俺は唯幸せが欲しいだけなのに…   作:石頭

15 / 19
本当にすいません‼︎今回はかなり遅れてしまいたした。
一応言い訳させていただくと、夏休みの宿題やら修学旅行やらでバタバタしたのと、初めての戦闘描写なので、中々うまくいかなかったんです。
でもかなり頑張りました。頑張り過ぎて字数がとんでもないことに……
字数はヤバイですが、最後まで読んでくださると嬉しいです。ではどうぞ〜




《番外》姉さんがストレスをためすぎて……

これは姉さんがうちに来て大体2年が過ぎたくらい、白川財閥では大きい分類に入る事件が起こった。それは『白川夫婦失踪事件』である。

名前は大層なものだが実際はただ父さん達が「一週間くらい旅行に行きます。探さないでね」と書き置きを残して旅行に行っただけなのだが……

じゃあ何でそれが大きい事件になったかは簡単で、各部署の予算案の決議などの重要な案件を決める春先だったからだ。

 

そして今回の話は、この事件で両親の行動によりとばっちりを受けてストレスがマッハだった姉とそのストレスのはけ口にされた可哀想な弟の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うちのバカ両親が勝手に旅行に行ってから今日で5日目である。

時間帯にして朝の7時、家には俺以外に誰もおらず無駄に広いせいで虚しさまで広がっていく。

父さん達がいないのはわかるが何故姉さんもいなくなったのかというと、父さん達が勝手にいなくなりこの重要な時期のスケジュールが狂ったせいで会長の娘である姉さんが率先して働かなくてはならない事態になってしまったからだ。

つまり、家族として連帯責任をとらなければならないのである。

ジンさんの話によると父さん達が消えてから姉さんは働き詰めで一秒たりとも寝てないらしい。

 

らしいというのは、俺は2日前まで諸用でいなかったからだ。

そのおかげで俺が連帯責任を取るかどうかが有耶無耶になったので運がよかった。

そんな事を考えながら、俺は寝巻きから普段着に着替えて朝食を取るために下に降りた。

 

 

 

 

 

 

 

階段で下に降りると何故かリビングの電気がついていた。

 

あれ?昨日はちゃんと消したと思うんだけど……まだ今世で10年ぐらいしか生きてないのにもうボケた?

不思議に思いながらもリビングに入ると、そこには目の下を真っ黒な隈を付けた姉さんが椅子に腰掛けて優雅にコーヒーをすすっていた。

 

「ん?ああ涼か、おはよう」

 

「お、おう。おはよう……」

 

姉さんは弾けるような笑顔で俺に挨拶をしてきた。

普段の俺ならまず心の中で『萌え〜‼︎』とか叫んでいただろう。

だけど今回はその笑顔に対してそんな感情を持つことは出来なかった。

だって4日も寝てないのにあんな弾けるような笑顔を作れるか?しかも真っ黒な隈もあるし……

絶対あれだよ、眠らなさ過ぎてテンションがおかしくなったパターンだよ。徹夜したらたまになるもん

つうか……

 

「姉さん、仕事の方は一段落したの?」

 

「一応な、今年の大体の会社のスケジュールやら予算の会議とかの会議関係は大体決まったし、バカ共(両親)の4日分の仕事の埋め合わせも昨日でやっと終わったよ……」

 

「そうか、お疲れさん」

 

「ところでだ涼、今から模擬戦しないか?」

 

 

「え?」

 

姉さんの一言で俺は固まった。だっていきなり4徹した人か模擬戦しようなんか言われたら誰でも固まると思う。

 

「いやね、4日も会議やらデスクワークしてたらさ体を動かしたくなるだろ?だから模擬戦しよう」

 

「べ、別にいいけどさ。スポーツとかでもよくない?」

 

声が裏声になるくらい俺は動揺したが、何だが非常〜に嫌な予感がしたので少し反論した。

けど「スポーツで体を動かすよりも模擬戦で動かしたい」と一蹴された。

この時点で俺は姉さんが模擬戦をしたいもう一つの理由がわかってしまった。

嗚呼、模擬戦で俺をボコしてストレスを発散したいんだな……と

はっきり言ってこの事について俺は強く出れない。なぜなら、俺は連帯責任をうまく回避して全部姉さんに押し付けたからだ。

なんで変に感がいいのかな?気がつかなきゃよかったのに、とか思いながらも俺は……

「わかった。模擬戦しようか」

 

としか言えなかったのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、姉さんは俺が逃げられてもいいようにと既に設置してあった転移魔法で海上に来ている。

転移でスポーツジムの下にある模擬戦場にいかなかったのは本気でやるからだろう。

こちとら姉さんのストレス発散が目的のために本気で出来ないというのに……

まぁ模擬戦では基本、本気でやらないけどね。

 

「時間が勿体ないから、早速やろうか」

 

「はいはい」

さっきから姉さんの声が弾んでいるのは気のせいじゃないと思う。

相当鬱憤が溜まってたなこりゃ、しかも徹夜のせいでテンションがハイだし。

まぁ、言ってもしゃあないか……

 

俺はグローブを着けてバリアジャケットを着る。

俺のバリアジャケットは、中のワイシャツが赤色のスーツだ。

スーツってなんか好きなんだよね、ピシッとしてて

 

まぁ、俺の事は置いといて姉さんは前まで戦闘で使ってたインナーとその上に白いジャケットを来ている。

ちなみにジャケットは見た目はユニ○ロのジャケットだ。

 

「じゃあ、始めようか」

 

「オッケー」

 

俺はそう返事して、いきなり姉さんの懐に白川式人外格闘(父さん命名)の歩行術で接近して、身体強化付きで殴る。

 

「おいおい、いきなりすぎやしないか?」

 

そう言いながらも姉さんは、俺が接近する前ににブラッディソードを展開して受け止める。

そこからは、ひたすら近接での打ち込みになる。

俺は、唯ひたすら避けては殴り、受け流しては殴るを繰り返す。

姉さんも同じようなものだが、切る動作をせずにフェンシングみたくひたすら突いてくる。

この戦い方にはちゃんと意味がありこの後にそれがわかる。

 

5分ほど打ち込みを繰り返すと姉さんが動き出した。

いきなり切り払いをしてきたのである。

 

「うぉっと!」

 

いきなり切り払ってきたので慌てて後ろに退がる。

姉さんは切り払った後、直ぐに前に手をかざした。

 

「前方殲滅型デェアボリックエミッション!」

 

そう言うとかざした手から魔力が円錐状に噴出して前方を覆い尽くす。

 

 

 

前方殲滅型デェアボリックエミッションとは、広域殲滅魔法の派生型で、前方殲滅魔法という近〜中距離用の魔法だ。

まあ、この魔法をミッド式やらベルカ式で放とうとしたらぶっ放すだけの広域殲滅魔法よりも範囲やら形状やらで色々な面でややこしくなるから膨大な演算量により相当時間が掛かるけどね。

それを解決したのが、研究開発部の世紀の発明品?である『白川式魔法陣』だ。

これは従来の魔法陣と違いあらゆる複雑な部分を簡略化して独自の公式に当てはめることで演算を半分にカット、魔力量は従来の八割で放つことができる代物だ。

 

だが、それでも前方殲滅魔法なんて代物は数秒で組み立てるなんて魔法自体をデバイスに登録しても不可能。

もちろん、姉さんのデバイス並の演算能力を持ってしても1分はかかる。

 

察しは着くと思うけど、姉さんは時間稼ぎのためにあんな戦い方をしている訳だ。

別に近接でもかなり強いのだがやはり得意な広域殲滅魔法を主体に使いたかったらしく、そのためにわざわざ傭兵部の一人に師事をしてもらったらしい。

ぶっちゃけ、つまりのところ完全に初見殺しの戦法だ。

 

まぁ、こんだけタラタラ説明をしてる訳だから避けられるし、避けてるんだけどね!

 

剣を避けた後、ドデカイのが来るのがわかっていたから下に降下して直ぐに姉さんに拳が当たる範囲でもないのにその場で拳を振りかぶる。

すると、空気の塊が発生して姉さん目掛けて飛んで行く。

 

この攻撃は中距離用の攻撃で唯たんに拳圧を飛ばす。

名前は『拳弾』(けんだん)だ。

 

魔法をぶっ放した後も気を抜いていなかったらしく拳弾は簡単に避けられた。

 

「もうそろそろ終わりにしようか、ブラッディダガー!」

 

避けた瞬間にそう言い放つと、50発のブラッディダガーを生成して飛ばしてくる。

「ちょっ‼︎50発は洒落にならないって……しかも着いて来るし‼︎」

 

「ハッハッハ、トドメだ!」

 

50発は洒落にならないと後方に退がったものの、なんか追尾機能を追加してあったらしく振り切れない。

さらに、姉さんの掛け声とともにダガーが加速する。

 

逃げ切れる気がしないなちくしょう。ならしょうがない、面倒だが串刺しになるよりはマシだ。

 

例え追尾機能があったとしても狙うのは一点だけなら……ギリギリまで集めて一網打尽にすればいい!

 

俺は動くのを止めて拳の先に魔力を収束させてギリギリまでダガーを待ち、そして……

 

「メテオインパクト‼︎」

 

拳に溜めた魔力を拳を振りかぶった時に破裂させ、ダガーを全部潰す。

 

説明が面倒だが、メテオインパクトは拳に溜めた魔力をそのままぶつけるタイプの収束魔法で、名前の通り全力で放てば隕石並で、地面に向け放つとクレーターが出来る。

 

今回は即席だからさほど威力は出なかったもののダガーなら相殺ぐらいはできたようだ。

 

だが、ここで安心したのがまずかった。

さっきの相殺によって生じた爆煙の中で次の行動に出ようとした瞬間……

 

「だから言ったろうトドメだと……私の攻撃はまだ終わっていないぞ?」

 

その瞬間、俺はバインドで四肢を縛られた。

 

「げっ、まずった」

 

俺は人外な身体能力で無理矢理抜け出そうとしたがピクリともしない。

 

「エレファントバインド、発動まで時間はかかり移動物には捕らえられる前に逃げられる使い勝手は悪いが、象の動きすらも封じることのできる代物だ」

 

声が聞こえる方を向くとちょうど爆煙も晴れて来たらしく声の主が見つかった……しかし俺は目を疑った。

 

「さぁ、死ぬ覚悟をしてもらおうか涼!」

 

そこには、白,黄,桃の三色の魔法陣と魔力の塊、そして……朝に見た弾けるような笑顔の姉さんがあった。

 

 

「えっ⁉︎ちょっとま……えっ⁉︎」

 

俺は今の現状に半分パニックになって言葉にならなかった。

 

「ん?どうしたんだ涼。まるで自分が想像していたもの以上のものを見て半分パニックになって言葉にできないような顔になっているぞ?」

 

「いや、まさしくそうなんだけど……てか、3つの収束魔法を同時に撃つつもり?それって人に撃つようなものじゃないよね?」

 

そういいながら、冷や汗が滝の様に流れていく。

 

「そうだな、確かにこれは化け物にぶっ放していたな。だが安心しろ、あの時は3人同時で撃っていたから威力は落ちて……そういえば白川式だからたいしてかわらんか、すまん」

 

「ちなみに、その化け物の末路は?」

 

「塵一つ残っていなかったな。まぁ安心しろ、今回は非殺傷だからな」

 

「あれ?非殺傷設定てこんなに頼りなかったっけ?というか降参という選択肢は……「もちろんない!」…ですよね〜」

 

「さぁ、もうそろそろ殺っちゃおうか……最後に何か言い残すことは?」

 

「ねぇ、どこからツッコめばr「それが最後の言葉か?ならば逝け‼︎」ちょっと、ヤメテ止めてヤメテ止めてヤメテ止めてヤメテ止めて……」

 

呪詛の如くヤメテ止めてコールをいいながらも視界がどんどん明るくなっていく。

そして……

 

「トリプル……ブレイカー‼︎」

 

「ぎゃああああああああ〜⁉︎」

 

俺は光に包まれ、何を思うことすらできずに意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ、スッキリした‼︎」

 

私はブレイカーを放った後、白目を剥きながら気絶して涼をお姫様抱っこ(・・・・・・)で回収して飛行しながら帰路についた。

転移を使わないのは、魔力を使い過ぎただけじゃなく、もちろんこれを保存してからかってやるためだ。

そもそも、涼が模擬戦を断らないことも本気でやらないこともわかっていた。

つまり、最初からこうなることは決まっていたわけだ。

衝撃を使われたらこんなにうまくいかなかったしね。

 

いや〜、楽しかった。仕事もしばらくお休みになったしやっとゆっくり寝られる。

 

 

 

それから、2日後にバカ2人は帰ってきて、私を含む全部長からしかられ、ブラック企業も真っ青の5徹をさせられて『白川夫婦失踪事件』は幕を閉じた。

 

余談だが、ブレイカーを受た涼は一ヶ月程、私の顔を見るだけで気絶していた。

 




何故か番外なのに本編よりも内容が濃い件について……
ま、まぁそうは言っても本編に繋がるような重要なものを多数入れているので、位置的には9.5話と言ったところになりますからセーフ……じゃないですね、色々アウトなきがする。
次回からの投稿は一週間ペースに戻す予定です。
これからも頑張るのでよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。