※注意
これは一発作品です。
続きの予定はないですので御了承を
The Usea continent.
North Point. SEP.19. 2004/1405hrs./Cloudy.
とうとうネウロイがノースポイント本土侵攻を始めたのかなと、 ざわついているブリーフィングルーム内を見渡し席に座ると、そう思った。
「今日の出撃が最後じゃねえか?俺達」
誰かが縁起でもないことを言った。
そう思うのも無理はない。実際この戦争初期を思い起こせば大陸中央の国サンサルバシオンにある隕石迎撃用対空施設「ストーンヘンジ」をネウロイに奪われた時点でなんとなく想像出来る事。
現時点での状況を考えれば......
「ねぇ、やっぱり侵攻かしら?」
隣に座る同じ部隊のウィッチが、顔は前を向いたまま私に尋ねる。
「上陸では無いと思う。エルジアの艦隊が睨みを効かせているから......っと?」
私が話している途中、部屋のドアが勢いよく開けられ、数名の佐官が入ってくる。今までざわついていた部屋が一気に静まり返り、全員が直立不動の態勢をとる。
佐官の一人が壇上に立つと同時に部屋の明かりが消され、中央のモニターに電源が入る。
「早速だが出撃任務よ」
その言葉に一部のパイロットが小さくガッツポーズをとったり、不安そうな表情を作り俯く。
「先ほど早期警戒レーダーが敵の潜入工作型に破壊され敵爆撃機級数機が領空に侵入した。敵はアレンフォード飛行場を爆撃したのちノースポイントへ向かうつもりらしい」
再びざわつくブリーフィングルーム。
既に爆撃機は領空に侵入済み、加えて敵の狙いが総司令部である可能性が高い。
ノースポイントの防空火力は脆弱過ぎて、敵は余裕で飛行することも可能だろう。
総司令部は張り子の基地も同然。と、壇上にて話すのは佐官もといAWACS(早期警戒管制機)“スカイアイ”の管制官の少佐。
「ニューフィールド島を通過する前にすべての爆撃機を撃墜し、侵入を絶対に阻止してください。あなた達はノースポイント防衛戦の先陣です......ISAFの延命に全力を注いでください」
『了解』と全員が立ち上がりそう答えた。
ノースポイント付近海域
ISAF海軍 空母フォート・グレイス
《フィオナ少尉、ファースト・キャッツ(第1カタパルト)への進入を許可する。デッキクルーの誘導に従ってくれ》
エアボスからの指示がヘッドホンに響く。
定位置で止まったエレベーターからFー4E戦闘脚を履く私「フィオナ・カーディフ」は塩風が吹き付ける飛行甲板へと躍り出る。
飛行甲板では各役割を示す為に異なる色のジャケットを身に付けたデッキクルーが彼方此方へと走り、他のクルーへハンドシグナルを取り合ったり、駐機されている機体の点検を行っていた。
「了解。移動を開始します」
黄色のクレイニョ(デッキクルーが使用するヘルメッ ト)とジャケットを身に付けたエアクラフト・ハンドラー(航空機誘導員)が両手を使った合図で誘導する。飛行甲板上ではジェット音などで声がかき消される為、ハンドシグナルによる合図は必須だ。
飛行甲板要員の作業は単純そうに見えて重要な役割を持ち、日夜彼らは危険と身近に過ごしているのだ。馬鹿には出来ない、敬意を払う対象でもある。
誘導員がカタパルト定位置まで誘導すると両手で停止のハンドシグナルを出す。
《カーディフ少尉。最終確認を》
「了解」
艦首に2基あるカタパルトのうち、右側にある第1カタパルトの方へ、私は来ていた。
蒸気が立ち込めるその向こう側から降着前輪に接続するカタパルト・シャトルが甲板に設けられた溝に沿ってゆっくりと進んでくると、手前にて停止する。
素早く緑ジャケットのカタパルト要員がランチバーとホールドバックバー(トレールバー)をチェック。
《...カタパルト接続確認!バリア上げろ》
カタパルト要員の指示で、私の背後にあるジェット排気を上方へと逃がすブラスト・ディフレクターがせり上がる。
片眼鏡型HUD(ヘッド・アップ・ディスプレイ)をON。発艦に備える姿勢をとる。周囲で同じく発艦の際に吹き飛ばされないように低姿勢の甲板クルー。
《カーディフ少尉、発艦を許可する》
エンジン全開。アフターバーナーを点火したファントムⅡ戦闘機脚のGE製J79魔導ターボジェットエンジンが甲高い唸り声を上げ始めるとジェット排気ノズルから圧縮された魔法力とエーテルが勢いよく噴き出す。
バブルと呼称される複合カタパルト制御ステーションを一瞥。親指を立てる射出要員。
数秒後、カタパルトの溝に沿ってシャトルが高速で移動。まるで弾丸か何かのように打ち出され、気がつけば空中を舞い上がっていた。
「魔導エンジン異常なし......管制、誘導をお願い」
先に射出された同僚のあとを追うべく、上昇していく......。
数十分後......。
《こちらスカイアイ、全機聞こえる?》
高度6600フィート(約2000m)上空にて私を含めた6人のウィッチが編隊を組み、ニューフィールド島へと向かっていた。
早期警戒管制機スカイアイの女性管制官である少佐から通信が入る。
《カーディフ少尉、あなたのコールサインは『メビウス1』よ》
「メビウス1」か......。
私が自分の機材であるファントムⅡの垂直尾翼に描かれているエンブレムを一瞥する。リボンにも見えるメビウスの輪の中を飛行機を表す鏃が突き上げる......そんなエンブレムだ。
壊滅した部隊からの寄せ集めで編成されたこの部隊の名は第118戦術航空隊「メビウス」なのだが、この部隊内では編成前のコールサイン、異なる機材など混同していた。
例えば「オメガ」「レイピア」「ヘイロー」「ヴァイパー」と言った具合だ。うん、多いなぁ......。
《今日のエースは私が頂くよ!》
《オメガ11より各員、調子に乗りすぎて地面にだけはキスするなよ? 誰かをおぶって帰るなんて嫌だぜ?》
《それ、あんたじゃないの?》
陽気な彼女たち。
私の冷ややかな視線など、まったく気にもせず、彼女たちのテンションは上昇する。
すると、通信が入る。
《まもなく目視確認距離に入る。既に爆撃編隊の先頭はニューフィールド島中部上空に到達します》
ピタリ、と陽気な会話が止む。
彼女たちは銃を構え、その表情はさっきの笑顔とはかけ離れた“航空魔女”の表情そのものだ。
私も、背中に回していたアサルトライフルを両手で持ち、セーフティーを解除すると、
「マスターアームオン」
そう呟くと、HUDに表示された武器システムがSAFEからARMに切り替わる。戦闘準備は完了。
《今日は私の誕生日よ。プレゼントは勝利、かな》
勝利をプレゼント、か。
その言葉を聞いたウィッチが、
《基地に帰ったら、誕生日パーティーのケーキ......てっぺんのクッキーは私がもらうからなッ!?》
《クッキーはわたしのー!》
《お前ら戦闘前だぞ!真面目にやれッ!!......あ、ケーキはチョコか? チーズケーキは無しだぞ?》
うへぇ(;¬_¬)といった表情のフィオナ。
「......お先に失礼するわよ」
Fー4E戦闘脚のターボジェットが、ゴウッ、と音を立てて加速し始めるが、誰も後に続こうとせず......ただ、喧嘩していた。
《......メビウス1、交戦》
スカイアイがそのロックコンサート会場状態の通信から申し訳程度に告げる。
私は気にせず、目の前の敵に集中する。
HUDにリンク表示されたレーダーには6つの大型機と、数機の護衛戦闘機のブリップを捉えていた。
視界に小さな黒い点を二つ、捉える。
HUDのズーム機能で確かめると、エルジア空軍が保有する旧型爆撃機に似ている爆撃機型ネウロイだと分かる。
「ネウロイ」
かつて、世界規模で起きた大戦の元凶。
金属系で構成され、攻撃手段は様々、自己修復可能、一度攻撃を受ければ時間を掛けそれを真似る、異形の化け物。
瘴気と呼ばれる、人間や動物、植物に有毒なガスを散布する為、なおさら厄介な存在。
その爆撃機級をミサイルの射程圏内に捉えた私は、HUDでターゲットをロック。
「メビウス1......FOX1!」
戦闘脚の胴体下に半埋め込み式ステーションからAIMー7“スパロー”視程外射程空対空ミサイルがユニットから離れるとロケットモーターに点火し、レーダー誘導の下、真っ直ぐ標的へと突き進む。
十数秒後には二回の閃光が煌めく。
視界にはスパローを喰らった爆撃機の1機が徐々に光の破片と化して消えゆくのが見える。次の標的をHUDに。
「FOX1!FOX1!」
再び放たれるスパロー。
ミサイルが標的を確実に捉えると、命中。
胴体中央部に被弾した爆撃機は、途端に速度が落ち、ヨロヨロと不安定な飛行になる。
その爆撃機に、私が一気に近づくと、被弾した箇所から露出している赤く光るコアにライフルの弾を数発叩き込む。
秒速900m強で放たれた弾丸がコアに命中すると、コアに罅が入り、ガラスか陶器のように粉々に砕け散った。
「2機目ッ!!スプラッシュ2!」
対空目標を撃墜時に於ける符丁を言うと、スカイアイから通信。
《敵編隊中央の爆撃機周囲に数機の小型目標を捕捉。おそらく戦闘機級ネウロイです。注意してください
HUDに表示されたレーダーにも、反転しこちらへと向かってくる3機の小型機を確認した。
私は速度を上げ、ヘッドオン。
やがて視界に捉えるとMiG-29“フルクラム”に似た戦闘機級ネウロイが、高速で真横を通過した。
敵機とニアミスしたフィオナは急旋回。
鋭く半ループを描くと、正面で旋回中の2機を見つけ兵装を切り替える。
主翼下の赤外線追尾ミサイルのシーカーがオンにされ、その目に敵機の熱を焼き付ける。
ピーッと、ロックオン完了の電子音が耳元で鳴る。
「メビウス1、FOX2!!」
主翼下ランチャーに懸吊されていたAIM-9M“サイドワインダー”視程内射程空対空ミサイルを発射。
狙われた敵機の片割れが上昇、下降、ジグザグに飛行して、必死にミサイルを振り切ろうとするが、追跡者であるガラガラヘビは、そうやすやすと目につけた獲物は逃がさない。
敵機が旋回した瞬間、速度が落ちたところへサイドワインダーが食らいつき、弾頭が炸裂、ロッドがコアを貫き粉砕、撃墜する。
よし!と嬉しさに笑みを浮かべるのもつかの間、ヘッドホンに響くロックアラート。
振り返ると、さきほどの2機とは別に飛行していた戦闘機級が私の背後に喰らいついていた。
瞬時に回避機動へと身を翻す。
上昇、下降、急旋回、時にはアフターバーナー全開で振り切ろうと、試みるがネウロイも負けじと必死に喰いついて離さない。
「ッ......しつこい!」
《なんなら手を貸そうか?》
ヴアァァァァァァァァァ!!!
空に唸るバルカン砲の凄まじい射撃音。
高速回転する多砲身から秒間100発にも及ぶ20mm弾が雨あられと降り注ぎ、悲運なネウロイにその鉄の雨が穴だらけにする。
ハチの巣以上に穴だらけと化したネウロイの“カス”は瞬く間に消滅した。
辺りを見回すと、先ほどまで口喧嘩していたウィッチたちが敵編隊に斬り込んでいた。
《オメガ11、敵機撃墜》
《レイピア7、チェック6!。3カウントで右にブレイク》
《メビウス1に遅れをとるな!クッキーが取られるぞッ!》
メンバーがその反射神経を活かし、囮として引きつけている間に後方をとった他のメンバーがM61かSG550ライフルで仕留める。
《FOX1!......撃墜ッ!!》
《敵爆撃機1機撃墜。1機がアンダーソンクレーター上空にいる》
フィオナがその通信を聞いて、アンダーソンクレーター上空に向かう。
ロシュ限界点を越えてきたユリシーズの破片がニューフィールド中央部東側に落着して出来たアンダーソンクレーターが目に入る。島を抉るように穿ったクレーターは、ユリシーズによる被害の例の一つだ。
「敵機捕捉。......FOX1!」
スパローを発射。
ミサイルがぐんぐんと距離を詰めるが、爆撃機の尾部ビームターレットが迎撃、ビームの弾幕に突っ込んだミサイルは粉砕された。
照準が私に変わり、その弾幕が襲ってくるが、素早く右に流れるように回避、少し高度を上げ真上から爆撃機に迫る。
「FOX2!」
サイドワインダーミサイルを2発、発射する。
ミサイルが爆撃機の左翼と胴体中央部に命中し、大きく抉るとコアが露出した。
素早くライフルを構えるとバースト射撃でコアを撃ち抜き破壊。爆撃機は力を失ったように下降しつつ、消失してゆく。
次の目標に向かおうと思っていた私だったが、レーダーに映っていた2機の機影が突然消えた。スカイアイから通信が入る。
《敵爆撃機の反応消失。おそらく4機目が全体の管制機を担っていたのだろう。結果、任務完了だ》
その言葉を聞くと、兵装システムのマスターアームをオフに切り替えライフルにもセーフティーを掛ける。
眼下のアレンフォード基地から通信。
《スカイアイ、こちらアレンフォード。敵爆撃機の全滅を確認した。......今日のエースは誰だ?礼を言っておいてくれ》
その後、基地で行われた少佐の誕生日パーティーでは皆がお目当てのクッキーを今日一番の撃墜数を出した私が得た事で片は付いたように見えたんだけどねぇ.....まさか全員が私に襲いかかってくるなんて思いもしなかった。
まことに勝手ですが、これは一発作品です。
続きは無い予定です。誰か書いてくれないかな(チラチラ
フィオナ・カーディフ(Fiona Cardiff)
所属:ISAF空軍第118戦術航空隊「メビウス」
コールサイン:メビウス1
階級:少尉
身長:156cm
誕生日:4月8日
年齢:16歳
使用機材:Fー4E艦上戦闘脚“ファントムⅡ”
使用武器:SG550.他
使い魔:シロハヤブサ
固有魔法:?
ノースポイント出身の航空ウィッチ。
長い白銀の髪、髪に結ばれた青いリボン、すっきりとした顔立ち、青い瞳を持つ。
その容姿から、部隊の仲間からは「これで笑顔の一つでも見せりゃあ、基地中の男を魅了できるだろうに。勿体無い」と、言わしめ、残念がらせるほど。本人はガールズトーク等には消極的。その為、彼女のポーカーフェイスや、悔し顔以外の表情を見た者は少なく、いるとすれば整備班の男女数名。
ってな簡単な設定です
設定等はどうぞご自由にお使いください。