俺たちと謎と青春と S2   作:ちゃんま2

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前回のあらすじ
学校で、真人や智子について聞けた廻たち。
そして、真人たちの家にも行くが、そこで智子と実子である輝樹の関係の異常に気づく。
そして今度は、真人が幼少期にいた施設を訪れるみたいだ。

それでは、本編どうぞ!


愛の行方は… その3

 

翌日 施設前

 

今日は真人くんがいた施設に来ていた。さて、何か分かるといいんだが…

ま、取り敢えず行ってみるか。

 

そうして施設の中に入っていく。

 

廻「すみません、昨日電話した音咲廻ですけど。」

 

受付「はい、廻様ですね。」

 

廻「『武井真人』くんのことについて聞きたいんですけど、担当だった人っていますか?」

 

受付「しばらくお待ち下さい。」

 

数分後…

 

受付「おまたせしました。こちらへどうぞ。」

 

そうして、受付の人に案内されて、応接室に向かった。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

応接室

 

廻「失礼します。」

 

応接室に入ると、一人の女性がいた。

 

?「どうぞ、おかけください。」

 

席につくとすぐに本題に入った。

 

赤坂「私が真人くんの担当だった、『赤坂(あかさか)』です。それで、今日は何を聞きたいんですか?」

 

廻「実は、小さい頃の真人くんのことを知りたいんです。」

 

赤坂「小さい頃の真人くんですか…」

 

廻「何でもいいんです、どんな子だったかとか。」

 

赤坂「そうですね、大人しい子でしたよ。」

 

今とは正反対だな…

 

赤坂「けど、個人的な感想ですけど、『愛に飢えていた』感じはしましたね…」

 

廻「『愛に飢えていた』?それはどんな風にですか?」

 

赤坂「実は真人くんの実父は浮気して離婚したんです。で、真人くんがここに来た理由は実母からの虐待なんです。」

 

赤坂「で、他の子の母親が会いに来ているときに、真人くんがよく甘えに行く姿が見られたんです。」

 

廻「親からの愛が分からないからそれを他の親に求めてるんですね。」

 

赤坂「はい。そうだと思います。」

 

特に小さい頃に虐待なんて受けてたらそうなる可能性は高いだろうな…

 

赤坂「あー、それと引き取りに来た藤井さんのお母さんにもよく懐いてましたね…」

 

廻「そうですか…。」

 

赤坂「その姿を見て、藤井さんの夫がひきることを決めたみたいですよ。実子の輝樹くんともとても仲良くしてましたよ。今も仲良くしてますか?」

 

!? それは今とは全然違うな…

 

廻「実はその二人のことなんですが…」

 

そこで、今の二人の関係を話した。

 

赤坂「!そ、そんなことが…。それは本当なんですか?」

 

廻「僕たちは実際に見たわけではないですが、学校でも二人が喧嘩してるのを聞いた人がいるみたいで…」

 

赤坂「そんな…あのときは仲良くしてたのに…一体何が…」

 

廻「それは、まだわからないです。」

 

それに、智子さんも輝樹くんに冷たいからな…

本当にあの家族の間に何があったんだ?

 

廻「今日は話しを聞かせていただいてありがとうございました。失礼します。」

 

赤坂「はい。また何か聞きたいことがあったらいつでも来てください。」

 

取り敢えず、今日のところは施設を後にした。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

数分後

 

弘人「まだ時間があるな。どうする?」

 

廻「そうだな…。坂峰高校に行ってまた聞き込みしてみるか。」

 

弘人「分かった。じゃ、早速行くか。」

 

 

 

坂峰高校

 

廻「じゃ、手分けしてやるぞ。何かあったら連絡しろよ。」

 

弘人「了解。」

 

そうして灯と俺、弘人と玲央に別れて情報収集に向かった。

 

 

灯「で、どこから調べるの?」

 

廻「そうだな。まずは、教室に残っている生徒から話しを聞いてみるか。」

 

この時間ならまだ生徒が教室に残ってそうだからな。

 

そうして、教室の生徒に話しを聞きに行った。

だが……

 

灯「何も聞けないね…」

 

廻「そうだな…」

 

思ったよりも、真人くんたちのことを知っている人がいなかった。放課後だから帰宅した生徒や部活に行った生徒もいるから知っている生徒がもう学校にいないのかもな…

こんなことならもうちょっと早くに来れば良かった…

 

そんなことを考えていたときだった。

 

生徒A「てかさ、今思い出しても怖いよな…」

 

生徒B「お前そればっかだな。」

 

生徒A「けど、本当に怖かったんだって…輝樹と真人のやつ。」

 

灯「君たち、ちょっと待って!」

 

生徒B「はい、なんですか?」

 

灯「ねえ、君たちちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな?真人くんのことなんだけど…」

 

灯がそういうと、嫌そうな顔をした。

 

廻「さっき『輝樹と真人』って聞こえたんだけど、知ってること教えてくれないか?」

 

灯「おねがい!真人くんのことが知りたいの。なんでもいいから教えてくれない?」

 

そういうと渋々といった感じだったが、話してくれることになった。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

灯「それで、改めて聞くけど、君たちは何を知ってるの?」

 

生徒A「俺たち、この前あいつらのお母さんと話してたんです。」

 

灯が聞くと生徒が話し始めた。

 

生徒A「何か学校に用事があったときに、偶然会ったから話してたんです。」

 

流石は美人ママだ。生徒にも積極的に声をかけられてるみたいだな。

 

生徒B「そのときに後ろから二人に呼び止められたんです。」

 

そうして、その時のことを詳しく話してくれた。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

数日前 坂峰高校

 

生徒A『あれ、真人のお母さんですね!?』

 

智子『そうだけど、あなたは真人のお友達かな?』

 

生徒B『はい!』

 

智子『そうなのね、これかも仲良くしてね。』

 

生徒A『どっか行くんですか?案内しますよ?』

 

智子『ありがとう。でも、大丈夫よ。学校にはよく来てるから迷ったりしないから』フフッ

 

生徒B『そうですか。けど、何かあったら声かけてくださいね。何でも手伝いますから。』

 

智子『頼りになるわね。』

 

そうやって話しているときでした。

 

真人『母さん、何やってるんだい?』

 

智子『あら、真人。それに、輝樹も。いたなら話しかけてくればいいのに…』

 

輝樹『あんまりにも、仲良く話してたから話しかけづらくて。用事があるなら早く行かないと。』

 

智子『そうね。じゃ、君たちまあね。』

 

生徒A『あ、はい。…行っちゃったよ。もう少し話したかったのにな…』

 

そうして、僕たちも帰ろうとしたときでした。

 

真人・輝樹『『…おい』』

 

二人に急に掴まれてそのまま壁に押し倒されたんです。

 

生徒B『な、なんだよ!』

 

真人『てめー、気持ち悪いんだよ。人の母さんに色目使ってんじゃねえよ…』

 

生徒A『ま、待てよ!俺たちそんなつもりは…』

 

輝樹『なかったっていいたいのか?嘘つくなよ、いつもとちがう態度と声で接しやがってよ。』

 

真人『もう、母さんに近づくな。今回は見逃してやる。けど、コンドあったら分かるな?』ギロッ

 

生徒A・B『『は、はい!すみませんでしたー!!』』

 

そのときの睨みつける視線が怖くて二人で走って帰りました。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

廻「そんなことが…」

 

生徒B「あれから怖くて二人にも話しかけてないです…」

 

まあ、そんなことがあれば話しかけれないよな…

 

生徒A「けど、俺たち以外にも同じ目に合っててやばいよな…」

 

廻「ん?君たち以外にも同じような目にあった人がいるのかな?」

 

生徒B「はい。僕たち以外にも真人たちのお母さんと関わりを持とうとしたり、楽しげに話していると、あとからあの二人がきて脅してくるんです。女性だとなんともないんですけど、男性だと、絶対に脅して来ますね…」

 

廻「えっと、ごめん。言い方が悪いけど、二人はいわゆる『マザコン』ってやつですか?」

 

生徒A「あー、一時期そんな噂も流れたな…。ま、今は噂はほとんど消えてますけど…」

 

灯「消えたって何で?」

 

生徒B「女子生徒とは仲がいいから、それで消えたんだと思います。まあ、それでも男性の間ではマザコンってのは消えてないですけどね。」

 

男性と女性の間では噂が半々って感じか?

 

生徒B「けど、生徒は脅されるだけで済んでいいほうですよ。真人のお母さんを口説こうとした男性教師なんて事故にあったり、急に別の学校に移動になったりして不幸になってるから。」

 

灯「え?それも、もしかしてあの二人が?」

 

生徒B「まあ、証拠とかはないですけど、『二人がどうにかしてやったんじゃないか』って噂ですよ。」

 

まあ、智子さんを口説こうとした人が次々に不幸になってたら、二人を疑いはするよな…

 

生徒A「あの、もういいっすか?俺ら帰りたいんですけど…」

 

灯「うん、ありがとうね。」

 

廻「…さて、いろいろと新しい情報が手に入ったな。」

 

灯「そうだね…。あ、もういい時間だから二人と合流しない?」

 

廻「そうだな。」

 

そうして、二人と連絡を取り合流した。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

数分後 弘人の車の中

 

廻「で、お前のほうの情報は集まったか?」

 

俺たちは弘人の車の運転で帰っていた。で、今はお互いの情報を交換しているところだ。

因みにだいたい、車を出してくれるのは弘人だ。いつも助かっている。

 

弘人「バッチリだ。そっちは?」

 

廻「あぁ、俺たちもいい情報が聞けたよ。じゃ、まずは俺たちの話しからするか。」

 

弘人「頼む。」

 

そうして、俺たちが生徒から聞いたことを話した。

 

弘人「ふーん…要するに二人とも『お母さん大好きっ子』ってわけだ。」

 

廻「そうみたいだな。けど、気になるのは男性教師が次々と不幸になってることだな…」

 

灯「そうだよね…。とても高校生ができる範囲を超えてるよね…」

 

誰かが裏にいる?そして、そいつが真人くんを誘拐したってことか?

…何にしても証拠がなさすぎる……

 

廻「で、そっちはどうだったんだ?」

 

弘人「俺たちもだいたいお前らが聞いた話しと同じだな。真人くんも、輝樹くんも、少しでもお母さんと仲良くする人を見つけては脅してたらしい。」

 

玲央「…けど、一つだけ違うのは、暴行事件を起こしていたみたいだ。」

 

廻「そうなのか?」

 

弘人「あぁ、一回だけな。前に智子さんが、不良生徒に絡まれたことがあったみたいだ。勿論、智子さんも抵抗して逃げようとしたけど、数人いたから押し倒されたみたいだ。」

 

弘人「で、そのときも真人くんたちがきて、不良生徒と乱闘騒ぎを起こしたみたいだ。」

 

灯「で、どうなったの?」

 

弘人「けど、それがただの喧嘩で済まなくなってな、輝樹くんが刃物を持って、不良生徒にまあ、相当な怪我をさせてたみたいだ。」

 

刃物って…。いつも、身につけてたってことか?だとしたら、やばいやつだな…

 

廻「けど、よくそんな事件が大事にならなかったな?」

 

弘人「そこは、示談で済ませたらしい。学校側も大事にしたくないから、示談で済ませようとしてたみたいだ。」

 

灯「けど、その怪我されられた生徒の親は怒ったんじゃないの?」

 

弘人「それがまあ、運が味方したというかなんと言うか…。その不良生徒の親も不良生徒の問題行動を日頃から良く思ってなかったのと、未遂とはいえ智子さんを襲おうとしたことが恥ずかしてく表に出したくないから、大人しく示談に応じたみたいだよ。まあ、言い方が悪いけど親に見放されてたみたいだな。」

 

それは、運がよかったって言っていいのか?

まあ、物は言いようだけど…

 

弘人「けど、まあこうして話しを聞いて見ると、お母さんが大好きなのもあるけど、何か『守ろうとしてる』ようにも見えるな…」

 

廻「まあ、見方によってはそう見えるな…」

 

灯「けど、だからってあそこまでお母さんに男性を近づけたくないものかな?」 

 

弘人「まあ、中高生なんて難しい年頃だから、親の再婚なんて反対したいんじゃない?それが知ってる人から尚更でしょ。俺は親の再婚相手が同級生や同じ学校の先生なんて嫌だけどな。」

 

灯「確かにそうだけどさ…」

 

廻「まあ、取り敢えず明日また智子さんに家に行ってみよう。また何か分かるかもしれないから。」

 

弘人「そうだな。」

 

 

 





事件メモ
・真人の担当だった、赤坂によると、小さいときは真人と輝樹は仲が良かった。そして、真人は『愛に飢えていた』らしい。
・坂峰高校の生徒によると、少しでも智子と仲良くしようとしている男子生徒や男性教師は、脅されたり、次々と不幸な目にあっている。

以上です。

次回予告
真人がいた施設と高校の生徒の証言から、少しずつ二人のことが分かってきた廻たち。
そして、再び智子がいる家を訪れるようだが?

それではまた次回お会いしましょう!

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