「入社後初めての任務が......いきなりこれかよッ!!」
航平が愚痴をこぼす。
右へ左へと蛇行しながら高速で飛行する機体。
それに振り回されないように必死な彼の前の席にて操縦する久幸は、止むことの無い極超音速の砲撃に歯噛みする。
一瞬でも気を抜いたら終わりだ。
それだけは分かっていた。
全周360度の全方位迎撃能力を持つ巨人の刃。
円形状に配置された砲台は数千台のスーパーコンピューターを用いた精密射撃を行い、
その為に使われる“盾”であった。
今じゃ、ネウロイに取り込まれた“化け物”だ。
砲が射撃態勢をとるのを見た久幸が急いで急降下し、地面すれすれを高度を維持しながら斜めに飛行する。
ストーンヘンジ・ネウロイの1基が追尾するが、機体の速度が速く狙いがつけられないことや、射線上に味方の陸戦ネウロイがいる為、下手に撃つことが出来なかった。
ストーンヘンジの外周部にあるサークルを越えた時点で久幸が操縦桿を引き、上昇する。
サークル内の陸戦対空型ネウロイが久幸機を狙って、各所から弾幕を浴びせていた。
「航平! EW型は狙えるかッ?!」
「少し待てよ!......なんと...っあークソッ!ダメだ! XRに損傷、SDBの誘導が出来ない!」
「肝心な時にこれかよッ!!!」
「おまけに計器類まで阿呆になりつつある。ありゃ、アクティブ・ジャマー備えたG型ジャミーか?」
航平が
すると、久幸が機体の横を誰かが飛んでいることに気づいた。
顔を向けると、ボーンアローズのウィッチ3人がいた。
ヴァイパーがインカムを指差していた。
意図に気づいたらしい航平が言う。
「ECCMのレベルを上げる。聞こえるか?」
《感度良好、そっちはどうだリーパー》
「何とかな、地上部隊は?」
《損害が大きいようだが、さっきアルファの奴らの戦車が砲撃地点まで辿り着いたって連絡が......あん?》
《おかしい......レールガンの砲撃が止んだ?》
いつの間にかサークル内に進入していたリッジバックス隊が、久幸たちの左翼側を飛んでいた。
スラッシュの言葉通り、砲声が消えた。久幸が機体を傾け、砲台を目視で確認する。
激しい砲撃戦を展開していたストーンヘンジ・ネウロイ。
その巨大な漆黒の塊は沈黙していた。
不気味過ぎるその様子に違和感を持ったが、次の瞬間にはストーンヘンジ・ネウロイの砲台数基が旋回し、同じ方角に向けて一斉に射撃した。
サークルから1kmほど離れた位置で3つの火球が現れた瞬間に無線に響く叫び声。
スカイアイが呼び掛ける。
《地上部隊!どうしました?!》
《クソォ!レールガンからの集中砲撃だ!損害甚大、一時撤退を要請する!!!》
ベルツ中尉からの応答に皆が沈黙する。
(頼みの綱の地上部隊があれじゃ、EW型は......!)
久幸が無線でスカイアイを呼び出す。
「ボーンアロー4よりスカイアイ、一つ提案がある」
《こちらスカイアイ、続けてください》
「此方の部隊はEW型に直接攻撃が可能だ」
その言葉に周りの者が久幸を凝視する。
《それは......》
《ムリムリムリ!ムリだって!?私はパスパス!!!》
アリシアが全力で拒否しているが、久幸が続ける。
「状況は一刻を争う。回答を!」
しばしの沈黙後、スカイアイが口を開く。
《......了解したわ》
《WAWACより全機へ。作戦変更よ》
《これより敵EW型ネウロイに対し“機銃”で攻撃せよ》
《なんて燃えるシチュエーション!?》
スカイアイが指示した内容にアリシア以外の全員も驚いたが、古参のヴァイパーがニヤリと口元に笑みを浮かべる。
《おい、グッドフェロー。砲台はあたしが引きつける、その間にリーパーに行かせる》
久幸がヴァイパーに振り向く。
自ら囮となって引きつける彼女を危惧する久幸だったが、彼女から無線が入る。
《安心しな。へまなんてしねぇよ。なんならオメガに代わろうか?》
「いやぁ~そりゃないな」
《この信頼されてない感はなに!?てか、任されても私はいかないからッ!?》
アリシアがギャーギャーとヴァイパーに文句を喚く中、無線にグッドフェローから応答が入る。
《お膳立ては申し分ない、か......わかった、リーパー突入だ!お前が先陣を切れ!》
「了解!!!」
《え? 本当に行くの!?》
機体をロールさせると逆落としに降下する。
サークル中央付近にある3つのタワーにそれぞれ、へばりつくようにジャミングをしているジャミーの姿を視認すると、兵装を切り替える。
選択したのはイーグルの右主翼前部付け根の位置に搭載してあるM61A1 20mmバルカン砲だ。
ジャミーをHUDに表示されたガンレティクルと重ね合わせると、操縦桿のトリガーを引く。
ヴアァァァァァァ!!!と音を立て、火を噴くバルカン砲。
秒間100発という驚異的な発射速度により次々と銃口から発射される20mm徹甲弾をうけたEW型は、元より薄かった装甲の所為で、たちまち穴だらけとなり、光の破片と化す。
「よし、次!」
旋回すると再び中央部へアプローチし、同じ様にへばりついていたEW型に20mm弾の短連射を浴びせ撃破する。
残りの1騎が接地固定用の爪状のアウトトリガー部を格納し、その場から離れようとしていたが、既に旋回が済んでいた久幸機の残った20mm弾全てを喰らい、消滅した。
「お、FCSがオンライン、レーダークリア!」
航平が兵装システムを設定し直し、久幸に伝える。
《敵EW型全て破壊を確認、レーダークリア!》
《ペイバックタイムだ。あのデカ物を叩き潰すぞ!!》
《リッジバックス各機、巻き返すぞ。砲台は私たちがやる》
《了解、このままでは終われません》
「ボーンアローズ」「リッジバックス」の各ウィッチが散開し、各々が決めた目標へと攻撃を行う。
ダリルは手にしていたM240を背中に回すと代わりに対装甲無反動砲のAT-4を担ぎ、1基のストーンヘンジ砲台の正面にまで飛行すると、120cmの砲身内部に向けて構える。
「喰らえデカ物」
ランチャー上部の発射スイッチを押し込む。
84mm弾が砲口から飛び出すと同時に後ろではバックブラストが起こった。使用済みランチャーを放り投げたダリルが急いで離れる。
人間が容易く中に入れるほど大きい砲口から音速で侵入し砲身を突き進んだHEAT弾が暗闇に消えていった。次の瞬間、暗闇の向こうで閃光が走り、砲台は内側から破裂するように爆発を起こした。
装填されていたSS弾だけではなく、内部に蓄積されていた砲弾が次々と誘爆を起こし砲台は木っ端微塵となり、周りの砲台を巻き込むような大爆発と共に破片を撒き散らす。
「クソ危ねぇ!?」
一旦上空へと退避していた久幸機。
眼下の砲台群の1基が大爆発を起こし、隣に位置する左右の2基をも巻き込み、更なる爆発を引き起こしたのだ。大気が震える。爆発による衝撃波が機体を激しく揺らした。
この爆発で巻き込まれた友軍機がいないことが奇跡だった。
《空賊! 我々を殺す気かッ!!》
スラッシュの怒声が無線から響く。
《わりぃわりぃ、ちょいと派手にやらかしちまった》
黒煙から抜け出したダリルが笑いながらそう返事をする。
「航平、砲台の弱点にSDBをピンポイントで当てられるか?」
「XRが損傷しているからな。 精密爆撃は......うん?」
「誰かが目標をレーザー照射してやがる。 一体誰が......“リッジバックス2”?」
それを聞いた久幸がレーダーでリッジバックス2を確認する。
永瀬に間違いない。
確か彼女たちのユニット 震電ⅡにはEOTS(電子光学目標指示システム)が搭載されてある。それでマーキングしているはずだ。
航平に指示を出す。
「リッジバックス2からのレーザー支援を受ける。 SDBを」
「ライバルだろ? いいのか?」
「“エッジ”だからな。 心配すんな」
「“エッジ”って......まぁいい、こっちは準備完了だ」
「投下」
ガコンッと音を鳴らし投下されるSDBⅡが2個。
機体から自由落下し、少し離れると滑空翼を展張する。
リッジバックス2が照射する赤外線レーザーをシーカーが捉えるとまるで意志を持つようにコースを変えながら目標へと向かう。
そして、先頭の1個目が砲上部に命中した。
堅固な目標を破壊する為に強化された先端部がストーンヘンジ・ネウロイの最も薄い砲上部を貫き、炸裂。充填されたトリトナル炸薬により、めくれあがった損傷部に飛び込むように2個目が命中、自己修復中の砲に止めを刺す。
貫通した2個目が内殻中心にあったコアに到達。シーカーが機能し弾頭が起爆。ドンっと音が辺りに響くと貫通した穴から黒煙が噴出すると、砲台全体が眩い光を放ち、消滅した。
「ターゲット ダウン!!!」
航平が歓喜の声を上げる。
久幸も酸素マスクで隠れてはいるが口元に笑みを浮かべていた。
久幸としては1ヶ月前の借りを返してやった気分だ。
(永瀬には後で感謝しないとな...ん?)
久幸が今し方、撃破した砲台を見る。
ネウロイから解放された砲台が本来の姿を見せていたが、損傷により砲身が力無く下がっていく途中、何らかの影響を受けたのか、装填されていた砲弾を発射した。
損傷により、本来とれるはずが無い俯角をとった砲から放たれたSS弾が命中したのは、隣に位置した未だ健在の砲のターンテーブル。
次の瞬間、砲台が一瞬“浮き上がった”
凄まじい轟音が辺りに鳴り渡り、続いて巨大な火柱が、地割れのように開いた割れ目から幾つも上がり、自重が何千トン以上もあるはずの砲が、砲座から完全に外れ横転した。
カシャッと、
呆然と見ていた久幸の後ろでシャッター音が鳴った。カメラを構えた航平がその光景を1枚写真におさめたのだ。
「おそらく弾薬庫で炸薬したんだろうな。プラス1キル追加だな」
航平の言うとおりだった。
ターンテーブルを貫通したSS弾が起爆した場所が砲台直下の弾薬庫だったのだ。横転した砲台。砲座は完全に原形をとどめていない。その場には大きなクレーターが出来ており、黒煙がたちこめていた。
「残り2基だな」
久幸が機体を旋回させる。
正面のHUD越しに見る視線の先には最後の最後まで必死に抗おうとする2基のネウロイ砲台の姿が。
だが、巨人の刃もさすがに至近距離、しかもウィッチ達に包囲攻撃されているようでは、無力なようだ。
その後、最後の1基が沈黙し、
ストーンヘンジ・ネウロイは、完全に撃破された。
国連はジャミングの中、EWネウロイを撃破し、ストーンヘンジ・ネウロイ破壊を遂行した第19飛行隊「リッジバックス」に勲章を授与した。
本当の功労者は彼女らではなかったが......。
国連独立コマンド、ボーンアロー隊は作戦後、一時、扶桑支部に戻っていった。国連からの要請が無い限り、彼らは今までに使った兵器の精算などをしないといけない為、書類と交戦していた。
だが、そんな束の間の休息をも、覆す事態が起きることを、
この時は知る由も無かった。
『さぁ、始めよう......我々の明日の為に』
つ、疲れたぜ......。
どうも、皆さん。
エースコンバット:インフィニティでは、
7月1日まで「プライド・オブ・ウォードッグ」イベントがあり、同時に全機種部門イベントもありましたね。
私は仕事終わりに少しずつやっていました。
最終日は徹夜する勢いでやったおかげか、なんとかなりました。
全機種部門では、62185.ptで1361位。
ウォードッグ部門では、157050.ptで317位に入る事が出来ました。
で、まぁ、これに喜んでいたら......はっ?
ADFX-01 MORGAN
F-2 Special skin
の文字が。
で、早速今日やってみたら、23時前くらいにモルガンGETしました。初期ステータスが鬼畜過ぎて顎が外れそうになりました。
MPBM......恐るべし。
さて、今回でストーンヘンジ話は終わりましたが、如何だったでしょうか? 最後は妙な終わり方になってすいません。
最近は暑くなり始めたので、皆様も体調管理に気をつけてください。特に熱中症などに
それでは