2019年.4月27日.1100hrs
扶桑.旧首都東京.アローズ社扶桑支部
「では、これにサインを」
目の前に座る女性が2枚の書類を渡す。
1枚目は今後数年は自主退社は出来ない、報酬云々などの決めごとがずらっと並んだ契約書。2枚目はこれから自分が携わるであろう任務で“都合の悪い事”を決して詮索、他言しないようにする誓約書だ。
「重ねて言いますが、この書類にサインすれば貴方はアローズ・エア・ディフェンス&セキュリティ社の社員となります。そうなれば貴方は、機密保持を含め数年は此処を辞める事が出来ません。それでもよろしいので?」
これで彼女から3度目のお達しだ。
今更躊躇う必要もなく、彼女を一瞥すると書類にサインした。
「これでいいのか」
「......確認しました。これで貴方は正式に我が社の派遣傭兵部門所属の社員となりました。今後の活躍に期待します」
書類に目を通した彼女が机の片隅に書類を置くと、GPS付きの認識票とこれから配属されるであろう部隊のマークが刺繍されたパッチを手渡された。
『BONE ARROW SQUADRON』
盾の中に骨でイメージしたARROWの頭文字であるA、弾痕、下に部隊名が入っているエンブレムだ。
「アローズ・エア・ディフェンス&セキュリティ」社。
通称────“
元々はヴェルナー社御抱えの傭兵部隊だったらしいが、ここ十数年で雇い主から離れ、1企業として再編したらしい。
航空戦力主体の民間軍事会社であり、現在は国連安全保障理事会から委託され任務を遂行する国連から御墨付きを得たPMC......所謂“プライべーティア”だ。
社員もとい派遣傭兵部門所属には各国軍からドロップアウトしたパイロット、ウィッチが雇用されており、その腕は各国空軍のエリートにも引けを取らない優秀な者が集まっているらしく、その任務成功率の高さから国連の信頼も厚い。
扶桑国防空軍で階級が二等空尉の俺、
親父が元国防空軍軍人であった為、最後まで続けることも考えていたが、2年前と去年の9月に起きたある事件を切っ掛けに傭兵という職業に興味を持った俺は軍を辞め、アローズ社の雇われパイロットを選んだ。
入社試験が合格出来た理由は、2度の「実戦」を経験した扶桑国防空軍パイロット、という事でだ。
これから俺が所属するのはアローズ社の保有航空部隊の中でもトップの成績、高報酬取得者が集う第1航空部隊「ボーンアローズ」だ。
今までは4名で構成された航空戦隊だったが、俺が入社する前に1名除隊したようだ。
聞いた話では部隊は「ヴァイパー」以下「オメガ」「ブロンコ」のTACネームで呼ばれているとしか耳にしていない。どんな奴らなんだろうな。
「頼むから俺1人だけ男は勘弁してもらいたいな......」
そう願うように呟くと歩き続けている通路の先に終着点である「ボーンアローズ」のエンブレムが貼ってあるドアが目に入る。部隊員待機部屋であり彼らの巣だ。
ドアの数歩手前で立ち止まると一旦深呼吸をする。
先ほど呟いたことを再び祈るように呟き、よしっと覚悟を決め開けようとドアノブに手をつけた瞬間だった。
ガチャ!
「へ?ぶっ!!!」
「いらっしゃーい! ようこそ我が国連独立コマンド、アローズ社所属第1航空隊『ボーンアローズ』へ!私はボーンアロー2こと、TACネーム“オメガ”のアリシア・アルダートンだよー!よろし......」
「アリシア......彼、のびているわよ?」
薄れゆく意識の中で彼が見たのは3人の男性パイロットではなく、彼が望まなかった3人のウィッチだった。
「──────厄日だ......」
新城久幸(しんじょう・ひさゆき)
年齢:25
身長:170cm
出身:扶桑國 熊本県
誕生日:12月26日
所属:
元扶桑国防空軍西部航空方面隊第5航空団隷下第301飛行隊
現アローズ・エア・ディフェンス&セキュリティ社派遣傭兵部門航空部第1航空隊「ボーンアローズ」
コールサイン:「ボーンアロー4」
TACネーム:「リーパー」
まぁ、ざっと考えたのがこんな感じです。
アローズ社の概要はオリジナル要素を入れています。ボーンアローズの面々に関してもです。オメガはやっぱり元気一杯のイギリス人少女なイメージが浮かんだもので(´ω`)