ヴァンガード へっぽこカードレビュー in惑星クレイ 作:栗山飛鳥
●序
カロン「運命者にとっての宿命のライバル、その名も宿命者が新たに登場!」
ブラダ「運命者は比較的小出しの登場となったが、宿命者は今弾でいきなり5体登場しているな」
マーハ「運命者同様にディヴァインスキルを持つ彼らは、これまでの例に漏れずいずれも強力なものとなっている。今後の環境に少なからず影響を与えることは疑い無いと言える」
ファントム「では、さっそく見ていかんとす」
カロン「お待ちを、我が主。
本日はマンネリ打破のため、特別ゲストを呼んでいます」
ファントム「なぬ?」
カロン「我がシャドウパラディンにおいて、最も真面目で勤勉で常識人なイケメン騎士《幽幻の撃退者 モルドレッド・ファントム》です!!」
モルドレッド「モルドレッド、ただいま参上」
ファントム「おお! モルドレッドなら、さぞカードゲームにも造詣が深かろう!」
ブラダ「ヴァンガードのお手並み拝見といこう」
モルドレッド「? カードゲーム……? ヴァンガード……? お前達はいったい何を言っているんだ……?」
マーハ「ちょっと待て! 常識人すぎて、へっぽこの世界線に対応できていないぞ!? どんなキャラクターでも何故かヴァンガードの事を知っているというのが、この世界線の前提条件だろう!?」
カロン「……それじゃ、さっそくはじめようか」
マーハ「このままか!?」
モルドレッド「皆の様子がおかしい。いったいシャドウパラディンに何が起こっているというのだ……?」
●ドラゴンエンパイア
《秤の宿命者 アルグリーヴラ》
①V:【SB2】リアガードを3枚選び、パワー+5000。過充填能力を持つリアガードを2枚以上選んだなら、1枚引き、このユニットのパワー+10000
②V:【ディヴァインスキル】相手Vがグレード3以上なら【CB1】リアガードを2枚選び、パワー+5000。相手のダメージゾーンが4枚以下なら、相手に1ダメージ。そのダメージチェックで、トリガー効果のパワー増加を-10000。
カロン「宿命者のトップバッターを飾るは、秤を冠するアルグリーヴラ!
リアガードに+5000のパンプをばら撒き、またそのアルグリーヴラのスキルに指定されることで本領を発揮するリアガードが脇を固めるデッキだね。
……さて、このギミック。どこかで見覚えがないかな?
はい、モルドレッド君」
モルドレッド「……? すまぬ」
マーハ「いきなり初心者に無茶ぶりするな!」
ブラダ「……ゼドランス、か?」
カロン「そう、+5000のパンプをばら撒く点も、それに指定されることを条件としたリアガードを抱える点も、ゼドランスと瓜二つ!!
それをセットオーダーという七面倒くさいひと手間を経ることなく、1ターン早く3体に+5000することができる、上位互換と呼んでも差し支えないスペックに仕上がっている。
リアガードの質に目を向けても、ゼドランスが喉から手が出るほど欲しかった、スタンドできるリアガードをさっそくもらえており、ここでも公式が贔屓したいユニットと、そうでないユニットの差が顕著に出ているね」
ブラダ「ヴァンガードにおいては、今に始まった話ではないが……」
カロン「そして、ゼドランスがスタンドするより0.5ターン早いタイミングで、アルグリーヴラはディヴァインスキルを発動できる。
ノードライブのヴァンガードがスタンドするなどという回りくどいことは一切せず、問答無用の1点ダメージ。さらに追加で+5000パンプをばら撒くこともでき、盤面のユニットすべての過充填能力を満たすことができる」
ブラダ「やるな」
カロン「もちろんこれはディヴァインスキルなので1ゲームに1回しか使えない。
自分6ターン目を過ぎると、ゼドランスは最大4体にパンプをばら撒くことができるし、スタンドし続けることもできるので、ゼドランスが完全に下位互換というわけではない」
ブラダ「トリプルドライブもあるしな」
カロン「確かにターンをまたげばまたぐほど、ゼドランスとアルグリーヴラの差は縮まっていき、やがては逆転する。
じゃあ、ゼドランスでアルグリーヴラの猛攻を6ターン目まで耐えられるものなら耐えてみなよって話でもあるんだけどね。
そもそもゼドランスがまったく長期戦に向いていないので、現実問題そこまで到達するのはまず不可能だよ。
たとえ劣化アルグリーヴラになろうとも、速戦を心掛けた方が勝率はよっぽど上がるはず」
ブラダ「まずはデッキとドロップから鍛冶場を4枚セットするサポートカードの登場が待たれるな」
カロン「とまあゼドランスとの比較はここまでにして、アルグリーヴラ単体に目を向けていこう。
ディヴァインスキルは1点ダメージと非常に強力かつ、宿命の相手となるCEOと同じ切り札というのもなかなかエモい。
けど! 秤を冠するからには! 相手と手札の枚数を同じにするとか! そういうのを! 個人的には! 期待してたんだけどさ!」
ブラダ「天秤は厨二心をくすぐるモチーフだからな」
カロン「そんな強いんだけど個人的にはモヤモヤする、このディヴァインスキルの注意点は……他のディヴァインスキルと違って、まったく守りに一切貢献してくれないこと!」
ファントム「?」
カロン「ディヴァインスキルは、1ゲームに1回しか使えない片道切符のくせして、相手ターンも見据えた守備的なスキルが結構多い。
レザエルは言うに及ばず、ヴァルガやクリスレインはディヴァインスキルを使ったターンの方が手札が増えるし、ブラグドマイヤーのヴァンガード無効化もそう。
キルターンに使うのではなく、早いターンに使って相手のキルターンを崩すという使い方ができるものが多い。
アニメを観ている人なら、無双VS凌駕の回を思い出して欲しいんだけど。
ナオが勝負を決めるためではなく、凌駕の先攻4ターン目を耐えるためにディヴァインスキルを宣言したのが、まさにそれだね」
ブラダ「ナオちゃんかっこいい」
ファントム「センカちゃんかわいい」
マーハ「ファイトに目を向けろ!」
カロン「対して、アルグリーヴラのディヴァインスキルは攻撃面に極振り。
それどころか盤面を過充填持ちで埋めなければ本領発揮できないため、手札消費も荒い。
即ち、キルターンはマストで自4ターン目!!!!
5ターン目以降も見据えた悠長なプレイングをしたいなら、他の運命者を使った方がいい。(特に同国家のヴァルガ)
幸い、それを成すためのスキルもパーツも与えられているので、後は各々の構築とプレイングと運次第。
可能であれば、後攻は3ターンキルも視野に入れたいところだね」
マーハ「過充填持ちという専用のリアガードを与えられているため、デッキはそれらで構築したくなるが、汎用カードとの相性も悪くない。
特に《忍妖 シェンリィ》は、序盤から攻めたく、専用の強力なオーダーを持ち、ソウル消費の荒いアルグリーヴラとすべてが噛み合っている。
ヴァンガードがG3にならなければ本領発揮できない過充填の遅さをカバーしてくれるカードとなるだろう」
ブラダ「ソウル消費の荒さを逆手にとって、《赤宝獣 ガルネット》の採用も面白い。
アルグリーヴラの①を1回起動するだけで、ライドデッキのカードが2枚ドロップに揃う。
ドロー効果にしろ、20000ガードにしろ、アルグリーヴラの山場となる『相手の先攻4ターン目』を耐えるキーカードとなってくれるはずだ」
マーハ「専用オーダーがあるので《ドラグリッター ラティーファ》も採用できるか。
相手の先攻4ターン目を耐えるカードとして、アルグリーヴラの不得手な除去を積むのも悪くない」
ファントム「不思議なくらいあらゆる汎用カードと噛み合っておる……」
カロン「アニメに登場し、専用サポートだけでデッキが組め、動きがシンプルで、キルターンの概念を学びやすく、デッキの拡張性も高くて、メチャクチャ強い!
これでもかというほど初心者にオススメできる要素が詰まっているという点でも優秀なカード!
特に後者3つの要素から、早く強くなりたいという向上心ある初心者には最適!(とりあえずヴァンガードを初めてみたいという入門者向けにはスタートデッキがあるしね)
お近くのカードゲームに興味ありげな友人にも勧めてみては?」
ブラダ「モルドレッドもどうだ?」
モルドレッド「いや、我はまずヴァンガードが何か分からず困惑しているのだが……」
●ダークステイツ
《天意壊崩 バロウマグネス》
①V:ソウルの「バロウマグネス」1枚につき、パワー+5000。
②V:アタックした時、【CB1】ソウルの枚数により以下すべてを行う。
・10枚以上‐1枚引き、このユニットの★+1。
・15枚以上‐あなたと相手のリアガードを望む枚数、ソウルに置く。ソウルから2枚までコールし、パワー+10000
・20枚以上‐相手は手札からGにコールする際、3枚以上同時にコールしない限りコールできない。
カロン「唯一宿命者が収録されなかったダークステイツの空き枠に、あのバロウマグネスがちゃっかり新生!」
ブラダ「次回はドラゴンエンパイアの空き枠にユージンが!?」
カロン「六角宝珠の新生が1年前だったので、ユージンはまた1年後になる可能性も……」
ファントム「無念」
カロン「そんなバロウマグネスだけど、実のところ本体スペックはあんまり変わっていない。
というのも、バロウマグネスってソウルの下拵えが必要という点を除けば、★2、全体除去、高水準の5パン、それらすべてが先行3ターン目から可能と、3年以上も前のカードとは思えないくらい、現在のカードと比較しても遜色ないスペックを誇っている」
ブラダ「ほんまや」
カロン「だから登場当時は猛威を振るった。では何故今は名前を聞かないかと言うと、さっきは除いた『ソウルの下拵えが必要』だから。
バロウマグネスはいちいちソウルを15枚貯めるというひと手間もとい十五手間が必要なのに対し、昨今のカードは『ディヴァインスキル発動!』とカッコよくポーズを決めるだけで、バロウマグネスと同等か、それ以上のことをやってのける」
モルドレッド「よく分からないが、別にポーズを取る必要はないのではないか……?」
カロン「これではバロウマグネス側が不利なのは自明の理。
よってバロウマグネスが求めているのは本体の強化ではなく、足回りの強化だったりする。
ソウルチャージの効率はそのまま、アタッカーなりアド稼ぎなりをついでにこなしてくれるリアガードが欲しかった。
今弾では、新バロマグと一緒に何枚か新規サポートカードももらえてはいるんだけど……」
ブラダ「だけど?」
カロン「僕が求める、期待していた水準には届かない感じかなぁ。
バロウマグネスの難点だったライドラインの強化とかは、確かに嬉しかったんだけど。
もっとはっちゃけても、別に環境は壊さないよね?
古いカードが今も活躍してると、宿命者の立場が無くなるのも分かるんだけど……」
ブラダ「ここでも公式が贔屓したいカードと、そうでないカードの差が……」
カロン「こことは別のところでも軽く愚痴ったんだけど、最初の方で暴れたせいか、バロウマグネスってロクな強化をもらえた試しが無いんだよね。勝率に大きく影響を与えるような専用サポートって、《ライラック・ラッシャー》くらいのものだと思ってる。
まあ、はっちゃけすぎると危険なカードには違いないし、素質はある! 絶対に強い!
けど強すぎるが故に公式からバチバチに警戒されている。そんな不遇なカードになってしまってる印象があるんだよね、バロマグさんは」
●ブラントゲート
《凌駕の宿命者 インバルディオ》
①V:【CB1】ドロップから1枚、自己改修ゲージとして表で置き、山札を上から5枚見て、G3以下を1枚までコールし、このユニットは『自己改修ゲージ2枚につき、前列パワー+5000』を得る。
②V:【ディヴァインスキル】相手VがG3以上で、自己改修ゲージが4枚以上なら、【CB1,手札から1枚捨てる】★+1/ドライブ+2
《SYSTEM CODE:X-ceed》
①「インバルディオ」を含まないG3以上にライドできず、自己改修ゲージを持てる。
②ダメージゾーンにカードが置かれた時、ドロップから1枚、自己改修ゲージとして表で置く。自己改修ゲージが3枚以下で、トリガー以外がダメージチェックで出ているなら、パワー+5000。自己改修ゲージが4枚以上なら、パワー+5000。
カロン「このインバルディオはヴァンガード……特にDスタン界隈にふたつの革命を起こしたと考えている」
ブラダ「ほう」
ファントム「聞こう」
カロン「まず、僕がDスタンで物凄くモヤついていた点。
それは『セットオーダーを使うデッキが損してる』ということ。
他の国家はライドラインで1アドなり2アドなり稼ぐのに対し、ブラントゲートのライドライン、例えば極光戦姫なんかはライドラインでサーチしてきたセットオーダーを手札から即消費しなければならなかったので、その時点で1アド損。初手にサーチ対象のセットオーダーがあろうものなら大損害。
セットオーダーは基本的にVの能力と連動しており、セットオーダーを貼ることはVのテキストを完成させる程度の意味しかなかった。
僕は極光戦姫の頃から『この程度のスキル、Vのテキストに収められなかった?』と思ってはいたんだけど……」
ブラダ「ミチュの《準備は万端!》もその系統だな」
カロン「そこからしばらくして、貼っても即アドバンテージを補填できるセットオーダーが増え、セットオーダーの損は緩和されていく。
かと思えば、今回も槍玉に挙げている1アドどころか、2アド、3アドと損をしていくゼドランスみたいなカードが登場したりもしたんだけど。(実際、アルグリーヴラは、ゼドランスができるほとんどをテキスト内に収めてしまったわけで……)
以降も、手札損どころかコスト損まで起こす《装甲補給車 プレティオーザ》みたいな欠陥品や、ゼドランスの悪い部分を完璧に踏襲した《グランゼル・ロートバイザー》みたいなユニットがたびたび登場し、作り手にアドバンテージの概念はあるのかという疑念を抱く悶々とした日々が続いていたんだけど……」
マーハ「もうお前はヴァンガード以外のことを考えて生きた方がいいぞ」
カロン「インバルディオはライドラインで、セットオーダーのトークンを生み出す!
まだまだアド損には違いないんだけど、メインデッキに特定のセットオーダーを入れなくてよくなり、初手にそれが加わる大事故パターンが無くなっただけでも、だいぶ気は楽に」
ブラダ「というか超越のクレストが、クレスト貼りながら1ドローしていることを考えれば、これも1ドローくらいしてくれてもいいんじゃないか?」
ファントム「並のセットオーダーよりかは、クレストの方がよっぽど強いな」
カロン「そして、このギミックは僕が抱えるもう一つの悩みも払拭してくれた。
それは『受けスキルを持つデッキが、先攻を取られるとコンセプト崩壊する』という点。
これはラスカリア回やサジッタ回でも触れたんだけど、受けスキルが使えない間に、先攻3ターン目からボコボコにされるパターンだね。
ディヴァインスキル持ちで先攻3ターン目から動けるデッキは少ないけれど、ディヴァインスキルを使わずとも十分な火力を出せるデッキも多いし、今弾には相手がG2だろうと一切手加減しないオールデンのようなヤンチャボーイも存在するので油断はできない」
ブラダ「トラブルと遊べ」
カロン「この点についてはシアナが『G1~G2のライドラインがVと同じスキルを持つ』ことで解決したはずなんだけど、何故か後発のラスカリアやサジッタには採用されなかった。
まあ、テキストがどうしてもダラダラ長くなっちゃうし、やりすぎると出張もされちゃうから仕方ないと思う部分もある。
そんなわけで新たなアプローチとなったのがこの『受けスキルをセットオーダートークンとして、G1の時点で貼る』というアイデアだね。
これで極光戦姫のようなセットオーダー事故も無く、シアナのように受けスキルを序盤から使っていける。セットオーダーデッキや、受けデッキが抱えていた悩みが一気に解決。
以降も、セットオーダーを一種類しか使わないようなデッキや、受けデッキはこのシステムを採用して欲しいね。
もちろんトークンだろうとセットオーダーなので、ブラントゲートの汎用カードに多いセットオーダーを参照するカードの運用を妨げない点も素晴らしい」
ブラダ「100点」
カロン「前置きが長くなったけど、インバルディオの解説をしていこうか。
前述した通り、インバルディオおよびそのライドラインは《SYSTEM CODE:X-ceed》を介した受けスキルを持つ守備的なユニットだよ。
ざっくりと言えば、ダメージを受けるたびインバルディオらのパワーは+5000されていく」
ブラダ「無性にヴァンガードZEROがやりたくなってきたな……」
カロン「これはディヴァインスキルに対しては特に有効で、3点からでも容易にトドメを刺せてしまう攻撃的なディヴァインスキルであっても、インバルディオに3点を与えきるのは至難。
1ゲームに1度しか使えないディヴァインスキルを最低限の消費で捌かれてしまっては、あとはズルズルと負けるしかない」
マーハ「このように守備的なインバルディオだが、攻撃面も悪くない。
アタック回数こそ多くないものの、パワーは①のスキルで飛躍的に伸びていくし、その高いパワーの乗ったディヴァインスキルによる★2アタックは、少ないアタック回数を補って余りある。
何よりドライブチェックの機会が非常に多く、本人のディヴァインスキルと、サポートカードの《飛空変形 ヴィンスター》により、1ターンに最高6回のドライブチェックが可能だ。それがまたインバルディオと噛み合っている」
ブラダ「ドライブチェックの試行回数を増やし、治トリガーを引くことができれば、さらに《SYSTEM CODE:X-ceed》の発動機会も増えるわけだな」
マーハ「その通り。インバルディオはなるべく相手よりダメージを下回らないようにして、治トリガーの発動機会を増やしていくといいだろう。
こちらのダメージが下回り、治が不発になりそうな状況ではディヴァインスキルの発動を控えるのも手だな」
カロン「最後に小技というかアドバイスをひとつ。
自分が先行を取った時、後攻1ターン目における相手のアタックはなるべく防いだ方がいい」
ファントム「ほう?」
カロン「というのも、その時点ではドロップゾーンに1枚しかカードが無いので、1枚しか自己改修ゲージが置けないんですね。
つまり相手に★を引かれた場合、2点目で置ける自己改修ゲージが無い!」
ファントム「!!」
カロン「インバルディオで最も避けたい展開は、自己改修ゲージが置けないままダメージを受けることです。
そのリスクヘッジのため、後攻1ターン目はアタックを防いでいった方がいいと思います。
そのターンさえ凌ぎきれば、ガードに使ったカードと、ライドコストで、ドロップには最低でも3枚のカードが落ちているので、自己改修ゲージを置けなくなるという状況はまずなくなるでしょう」
●ケテルサンクチュアリ
《守護の宿命者 オールデン》
①V:このユニットの能力でユニットのいるRにコールした際、そこにいるユニットをドロップに置くかわりに手札に戻す。
②V:アタックした時、【CB1】1枚引き、手札から1枚コールし、次の相手のターン終了時まで、相手のカードの効果で退却せず、パワー+10000。
③V:【ディヴァインスキル】【SB1】山札を上から7枚見て、2枚までコールし、次の相手のターン終了時まで、相手のカードの効果で退却しない。
カロン「つい最近ヴァンガードに昇格したばかりのオールデンが、早くも宿命者に再昇格!」
ブラダ「バロマグさんは3年かかったのに……」
カロン「そんなオールデンのディヴァインスキルは、他とは毛色が違う。
相手がG2でも発動できる代わりに、山札から7枚見ての2枚スペリオルコールと、至って普通。
まあ、ソウル1枚で2アドは十分破格ではあるんだけど。
他のディヴァインスキルのようなフィニッシャーと言うよりは、ヴェルストラのような盤面を整えコンボに繋ぐスキルと言えるかな」
マーハ「オールデンの冠する守護を特徴付けるのは、むしろ①のスキルと言えるだろう」
カロン「そう、展開力の高すぎるロイヤルパラディンが10年以上続けてきたリアガードの上書きスペリオルコールという、僕らよりよっぽど冷徹なやつらの欺瞞に満ちた行為についにメスが入った」
ブラダ「相変わらずロイヤルパラディンに対する当たりが強いな」
カロン「これによりバトルフェイズ中の上書きスペリオルコールがすべてアドに変わる!
②のスキルを小型化してオーダーにしたような《守護の刃に決意を込めて》も絡めれば、相手がG2だろうと大量展開し、そうして得たボード・アドバンテージをハンド・アドバンテージに変換していくという、展開して速攻してるのに手札が増えるなかなか気味の悪い動きができる。
冠する称号に騙されそうになるけど、守護デンは基本的には速攻デッキ。
実際、手札は瞬間的にたくさん増えるし、除去にも強いから長期戦もできちゃうんだけど、ターン数をまたげばまたぐほど、ディヴァインスキルが使えず、そのディヴァインスキルも小粒な分、他との差は開いていくと思った方がいいよ。
インバルディオや超越のクレストみたいな、時間をかけるほど強くなるギミックが別にあればよかったんだけどね」
ブラダ「天譲デンとは色々と方向性が違うので、あちらを引き続き運用するのも一興か。
実際、開発もそれを推奨しているのか、ゾルガやヴェルストラと違い、今弾に登場したほとんどのサポートカードが天譲デンも強化されるようにデザインされている」
《光弓の騎士 ムミアー》
①R:登場した時、ドロップから「ザレヴサエル」を含むG3以上を1枚、山札の下に置いてよい。山札を上から5枚見て、「ヴィライルコア」を含むカードを1枚まで選び、公開して手札に加える。加えたなら、手札から1枚捨て、このユニットのパワー+2000
ブラダ「ヴァンガードでたまにいる、フレーバーテキストだけなら最強の1枚だ」
カロン「上空から光の速さで矢を降らせてなお、パワー10000にしかならないのであれば、パワー20000やパワー30000は何をしてるんだろうね」
ファントム「1億光年の速さで矢を降らせているのではないか?」
モルドレッド「光年は速さではなく距離なのだが……」
●ストイケイア
《無限の宿命者 レヴィドラス》
①V:【CB1】あなたと相手のRに無限鱗粉マーカーを1つずつ置く。
②V:無限鱗粉マーカーのあるユニットが、アタックかブーストした時、そのバトル中、パワーを、+10000か-10000してよい。相手のユニットのパワーを-10000したなら、無限鱗粉マーカーを1つ除外し、1枚引く。
③V:【ディヴァインスキル】相手のVがG3以上なら、【SB1】あなたと相手のRに無限鱗粉マーカーを1つずつ置き、このユニットのパワー+10000/★+1
カロン「ストイケイアの宿命者は、なんと! 虫要素の含まれたフォレストドラゴン!!
未だにマトモな昆虫怪人を出してくれていないのに、なんでまたこんなところで虫要素を出しちゃってくれてるわけ!?
僕が一番危惧しているのは、これで公式がインセクト出した気になって、また3年くらいインセクトがまったく登場しない状況が続くんじゃないかってことなんだけど……」
ブラダ「あと3年くらいすれば、さすがに今環境はスタン落ちしてそうだがな」
カロン「そんなレヴィドラスはメガコロを意識しているのかいないのか、女王陛下よろしく、相手にマーカーを貼り付ける戦術を得意とするよ」
マーハ「無限鱗粉マーカーは、自サークルにあっては龍樹マーカーのような+10000パンプだが、相手サークルにおいてはアタック時に爆発し、パワー-10000の妨害と、自身にドローの恩恵をもたらす。
遅効性のハンド・アドバンテージという点も、グレドーラ操る暗黒繭マーカーと似ているな」
カロン「鱗粉で攻撃っていうのは、やっぱり虫好きとしてはアツいよね」
ブラダ「あとは糸な」
マーハ「知るか」
カロン「そしてハンド・アドバンテージを得られるタイミングが相手にコントロールされやすいってのも、女王陛下が抱えていた弱点とだいたい一緒。
例えば、レザエルの右前列に無限鱗粉マーカーを置いたとする。
レザエル側は、左列にだけ展開して、左列でアタック。その後、レザエルのスキルで左縦列に展開して、再度アタック。
というプレイングで、無限鱗粉マーカーを避けながら高水準の3パンを維持することができる。
ファントム「相手のアタック回数を減らせているなら悪くない取引ではないか?」
カロン「と思うかも知れないですが、CB1なんて重たいコストを払って、手札の獲得が遅れるのは割と致命的ですよ。
手札が無いと攻めも守りも窮屈になりますし、そうして大勢が決した後にようやくドローさせてもらえたとしても手遅れな場合がほとんど。
上手い人は嫌らしいくらいにこちらの盤面を自分の都合のいいようにコントロールしてくるので、コントロールされやすいスキルっていうのは、上位環境においてはそれだけで評価が大きく下がってしまうんです」
ブラダ「そんなところまでメガコロに似せなくてもよかったのにな」
《オンフォール・アノートガスター》
①R:登場した時、このユニットと同じ縦列に自分の無限鱗粉マーカーがあるなら、【EB3】山札を上から2枚見て、1枚手札に加え、残りを山札の上か下に置き、パワー+5000
②R:ヴァンガードが「レヴィドラス」で、自分の無限鱗粉マーカーが3つ以上なら、パワー+5000し、後列に同名リアガードがいないなら、後列からでもアタックできる。
カロン「今弾のインセクトは1枚! もちろんレヴィドラスのサポートカード!
だから! こういうの格好いい昆虫怪人を! ヴァンガードに! したいんだけど!」
マーハ「《オンフォール・アノートガスター》は後列からアタックできるシンプルなアタッカーだ。
しかし重要度が高いのは、RRの《フルナレッジ・フォクシル》だろう」
カロン「アノートガスターはアノートガスターでしか後列からアタックできないけれど、《フルナレッジ・フォクシル》は好きなユニットを後列からアタックさせてあげることができる。
どんなユニットでも後列からアタックさせられるストイケイアのユニットは、マグノリア系統を除けば、これが初!
これがどういうことかと言うと、マグノリアの『後列からアタックした時~』を条件とする一部サポートカードを共有可能!」
ファントム「!?」
カロン「《樹角獣 ボジャルコン》で前列を一掃したり、《樹角獣 ガボレーグ》や《樹角獣 アルヴァン》でガード制限をかけたり、《樹角獣 エンピックス》で味方を守ったり、色々と遊びようもあるけれど、注目はやっぱり《樹角獣 ギュノスラ》! 無限鱗粉によるパンプとの相性はもちろん抜群!」
マーハ「ただし、《樹角獣 ギュノスラ》を使うのであれば、競合先として《トライジェミナル・アサルト》も視野に入れておきたい」
ファントム「誰だそやつは」
カロン「アタックしたバトル終了時、スタンドする代わりにアタックできなくなるG1です。
今弾でもマグノリアサポートとして同様のテキストを持つ《樹角獣 マヤーラッシィ》が登場したことからも分かる通り、このギミックって実のところギュノスラとほとんど変わらないんですよね。
20000パンプしたギュノスラがアタックして、そのパワーを他ユニットに与えるのも、20000パンプしたトライジェミナルがアタックして、そのパワーで前列ユニットをブーストするのも、ね」
ブラダ「ほんまや」
カロン「これまで注目されていないのが不思議なくらいに強力なユニットです。マグノリアではソウルに余裕が無かった? それとも作者が情報収集を怠っていただけで、実は結構使われてた? ギュノスラは、ギュノスラ⇒ギュノスラのギュノスラリレーができるので、それもあってギュノスラが優勢だったのかな?
想像は色々とできるけれど、重要なのはレヴィドラスはソウルに余裕があって、カウンターコストに余裕が無く、ギュノスラリレーが不可能だと言う点。
レヴィドラスではトライジェミナルの方が使い勝手がよさそうなんですよね」
マーハ「悩ましいのは、レヴィドラスがアタック回数を増やすのには、これら特定のユニットを引けていなければならない点だ。
いずれか1枚が欠けるだけで総力が大きく低下し、だからと言って下手に4枚投入すると、2枚目以降のカードは腐りやすい。
これらは特定の名称に所属しているわけでもなく、サーチ手段も限られている。
幸い、ドロップに落ちたカードを使い回すのは得意なので、ドロップを肥やす手段を厚めにしてもいいかも知れないな」
《ヘドレイス・アサルト》
①ドロップ:ヴァンガードが「シュルドフィッシャー」なら、【EB3】このカードをユニットのいないRにコールし、ヴァンガードのパワー+5000。
カロン「今弾はマイナーなヴァンガードを強化するカードが多めに収録されているんだけど、ストイケイアからは再びシュルドフィッシャーが!
これにはシュルドフィッシャー歓喜……と言いたいところなんだけど、ギミックもグレードも先発の《ブレスドレイン・フェアリー》被っており、そちらの方が何かと優秀!
シュルドフィッシャーは積極的にVのパワーを上げたいデッキでもないし、このカードは盤面が埋まってるとスペリオルコールできないため、盤面が埋まっててもとりあえずシュルドフィッシャーの拘束を解除するためだけにスキルを発動する、なんて使い方もさせてもらえない。
こんな雑なデザインにするくらいなら、《廃滅の虚竜》や《鉄錨の憤竜》を強化してほしかったね。
せめてG2になってくれなかったかなぁ」
●リリカルモナステリオ
《至高の宿命者 リシアフェール》
①V:ブーストされないでアタックした時、【EB3,リアガードを2枚以上、望む枚数ソウルに置く】ドライブ+1。コストでソウルに置かれたカード1枚につき、パワー+5000。
②V:【ディヴァインスキル】G3以上にアタックしたバトル終了時、ソウルが6枚以上なら、【CB1】このユニットをスタンドさせ、ドライブ-2。このファイト中『「リシアフェール」ヴァンガードすべてのパワー+5000/★+1』を得る。
カロン「それではお待ちかね。リリカルモナステリオの宿命者を解説していきましょう」
ブラダ「ウヒョーーーー!!!!」
ファントム「待ってましたーーーー!!!!」
モルドレッド「誇り高きシャドウパラディンはいったいどうしてしまったのだ……」
マーハ「すまないな。この世界線のこいつらは、少しおかしいんだ」
モルドレッド「いや、君もさっきから結構おかしいぞ!?」
カロン「それじゃ、そろそろモルドレッドもヴァンガードのルールは把握できたでしょ? 最後くらい解説よろしく」
マーハ「お前はまたそんな無茶ぶりを――」
モルドレッド「承知した」
マーハ「!?」
モルドレッド「リシアフェールは至高の名に恥じぬ、他のユニットを糧とし、強くなる一点特化型のユニットだ」
ブラダ「!?」
モルドレッド「消費こそ若干激しいものの、毎ターントリプルドライブでアタックでき、ディヴァインスキルを絡めれば、そのターンにはドライブ回数は4にまで増える」
ファントム「!?」
モルドレッド「さらには永続的にパワーが18000となるため、他のディヴァインスキルの例に漏れず、耐久も視野に入れられるデッキとなるだろう」
マーハ(真面目で勤勉すぎるせいで、この短時間でヴァンガードのルールを覚えてしまっている……)
モルドレッド「こんなものでいいだろうか」
ファントム「完璧すぎるわ」
●終
ブラダ「ところで、モルドレッドよ」
モルドレッド「どうした?」
ファントム「お主はリリカルモナステリオで誰が一番好きなのだ?」
モルドレッド「なっ」
ブラダ「隠すなよー、教えろよー」
モルドレッド「…………キョウカ殿」
ブラダ「ヒュー! ギャルとか意外ー!」
ファントム「お主、そういうのが好きなのだな」
マーハ「修学旅行の就寝時間か!!」
カロン「モルドレッドの性癖も分かったところで、今日はお開きにしようか」
ファントム「うむ」
ブラダ「さらばだ」
マーハ「非オフィシャルだからな!?」
モルドレッドは大好きです