ヴァンガード へっぽこカードレビュー in惑星クレイ 作:栗山飛鳥
●序
カロン「それじゃあ『竜魂鳴導』のレビューを始めていこうか」
ブラダ「ちょっと待て。世間では『竜魂鳴導』どころか『武奏烈華』まで発売しているぞ」
カロン「まあね。8月は作者が書いているもうひとつの作品が佳境だったのもあり、そちらに注力したかったという理由はあるんだけど。
そこからさらに2ヵ月遅れたのは、もう完全に作者のヴァンガードに対するモチベーションの問題だね。」
ブラダ「深刻なメガコロ不足」
カロン「そして今弾では当然のようにインセクトすら存在しない。もうこんなパックわざわざレビューする必要ある? バイオロイドやドリアードは毎弾いるのにね?
もうストイケイアは国名を『ネオネクタールとその他大勢』に改名しちゃえばいいんじゃないかな?」
●ドラゴンエンパイア
《荒牙之衆 ディナバラダ》
①V:【SB1】山札を上から5枚見て、G2以下のユニットカードを1枚コール
②V:アタックした時【リアガードを2枚以上、5枚まで退却させる】このコストで退却させたユニットの枚数により、以下すべてを行う。
・2枚以上-退却させたユニット1枚につき、パワー+5000。
・3枚以上-ドライブ+1。
・4枚以上-相手のヴァンガードがG3以上なら、相手は手札からGコールする際、3枚以上同時にコールしない限りコールできない。
マーハ「たちかぜから第3のライドラインが登場した」
カロン「スピノマーキス、ガルグレックスとディノドラゴンが続いた後に現れたのは、なんと『サベイジ~』に属するヒューマン!
サベイジのヴァンガードは旧シリーズ含めても初!
たちかぜらしい恐竜さんが2度続いたあと、3度目で奇をてらってくるのは非常に羨ましく、メガコロもちゃんとした虫さんを2度くらい出したあとに女の子を出して欲しかったなぁというのが正直な感想」
マーハ「サベイジ改め荒牙之衆は自分の全ユニットを退却させることで真価を発揮する、もっとも豪快なタイプのユニットだ」
ブラダ「ヒューマンなのに、やっていることはグラトニードグマ」
マーハ「アタック時に5体のユニットを退却させたディナバラダはパワー+25000され、トリプルドライブに、ガード制限まで併せ持つ。
専用サポートである《スプルーシュカッター・ドラゴン》を巻き込むことで、最大5回のアタックも可能。攻撃性能に関しては現代水準だと言えるだろう」
カロン「そんなディナバラダの弱点は、あくまでドラゴンエンパイア所属であって、たちかぜ所属ではないこと」
ファントム「貴様はいったい何を言っているのだ」
カロン「たちかぜなら味方ユニットを退却させることなんて造作もない、むしろウェルカムなくらいに退却させた時に効果を発揮するユニットが充実しているんですけど、ドラゴンエンパイアは(じわじわと増えてきてはいるものの)退却させることで効果を発揮できるユニットがまだまだ少ない。
特にG1以下はタレントに乏しく、ディナバラダのスキルで全ユニットを退却させる場合、ある程度のディスアドは覚悟しておかなければなりません。
また、5パンするのにCB2も必要で、たしかに攻撃性能こそ現代水準ですが、その現代水準のアタックを実現するためのコストが、他と比べてあまりにも重い」
ブラダ「他の連中ときたら、ディバインスキル発動とか言って、ポーズをキメるだけでいいのにな」
ファントム「人前でポーズをキメなければならないのは、ある意味コストと言えなくもないが……」
マーハ「前から言っているが、ポーズは必須ではないぞ!?」
カロン「4体退却させたパターンは、5体退却させたパターンとパワー5000しか変わらないので、基本的には4体退却で留めておくべきかな。
ガード制限はパワーが高ければ高いほど効果的なので、勝負所ではしっかり5体退却させるべきではあるんだけど」
ブラダ「ディナバラダの展開力では、勝負所で5体のユニットが揃えられるかという問題もありそうだな」
カロン「ディナバラダ最大の強みであり魅力であるガード制限も、《四精織り成す清浄の盾》に完封されてしまう悲しさ。
せめてブリッツオーダー制限も……なんなら名指しで盾だけでも制限してほしかったところだよね」
ファントム「人は何故バフォルメデスの悲劇を繰り返すのか……」
●ダークステイツ
《魔宝竜皇 ドラジュエルド・マグナス》
①V:ライドフェイズ開始時、ドロップから2枚ソウルに置く。
②V:バトルフェイズ開始時、ソウルに「ドラジュエルド」を含むカードがあるなら、前列ユニットのパワー+5000。
③V:このユニットがVにアタックした時、【それぞれ異なるグレードをSB4】相手のVをパワー0にし、相手VがG3以上なら、このユニットの★+1。この効果で★を増加させていて、ダメージゾーンが4枚以上かペルソナライドしているなら、「魔宝竜」リアガードを1枚選び、『このユニットがアタックした時、【手札から1枚捨てる】このユニットのドライブを1にし、ドライブチェックを行う』を与える。
マーハ「ドラジュエルドがついに復活だ」
カロン「これもG4をG3に落とし込もうプロジェクトの一環で、イグニスと比較するとパンプ値が5000と大きく低下しているものの、マグナスはペルソナライドができるのでチャラ。
ソウルが増やせるのも、弱体化の数値が0になっているのもイグニスと同様。
リアガードにドライブを与えるというスキルを得ることで、ドライブ数もイグニスに並ばせつつ、プレッシャーを分散させている。
唯一、イグニスやマスクスにもあった除去こそなくなってはいるものの、ドラジュエルドが本気を出せばその時点でゲームが終わることも多く些細な問題。
G3にしておおむねイグニスと同等以上の存在に仕上がっている」
ブラダ「強い」
カロン「ただ本質的にはイグニスであるので、これ以上のコメントに困る。
なので個人的な不満点を述べさせて頂きたいのだけど……ドラジュエルドって設定上では他の登場人物より頭ひとつ抜けて強い、最強の存在なんだよね。
だからドラジュエルドだけはG4のまま、G4として強くする方向性に調整してほしかったなぁ」
マーハ「一応、G4でありドラジュエルドでもあるイグニスはマグナスと相性がよく、デッキに投入しておくことで②③両方の補助になる。
ライドしてもイグニスはマグナスがペルソナライドするのと概ね同等の戦果は挙げられるため、疑似的にペルソナ札を増やすことにもなるだろう」
ブラダ「ドラジュエルドにG4ブルースを投入できた頃に近い動き+αが、マグナスとイグニスでできるわけだな」
●ブラントゲート
《シェーンハイト・ロートバイザー》
①R:ヴァンガードが「ロートバイザー」G3以上なら、このカードは、以下すべてを得て、グレード+1。
・このユニットが登場した時、相手のRを1つ選び、そのターン中、このユニットがヴァンガードにアタックする際、相手のヴァンガードと、選んだRのユニットすべてとバトルする。相手のVがG3以上なら、このユニットのパワー+5000。
・このユニットと同じ縦列の「ロートバイザー」ユニットはブーストを得る。
カロン「ロートバイザーに革命起こる!
このシェーンハイトは2体のユニットにアタックできるため、このユニットに賭けることでアリーナ効果の成功率は大幅にアップ!」
ブラダ「ド本命」
カロン「なんだったら1回のアタックでアリーナ効果が2回誘発することだってあるし、ガード強要の得意なロートバイザーが除去を手に入れたことで多少のコントロールも仕掛けられるようになった」
ファントム「それはたしかに革命だ」
カロン「このくらい最初っから与えられていてもバチは当たらなかったとは思いますけどね」
マーハ「ロートバイザーにブーストを与える効果も持ち合わせており、それがまたロートバイザーにおいて絶対に出しておきたいユニット《トラヴァンツ・ロートバイザー》と噛み合っている」
ブラダ「前列の枠をトラヴァンツを食い合うことが無いのだな」
カロン「もとより攻撃面は高水準だったロートバイザー。弱点を補い長所を伸ばす新規が登場したことで、かなり強くなったように思えるよ」
●ケテルサンクチュアリ
《聖なる時の運命者 リィエル゠ドラコニス》
①V:【EB4,Rかドロップからノーマルユニットを1枚バインド】手札から1枚捨て、このユニットのドライブ+1。
②V:アタックした時、【CB1】リアガードを1枚バインドし、山札から、バインドゾーンいずれかと同名のカードを1枚コール
③V:ディヴァインスキル-アタックしたバトル終了時、相手VがG3以上なら、ソウルかドロップから、「リィエル」G3以上を1枚スタンドでライドしてよい。ライドしたなら、ドライブを1にする。
カロン「自分のことを聖なるとか言い出しちゃった、自意識過剰な新リィエルは――」
マーハ「ユニット名は自称なのか……?」
カロン「――細々とした差異こそあれど、基本的には旧リィエルにトリプルドライブがついただけ!
されどドラコニスの強みはそれだけに非ず。
ドラコニスは運命者なので、もちろん旧リィエルの完ガ能力も適用可能!」
ファントム「!?」
カロン「これまで『ペルソナ札を切って完全ガードを発動できる』ユニットだったリィエルが『完全ガードを最大8枚入れられる』ユニットに大幅進化!
これこそがドラコニスとなった最大のメリットと言っていいだろうね」
ブラダ「ふたつのスキルで、1ターンにバインドゾーンのカードを2枚置くことができるようにもなっており、単体で旧リィエルのコストを準備できるようになった点も見逃せぬな」
●ストイケイア
《楽園へ導く者 ナナクリル》
①V:「楽園を訪れし者」リアガードが3枚以上なら、世界は真宵楽園になり、トリプルドライブを得る。
②V:【EB3】山札を上から5枚見て、1枚公開し、ユニットカードならコールし、「花開け、此処は真なる宵の楽園」なら手札に加える。「楽園を訪れし者」ユニットをコールしたなら、そのユニットのパワー+5000。
③V:アタックした時、【CB1】リアガードを1枚選び、スタンド。
カロン「ストイケイアの新ライドラインは、シルフのヴァンガード!
シルフがヴァンガードとなったのは、ヴァンガードの長い歴史で何気に初めて!」
ブラダ「かわいい」
ファントム「かわいい」
カロン「というかG3のシルフ自体が初だったりする」
ブラダ「ならば見た目よりマッチョなのかも知れぬな」
ブラダ「絞められたい」
カロン「シルフがヴァンガードになるという前例が無く、ギリギリインセクトに見えなくもない見た目だったので、種族が判明するまで、割と作者は戦々恐々としていたよ」
ブラダ「これがインセクトになったら、ちゃんとした昆虫怪人の登場がまた遅れるな」
カロン「そんなナナクリルは盤面に『楽園を訪れし者』を3枚並べることで、世界を『真宵楽園』に変化させる!」
ブラダ「オルフィストに続く世界を変化させるユニット!」
カロン「そしてナナクリル本体や『楽園を訪れし者』が世界が『真宵楽園』であることを参照して強くなるのもいつも通り。ナナクリルの場合はトリプルドライブを得るよ。
すべてのスキルをまとめると、トリプルドライブ、展開、ユニットのスタンドとシンプルに最低限のものが揃っている。
というか③のスタンドはシンプルすぎないかな……? 『真宵楽園』すら参照してないんだけど」
ブラダ「もう作り手側も考えるのが面倒になってきていないか?」
マーハ「複雑なら複雑で『この条件って必要かな?』とか『条件が無い方が強いよね』とかケチをつけるくせに……」
カロン「最低限のものは揃っているけれど、図抜けた長所も無いので、独自性に乏しいのが難点かな。
専用サポートの《花開け、此処は真なる宵の楽園》は爆アド稼げるし★も増やせるしでしっかり強いんだけどね」
とは言え、ナナクリルは今後の強化が約束されている重要人物。これはまだベースのようなものと考えておいた方がいいだろうね」
《森然たる薔薇の主 グランフィア・ジュラメント》
①V:「森厳なる薔薇の主 グランフィア」からライドして登場した時、ペルソナライドを発動させ、このユニットはそのユニットが持つ能力すべてを得る。プラント・トークンすべてとノブレスローズ・トークンをプラントゲージにし、ノブレスローズ “ローザロッサ”・トークンを中央後列のRにコールし、プラントゲージすべてをそのユニットに表で置く。
②V:ターン終了時、ソウルから「森厳なる薔薇の主 グランフィア」を1枚選び、レストでライドする。ライドしたなら、ノブレスローズ・トークンを1枚選び、このカードをそのユニットのプラントゲージとして表で置く。
カロン「何の前触れもなく新たなグランフィアが登場!」
ブラダ「かっこよ」
カロン「特筆すべきはレアリティがRRであること!
RRR枠が空くのを待っていたら、マイナーユニットはいつまで経っても強化なんてされないし、ここでヴァンガード用のユニットはRRRという不文律を崩してくれたのは非常にありがたい(これまでも例外はあったけど)
ただし、強さもRR級だったら何の意味も無いので、この新規グランフィアには頑張って欲しいところ」
ブラダ「V期あたりからヴァンガードはほとんどRRRになってしまったが、かつてはRRのヴァンガードにも強いユニットはいっぱいいたので安心だな」
カロン「そんな新グランフィアは、旧グランフィアの効果を丸コピしつつ、ノブレスローズ “ローザロッサ”を新たに生み出す」
ファントム「ローザロッサ?」
カロン「そしてそのローザロッサはノブレスローズの効果を丸コピしつつ、ゲージひとつを5000ガードとして扱うことができる」
ファントム「それで?」
カロン「以上です」
ファントム「は?」
カロン「まとめると、グランフィアは新たにゲージひとつを5000ガードとして扱えるようになりました。以上です」
ファントム「ほとんど何も変わっておらぬではないか!!!」
カロン「そうなんです! グランフィアにおいて重要な攻撃力に一切の変化はなく、グランフィアにとってさして重要でもない守備力が微強化!
なんだったらグランフィアは初回のペルソナライド=ジュラメントにライドするターンでゲームを終わらせなければならない速攻デッキなので、その恩恵を受けられている時点でかなりの劣勢。
ぶっちゃけこの程度の守りじゃ全然足りないし、もちろんローズロッサに一切の耐性は無いので、相手が除去デッキの時点でジュラメントの存在意義はほとんどなくなってしまう」
ブラダ「RRどころかR級だった!」
カロン「もうC級と言っちゃっていいんじゃないかな? こんな強化ならもらえない方がマシだったよ」
●リリカルモナステリオ
《Juicy-Fruity チュア・リーナ》
①V:プラント・トークンすべてのパワー+5000し、このユニットと同名のあなたのソウル1枚につき、さらにパワー+5000。
②V:【SB1】プラント・トークンを2枚までコール。その後、相手のVがG3以上で、あなたのリアガードが4枚以上なら、このユニットはトリプルドライブを得る。
③V:アタックした時、【CB1】プラント・トークンを1枚コールし、そのターン中、『このユニットはあなたのヴァンガードが得たトリガー効果を得る』と『このユニットが手札に戻された時、1枚引く』を与える。
カロン「リリカルモナステリオにもプラント・トークンを扱うヴァンガードが登場!」
ブラダ「うたのおねえさん」
カロン「まず注目すべきはライドライン。
『Juicy-Fruity』を公開する必要があることから出張こそしにくくなっているものの、ロロワとほとんど同じ、なんなら置く場所を選ばないので上位互換!」
ブラダ「これは速攻が捗るな」
カロン「ただしリリカルモナステリオはストイケイアほどプラントを生かせるカードも、他にプラントを生み出せるカードも少ないので、ストイケイアと同じ感覚で速攻できるかというと、たぶん無理。
とは言え優秀な能力には違いないので、これはチュア・リーナの強みのひとつと言えるだろうね」
マーハ「本体に目を向けると、ヴァンガードが得たトリガー効果をプラントにも与える効果が目を引く」
ブラダ「アーシャ!?」
ファントム「の花妖精!?」
マーハ「この効果から、ドライブチェックで得たトリガーはすべてチュア・リーナに振っていい。相手からしたら数値受けしにくい厄介な効果だろう」
カロン「とは言えそれも強すぎるわけじゃなく、残りの効果はパンプ、トリプルドライブ、プラントの展開、4パンと、ナナクリルに負けず劣らずなかなか凡庸。
やっぱりこのユニットは、強力なライドラインを生かした速攻で、他のバケモノどもとの差がつく前にゲームを終わらせてしまうことを意識すべきだろうね」
●終
カロン「そんなわけでヴァンガードに対するモチベーションは下がり切っているんだけど、一度はじめたことを途中で投げ出すのも気分悪いので、ぼちぼち再開していきたいと思います。
やめる時はきっぱり『○○を最後にやめます』と告知する予定ですので、もう少しばかりお付き合い頂ければ幸いです」