魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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前回戦闘あるとか書いてたけどそんなこと無かったわ。

今回も薄味なんで読み飛ばしてもいいよ


星を呼ぶ少女編 その六

とある研究所にて…

 

 

「「あばばばばばば!!!」」

 

「総司君!零次君!」

 

「あんのバカ共が!」

 

「フフフ、ハッハッハ!まんまと引っかかったな安部零次よ!…正直、橘総司の方はどうでもよいのだが」

 

 

何かの物々しい機械に接続された二人は、大出力の電撃を喰らっていた。ボロボロになりながら二人を救出しようとする真由美と摩利。

 

はてさて、一体何があったのかと言うと…

 

 

 


 

 

「善は急げって言うよね」

 

「どうしたいきなり…ってまさかお前」

 

「そそ、もうさっさと突撃しないか?って事サ」

 

 

通信端末を見ながら発せられた、総司の急な提案により、メンバーの顔色が変わる。確かに、九亜が脱走した以上、彼女の仲間達がどうなってしまうか予想が付かない。仲間達を助けたい九亜の望みからかけ離れてしまうだろう。

その意見に誰もが口を開けずにいた所、達也が声を出した。

 

 

「…確かにその通りだな」

 

「では、お兄様…」

 

「ああ。今すぐにでも彼女の仲間達を救出しにいこう。だが…」

 

「だが?」

 

「行くのは俺と総司だけだ」

 

「「「「「!?」」」」」

 

「何…だと?」

 

「なんでお前も驚いているんだ、総司」

 

「みんな驚いてるから乗っただけ」

 

 

達也はなんと、自分と総司だけで救出に向かうと宣言する。友人が自ら危険な目に遭うということを、彼ら彼女らが許容できるはずも無かった。

 

 

「嫌ですお兄様!深雪も…深雪も連れて行ってください!」

 

「総司君…私だって戦えるんだよ?」

 

 

真っ先に声を上げたのは深雪と雫であった。二人はいつも、達也と総司から守られてばかりだ、彼らの帰りを不安と共に待つしか無いのだ(雫は総司を信頼しすぎていて、最早心配しているかは微妙なところだが)。それに深雪は自分の願いで、兄と友人だけが危険にさらされる事を許せなかった。

他の面々も同じような気持ちだろう。だが…

 

 

「ダメだ」

 

「何故ですお兄様!?」

 

「ダメだよ雫ちゃん、ここでジッとしてなきゃ」

 

「…総司君、どうして」

 

 

二人からの返答は、実質的なNoであった。それに悲しみの表情で何故を問う深雪と雫。だが、二人の意見は変わらなさそうだ。

 

 

「…どうして、そこまで拒否するんだい?」

 

「ミキ…?」

 

「そこまで拒否するのは、恐らく別の理由があるんじゃないのかい?」

 

「…その通りだ、幹比古」

 

 

幹比古からの問いを肯定する達也。そして彼は、敵の正体についての考察を話し始める。

 

 

「今回の敵は、恐らく国防海軍だ」

 

「なっ…!?」

 

「なんで海軍が…!?」

 

「さっきの九亜の話から察するに、恐らく奴らは戦略級魔法を手に入れようとしているらしい」

 

「戦略級魔法だと…!?どうしてそんなものを!?」

 

「推測だが、海軍は陸軍が戦略級魔法を手に入れた事に焦っているのだろう」

 

「…『質量爆散(マテリアル・バースト)

 

 

悲しいかな、達也の考察は当たっていた。今回の事件は国防海軍が陸軍に対抗するための戦略級魔法を求めた故の出来事なのだ。だが彼らはまだそれが事実かどうかは知らない。しかしその推論を展開したのは達也だ。この場の誰も異議を唱えられない。

さらに追撃かのように、端末に視線を落としていた総司が顔を上げこう言った。

 

 

「俺もさっき、ちょっとした情報筋から入手したんだが、どうやらスターズも介入してきているらしい」

 

「何だと…?それは本当なのか総司」

 

「本当だとも、何せ指揮をしている総隊長殿からの直接のリークだからな」

 

「リーナ…」

 

 

それはリーナが率いるスターズの部隊がこちらに向かってきていると言うことだ。それはつまり、この一件は最早一般人の出る幕では無い、国際問題スレスレの出来事ということでもある。

 

 

「…それと、達也さん達だけで戦いに行くのに、なんの関係があるんですか」

 

「…簡単な事だよ美月。俺達陸軍の所為で、海軍の暴走を招いてしまった。それならば、その尻拭いをしなければならない」

 

「じゃあ、総司さんも戦いに行くのは何故…!」

 

「美月ちゃん忘れてるかもだけど、一応俺って十師族の端くれだからね?国を護る義務ってのがあんのよ」

 

 

そう言いながら総司はさっきまで見ていた端末の画面をみんなに見せる。

 

 

「大丈夫だよ、あの三バカが脱走できたらしい。戦力は充分足りてる、こっちで何とかしておくから」

 

 

そう言って、達也と総司は立ち上がる。二人を制止しようとするみんなを、不意に雫が遮った。

 

 

「…気を付けてね」

 

「…ああ」

 

「雫ちゃんが俺の強さを一番理解してるだろ?大丈夫だって」

 

 

達也と総司は雫からの激励を受けて、ヘリポートへと歩み出す。特に総司の発言は、後々ピンチが確定している中で聞くとフラグでしか無いのが分かる。

 

そして二人はヘリに乗り込んで、海軍基地まで向かうのであった…

 

 

「…おい、ホントに二人だけで行かせてよかったと思ってんのか?」

 

「ふふ、思ってる訳ないじゃん」

 

 

二人で行かせた雫に、レオが若干の不満さを見せながら問いかけると、雫が不敵に笑って否を唱える。直後、猛烈な風と駆動音を感じた。

 

 

「…ヘリがもう一台!」

 

「さっきのは二人を油断させるための嘘。一緒に行ってはダメなら、後から行けばいい」

 

 

二人が出て行った後に出て行けば、と言うものの、ほぼ同時出発となんら変わりない事には誰もツッコまない。そうしてヘリは出発する。

 

 

「ほのか、美月…九亜ちゃんをお願いね」

 

「そういう皆さんも、気を付けてください!」

 

「雫!怪我しないようにね!」

 

「もう…ほのかは過保護だよ」

 

 

そう言い合って、ヘリは出発する…

 

 

 


 

 

「…ソウジ、貴方も来るのね…」

 

 

今回の一件にて、世界を滅ぼしかねない魔法の発動を感知したUSNA政府は、アンジー・シリウスを指揮官とする制圧部隊を派遣した。まもなく現場に着くであろう。そうなれば総司や達也と戦闘を繰り広げねばならないかもしれない状況に、頭を抱えてしまう。

 

 

「…だけど、私だってやらなきゃならないのよ」

 

 

そう言ってリーナが目を向けたのは、今回の任務に同行する、数十人のスターズのメンバー達であった…

 

 

 


 

 

「…深雪がヘリに乗って俺達に付いてきている」

 

「…雫ちゃんは?」

 

「恐らく一緒だ」

 

「もう…ワガママなんだから」

 

「お互い苦労するな」

 

 

そう言い合って、二人は海軍基地を見下ろした。

 

 

「…行くぞ」

 

「おうよ!」

 

 

そして二人は、何も付けずに身一つで降下するのであった…




マジで薄いな…次回こそはもっと味が濃い話を書きたいものだ…

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