魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

93 / 143
もう(寝落ちは)やめましょうよ!(小説を書けるのに時間が)勿体ない!


…ということで、ここ最近寝落ち率が高くて続きが書けていませんでした。申し訳ない…


星を呼ぶ少女編 その三

「昨夜はお楽しみでしたね」

 

「お前は許さない、お前が死んでもだ」

 

「こわ」

 

 

翌朝、部屋から居間に起きてきた一同。そこには先に起きていたと思われる総司と雫がいた。開口一番、達也は総司に恨み節をぶつけた。

 

 

「…正直、幹比古達と達也達は予想出来たが、レオ達もわりかしラブラブしてた感じ?昨日何してたの?」

 

「聞いてくれよ総司!コイツのマルス先端しか当ててこねえんだよ!ズルだよズル!」

 

「スマブラしてたのかよ!?つーかゲームでも剣豪なんか」

 

「千葉流剣術を嘗めないでちょうだい」

 

「だからってゲームで剣キャラ使いこなせるのも違和感だよ」

 

 

などと会話していたが、そこで総司が何故かみんな緊張した面持ちでソファに座らないことに気づく。全員分のコーヒーを入れてきた雫がテーブルに並べ終わってもだ。

 

 

「これ、どうぞ」

 

「おお、ありがとう」

 

 

雫は最後に、ソファに座っているもう一人に直接カップを渡してから座った。その人物はお礼を言って、コーヒーを一口飲んだ後、一向に座らないみんなを一瞥してこう言った。

 

 

「お前達、突っ立ってないで座れよ」

 

「な、なんでお前がいるんだよ!?安部零次!」

 

「別にいても良いだろうが」

 

「良くないですよ!?」

 

 

幹比古と美月のツッコミにも冷静に返す零次。

 

 

「大丈夫だよみんな。零次君が暴れ出しても、すぐに総司君が止めてくれるから」

 

「大丈夫かどうかの話じゃ無いわよこれ!アタシ達コイツに先日ボコられてるんですけど!?」

 

「まあまあ、そんな細かい事は水に流そうぜ?」

 

「寧ろ貴方は流してはいけない人ですよね総司さん!?お腹に大穴が開けられたのを忘れたんですか!?」

 

 

完全に受け入れている雫と総司にエリカとほのかが文句を言う。

 

 

「お兄様のご苦労も知らないで…お兄様、私はこのような暴挙を許すわけには…」

 

「もうなんでもいいや」

 

「お兄様!?」

 

 

腹に大穴開けられた痛みを読み取りながら総司を治療した達也を想い、怒りがこみ上げてくる深雪であったが、とうの達也がどうでもいい宣言をしてしまう。多分彼の脳は今終わっているのだ。

 

 

「な、なんでコイツが居るんだ…?」

 

「それはね…」

 

 

そうして雫は、昨日の総司と零次のやり取りを話し出した…

 

 

 

少女説明中…

 

 

 

「…と言うことで、ドンアバタロウは普通の人に戻ったのでした。めでたしめでたし」

 

「いや何の説明してたの!?この人が此処にいる理由を説明してよ!?」

 

「「いい話だなぁ…!」」

 

「そこでシンクロするのかよ!?」

 

「やっぱクローンね…」

 

 

最終的に零次の目的が真由美の護衛であると分かった一行は、それならばと気になった質問を投げかける。

 

 

「じゃあなんで先輩が泊まっているとこに行かないのよ」

 

「場所知らないからに決まってるだろ」

 

「そんな誇って言うことじゃないでしょ!?」

 

「俺達はコイツとは敵としてしか接してこなかったが、実際は総司みたいな人間なんだな…」

 

「とても厄介ですね…」

 

「そこの兄妹聞こえてるぞゴラ」

 

 

とここで、美月が一つ質問を行う。

 

 

「七草先輩に直接護衛の許可を取った上で、何処に泊まられているのか聞き出せば良かったのではないですか?」

 

「いや…出発したのが昨日でな、ちょくちょく連絡は入れてるんだけど、一向に出やがらなくてさあ…」

 

 

 

 


 

 

一方そのころ…

 

 

「「(やっ…やっちまったー!?)」」

 

 

同室のベッド…どころか、同じベッドで目が覚めた真由美と摩利。今二人は、一糸纏わぬ姿で共にベッドにいるのだ。周囲を見渡しても、別に酒類のゴミがあるわけでも無い。昨日の航空機内での出来事で気を張りながら過ごしていた。それ故に昨夜は精神的に疲労を感じていた二人。風呂に入ろうとして何故か二人同時に服を脱いだ後、あまりの眠気に二人でベッドに入ったのだった。

 

だがそんなもの二人の記憶にはないので、二人はガチ焦りしていたのだ。

 

 

「(ど、どうしよう…私十師族なのに女性と結婚とか許されるのかしら!?いえでも摩利ならワンチャン…?)」

 

「(わ、私には修次が…!い、いやでも真由美となら…!?)」

 

 

あまりの焦りで馬鹿なことを考え出す二人。そんな中、真由美の連絡端末に通知が来る。

 

 

「ま、真由美!なんだか連絡が来たようだぞ!?」

 

「え、ええ!そ、そうみたいね!」

 

 

これ幸いとこの状況を直視しないために端末を覗く真由美。その表情は、「まずい」というニュアンスこそ同じだが、その意味合いがシリアスなものへと変わる。

 

 

「…どうしたんだ真由美」

 

「今、十師族の暗号メールが届いたの。その内容は…」

 

 

送られてきたメッセージを解読し、その内容を摩利に伝える。それを聞いた摩利は飛び起きて、急いで支度を済ませた。

 

 

「摩利!?」

 

「お前もボサッとするな真由美!善は急げと言うだろう?」

 

「…それもそうね」

 

 

摩利の意見に賛同した真由美も支度を終え、急いで部屋を出る。その二人の表情には焦りが前面に出ていたが、その中には確かに「さっきの状況を忘れられる…」という安堵が混じっていた。

 

 

因みに、その前に大量に送られてきていた零次からのメッセージには反応を示さなかった。

 


 

 

 

「…零次の奴何処行った?」

 

「知らない」

 

「それでいいのかお前…」

 

 

少し時間がたち、別荘がある島から商業施設がある島にやってきた一行。しばしのショッピングの後、カフェに入ったところでレオが零次の不在に疑問を抱くが、総司は知らないと一蹴した。

 

 

「ああ、零次君ならあそこだよ」

 

「「「「…なにしてるのアレ」」」」

 

 

雫が指をさした先を見た女性陣が、声を揃えて言葉を発する。そこには

 

 

「(コソコソ…)」

 

「…もしかして植物のフリしてる?」

 

 

そう、零次はよくあるギャグ表現である、頭に木をくくりつけて手にも木を持って茂みに隠れるという行為をしていた。

 

 

「なんてベタな…」

 

「そうか?お前達雫ちゃんが指摘するまで気づかなかっただろ?」

 

「「「「「!!!」」」」」

 

 

その言葉に殆ど全員が驚く。確かに、総司と雫、達也と深雪以外はその事実に気づいていなかった。因みに気づいていた組の中でも、総司と雫は大して興味が無いから、達也と深雪は関わりたくないから無視を決め込んでいたりと違いがある。

 

 

「というかなんであんなことしてるのよ。さっさと合流すればいいのに」

 

「いやそれが何だが、先輩と連絡がまだ付いてないとか何とか」

 

 

真由美が零次からのメッセージに気づいていれば、こんなことにはならなかったのだが…悔いても仕方の無い事だ。

 

 

「…ん?」

 

 

そんな会話の中、レオが違和感に気づく。

 

 

「…おい、何か殺気だってねえか?」

 

「…言われてみればそうね」

 

「大丈夫でしょ」

 

「うまい」

 

「なんでお前もう飯を食ってんだよ!?いつ注文した?」

 

 

零次を探すために外に目を向けたからこそ気づけたが、商業施設内に複数人の警備員らしき人物らが何かを探しているのが見て取れる。

 

 

「不審者でも出たのでしょうか…?」

 

「それにしちゃ、木のフリしてる不審者を見つけられてないようだが」

 

「あっ、今真横通り過ぎましたよ!?」

 

「やっぱり気づかないんだね…」

 

 

警戒して何かを探しているのであろう警備員達が横を通り過ぎても、警備員も零次も無反応。お互いが目的のものに夢中になっていて気づいていないようだ。

 

そんな中…

 

 

「…!お兄様、あそこに身を潜めている者が…!」

 

「…!」

 

 

深雪が指をさした場所には、確かに柱に隠れて周囲を見渡している一人の男がいた。どうやら無線機で誰かと通信しているようだ。発声はしているようで、達也は読唇術でその内容を読み取ろうと試みた。

 

 

『おい、ファルコン1!?警備員が動き回っているんだけど!?…ああ!?「ヘマしたのはイッチーじゃないんですか~?」だって!?んなわきゃねえだろ!?…何だよファルコン1?え?「コードネームで呼び合うのやめないか」って?オイオイバカ言ってんじゃねえよ、もし傍受とかされてたら…「コードネーム呼びのメリットはともかく、全員のコードネームがファルコン1は無い」?…うるせえ!思いつかなかったんだよ!』

 

「大丈夫だよ深雪。どうやら頭のおかしい奴なだけみたいだ」

 

「ん?そんな奴居る?…なんだ、市ノ瀬じゃん」

 

「…え?知り合いなんですか?」

 

「まあ一応。雫ちゃんを爆破した三人の内の一人だよアイツ」

 

「「「「…はあ!?」」」」

 

 

驚愕で声を上げる一同。その声に反応したカフェ内の客が一斉にこちらを向いた。慌てて「すいません…」と謝罪して、総司と雫に詰めよる一同。

 

 

「どう言うこと!?」

 

「あの三人が俺の部下になった事は前に伝えたよな。今回は、一応雫ちゃんの護衛として付き従わせていたんだが、先輩が見つからないから探すのを手伝わせてたんだよ」

 

「…いつから一緒に居たんだ?」

 

「最初からだぞ」

 

「それにしては気配が無かったんだが」

 

「そりゃ久豆葉の所為だな。アイツは気配を消すのが得意なんだ。多分市ノ瀬に気づけたのも、今近くに久豆葉が居ないからだな」

 

 

その言葉に黙りこくる一同。

確かに雫を襲撃した三人は、一瞬の内に雫に制圧されてしまったとはいえ、アレは『天岩戸』の防御性能と奇襲性能の高さからなる不意打ちから始まっていた戦闘なので、それ無しで爆撃を受けていれば雫も無事では無かっただろう。気配を『精霊の眼』で確認できる達也が居ながら気づかなかったというのは、かなりの凄腕である事が窺える。

その事実を確認しながら、達也は席を立ちながら提案する。

 

 

「…そろそろ、ここを出た方が良い」

 

「面倒事に巻き込まれないためか?」

 

「そうだな。七草先輩達を探すのは零次だけの目的だ。俺達がここに長居する必要は無い」

 

「ちょっと、待って、今まだ食ってる途中…」

 

「…お前、航空機の発着場の場所はわかるか?」

 

「まあ、それぐらいは」

 

「なら後から走って追いついてこい」

 

「りょ」

 

「それから、あの護衛とやらは七草先輩達の捜索にあたらせろ」

 

「おけ」

 

「じゃあみんな、ここから早く脱出しよう」

 

 

総司以外が席を立つ。そして全員が店外へと出る中、一人残って飯を食べ続けている総司。周囲の人は、「もしかして置いてかれたのかな…」と要らぬ心配をされていた…




魔法科世界の秘匿通信


・零次の本来の性格:総司を元にしているだけあって頭がおかしいが、それは軽度な物であり普段はなりを潜めているが、総司の展開するギャグ時空に乗り込むと途端に総司と同レベルになってしまう。



・雫を襲った三人:市ノ瀬、双葉、久豆葉の三人。読み方的に分かるように漢字が漢数字に置き換えらる。つまり彼ら三人は所謂『数字落ち』であり、市ノ瀬が第一研、双葉が第二研、久豆葉が第九研の『数字落ち』である。
性格は左から、無自覚ボケ、天然女子、主にツッコミ担当、という内訳である。

別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?

  • いいともー!
  • 駄目だね~駄目よ、駄目なのよ~

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。