ヴァンガード へっぽこカードレビュー in惑星クレイ 作:栗山飛鳥
●序
マーハ・マスクス「トリプルドライブブースターと名付けられた今弾は、環境で活躍した人気カードの再録が中心のパックである。
それだけに留まらず、新規ヴァンガードや、新規レガリスピースも収録されている。
ウィルドレス2期EDのイラストが採用された新規イラストのカードも、コレクターにとっては嬉しいところ。
1パック3枚入りとなっており、1パックの購入で多大なアドバンテージが得られる可能性を擁しているのは、まさしくトリプルドライブの名にふさわ……」
ブラダ「同じ12月に発売された、ポ○モンカードの再録パックは1パック10枚入りなのだが……」
カロン「よそはよそ! うちはうち!」
マーハ・マスクス「……では、さっそく新規カードを見ていこうか」
ファントム「逃げたな」
●ドラゴンエンパイア
《錬鉄竜王 ゼドランス》《焔燃ゆる錬鉄工房》
①V:「ゼドランス」を含むユニットからライドして登場した時、【SB1】することで、山札かドロップからセットオーダーを1枚手札に加える。
②V:アタックした時、【CB1】することで、ドライブ+1。鍛冶場の能力で3回以上選んでいるならスタンドし、パワー+10000/ドライブ-3。
①「ゼドランス」を含むヴァンガードがいるならプレイできる
②【このカードをレストさせる】ユニット1枚のパワー+5000。「錬鉄」ユニットを選んだら『インターセプト』を与え、シールド+5000。
ブラダ「G2とG3で見た目が違いすぎる」
カロン「G2⇒G5くらいには見た目パワーアップしてるよね」
マーハ・マスクス「ゼドランスは鍛冶師のドラゴンだ。剣を鍛えると共に己を鍛えていたら、己が最強になってしまったパターンか」
ブラダ「テンペストボルト・ドラゴン!?」
マーハ・マスクス「ゼドランスは鍛冶師らしく、鍛冶場オーダーを利用して他のユニットを鍛えることができる。
さらに鍛えたユニット数が3体を越えると、自身もスタンドすることができる」
カロン「……さて、驚くべきはこのゼドランス。鍛冶場セットオーダーがG2なので、鍛冶場を置けるのもG2ターンからになる。
ゼドランスがスタンドできる条件は、鍛冶場で3回選んでいることで、鍛冶場をプレイとは別に置けるスキルも無いので、ゼドランスのスタンドを適用できるのは、どう足掻いても7ターン目以降になる」
ファントム「人は何故、エバの過ちを繰り返すのか……」
カロン「インフレ極まった3年目も目前にもなってその構文を使うことになるとは思わなかったけどね」
ブラダ「しかもドライブ-3」
カロン「トリプルドライブを維持したままスタンドしても、現環境なら怒られなかったよね?」
マーハ・マスクス「フォルティア回でもカロンが解説していた通り、Vスタンドはライバルが多く、一部は非常に強力だ。
最速でVスタンドできる中では、前列+15000、★+1、除去しつつVスタンドできるユースベルクを筆頭に、ドライブ数なら他の追随を許さないムシ、トリガーを縛れるアマナグルジオといった変わり種もいる。
1ターン遅れるのであれば、ヴィヴァーチェがすべての前列リアガードごとスタンドすることすら許されるのが現環境だ」
カロン「そんな環境にドライブをすべて失う1ターン遅れのVスタンドを引っ提げて飛び込んできたゼドランス。
他にできることと言えば5000パンプをばら撒くことだけで、ユースの前列パンプと比較しても効率3分の1(鍛冶場が3枚出ている場合)。
はっきり言って弱い。弱すぎる」
ブラダ「まあ鍛冶屋さんだしな」
カロン「弱いのはまだいいんだけどね。
他のVスタンドとまったく差別化できていないうえに、カードデザインも汚いのが問題かな。
せっかくリアガードを強化できるのに、なんで自分をスタンドしちゃうんだよ」
ブラダ「普通に考えたら、鍛えたユニットをすべてスタンドさせて、3体以上スタンドさせたら自分もスタンド、とかだな」
マーハ・マスクス「ちなみに鍛冶場はゼドランス自身をパンプすることも可能だ。23000のドライブ無しは少々頼りないので、ゼドランス自身をパンプすることも視野に入れた方がいいか」
カロン「わざわざ鍛冶場なんて出さなきゃならないせいで、自分2~4ターン目までは、手札を1枚消費しなきゃならないという特大のディスアドも背負ってる。
そもそも鍛冶場がゼドランス専用じゃなかったとして、他のドラゴンエンパイアのデッキで採用する? しないよね。
そんなカードを4枚投入することが前提とされている以上、ゼドランス本体はよっぽど強くなきゃいけなかったはずなんだけど……」
ブラダ「そして、このカードはRRR……」
カロン「ロックアグールやら、ミカニやら、ディアンサやら、レガリスピースみたいな、高額カード、汎用カードを押しのけて、こいつが当たってしまう可能性があるということだね」
ファントム「ギャー!!」
カロン「だからこそ、こういう豪華再録パックに収録されるカードこそガーンデーヴァのような即戦力でなければならなかったんだけどね」
ブラダ「最後にイロモノプレイを紹介しておくと、鍛冶場をプレイする条件こそ『ゼドランス』が指定されているが、鍛冶場をレストすることについての指定は一切ない。
ゼドランスから他のユニットに乗り換えることで、そのユニットでも鍛冶することが可能だ。
パンプはスタンドできるリアガードと相性がいいので、ゼドランス⇒マハーニルヴァーナと繋ぎ、エスペラルイデアを鍛冶場で強化するというビックリドッキリプレイをしてみるのも一興か」
●ケテルサンクチュアリ
《魂醒せし守主 ルアン》《魂醒竜馬 ルアンマリス》《大地を駆ける守馬 マーリス》
①V:【SB1】山札から「マーリス」を含むG2コールする。
②V:アタックしたバトル終了時、【CB1,「マーリス」を含むG2をソウルに置く】ことで、山札か手札から「ルアンマリス」を含むG3以上にライドし、そのユニットのドライブチェックで出たカードは山札の下に置く。
①V:ソウルに「魂醒せし守主 ルアン」があるなら、パワー+10000。
②V:ターン終了時、ソウルから「魂醒せし守主 ルアン」にライドする。
①R:アタックした時、「ルアン」を含むG3以上ヴァンガードがいるなら、パワー+5000。
②「ルアン」を含むヴァンガードの能力でソウルに置かれた時、ペルソナライドしているなら、ヴァンガードのドライブ+1。
カロン「ゼドランスと同じパックで、ドライブ2⇒ドライブ3できるVスタンド出してるの、もはやギャグなんだよね」
ブラダ「とは言え、このユニットもVスタンドには違いない。群雄割拠たるVスタンド界隈で、果たして生き残ることができるか」
カロン「結論から言うと、勝るとも劣らない強さがあると。少なくとも独自の強みはきっちり備えていると思ってるよ」
ファントム「ふむ? 見たところトリプルドライブできても、ドライブチェックでめくれたカードが手札に加わらないのは無意味なように思えるが」
カロン「その代わり、ルアンは手札を1枚も捨てずにVスタンドできますからね。
これまでのVスタンドを思い返してみてください。ほとんどのVスタンドが手札やリアガードを消費し、収支は普通のツインドライブ同じか、少し損になるように設定されています」
ユース⇒手札1枚消費/合計ドライブ数3/アド±0(閃煌ライド時)
タランドゥス⇒手札3枚消費/合計ドライブ数5/アド±0(寄る辺亡き魂よ、我が身に集え使用時)
フォルティア⇒手札1枚消費/合計ドライブ数4/アド+1
アマナグルジオ・マスクス⇒後列リアガード2枚消費/合計ドライブ数3/アド-1
グリードン・マスクス⇒スタンドしたリアガード3枚消費/合計ドライブ数4/アド-1
ルアン⇒リアガード1枚消費/合計ドライブ数4~5/アド-1
カロン「『ドライブチェックで出たカードは、手札ではなく山札の下に置く』の字面こそ強烈ですが、アドバンテージの観点で言えば他のVスタンドと遜色ないのが分かるでしょう。
それもルアンの消費は、自身のスキルで安定供給できるマーリス1体のみであり、そのマーリスもしっかりアタックした後に消費できるので、後列へのコールを強制されるアマナグルジオや、アタックやブーストすらさせてもらえないグリードンと比較して、かなり軽いです」
ブラダ「だが、スペリオルライドできるルアンマリスは実質バニラのようなものだ。
いくら消費が軽いとは言え、トリガーを制限できるアマナグルジオや、死期を伸ばすことのできるグリードン(これら2体はマスクスという強みもある)。
ましてや、国家も同じでスキル爆盛りのユースベルクに勝る強みがあるとは思えないのだが」
カロン「うん。G3だけで見ればそうだね。
けど、ルアンの真の強みと独自性はG3ではなく、G2のライドラインにあると思ってるよ」
ブラダ「G2のライドラインと言うと……G3ルアンのコストを軽減するとかいうガーンデーヴァに似たアレか」
カロン「そう。そして、カウンターコストを消費せずに先攻3ターン目からVスタンドできるユニットというのは、インフレが進んだ現代ヴァンガードにおいてもかなり貴重!!
他に同じ条件を満たすのが、翠嵐や閃煌に乗らないユースや、グリードン関連と言ったピーキーであることを考えると、消費無しでシンプルにツインドライブ×2できるのは革新的」
ファントム「実際にコストを消費せずにVスタンドできることに、どれほどの強みがあるのだ?」
カロン「何といっても点止めされても動けることが大きいですね。
例えばVスタンドできるデッキで、序盤からユニットをコールして速攻しようとしても、リアガードにアタックされてコストをもらえず、負債だけがかさむ展開はあるあるだったんですよね。
Vスタンド自体は攻めっ気の強いスキルだけに、コストが重くて速攻できないのは少しもったいなかった」
ブラダ「環境で点を使った速攻が極まると、後攻1ターン目のアタックすら放棄して、とにかく相手に点を与えないプレイングすら当たり前になってくるからな」
カロン「ルアンなら点止めなんか気にせず、ガンガン手札を吐いて速攻ができる。
G3ルアンも展開能力を持っているし、なんなら前列にマーリス1体のみ展開することで、次のターンは確実にルアンへとアタックを誘導してコストを確保することも可能。
すべてが点止めに強くデザインされており、点止めに強いということは、わざわざルアンに点止めを仕掛けるプレイヤーなどいないので、結果、点止めに強い=点止めされない、という図式も成り立つ。
カウンターコストが重いリアガードを採用しても、使えるチャンスは多い。
ケテルサンクチュアリは汎用カードも粒揃いだし、ライドラインとG3が積極的にソウルを吐くので、トールパーズが最大効率でスキルを使いやすいのも嬉しいね」
ブラダ「ライドラインのG1をメープルちゃんにするのもよさそうだ」
カロン「速攻こそルアン最大の強みだけど、裏を返せば、速攻しなければ他のVスタンドとの差が開いていく一方なので長期戦は厳禁。
疾さは強さに勝るのか? 今後の動向が注目される1枚だね」
●レガリスピース
《その輝きは遠く空の彼方より》
①1枚引き、このカードをソウルに置き、次の相手のターン終了時まで『ヴァンガードすべてのパワー+5000』と『リアガードすべては相手のカードの効果で、選べず、R以外に置けない』を得る。
カロン「皆さん、お待ちかね。レガリスピースの紹介だよ」
ブラダ「待ってました」
マーハ・マスクス「《その輝きは遠く空の彼方より》は、リアガードすべてに強力な耐性を付与する。
シラヌイのような相手リアガードを利用するデッキ、ユージンのような除去デッキに対する解答であり、リアガードの展開が強制されるフォルティアのようなデッキにとってはキーカードとなり得る」
カロン「これまでのノーマルオーダーのレガリスピースと違うのは『勝ち筋を広げる』カードではなく『新たな勝ち筋を作る』カードであるということだね」
ファントム「?」
マーハ・マスクス「これまでの《恩寵湛えし聖なる杯》や《魂魄封ぜし禁忌の形代》は、グラムグレイスデッキや、G4にライドしたい各種G4デッキで強力なカードだった。
これらを採用することで、3枚しかないペルソナライド札を4枚に。4枚しかないG4札を5枚にすることができた。
例えば、聖杯を採用したグラムグレイスはゲーム中、レガリスピースか、ペルソナライド札、どちらかを引ければいいというわけだ」
カロン「一方、フォルティアデッキで《その輝きは遠く空の彼方より》を採用したとして、これでフォルティアは安泰かと言うと違う。
《その輝きは遠く空の彼方より》は1枚しか入れられないので、結局それを引けなければ除去に弱いいつものフォルティアだ。
リリカルにはオーダーをサーチできるアウラもいるけれど、その1枚のために友達じゃないアウラをどれだけ採用できるかは悩ましいところ」
ファントム「友達じゃない……」
ブラダ「相変わらず字面が酷くなるな」
カロン「これ1枚引き当てれば、不利対面すら覆し、勝ちに繋がるカードであるのは間違いないんだけど、1枚しか採用できないカードでそれは当たり前。超トリガー並の活躍はしてくれないと困る。
しかも、このカードは相手がこっちのリアガードをどうこうするデッキでなければ役に立たない(ソウルは増えるけど)ので、相手を選ぶ。
除去デッキに対しても、ガーンデーヴァにはドローされるし、クラリッサのような全体攻撃に対しては無力だったりと穴もある。
安定して運用できる他のレガリスピース権を放棄していることも考慮すると、強すぎるカードではないと思うなぁ……」
ファントム「聖杯や形代、結界を採用できないというのは、明確なデメリットよな」
ブラダ「シラヌイはびこる現環境では、まだ扱いやすいカードなのだろうが」
カロン「幸い、例にあげたアウラの他にも、各国家にはそこそこオーダーをサーチするカードが配られている。特に『英雄激突』で配られたオーダー関連のRRRサイクルには注目だね」
ファントム「《ハルシナトリィ・モルフォ》たんが使える!!」
カロン「モルフォたんは『レガリスピース以外』の条件があるので残念ながら……」
ファントム「絶望!!」
マーハ「オーダーの扱いと言えばゾルガが挙げられるが、こちらはあまりリアガードを守りたいタイプのデッキではないな」
カロン「獄竜とか竜骨断ちとか、むしろさっさとドロップに落ちてほしいよね」
●終
ファントム「再録カードに、新規ヴァンガード。新たなレガリスピースと、欲しいカードが多すぎるぞ」
ブラダ「次にはせめてクアドラプルドライブブースターにパワーアップして欲しいものだ」
カロン「言いにくさも含めてそれは無いと思うけど、まぁ期待しないで待っていようか」
マーハ・マスクス「では、今回はこのあたりで」
ファントム「さらばだ」
「よそはよそ うちはうち」の精神は大切だと思います。