前回のあらすじ
真人を探すために、学校に来た廻たち。廻たちが待っているとようやく一人の生徒が話しに来た。
それでは、本編どうぞ!
坂峰高校 職員室
弘人「それで、早速だけど、君は何を知っているのかな?」
そう言って弘人が、話しに来てくれた生徒に話しかける。
担任「あ、私は席を外しますね。その方が生徒も話しやすいでしょうし。」
そうして、担任の先生はどこかへ行ってしまった。
さて、これで話しやすくなったと思うがどうだ?
生徒「…」
弘人「落ち着いて、ゆっくりでいいから君が知っていることを話して。」
それでもまだ話すことを躊躇っている生徒に、優しく弘人が話しかける。
生徒「…皆さんは、」
そう言って安心したのか、生徒が話し始めた。
生徒「真人くんが、血の繋がっていない子ってのは分かりますか?」
廻「はい。それはついさっき分かりました。」
生徒「そうですか。で、真人くんと輝樹くんが兄弟なんですけど、実はあの二人仲が悪いんです。」
廻「仲が悪い?それは確かですか?」
生徒「はい。僕が直接見ました。偶然放課後に誰もいない教室を通ったときに、言い争いをしてました。」
弘人「何で言い争いを?」
生徒「さあ?良くは聞こえませんでした…あ、けど誰か『人の名前』を言って言い争ってました。」
言い争いなんて穏やかじゃないな…。それに『人の名前』か、気になるな…
生徒「二人が仲が悪いのはすぐに広まりました。真人くんが有名人だから噂が広まるのは早かったです。」
廻「そうなんですね。ん?お母さんだけじゃなくて、真人くんも有名人なんですか?」
生徒「そりゃ、お母さんもあんなに美人だし、真人くん自身も文武両道のイケメンで、凄いモテてますよ。あとは、やっぱり、輝樹くんと血が繫がってないのが、皆の興味を引いてる対象になってるんです。」
なるほどな。そう言えば、担任も『正確には真人くんとその家族なんですけどね。』って言ってたな。家族揃って有名人か…
灯「確かに、あんな美人のお母さんとイケメンなら有名にもなるよね。」
生徒「そうなんですよ。…あ、ここだけの話しですけど、真人くんのお母さん、独身だから同じ独身の先生や、保護者、さらには、何と生徒からもアプローチを受けてるみたいですよ。」
弘人「そ、それは凄いな…」
灯「想像以上にモテてるんだね…」
生徒「はい。それに、性格も非の打ち所がないですからね。あんな人に告白されたら断る人はいないですよ。」
だろうな。断る要素が今のところないからな…
生徒「けど、残念ながらアタックしていった人たち、みんな断られてるみたいですよ。因みにさっきの担任も振られたみたいですよ?」
そ、それは気の毒に…
生徒「僕が話せるのはこれだけです。じゃあ失礼します。」
灯「あ、ちょっと待って」
教室に戻ろうとする生徒を灯が呼び止める。
灯「一つ質問があるんだけど、いい?」
生徒「何でしょうか?」
灯「真人くんは、彼女とか好きな人はいないの?」
生徒「さあ?それは聞いたことないですね…。どうしてそんなことを?」
へぇ、灯も鋭い質問ができるようになったな。これも一応俺たちと探偵をやってきたからか?
取り敢えず、真人くんの人間関係が分かるのはいいことだ。
灯「いや、親子揃って美男美女だから真人くんにもそういう人がいるのかなって思って。」
生徒「そうでしたか…。すみません、そこは本当にわからないんです。けど、真人くんのことを知っている人は不思議がってはいますね。」
廻「それは何でですか?」
生徒「それが、真人くんはあんなイケメンなのに、彼女ができた噂とか、誰か女性と一緒にいるところを誰も見たことないんです。それどころか、告白を断っていたみたいです。」
確かにそれは変だな。けど、本人にしか分からないからな…
何か彼女を作りたくない理由とかあるのかもしれないな…
生徒「唯一、女性と一緒にいたのと言えば、真人くんのお母さんですね。美男美女だから絵になるんですよね。」
灯「そっか。引き止めてごめんね。聞きたいことは以上だよ。ありがとうね。」
生徒「では、失礼します。」
そうして、生徒は今度こそ教室に戻っていった。
弘人「いろいろと、聞けたな。今のところ怪しいのは言い争いをしていた、輝樹くんか…。…おい、廻、聞いてるのか?」
廻「あ、悪い。」
弘人「何か考え事か?」
廻「あぁ。さっきから全然輝樹くんのことが話題に上がってこないのが不思議でな…」
灯「言われてみれば確かに!ずっと真人くんのことだけだね。」
廻「なんで誰も輝樹くんのことは言わないんだろな?」
弘人「そこも調べて見る必要があるな。」
廻「あぁ。」
生徒の話しを聞き終えた俺たちは、担任の先生に話しが終わったことを伝えるために、話しに行った。
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担任「あ、廻さん。話しは終わりましたか?」
廻「はい。……そう言えば…」
担任「?何か?」
廻「いや、そう言えば智子さんに告白して振られた人がたくさんいると聞いたんですけど…」
担任「あぁ、そのことですか……。」
いやなことを思い出させるようで悪いけど、どうしても質問したいことがあったので遠回しに質問する。
担任「実はあれ、振られたんじゃないんですよ…」
弘人「え?どういうことですか?」
担任「正確には、身を引かなければなかったんです。」
廻「というと?」
担任「実は、智子さんに告白した男性は次の日に『藤井智子に近づくな』っていうのが書かれた紙と、プライベートを写した写真がポストに届けられて…」
廻「それは、つまり智子さんにストーカーがいると?」
担任「恐らくそうでしょうね。だから、怖くなったり面倒事に巻き込まれたくないからみんな、智子さんを諦めるんです。」
そういうことがあったのか…
担任「けど、それにしては変なんですよね…」
弘人「変って何がですか?」
担任「いや、智子さんの学校行事とかでの様子を見てたら、元気に笑顔なんですよ。強がっているようにも見えなくて…それ見たら本当にストーカー被害にあってるのかなって…」
確かにストーカー被害にあってたら、少しは表情や態度に現れそうだよな…。
廻「そうでしたか。いろいろと話してくれてありがとうございました。では、また。」
担任「はい。」
いい時間になったので、今日のところは引き上げることにした。
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翌日 佐々野木大学 食堂
弘人「で、今日はどう動くんだ?」
廻「家族のことについて知りたいから、智子さんに話しを聞きにと思う。」
灯「けど、すんなり話してくれるかな?依頼に来たときも、話したくないって感じだったよね…」
廻「それでもまずは行動してみないとな。それに、信条さんにも依頼するからどうにかなるだろ。」
そう、昨日のうちに信条さんに今回のことを話して協力してもらっている。
勿論、智子さんの家族についてだ。
廻「ま、取り敢えず行ってみるか。」
弘人「じゃ行くか。」
俺たちは、智子さんに住所を聞いて藤井家を訪れることにした。
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数分後 藤井家
廻「すみません、急に押しかけて。」
智子「いえ、今回のことだったら仕方ないですよ。それで、何を聞きたいんですか?」
廻「輝樹くんはどういう子なんですか?」
俺がそう聞くと、やっぱり智子さんは俺たちを睨みつけてきた。
智子「何故、そんなことを?」
廻「勿論、事件と関係があるからです。」
智子「私が頼んだのは、真人を見つけてほしいってことだけですよ?輝樹がなんの関係が…」
?「母さん、誰と話してるの?」
俺たちが話していると、2階から誰かが降りてきて智子さんに話しかけた。
?「あれ?その人は?」
智子「あなたには関係ないわ。部屋に戻ってなさい。輝樹」
って、この子が輝樹くんか…。
てか、実子なのに冷たいな…
灯「私たちは、探偵です。」
輝樹「探偵…。へぇ…」
弘人「智子さんから、行方不明になった真人くんを見つけてほしいって依頼を受けて動いてるんだ。何か知っていることはないかな?」
輝樹「…さあ、何も知らないです。」
何か答えが淡々としてるな…。血が繫がってないとはいえ兄弟が行方不明なんだぞ?気にならないのか?
廻「真人くんのこと気にならないんですか?」
輝樹「さあ?喧嘩もよくしてたし、仲が良くなかったですから。」
仲が悪いとはいえ、心配はすると思ったんだけどな…
想像以上に仲が悪いらしい…
智子「私も答えることはないです。お帰りください。」
輝樹「母さん…」
心配した輝樹くんが、智子さんに近づいたときだった。
智子「近づかないで!!」バチン!
触れようとした輝樹くんの手を払い除けたのだった。
智子「…すみません、本当に今日は帰ってもらえますか?」
廻「分かりました。」
これ以上は何も話せないだろうし、無理に聞くこともできないから今日のところは帰ることにした。
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藤井家の外
弘人「何かあの家庭変だな。なんで輝樹くんにあんな態度をとるんだ?」
廻「そうだな。何か拒んでいるようにも見えたな…」
「あんたら、ここらへんのもんじゃないね?」
俺たちが話していると近所のおばさんに声をかけられた。
廻「はい。ちょっと藤井さんの家に用があって来たんです。」
「そうかい。けど、大変だったろう?外まで声が聞こえてたよ。」
廻「それはすみません。」
ちょうどいい。ここで情報収集しておくか。
廻「あの、藤井家について何か知りませんか?どんな些細なことでもいいんです。」
「藤井さんのことねぇ……あ、そういえば、藤井さんの子ども、弟の…あ、輝樹くん。最近よく夜にどこかへでかけてるのを見るなぁ…」
廻「夜に?」
「あぁ。『こんな時間にどこに行くんだい?』って声かけても無視して行っちまうんだよ…感じが悪いね。」
夜に外出ね…
「昔はあんな子じゃなかったのにねぇ…」
廻「そうなんですか?」
「あの家族は昔からあの家に住んでいてね、私にもよく笑顔で挨拶をしてくれたもんだよ。お母さんによく懐いていてね、とてもかわいい子だったよ。けど、この数年でガラッと変わっちまったよ…。あぁ、そう言えば、丁度あの子が来たぐらいからだったような?」
あの子?もしかして…
廻「もしかして、真人くんですか?」
「そうそう。真人くんが引き取られて、藤井家に来てからだねぇ…」
やっぱりか…
「けど、不思議だねぇ…」
廻「何がですか?」
「いや、智子さん、あんなべっぴんさんなのに全く浮ついた話しがないんだねぇ…。まだまだ再婚もありえると思うんだけどねぇ…」
真人くんと一緒で智子さんも付き合ってるとかそんな話しはないのか…
廻「いろいろと聞けてありがとうございました。」
お礼を言って俺たちは帰路についた。
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弘人「しかし、ますます気になるな、あの家族…」
灯「そうだよね…それに、あのおばあさんは『お母さんによく懐いていて』って言ってたけど、今じゃとても仲は良く見えないよね…」
廻「まだまだ調べる余地がありそうだな。」
♪♪♪♪♪
廻「わりい、電話だ。」
どうやら、信条さんからみたいだった。
廻「もしもし」
信条『俺だ。言われてたもの調べたぞ。』
廻「助かる。で、どうだった?」
信条『前科はないみたいだな。そして、一年前に夫とは死別してるな。と、ここまでは変わったことはないんだが、問題はこれからだ。』
廻「何が分かったんだ?」
信条『実は、親同士の関係は良好だったみたいだが、子ども同士がよく喧嘩してたみたいで仲が悪いみたいだ。』
あの二人、前から仲が悪かったのか…
廻「それって、輝樹くんと真人くんのことだよな?」
信条『何だ、知ってたのか。』
廻「まあな。けど、何で二人は一緒に暮らすことになったんだ?」
信条『それは夫が引き取ったみたいだ。』
廻「何で夫が?」
信条『何でもボランティア活動を熱心にしてたみたいでな。それで児童養護施設とかにもよく行ってたらしい。で、その縁で引き取ったのが『真人』みたいだ。』
そうだったのか…。
廻「なるほど。」
信条『俺が調べれたのはこれまでだ。』
廻「ありがとう。あ、その真人くんを引き取った施設のことを教えてほしいんだが…」
信条『分かった。住所は……だ。電話番号は…の…だ。』
廻「ありがとう。じゃ、また。」ピッ
弘人「…何か分かったか?」
廻「あぁ、いろいろとな。」
取り敢えず明日は真人くんがいた施設に行ってみるか…
事件メモ
・真人と輝樹は昔から仲が悪い。
・真人は智子の夫が引き取った。
・輝樹は昔は、愛想が良かった。
以上です。
次回予告
信条から兄弟のことが聞けた廻。今度は真人がいた施設に行って見るようだ。
それでは、また次回お会いしましょう!