魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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実は作者は星を呼ぶ少女の原作小説を持っていない

ついでに映画の内容も曖昧

故にフィーリングで書くことをご了承願います(今更)


星を呼ぶ少女編 その五

「…」

 

「お、お兄様…風間大佐の呼び出しに応えなくて宜しいのですか…?」

 

「…もうしらねえ~!やってられっかってんだ!」

 

「お兄様!?しっかりしてください!?」

 

「達也がああなった理由に心当たりがあるって言ったら、総司お前はどうする?」

 

「俺だったら自分の善性に基づいてその原因を排除するかな」

 

「原因お前」

 

「深雪ちゃんには悪いが達也はもう手遅れだ…」

 

 

雫の別荘に戻ってきた一行。頭が溶けてしまった達也を放っておいて、女性陣(深雪以外)が謎の少女を可愛がっている。

 

 

「そう言えば結局は君の姉妹を助けて欲しいって事だよね?九亜ちゃん?」

 

「…はい、みんなを…!」

 

「その前に体洗っちゃおっか!」

 

「えっ、ちょっと!?」

 

「怖がらなくて良い、隅々まで綺麗にしてあげる」

 

「ヒエッ」

 

 

頭を撫でていた美月から問われた少女…九亜は、「これからシリアスな話し合いか…」と気を引き締めたのだが、エリカと雫に促されるままに風呂へと連れて行かれる。それに追従する美月と深雪。この場は男子だけとなった。

 

 

「…結構深刻そうだったね」

 

「ありゃ単なる訳ありって感じじゃ無いな」

 

「恐らく、今日何かを探していたあの警備員達は、あの九亜という少女を探していた可能性が高いな」

 

「つまり…ロリコン軍団?」

 

「言うと思った」

 

 

深刻な顔で話し合う男性陣。一人だけ変なことを真剣な顔で口走っていたが、概ね真面目な雰囲気だ。

 

 

「そう言えば、お前のとこの三人組はどうなったんだ?」

 

「拘束されたっぽい。まあプロの殺し屋やってた奴らだし、口は割らないだろう。すぐに抜け出してくるさ」

 

「プロの殺し屋が十師族を見ただけで暴れ出すのか?」

 

「最近のトレンドなんでしょ」

 

「十師族の皆さんは大変だな」

 

 

そんな会話をしていたところで、幹比古がふと疑問を覚える。

 

 

「そう言えば都合良く七草先輩達と零次は合流できたんだね」

 

「ああ~それな、なんか先輩達も捜し物をしていたとか…」

 

「「「「…あっ」」」」

 

 

この瞬間に四人は気づいた。九亜が自分達の航空機に乗ったとき、自分のことを知らない事に疑問を覚えていた理由。それは、本来は七草家の航空機で脱出する手筈だったのではと。

 

 

「……まあ別にいっか」

 

「「「良くないと思う」」」

 

 

頭を振って考えないようにしようとする総司にツッコむ三人。その会話の最中、風呂場の方からガヤガヤと声がする。どうやら気づかぬ内に女性陣が風呂から上がっていたようだ。

 

 

「馬鹿な…女子は風呂が長いことで有名なはず…」

 

「それは人それぞれでしょ、俺一週間ぐらい風呂入らない女知ってるぞ」

 

「それ人間じゃ無くてシャチだよ」

 

「あっそっかぁ…」

 

 

そして女性陣がリビングへとやって来た。全員が風呂上がり特有の色気を発している。もし純粋な青少年が見たら鼻血確実だろう。だがそこは精神年齢が高い魔法科世界の学生達。鼻血を出しているのなんて総司と幹比古とレオぐらいだ…アレ?

 

 

「お前達?」

 

「「「すいません…」」」

 

「達也さん!達也さんも鼻血出してくれても良いんですよ!五リットルぐらい!」

 

「俺死ぬが」

 

 

精神年齢が高いといえども、所詮は学生。しかも男子となれば、意中の相手を含む女子達の風呂上がりなんて見たら鼻血を出すこと必然である…となると、総司は毎度鼻血を出していることになるが、それは気にしないでおこう。

 

 

「…あのう」

 

「…騒がしくてごめんなさいね?ゆっくり話してくれて大丈夫だから」

 

 

再びシリアスな話し合いをする雰囲気で無くなり、おどおどしてしまう九亜。深雪はこの場唯一の常識人としてただ一人彼女を気遣うのだった…

 

そしてしばらくした後…

 

 

「それで?君はどうして欲しいの?」

 

「なんでお前が仕切ってんの?」

 

「なんで俺が仕切っちゃダメなの?」

 

「お兄様、総司君!ちょっと黙っててください!」

 

「「オクチミッフィチャーン」」

 

 

言い争いだすと、同一人物が喧嘩しているようにしか聞こえない二人を諫め、続きを促す深雪。そして九亜は話し出す…ようやくするとこうだ。

 

彼女はとある実験施設で魔法発動の「パーツ」として生み出された調整体であると言うこと。自分達の事を研究者達は『わたつみシリーズ』と呼んでおり、自分はNo.22と呼ばれていたと言うこと。最後に、研究者達が開発する魔法の正体は自分でもよく分からないとのことだった。

 

その話を聞いて、流石の一同も曇る。特に自身のクローンを戦争の兵器に用いられ、数多くの『自分殺し』を行わなければならなかった総司が、一番深刻な顔をしている…様に見えるが、真剣そうな顔で眼をつむっている総司は、他からはともかく、雫から見て寝落ちしている事がほぼ百パーであった。

 

 

「その研究者共、絶対に許さない!」

 

「こんな可愛い子達を実験の道具として使うなんて…!」

 

 

エリカとほのかの怒りの言葉に、全員(ギリギリ総司は起きた)が首肯する。そして、今にも泣きそうな顔をしている九亜を見た深雪が、達也にこう言ったのだ。

 

 

「お兄様、お願いします…!深雪は彼女を、彼女達を救ってあげたいです…!」

 

 

それは非常にリスクのある願いであった。もし相手が敵国の研究者達であれば、仮にそれを潰したとすれば、自分達はその国から狙われ続ける事となってしまうだろう…

だが、これは他ならぬ深雪からの願いだ。その願いを前に、達也が返す言葉は一つだけだった…

 

 

「分かった、何とかしよう」

 

 


 

 

とある研究所にて…

 

 

「やはり、こちらに来ていたか。世界最強にして最大の創造物…!」

 

「このクローンの演算能力であれば、わたつみシリーズを用いずとも魔法発動が可能になるかと…!」

 

 

研究所内の、わたつみシリーズを使い潰す事に賛同していた者達は、諸手を挙げて喜んでいた。何せ最高の素材が向こうからやって来たのだから。

 

 

「安部零次…!光栄に思うがいい、我々が君を、日本国の英雄にしてあげよう…!フハハハハハハハ…!」

 

 

批判的な眼を向けてくる者達の事など露知らぬと言いたげに、この研究所の所長らしき人物は、あくどい笑い声をあげていたのだった…




魔法科世界の秘匿通信


・実は九亜の願いを聞いた後に、男性陣が風呂に入るのだが、そこで女性陣が九亜を抜いて全員で風呂を覗きに来ていたらしい。



今回短め

次回から戦闘入るかもね

別小説でキグナスの乙女たち編初めていいですか?

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  • 駄目だね~駄目よ、駄目なのよ~

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