた為、最後の達也の発言には深雪は何も言わない。

 

 

「…こんな感じで大丈夫だよな?()

 

「「…っえ?」」

 

『問題なし。総司君が近くに居るならその位適当でも何とかなるよ』

 

「雫!?貴女、生きていたの!?」

 

 

どうやら達也は端末のスピーカーモードをオンにして、どこかと通信しながら作戦を話していたようで、そしてその相手は先程零次が死んだと言っていた雫であった。零次からその知らせを聞いていた深雪とエリカは驚愕する。

 

 

「どうした深雪?雫が生きていることの何が問題なんだ?」

 

『それはね達也さん、さっき私が襲撃されたことを知ってたからじゃないかな?』

 

「何だって…?」

 

 

雫を狙うなど命が惜しくない奴らなのだな、と思いながら達也は雫に確認を取る。

 

 

「それで?その襲撃犯はどうなったんだ?」

 

『ああそれはね…』

 

 

 


 

 

 

場面は変わってUSNA。

 

大規模な爆発が起こった住宅街、その爆心地とも言えるであろう跡形も無くなったレイモンドの家。その中心で、伸びている三人の大人と一人の可憐な女子高生。ただし、その女子高生は片手に銃らしきものを構えて居るとする。かつて家だったものが木っ端微塵になった事に対してか、それとも目の前で行われた蹂躙劇の衝撃に何も言えないのか、口をパクパクとさせる少年、レイモンド。そんな光景に目を向けながら…

 

 

「襲撃犯なら、倒したよ」

 

 

何気ないことかのように言い放つ雫は、圧倒的な強者の風格を漂わせていた。

 

 

どうして爆発を受けたはずの雫が生きて、それも無傷なのか。それは総司が行きがけに手渡した魔法、『天岩戸』の効果が関係していた。

元々『天岩戸』は、総司の考えでは姿を隠すだけの魔法であった。だが総司の雫を守りたいと言う想いを受けた精霊達が、彼が付けた魔法名にちなんで、魔法に変化をもたらしたのだ。

 

『天岩戸』は伝承の通りでは天照大神を岩戸から力尽くで出そうとしても、岩戸は少しも動かなかったとある。これを反映して、魔法『天岩戸』は発動者を半径三メートルほどの別次元へと格納し、発動者のサイオン切れか、解除の意思がなければ、恒久的に発動する防御魔法となった。弱点として、他の魔法を発動しようとすれば、自動的に解除されるというものがあるが、完全に相手が背を向けたときに解除すれば大した問題は無い。

 

今回は『天岩戸』解除後に即座に『風神雷神』を放って無力化。しかし相手もプロである為、接近戦で制圧してこようとしたが、三人ともあえなく『フォノン・メーザー』で撃沈した。単にそれだけの事だが、それだけで雫の戦闘技能が飛躍的に上昇しているのが分かる。これは総司の負担を減らそうと雫が努力した証なのだ。

 

閑話休題(それは置いといて)

 

 

「こっちは今から尋問始める所だから忙しくなる。そっちはそっちでよろしく」

 

『総司が心配じゃ無いのか?』

 

「へーきへーき、どうせ生きてるんでしょ総司君?ならすぐに復活するよ。あ、でも、可哀想だからなるべく早く助けてあげて」

 

 

そう言い残して雫は通話を切って、足下を見下す。

 

 

「それじゃあ…どこの所属か教えてもらっても良いかな?」

 

「「「……!(コクコク)」」」

 

 

襲撃者達に向けたその目は、後にレイモンドが「まるで怒った時の総司の殺気の様な迫力が宿っていたようだった」と評する事になる…

 

 

 


 

 

 

「…と言うことだ、さっさと作戦を実行するぞ」

 

「シズク…とても恐ろしい女ね…」

 

「リーナ、一応言っておくけれど、最初は普通の子だったのよ」

 

「俄には信じられないわね…」

 

 

雫の恐ろしさにおののくリーナ。そんな時、壬生が達也に報告を挙げた。

 

 

「達也せんせ~、レオ君が勝手に突っ込みました~」

 

「「…え?」」

 

「何だって、それは大変だ」

 

 

一ミリも大変そうだと思っていなさそうな達也と、ガチ焦りしている深雪とリーナの表情の差で、まともな人間とそうでない人間を判断することが出来る。言わずもがな、どちらがおかしい奴かは言うまでも無い。そして突撃したレオは…

 

 

「ウホウホ、ウホッホホ…(すいません、私こういう者でして…)」

 

「あら、ご丁寧にどうも」

 

「おいお嬢、流れがあまりに自然すぎて異常事態に気づけてねえな?」

 

「言うほど自然ですか?」

 

「モチロン気づいていますとも!えーい!」

 

「ウホー!?(バレたー!?)」

 

「「レオー!!」」

 

「ウルトラマンレオが二人…!?」

 

「どっちが本物なんだ…」

 

「(そもそも変身して)ないです」

 

「まったく、レオの奴…気さくな挨拶から入ろうって言ったじゃないか、そんなかしこまって行ったらバレるに決まっているだろう…」

 

「え!?あれ態度の問題なの!?」

 

 

達也の呆れた風な態度の物言いにツッコむリーナ。その背中にはツッコミエースとしての風格が漂っているが、非常に残念なことに彼女は三月で本国に帰ってしまう。その事に深雪は心が更に深く沈み込む。神様は死んだってルカ言ってたからね、しょうが無いね。

 

因みにレオは無事でした。それによって確認できた事がある。それは…

 

 

「レオが攻撃をくらっても死ななかった、と言うことはギャグ時空の展開は完了していると言うことだ」

 

「次はどう言う手を使いやしょうかお頭ァ!」

 

「…早く話せ」

 

「とりあえず桐原先輩はそのテンションで突撃、シガリータ・シンゴリファ間違えた服部先輩はテンションぶち上げて突撃してください」

 

「突撃しか策がないのですかお兄様!?」

 

「いいかい深雪、今回の作戦において知性は無駄だ。極限まで脳を空にしろ、そうすれば…」

 

「そうすれば…?」

 

「つまりドラゲナイって事だ」

 

「意味が分かりません!?」

 

「それって根拠とかあるのタツヤ?というかそもそもドラゲナイって何よ、こっちはギャグ時空というものを理解していないって言うのに」

 

「根拠なんかねえよ、うるせえよ、黙れよ、根拠なんかねえよ、勢いこそが正義、根拠なんかねえよ、正しいのは俺」

 

「達ゆきで草」

 

「達ゆきってなに!?」

 

「粉雪の亜種だよ」

 

「達也君=達ゆき=粉雪の亜種。つまりは達ゆきは粉雪…というよりか雪と同じで水分で出来ている。達也君は人間、僕達と身体構造は同じ…ならば、水分=粉雪=達ゆき=達也君=僕達という式が成り立つ。これによって僕達人間は水分である事が証明できるQ.E.D」

 

「魔法科高校生らしい方程式…誇らしくないの?」

 

「(誇らしくは)ありますねぇ!」

 

「もーう!いい加減にしてちょうだい!突撃するならするでさっさと動くわよ!」

 

「「「「アイアイサー」」」」

 

 

わいわい…がやがや…

 

 

「早く…助けて…」

 

「…苦労してんだな、お前も」

 

「いや…別にしてないが…」

 

「してないのかよ」

 

「ウッホーウッホーウホッホホー…(なんなら元凶そいつだしな…)」

 

 

死んだ目をしながらバカ共を眺める総司と、その横で腕組みで立ったままの零次、たまたま飛んで来たレオの三人の会話は、おおよそ戦場、しかも敵を含めてのものとは思えない程の緊迫感の無さが漂っていた…




魔法科世界の秘匿通信


・『天岩戸』:本編で説明があった通りの魔法。因みに異空間を形成するとは言えども、エイドスの変更履歴が残るため、達也の『術式解散』で解除されてしまうが、言ってしまえばそれしか破る方法が無い。



・原作キャラのキャラ崩壊:重度のキャラ崩壊注意です(今更)

別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?

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