魔法?よく分からんわ!殴ろ!   作:集風輝星

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もう直ぐ百話到達ですね…長かったような短かったような…


あ、今回の後書きはちょっとネタバレが多めなので嫌な方は読まない方が良いです。


星を呼ぶ少女編 その八

「…」

 

「呆れている場合では無いぞ真由美!二人を今すぐ助けなくては!」

 

「…ッハ!待ってて二人とも!今すぐ助け…」

 

「おっと、待ってもらおうか?」

 

 

情けない悲鳴を上げている馬鹿二人を助けようとする二人だが、研究所の所長に、わたつみシリーズに付けられている爆弾の起爆装置をちらつかせられ、動きを止めざるを得なくなる。

 

 

「…ック、貴様は戦略級魔法を手にして、一体何を企んで居るんだ!」

 

「フン、知れた事よ。陸軍があのように強大な力を得てしまえば、それを武器にこの国の実権を握ることなど容易かろう。そんなもの、我々海軍が許せるはずがない」

 

「なんて…くだらない!」

 

「…でも、あの戦略級魔法を凌駕するような魔法なんてそうそう無いわ、一体何をするつもりなの…?」

 

「おや、七草のお嬢さんは好奇心旺盛のようだ。今から実演して差し上げよう」

 

 

所長がコントロールパネルを操作すると、総司と零次が繋がれている装置が起動する。そして現れる魔法式。

 

 

「「ぐああああああああ!?」」

 

「なっ、二人とも!?」

 

「くっくっく、やはり計算通りだ。安部零次一人でわたつみシリーズ百体を凌駕する演算を行える…!生態電気の操作によって橘総司の異能も無力化出来た!これで遂に魔法が発動できるぞ!」

 

「…真由美、何が起こっているのか分かるか?」

 

「いえ…周囲には今の所以上は無いわ」

 

「そうだとも、何故ならこの魔法はもっと遠くから作用するのだ」

 

 

そう言って所長は上を指さす。

 

 

「…空?」

 

「空だと?その程度の魔法だと?侮るなよ!」

 

「…まさか!?」

 

 

摩利の推測を否定した所長の発言により、何かを察した真由美は『マルチ・スコープ』を用いて、遙か彼方…『宇宙』に目を向けた。そこには…

 

 

「アレはUSNAの軌道衛星…!そこにその機械と同じ魔法式が発生しているわ!」

 

「ま、まさか…!?」

 

「そう!この魔法、『隕石爆弾(ミーティアライト・フォール)』は、宇宙に存在する天体を地球へと落下させる力を持っているのだ!」

 

「そ、そんなことが…!?」

 

「この魔法の力を見せつけるため、まずは邪魔なUSNAの衛星を落とし、我々海軍が日本の主体となるのだ!」

 

 

何も出来ないことに歯噛みをする摩利。しかし…

 

 

「(…零次君、何故笑っているの?)」

 

 

機械に繋がれている零次が、いつの間にか笑みを浮かべていた事に気づいた真由美。それと同時に彼女は気づいた、機械…と言うより大型CADに発生している魔法式に違和感を持った…まるで同時に別の魔法式を読み込んでいるかのような…

 

直後、総司から言葉が発せられた。

 

 

 

 

「荳肴噴縺ァ縺ゅk」

 

 

 


 

 

一方その頃…

 

 

 

「クソッ、数が多すぎる!」

 

「大人しく降伏した方が身のためだが?」

 

 

地上では達也が、カノープスを主軸としたスターズの精鋭達に追い詰められていた…と言っても、ほぼほぼカノープスの功績であり、他のメンバーは少し援護していた程度だ。

 

 

「(リーナは…アイツは手を貸してはくれないのか?)」

 

 

達也はこの状況で頼りになるであろう実質的スパイの存在を思い浮かべるが、そんな思考すらままならなくなるほどの猛攻を受け、遂に膝をついてしまう。

 

 

「捕まえたぞ、さあ情報を吐いてもら…」

 

「…ここまでか」

 

 

まさかここで『分解』や『再生』を全開で使わざるを得ないとは達也も予測していなかった。恐らく今本気を出してしまえば、USNAに自分があの『質量爆散(マテリアル・バースト)』を扱う戦略級魔法師であると暴露するようなものだ。だが捕虜になるよりはマシだと、達也は覚悟を決めて…

 

 

「…これは!?」

 

「冷気だと!?」

 

 

しかし達也の行動よりも先に、スターズの足下に冷気が充満する。ハッとなった達也が上を向くと、その先にヘリが飛行しており、そこから降りてくる人影が…

 

飛行魔法で華麗に着地する者、自身の身体能力や慣性制御などで威力を殺して着地する者など、様々であったが、彼らがまごうことなき味方であることは確かだった。

 

 

「…貴方たち、よくもお兄様を「一つ!」…え?」

 

「非道な邪悪を憎み!」

 

「エ、エリカ?」

 

「何やってのよ相棒!いつもの決め台詞行くわよ!?」

 

「いつもの!?私そんなの知らないのだけれど!?」

 

「ほらほら!…ごにょごにょ」

 

「え、えぇ…ゴホン、二つ!不思議な事件を追って!…これでいいのかしら?」

 

「おっけおっけ、ほらほら、ミキ」

 

「うん…三つ!未来の科学で捜査!」

 

「あっ、深雪。深雪まだ台詞あるからね」

 

「えっ」

 

「えっとね…あっ、レオと雫済ませといて」

 

「お、おう…四つ!良からぬ宇宙の悪を!」

 

「五つ、一気にスピード退治」

 

「行くよ深雪?」

 

「分かったわ…」

 

「「「「「S.P.D!魔法戦隊マジレンジャー!」」」」」

 

「いやデカレンジャーでしょそこー!?」

 

「あっリーナ」

 

 

怒りに表情を歪ませていた深雪すらも、このエリカからのいきなりの無茶ぶりにはポカンとした表情に戻らざるを得なかった。そして戦闘の情報を聞いてカノープス達に合流しようとしていたリーナがツッコむ。彼女は日本のアニメをよく見ている。アニメでは無いがデカレンジャーを見ていてもおかしくはない。因みにリーナは相手が達也達であると知った瞬間にどうにかしてこの場を離れたがっている。リーナにとってはスターズも達也達もどちらも味方なので戦いたくないのだ。

 

 

「な、なんだコイツら…」

 

「まさか、彼らが総隊長の報告にあった魔法科高校の生徒か?」

 

 

その戦場でするべきではない奇行を見せつけられたスターズの一般隊員は恐れおののき、カノープスは目の前の集団が総隊長を苦しめた?者達かと警戒度を上げる。

 

更にだ。

 

 

「っ!?爆発音!?」

 

「総隊長殿!奇襲です!背後を突かれました!」

 

「ほらほら、総隊長さん?早く助けに行ってあげたら?」

 

「…今援護に行くわ!」

 

「総隊長!?」

 

 

現在地から正反対の方向からの轟音、部下からの報告、そしてエリカからの挑発ともとれる発言を受けて、爆発が発生した方向へと向かうリーナ。彼女はエリカが煽るように言ってきたことによって、この爆発は彼らが仕組んだ物であると判断したのだ。

 

するとエリカが達也に話しかける。

 

 

「行って、達也君!ミキが式神を放って気づいたんだけど、総司君と零次が無力化されてるみたい!」

 

「だが…」

 

「アタシ達は大丈夫だから!早く!」

 

「…分かった、死ぬなよみんな」

 

 

意を決した達也は魔法を使用しながら走り出す。無論スターズはそれを妨害しようとするが、深雪達に攻撃されて失敗してしまう。こうして達也は総司達の元へと向かう…

 

 

 


 

 

京都、某所にて…

 

 

一人の男が、モニターを眺めていた。そこにはUSNAの軌道衛星が地球に向けて僅かにだが移動を開始したと言うことを示すデータが表示されていた。そしてもう一つのモニターには今総司達が居る海軍の研究所の様子が映し出されていた。

 

男がその映像を眺めながらうっすらと笑みを浮かべていたところ、部屋のドアが開いて一人の女性が入室してくる。

 

 

「…お父様、これは?」

 

「束、よく見なさい。あれが彼の本領さ」

 

 

男…藤原道長が指さしたモニターには、ガックリとうなだれている総司が、神々しいまでの光を発しながら浮遊している光景があった…

 

 

「流石は希代の陰陽師、安倍晴明だ…防衛機構も完備と言ったところかな?」

 

 

 


 

 

「…総司君?」

 

「真由美…あれは、本当に総司なのか?」

 

「ば、馬鹿な!?なんだこれは!データに無いぞ!?」

 

 

場面は戻って、海軍の研究所。先程大型CADに違和感を覚えた真由美。そして直後に変化が訪れた。総司が何か言葉を発したかと思えば、総司が付けられていた拘束を解除し、CADから離れて、そして浮遊し始めたのだ。そしてその総司からは、殺意とも違う、まったく別の圧を感じる。そう、丸で文字通り()()()()()かのように…

 

 

「お、お前は何なのだ、橘総司ィ!貴様はただ安部清明の子孫であるだけの出来損ないではなかったのか!?」

 

「隲門、悶€∵�縺薙◎貂��縺ョ謔イ鬘倥〒縺ゅj縲√%縺ョ荳悶r謨代≧逾槭〒縺ゅk」

 

 

所長に返答を返した総司は、どこか動きがバグったゲームキャラのように挙動不審な様子だ。汗をぴっしりとかいた所長は、総司に見えるように起爆装置を掲げる。

 

 

「う、動くな!それ以上動けばこれを起動す…る…」

 

 

その発言の最中、総司の目が怪しく輝いた。その瞬間所長はまるで人形かのように動きを止めてしまったのだ。

 

今、総司が所長に何をしたのか。それを真由美は理解し、そして恐怖する。いや、何をしたかは問題では無い、肝心なのはその()()だ。

 

 

「今のは…『邪眼(イビル・アイ)』…?で、でも魔法式が見えなかった…!?」

 

「蠖鍋┯縲ょ�譚・鬲疲ウ輔↓縲主シ上€上↑縺ゥ荳崎ヲ√€∝ァ狗せ縺ィ邨らせ縺輔∴螳壹∪縺」縺ヲ縺�l縺ー縲√◎繧後〒鬲疲ウ輔�菴懃畑縺吶k」

 

「っひ…!?」

 

「や、やめろ総司!」

 

 

半ば独り言のように呟いた真由美に目を向ける総司。その瞳には非人間的…どころか、まるで上位存在に見つめられてしまったかのような言いようのない迫力があった。それに恐怖し動けなくなる真由美。それを庇うかのように摩利が立ち塞がるが、彼女も今にでも気絶してしまいそうな青い顔色だ。

 

しかし摩利の制止を聞かなかった総司は、二人に狙いを付け…

 

 

「そこまでだ、総司」

 

 

総司が声に反応し、研究所の入り口へと目を向ける。そこには、駆けつけてきた達也がいた。達也を見た総司は目を見開き、口を開いて何かを言おうとするが…

 

 

「後で詳しく話しを聞かせてもらうぞ、総司」

 

 

それよりも早く、達也の『()()』の魔法が総司を包み込んだ。

 

 

「窶ヲ縺昴≧縺九€ゅ♀蜑阪′謌代′貊�☆繧九∋縺阪€∵が鬲斐°」




橘総司について



・邱丞昇縺ォ縺ッ螳蛾Κ貂��縺ョ蜻ェ縺�′謗帙°縺」縺ヲ縺翫j縲√>縺壹l邱丞昇縺ッ荳也阜縺ォ髯崎�縺励◆謔ェ鬲斐r貊�☆繧九◆繧√€∬ュキ蝗ス繧呈�縺咏樟莠コ逾槭→縺ェ繧�



・莉雁屓縺ョ蝣エ蜷医€∵が鬲斐→縺ッ蜿ク豕「驕比ケ溘r謖�☆

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