ダキア。
東ヨーロッパに位置する共和制の国家。
1939年。ダキア東部に広がる黒海に怪異......後に「ネウロイ」と命名される異形の巣が出現。
巣から現れる無数のネウロイの侵攻によって、ダキアは第二次ネウロイ大戦開戦と同時に陥落した。
1947年。人類連合軍が黒海に浮かぶ巨大なネウロイの巣、コードネーム “トイボックス” への攻撃作戦を実施。予想を上回るネウロイの抵抗に人類連合軍は苦戦したが、統合戦闘航空団所属のウィッチ達の活躍もあり、これを破壊。ダキアはネウロイの支配から解放される。
残存するはぐれネウロイの殲滅、瘴気の除染などの障害を艱難辛苦の末に乗り越え、人々は平和な生活を取り戻したかに見えた......。
1999年。1万個もの破片となって地球に接近していた小惑星「ユリシーズ」がロシュ限界点を越え、次々に地表へ落着。地球規模の未曾有の大災害により、僅か2週間で50万人を越える命が消えた。
ユリシーズの破片による直接的な被害は少なかったダキアは被害が発生した隣国への救助支援を行う。
......が、隕石落下から数日が経過したこの時、予想外の事態が発生してしまう。
黒海沿岸部に於ける「ネウロイ」の出現である。
突如として復活したネウロイの前に人々は混乱する中、それを嘲笑うかのようにネウロイの軍勢は西へと侵攻を開始。
ダキア政府は自国の軍によるネウロイ殲滅を決定し、ドナウ川沿いに防衛線を構築。
だが、この防衛線は圧倒的物量を誇るネウロイ軍の攻撃により、2日と持たずに崩壊してしまう。
ネウロイは首都ブカレストに迫りつつあり、このままでは第二次ネウロイ大戦同様の負け戦となることを恐れたダキア政府首脳部は、国連軍及び
強力な戦力を得たダキア軍は、出現した全てのネウロイの駆逐に成功するが......、ネウロイが残した傷痕は大きく、黒海に面したドブロジャ地方一帯が再び瘴気によって汚染されてしまう。
2019年現在に至るも瘴気の汚染は続いており、ドブロジャ地方(トゥルチャ、コンスタンツァ県)の沿岸部一帯は立ち入り禁止区域に指定されている。
2019年.某日.0917hrs
東ヨーロッパ.ダキア.港湾都市コンスタンツァ上空
《ロックされたッ!! ヴィスナ7よりヴィスナ5へ援護を要請!!》
仲間の悲鳴にも似た声がイヤフォンから聴こえる。
だが、同時に機内に鳴り響いた警告音が、仲間の声を掻き消す。
"
機械音声が告げる耳障りな警報装置が鳴る。後方を振り向く。
データベースで照会された敵機の型式番号がシルエットの横に表示されるが、そんなものがなくとも見れば分かる。MiGことミール・ガスゥダールストヴァの双発戦闘機、
この辺りのユージア軍部隊が主力戦闘機として配備しているファルクラムは、あのヴェルナー・ノアが手を加えた改修型だ。通常のタイプよりも高性能に仕上がっていると聞いている。
厄介なものに狙われた、と思わず悪態を吐く。
「クソッ!!」
機首前方に向き直りスロットルレバーを前進させエンジンを
3重のデジタル
性能向上型の当機は機体の大型化、エンジン換装による
私の操作に機首は天を向き、機体は垂直上昇を開始。
視界に映るものがすべて後方へと流れて行く中で、無線から仲間の声が響く。
《ヴィスナ3、後方を警戒─────クソっ!!》
《ヴィスナ3
数年連れ添ってきた仲間がまた一人、空に散った。
だが、悲しみに浸っている余裕は今は無い。下手をすれば......次に墜ちるのは自分だ。
「”空より高いところ”には、まだ飛んで行きたくないんでなっ......!」
背後で軽量戦闘機グリペンの心臓、
Gに耐えつつ首を傾け、時折視界の隅で後方を確認。敵機はしっかりついてきている。
敵機が照射するレーダー波が機体を叩き、
上昇を続けると、雲間から光が漏れてきた。
その光源へと突き進むと、雲が晴れ、真っ青な空が視界に広がる。
雲海を飛び出し、ある程度まで高度を上げるとスロットルを後退させ徐々に速度を落とし、操縦桿を手前に引いて上方への
ループの頂点で背面になったグリペン。天地が裏返り、頭上を見上げると操縦席を覆うアクリル樹脂性のキャノピーの向こう側に雲海が広がっている。
その雲海からファルクラムが飛び出してきた。
「......来た!!」
雲海から飛び出してきたファルクラム。
HMDのヘルメット照準システムをオン。
背面状態のまま、四角の目標指示ボックスに囲われた敵機をロックオン。ボックスの内側のターゲットを更にミサイルの目たる
ピーっという電子音とともに
同時にロックオン警告が鳴る。相手も此方に照準を合わせてきた。
「FOX2!!」
発射をコール。トリガーを引き絞る。
右主翼端1番ステーションに懸吊されていたRb98が電気信号を受け取るとロケットモーターが点火、撃ち出されたミサイルは推力偏向板付き排気ノズルを可動させ敵機へと向かう。
ミサイル警告音。ほぼ同時のタイミングでファルクラムもミサイルを放ったのが見える。
操縦桿を引いて機首を90度持ち上げると、ほぼ機首は真下を向いている。直ぐにスロットルを押し込み加速。機体は真下へと急降下を開始。
風防の向こう、機首前方から突き上げてくる敵のミサイルとヘッドオン。このままではまともに直撃を食らって機体は木っ端微塵に吹き飛んでしまう。
自殺願望があるのかと思えるだろうが、生憎まだ俺は死ぬつもりは無い。
HOTAS概念(Hands-On Throttle And Stick :両手で操縦桿とスロットルレバーを握ったまま搭載兵器の発射や電子システムの操作が行える)を取り入れているスロットルレバーの対抗手段ディスペンサーのスイッチに指を掛ける。
チャンスは一度。タイミングを外せばミサイルとキスする羽目になる。
それだけはごめんだ。
(まだだ......ッ、今だっ!!)
ディスペンサーのスイッチを入れる。胴体後部と主翼下のランチャー後端からフレアを盛大に
「ぐぅ......っ!」
瞬後、ミサイルの軌道が少し上向きになった。
キャノピーの上を通過したミサイルが背後で散布されたフレアの群れに突っ込み信管が作動して炸裂。爆発の衝撃波がグリペンを揺さぶり、機体のあちこちにカンッカンッという破片が叩く音が聞こえた。
衝撃がおさまったコックピット内部には被弾した事を知らす警告音が新たに鳴り始めた。
直撃は
「くっ......頼むからエンジンだけでも生きていてくれ」
機体を水平に戻し、後ろを振り向いて外部を確認すると機体のあちこちに小さな破片が突き刺さっていたり、引っ掻いたような痕が見える。液晶ディスプレイの一画へと目を向けると各種電子戦システムの内、右翼の
「...命拾いしたか...」
賭けだったが、相手のミサイルは旧式の
なんだ?と振り向くと、此方が撃ったミサイルが相手のファルクラムに命中した瞬間だった。自分で撃っておいてなんだが、回避するのに夢中で敵機のことなどすっかり頭から抜け落ちていた。
直撃を受けたファルクラムは右の主翼をもがれ、黒煙を引きながら墜ちていった。脱出しないところをみると搭乗者は直撃の衝撃で気を失ったようだ。
その光景を数秒眺めていた。視線を機首前方へと戻し、ミサイルに追われる緊張から解き放たれたことに安堵の吐息を漏らす。
......だが、その安息の一時も数秒で終わりを告げる。
《ヴィスナ4何処にいる!? "ヤツ"が......ひっ!》
《くそっ!》
《ライリーがヤられた!
仲間がまた1機食われた。
敵機は0-9-0方向、つまり真東に向かって飛んでいる。
無線の送信スイッチを入れる。
「ヴィスナ5、こちらは0-2-0、1万4千だ。ヤツの頭を押さえる。
《
先程のミサイル迎撃で1発使った為、左翼端レールランチャーのRb98が1発、両翼2番ステーションにそれぞれ懸吊されている中距離AAMのRb99(AIM-120C)が2発、あとは
元々、ダキアの南に位置する国モエシア。飛行型ネウロイが度々飛来するその北東部の町シャブラ付近での空中哨戒任務の為にRb98を2、99を2、増槽2本の軽装で出撃していたのだ。
事の始まりは、私の所属する隊が直ぐ任務を終え、基地への帰投コースを飛行していたら時だ。
突然、無線から国連所属の部隊からの救援要請が入ったのだ。
国連の
進路を北に国境を越え、交戦中の味方部隊の救援へと意気揚々と向かった我々を出迎えたのは、嵐の如くけたたましく鳴り響くレーダー照射警報。
それがミサイルアラートに変わると、頭上の雲海から複数のミサイルが我々を襲い掛ってきた。
私はチャフとフレアで回避したが、最初の一撃だけで8機中3機が落とされた。これには隊長機も含まれていた。
その後の空戦で2機が喰われ......、残っているのは
「くそっ......、レーダーがまともに機能しない......
MFDに映るレーダースクリーンは壊れたテレビのように真っ白に染まるか、正常に映るかを繰り返している。
整備不良や先ほどの被弾による故障ではない。
原因はコンスタンツァの目と鼻の先に広がる「黒海」だ。
長年に渡りネウロイに支配され続けた黒海は、気候や周辺環境も劇的に変わってしまっている。
空は常に灰色の分厚い雲に覆われ、空気は薄い灰色で
このレーダー不調は未だ各地に残るネウロイの“死骸”から噴出して拡散する微粒子が通信環境に影響を及ぼしているとされており、レーダーはおろか僚機との交信も危うい。濃度が濃い場所と薄い場所が断続している為レーダーの他、無線も時折ノイズが走ったりする。
「......っ、あれかッ!!」
此方から見て11時下方、雲間を縫うように飛行する流線型の機体が見えた。
相手もこちらに気づいたらしく右に90度ロールして旋回、近くの雲の中に入った。
大型のシルエットからして、フランカータイプだ。
「こちらヴィスナ4、ヤツを見つけた! データリンクで位置を送る!」
送信後、機体を操りヤツが入った雲の中へと突っ込む。索敵センサーをレーダーから機首上面、風防前にある「スカイワードG」
IRSTの特徴は自ら電波を出さずに敵機が発する赤外線を受動的に捕捉する。その為、レーダーを使わずに捜索が可能だ。
起動したIRSTが前方の空間をスイープ。MFDに新たに追加した索敵センサーのウィンドウに
HMDにターゲットボックスが表示される。12時方向、距離は2マイルも離れていない。
レーダーによるロックオンが出来ない為、兵装を中射程のRb99から短射程のRb98にセットしたところで、敵機が動いた。
敵機を示すブリップの横に表示されている高度計の数値が増えていく。敵機が上昇しているのだ。
「逃がすか!」
視界には雲だけしか見えないが、HMDバイザーで見るとIRSTで捕捉された敵機を目標指示ボックスが囲み、それが上昇しているのが分かる。それを頼りに機体の速度を少し上げ、敵機を追って上昇する。
高度計の数字が上昇し、高度
1万2千、1万3千......、次の瞬間雲が切れ、視界に青空が広がる。そして、自機よりも数千フィート程上を飛ぶ背面姿の敵機が見えた。
「やはりフランカーか。しかし、あの型は......」
機首のカナードを見て頭に浮かんだ機種は
その点で該当する機体は、と脳裏に浮かぶ前に
「Su-33......フランカーD、か」
オラーシャのスホフが空母艦載機として開発した艦上戦闘機だ。
視線の先をゆくそのフランカーは、全体が赤黒い塗装を施されている。その姿はまるで、生き血を求め、地獄から這い上がってきた魔物を連想させた。
「悪趣味にも程が----っ!!」
突如として、背面飛行状態のフランカーがいきなり機首をガクッと落とし、速度を上げ、こちらへと真っ直ぐ突っ込んでくる。
互いに機首が向かい合っている状態、ヘッドオンだ。
(相対速度は既にマッハ2を超えている。数秒で交差するっ!!)
接触するのを回避する為、操縦桿を左に倒しロール。フランカーも左にロールするのが見えた次の瞬間、互いに背面を見せあうようにして高速で擦れ違った。
ほんの一瞬だったが、相手のパイロットと目があった気がした。
高速時に擦れ違った衝撃で小型のグリペンが激しく揺さぶられる。
「くそっ!」
操縦桿を強く握り操作。
暴れる機体を立て直し、上昇姿勢から水平に戻したところではっと、気づいた。
「......しまったッ!!」
次への反応が遅れた。
気がついた時には擦れ違ったフランカーがこちらを追尾していた。近い。3000フィート(約900m)ほど後方にいる。
『ピ、ピーッ』
唐突に鳴り響くレーダー警報。
敵が照準をつけてきたと思った瞬間、注視していた敵機の機首右側が光った。
「っ!? ぐっ......!」
反射的に機体を左ロールさせると、直ぐ傍らをゴルフボールサイズの曵光弾が一条の光を引いて空を切り裂くのが見える。フランカーの30mm機関砲弾だ。
左に90度ロール後、操縦桿を引いて急旋回を行う。同時にスロットルレバーを最大まで押し込んだ。
ミリタリーパワー。
高速と旋回のコンボ。パイロットである自分に容赦なくGが襲い掛かる。
耐Gスーツが
見れば、HMDに映る
90度の
それでも必死で首を傾け、キャノピーの天上越しにフランカーを探す。
「あ、あれか......ぐ、ぐうぅッ......!」
視界の上、フランカーの機体後部......テイルブーム、エンジンノズル、水平尾翼の部分がチラリと見える。相手も旋回して追ってきている。
操縦桿を右に倒し、グルンと機体が右ロールで傾くと操縦桿を引いて左旋回から一転して右旋回へ。バックミラーに映ったフランカーも右旋回に入った。すかさず左旋回に転ずる。
この
遂にはフランカーが照準用レーダーを浴びせ始めた。
RWRが警告音を放つ。
このままでは......と、次の手をなんとか模索していた最中だ。
無線が飛び込む。
《─────ヴィスナ4、こちらヴィスナ5。遅くなった! ヤツの後ろ、1300についてる!》
無線に響く仲間の声に自然と口端がつり上がる。
「遅いぞっ!! 俺を殺す気か!」
《スマン。見つけるのに手間取った。待ってろ!》
《こちらヴィスナ7。5の右後方600につく》
途切れ途切れになりつつあったデータリンクが少し回復。
MFDのレーダースクリーンが更新され、後方から迫るヴィスナ5、7を示す緑のマーク、その2機のセンサーが捉えたフランカーの赤いマークが映り込む。
「頼む! 早くヤってくれッ!!」
《お前が近過ぎる! 離れろ!!》
「分かっているっ......だが、
自機とフランカーとの距離が近すぎて仲間がミサイルを撃てない。
仮にミサイルを放っても、奴が回避すれば此方への流れ弾になる。ガンも同様だ。
(一か八か......、次で賭けてみるか!)
操縦桿を右から左へ倒す。
機体が左旋回を始め、バックミラーに映るフランカーも同じく左に切った、そこで素早く右に旋回。
一瞬だけヤツの死角に入るタイミングで右ラダーペダルを踏み込み、スロットルレバーを一気に手前に引く。
同時にエアブレーキを展開。更に機体を急減速させる。
「ぐうぅっ!」
ガクッと、速度を落としたグリペン。
高度も少し落ちた自機の頭上を大型のフランカーのシルエットが通過した。
ヤツを
「頼むっ!!」
フランカーの後を2機のグリペンが追い駆ける。
《ヴィスナ5、シーカーオープン!》
2機の先頭を行くヴィスナ5がミサイルのシーカー起動をコール。
俺の機体を見失い、右へと旋回を続けているフランカーがあと少しでロックされる刹那、
右旋回を続けていたヤツのフランカーが急激に速度を落とし、機首を持ち上げ、
その場で静止した。
《なっ!?》
《っ!?》
僚機が驚きの声を上げる。
その機動を見た私も思わず声を出した。
「"フック"だと......!?」
スホフのSu-27が「コブラ」という、水平飛行中に機首を90度以上引き起こし、数秒間保持してあたかも機体が空中で止まっているかのような特殊な機動が出来るが、
「フック」は、機体を旋回させている最中に横向きのコブラを行う機動だ。
どちらも難しい技であり、その機動を敵のフランカーはやってのけたのだ。
空中で動きを止めたフランカーの突然の挙動に、2機のグリペンは即座に対応出来ずにフランカーの脇を追い抜いてしまう。
両機が追い抜いた直後、静止状態のフランカーが機首を元に戻すとガンを発砲。
30mm機関砲弾の赤い一条の線が伸び、背後からヴィスナ7のグリペンを直撃。
重装甲で覆われた戦車なら別だが、小型軽量を求め機体構造がアルミと
30mm徹甲弾の破壊力は凄まじく、グリペンをズタズタに引き裂く。胴体を蜂の巣に変え、コックピットの内側を鮮血で染め、カナードを吹き飛ばす。
死に体となったヴィスナ7のグリペンをよそにフランカーはそのまま射線を少しずらし、前を飛んでいたヴィスナ5へとそのまま30mmを撃ち続けたのだ。
火線に捉えられたヴィスナ5は瞬く間に穴だらけとなり果て、最後には機体が爆発を起こす。パイロットは脱出する隙もなかった。
2機を仕留めたフランカーが雲の中へと消え、爆散した機体の破片が四方へと飛び散る光景を私は呆然と眺めていた。
「......化け物、か......?」
一瞬にして2機のグリペンを一撃で落としたフランカー。
いや......、総数8機いた飛行隊のうち7機を単時間で喰った「魔物」だ。
こいつには勝てない逃げろ、と本能が叫ぶ。
だが、身体がまるで金縛りにあったかのように動けない。
見ると、操縦桿を握る右手が震えていた。
「くそっ!......こんなっ......っ!?」
スロットルレバーを掴んでいた左手で震える右手を制止しようとした矢先である。
ゾクッと、イヤな気配を感じ、身体が一瞬震えた。
誰かに見られている、そんな気配だ。
額から汗が流れ落ちる。
左右へを確認し、後ろを振り向いた瞬間、背筋が凍った。
見開かれる目の先に『ソイツ』はいた。
瞳に映り込んだのは、赤黒いフランカー。
仲間の命を次々と奪ったソイツが、私の機体の後ろを飛んでいた。
30mm機関砲の砲口は完全に私の機体を捉えている。
『ピーッ』
耳障りな電子音が鳴り響く。
次ハ オマエダ
それは、自分への無慈悲な死刑宣告に聞こえた。
「あ、あ......あぁ......や、やめろぉぉぉぉ!!!」
◇
《あ、あ......あぁ......や、やめろぉぉぉぉ!!!》
グリペンのパイロットの絶叫が無線に響く。
「─────悪いな。 恨んでくれても構わない 」
機関砲の最小射程ぎりぎりを保っている機体のコックピットの中、
両手で顔を覆っている相手のパイロットを見つめそう呟くと、機関砲のトリガーを引き絞り残った30mm砲弾をグリペンへと撃ち込んだ。
撃ったのは数十発だが、それでもグリペンに与えたダメージは大きく、コックピットを粉砕され翼をもぎとられたグリペンは、くるくると回転しながら落下していった。
やがて、地上で閃光が走った。
俺はそれを確認すると、無線で付近に展開している地上部隊に報告する。
「─────ヴァンピール1よりロシュ1。 セクター305上空にて侵入した敵機は全て墜とした。......ベイルアウトしたパイロットはいない。撤収してくれ」
《了解しましたヴァンピール1。流石ですね、少佐》
地上部隊からの応答を聞いた俺はヘルメットのバイザーを上げ、シートにもたれかかる。
先程のグリペンのパイロットの顔が脳裏に浮かび、あの絶叫が木霊する。
祖国に土足で入った敵、だが、いつも思うが嫌な仕事だ。本当なら、黒海周辺に出現するネウロイを叩くのが任務であり、今撃墜していたあのパイロット達とは共に翼を並べ戦いたかった。
そう思いに耽っていると、ふと、誰かの視線を感じた。
そこで、視線の主に当たりをつけ、こう言った。
「......不満そうだな、“アッシュ”」
《─────別に》
案の定思っていた通りの答えが返してきたのは、いつの間にか機体の右翼側を並んで飛ぶウィッチだ。
視線を彼女へと向けると、明らかに苛立ちを隠しきれていない。猛禽類のような鋭い目でこちらを見ていた。
......おっかないな。せっかくの美人顔がもったいない。
「仕方がないだろう。お前さんの上司直々の命令だ。俺がしっかりと仕事をしているか......お前さんはその監視だろ?」
《......監視なんて引き受けなければよかったよ......ったく》
溜め息を吐く彼女の姿に苦笑する。
すると、チカチカと計器が点滅していることに気づいた。燃料計の針が指し示す数値が低い。
少し派手に動き過ぎて燃料を浪費してしまったな。
「アッシュ、
《了解》
彼女が右旋回をして離れる。それに続くように私も操縦桿を操作して機体を右旋回させた。
«こちらAWACS"スカイキーパー"。聞こえるか?»
どうも、お久しぶりです。フェネックです。
最後の更新が去年の2月......orz
......申し訳ない。
あんなに早く投稿すると言っておいて、このあり様です。
待っていた閲覧者の方々もいたと思いますが......ほんとにいたのかな?俺の思い込みか?
ウィッチの活躍する場面が少ない、ネウロイがまったく出ない、とか思われるでしょうが、もう少し待っていてくれぇー!必ず出すから!
長らく手を付けてないせいで文が可笑しいかと思います。そこは生暖かい目で見てください。
いやぁ、いろいろありましたね。
第502JFWの活躍を描くアニメ、ブレイブウィッチーズ。面白かったです。
ロスマン曹長に指導(意味深)されたい......
それと、発表されたエースコンバット7のトレーラー映像。
オーシア連邦に宣戦布告したエルジア王国。
特殊な装置を後部座席に搭載したSu-30SM。
センサーが眼球の動きを追って照準を合わせるシステム。
大量の無人機を抱えた巨体航空プラットホーム「アーセナルバード」
MQ-99無人機。
青い砲弾を放つガンポッドを積んだF-15。
センターパイロンにレールガンを搭載したホーネット...etc
噂によると、Su-30SMに乗る初老の男が、あの「彼」かもしれないとか。
(トレーラーの最初、「彼が帰還する」で英語でミハイル?ミハエル?is backと言っているのでパイロットの名前かと)
終盤でエルジア王国の政府専用機から降りるブロンドの女性がエースコンバット04、逃げ遅れたV-22機内にいた少女、かもしれないとか。
かなり盛り上がっていますね。
デモプレイの映像も見ましたが、管制官がフォートグレイスアイランドと言っているのが聞こえたので、ユージア大陸のコンベース港南に位置するフォートグレイス諸島のことかも。
......早くHMDを揃えて「離陸」に備えないと!けど、値段高い(泣き)
値下げしてくれないかなぁ...?
と、長くなりましたがこの辺で。
次は2月上旬には投稿したいですが......前例があるので、投稿出来るか分かりません。
それでも待ってくれる方がいれば、励みになります。
では、解散!