前回のあらすじ
施設で引き取られる前の真人の様子や生徒から新たな情報を得れた廻たち。この事件の真相に徐々に近づいてきたようだ。
それでは本編どうぞ!
翌日 藤井家
灯「着いたね…」
廻「あぁ…」
今度は何か手がかりを見つけれるといいんだけどな…
ピンポーン
智子「…はい。」
インターフォンを押すと、智子さんがすぐに出てきた。
けど、真人くんのことがあってか、前あったときよりも元気がなかった。
廻「何回もすみません。また真人くんのことについて知りたいと思って来ました。」
智子「私は何も知りませんよ。」
廻「では、真人くんの部屋を見せてもらうことってできますか?何か手がかりがあるかもしれないので…」
智子「…どうぞ。」
何とか部屋に入れてもらうことは成功したな…
後は何か手掛かりがあるといいんだが…
智子「…真人の部屋はここです。帰るときにまた声をかけてください。」
そういうと智子さんは一階に降りていった。
廻「さて、やりますか。」
そして、真人くんの部屋を探し始めた。
数分後…
弘人「…あれ、これ変じゃねえか?」
弘人の声に、俺たちが一斉に振り向く。
廻「何がだよ。」
弘人「ほら、これ。」
そうして、弘人が指差す先をみる。
廻「確かにこりゃ変だな…」
その先には、コンセントが明らかに外されている跡があった。
玲央「…ちょっと見せてみろ。」
そう言って玲央がコンセントをいじり始める。
廻「…あれ?玲央って機械系も専門なのか?」
玲央「少しだけな。」
弘人「で、どうだ。何かあったか?」
玲央「これ見ろ。」
そう言って、玲央が一つの機械を見せてくる。
灯「もしかして、これって!」
玲央「盗聴器だな。」
マジか…。
玲央「…だとすると…」
玲央がそう言って動き出す。…まだ何かあるのかよ…
玲央「…やっぱり。」
そうして、玲央が指差す。その先には…
弘人「…今度はカメラかよ。」
そう、盗撮カメラが仕込まれていた。見つからないように工夫されている。
弘人「考えたくないけど、これって他の場所にもつけられてるんじゃないか?」
玲央「…多分な。」
廻「多分、仕掛けたのは犯人だろうな。弘人と灯は智子さんに説明してくれ。俺と玲央で他の場所も見て見る。」
灯「分かった。」
そうして、二人は智子さんに説明しに行った。
そして俺たちは隣の輝樹くんの部屋に入った。
盗聴器とカメラの件は玲央に任せて、俺は輝樹くんの部屋を探索することにした。
そして…
廻「ん、なんだこれ?」
そこには、SDカードがあった。それも凄い巧妙に隠されていた。まず普通には気づかないな。
まあ、持っていくか。
玲央「…どうやら、この部屋にはないみたいだ。」
廻「じゃ、次だな。」
そうして、次々と部屋を調べていた。
数分後…
廻「これで、後はリビングだけだな。」
そうして、リビングに入ったときだった。
灯「さ、智子さん!」
部屋に入ると、智子さんが倒れていた。
廻「おい、どうしたんだよ!?」
灯「そ、それが、盗聴器のことを話してたら急に倒れちゃって…」
廻「とにかく救急車を!」
そんなことをはなしていたときだった。
輝樹「母さん!!」
丁度、輝樹くんが帰ってきた。
輝樹「一体何があったんですか?」
弘人「それが、この家に盗聴器が仕掛けられてたんです。」
輝樹「…盗聴器?」
灯「はい。そして、そのことを智子さんに話したら倒れたんです。これから救急車を呼ぼうとしてたところです。」
輝樹「いいかげんにしろよ!」
廻「!」
俺たちは輝樹くんのいきなりの豹変ぶりに驚いた。
輝樹「勝手に部屋を漁って盗聴器だあ?ふざけんじゃねえ!」
智子「輝樹!私はだ、大丈夫よ…」
輝樹「けど…」
智子「いいからほっといて!」
その気迫に押されて俺たちはもう何も言えなくなった。
そして、気まずくなりそのまま帰ることになった。
‾‾‾‾‾‾‾‾‾
数分後
弘人「いきなりビックリしたな…」
廻「あれは完全に俺たちが仕方ねえだろ。それに、盗聴器を発見して智子さんを不安にさせたのは事実だからな。」
誰だっていきなり自分の家に「盗聴器が仕掛けられてます」なんて言われたら、不安だしな。
廻「…あ、結局リビングだけ確認できなかったな…」
弘人「そんなの後でもできるだろ。」
灯「けど、いつでも盗聴されてるんだよ?危なくない?」
玲央「…それに、見たところリビングにも盗聴器もカメラもある。」
そうか…リビングにもか…本当に一体誰が?…
ん?…
灯「廻?」
廻「あー、悪い。考え事してた。」
弘人「じゃ、今からでも行ってみるか。」
そうだな。気まずいけど仕方ないな…
灯「けど、輝樹くん帰ってくるタイミング良かったよね。学校じゃなかったのかな?」
弘人「忘れ物でもして帰ってきたんじゃないの?」
そう言えば今日は平日か……
…あれ?
灯「何か気になってるの?」
廻「まあな。」
ま、ここで考えても仕方ねえか。
「あら、あんたらまた来たのかい?」
気がつくと、目の前にあのおばあさんがいた。
「また、藤井さんとこのこと調べにきたのかい?」
廻「えぇ、まあ…」
「何をしてるかは知らないけど、あんたらも大変だねぇ。」
廻「まあ、そこは俺たちが好きでやってるので…」
「そうかい。まぁ、頑張りな。…あぁ、そうそう、藤井さんとこのと言えば…」
これはどうやらまた何か情報を知ってそうだな。
灯「何か思い出したんですか?」
「ここ最近夜に出かけてるのは話したよね?」
廻「はい。」
「実は、その時に何でか『コンビニで買った物』を忘れているようなの…」
『コンビニで買った物』?なんだそれは?
廻「それって中身まで見れましたか?」
「んー、暗いからね…よくは見えなかったけど、『食べ物や飲み物』をいくつか持ってるのは見えたけどねぇ…」
『食べ物や飲み物』?一体何でそんなものを?
「あー、それと何日か前に『ガラの悪い連中と数人でどっかに行くところ』を見たねぇ…。見たのはその一回きりだけどねぇ…」
廻「『ガラの悪い連中』ですか?」
「あぁ。車に何か荷物を積んでどっかに行ってたよ。」
廻「そうですか。」
「これがなにかの役に立つかはわからないけど、頑張りな。」
廻「はい。いろいろ聞かせてくれてありがとうございました。」
そうして、おばあさんは歩いて行った。
弘人「で、リビングにある盗聴器を取りに行くんだろ?早く行こうぜ。」
廻「…いや、やっぱり辞めよう。」
灯「え!ど、どうして!?」
廻「…まだ確かな理由や証拠がないから何も言えないけど、一つだけ言うなら、犯人は意外な人物かもしれないってことだ。」
灯「?どういうこと?」
廻「ま、そのうち分かるよ。あ、そうだ。玲央、一つ頼みたいことがあるんだがいいか?」
玲央「…内容を聞かないとなんにも言えない…」
廻「実は…」
そうして、玲央だけに聞こえるように頼み事を伝える。
玲央「…なるほど。それぐらいなら明日までには調べれる。」
廻「そうか、助かる。」
結果は明日だな。
廻「取り敢えず今日は遅いから帰るか。」
弘人「そうだな。」
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同日夕方 春田家
廻「ただいま。」
綾「あ、おにい!お帰り!」
こいつは、「春田綾(はるだ あや)」。俺がお世話になってる春田家の長女だ。小学3年生で、俺のことを「おにい」と言って慕ってくれている。
…まあ、本人的には慕っているというよりは別の感情もあるみたいだけどな。
実「あら〜、廻くん。お帰りなさい。今日は遅かったわね。」
この人は、「春田実(はるだ みのり)」。この春田家の夫婦のお母さんだ。俺のことも実の子供のことのように育ててきてもらった。
廻「すみません。最近またやっかいなことに巻き込まれていて…」
実「あら~、そうなの。大変ねぇ…。無茶だけはしないようにね。」
廻「はい、分かってます。」
大輝「何だ、お前また面倒事に巻き込まれたのか?(笑)」
廻「…笑い事じゃないですよ……」
この人は「春田大輝(はるだ だいき)」。春田家を支えている大黒柱だ。実さんと一緒に俺をここまで育ててくれた恩人だ。
大輝「ま、そのことは食事を食べながらでも聞こうじゃないか!」
…話すことでもないんだけどな……
数分後
大輝「そうか。今度は人を探してるのか。警察に連絡は?」
廻「それが、依頼してきた人から『警察に言わないように』って言われてるんです。まぁ、一応犯人が見つからなかったら警察に言うようには言ってるんですけどね。」
まあ、何かしら理由があるんだろうけどな…。
大輝「ふーん。まあ、本人が「警察に言いたくない」ってなら守らないと行けないけど、気になるな…」
大輝さんは元警察官だったからこういうことも気になるのかもな。理由があって今は別の仕事をしているらしい。
廻「やっぱりそこ気になりますよね…」
大輝「まあな。何にせよ、「理由を言いたくない」ってのは後ろめたい理由がありそうだな。」
廻「そうですね。」
実「二人ともそういうの話すのはいいけど、ほどほどにねえ〜。特に大輝さんはもう警察じゃないんですから。」
大輝「そうだな。」
実さんにそう言われて俺たちは食べることに集中しだした。
綾「ところでおにい。」
廻「何だ?」
綾「……最近灯ねぇとはどうなの?」
廻「どうってなにがだよ?」
いきなり何を聞いてんだよ綾は…
綾「何もないならいいの。」
廻「?…なんなんだよ…」
大輝「そう言えば廻、この前もいろいろあったみたいだな。」
この前って言ったらD4FESの事件か。
廻「D4FESでのことだろ。まあ、確かにいろいろありましたよ。それがなにか?」
無事に解決したけどな。
大輝「いや、結構いいホテルに泊まったんだろ?」
廻「そりゃ、まあそれなりには。」
大輝「いいよな、俺も泊まりたかったよ。」
廻「そんなこと言うなら夏休みの間に家族旅行でもしてたらいいじゃないですか。」
大輝「そうしたかったけどな…誰かさんが東京に行ったせいでな…」
完全に拗ねてるな…
実「あなた、大人げないわよ〜。それに、あなたが『廻も家族だから行くなら一緒に行く』って言って行かなかったんでしょ?」
大輝「まあ、大人げなかったな。すまなかった。」
一旦解決したところでお茶を飲んでいたときだった。
綾「ホテル……あー!おにい!もしかして、灯ねぇと一緒の部屋に泊まったんじゃないでしょうね!」
廻「!!」ブハ!!
大輝「おい、廻!」
廻「ゴホゴホ ご、ごめんなさい。…綾、お前いきなり何言うんだよ!」
いきなり変なこと言いやがって。
綾「なにその反応!ま、まさか本当に灯ねぇと…」
廻「んなわけあるか。」
そう綾は、俺が言うのも何だが、俺ことが好きすぎるのだ。多分今だけの一時的なもので将来的にいい人と出会ったら俺のこと何て忘れると思うんだけどな……多分。
廻「ごちそうさまでした。お風呂に入ってきます。」
大輝「その前にこれを片付けろ。」
廻「…そうでした。」
そうしてぶちまけたものを片付けることにした。
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同日夜 春田家 廻の部屋
そうして、あれから風呂に入ってから今は自分の部屋でゆっくりしている
廻「さてと、輝樹くんの部屋にあったこの『SDカード』の中を見てみるか…」
数分後…
廻「…」
結果から言うとSDカードにはある映像が入っていた。しかし、それは俺の想像の斜め上をいくものだった。
廻「(何でこれを輝樹くんがこれを持ってるんだ?)」
仕掛けたのは輝樹くんなのか?一体何の目的で?
廻「…まあ、何にせよ信条さんに盗聴器と盗撮カメラを渡してるからそれから何か分かるといいんだがな。」
実「廻くん、まだ起きてるの?早く寝ないと明日起きれないわよ〜?」
廻「もう寝ますよ。」
そうだな、明日も早いし今日はもう寝るか…
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翌日 音楽スタジオ「TRY」
廻「で、玲央どうだった?」
玲央「…廻の考え通りだった。」
廻「やっぱりか。」
灯「一体何を頼んだの?」
廻「後で話してやるよ。」
灯「もー!またそうやってごまかす…」
廻「別にごまかしてるわけじゃねえよ。その時が来たら教えるよ。」
今は話すべきときではないな…
弘人「で、今日はどうするんだ?」
廻「そうだな…。そろそろ、真人くんの居場所の手掛かりが見つかるといいんだが…」
灯「じゃあ、また学校に行くの?」
廻「そうするつもりだ。…あれ?電話だ。信条さんからか。」
何か分かったのか?
廻「もしもし?」
信条『廻か。藤井さんのことなんだけどな。』
廻「何か分かったのか?」
信条『兄の真人のことだけどな。あの子、養子縁組の手続きをやってないことがわかった。』
廻「てことは、戸籍上は親子じゃないってことか。」
信条『そうみたいだな。』
あれだけ小さい頃から一緒に暮らしてるのに、養子縁組はしてないのか…一体なんでだ?
廻「それって何か理由があるのか?」
信条『そのことなんだけどな、何故か真人くん本人が養子縁組になることを拒否してるみたいだ。』
何だそれ?親子にはなりたくないってことか?
けど、今まで聞いてきた話しだと智子さんを嫌ってるようには思えないけどな…
信条『あと、もう一つの盗聴器と盗撮カメラの鑑定終わったぞ。』
廻「そっちはどうだった?」
信条『指紋が発見されたよ。全部同じ指紋だ。誰が仕掛けたかが分かればすぐに犯人が特定できるだろうな。俺が話せることは以上だ。』
廻「そうか。」
そうして電話を切ろうとしたときだった。
信条『…あ、すまん。まだあった。』
廻「まだ何かあるのか?」
信条『関係あるか分からねえけど、智子って人妊娠してるぞ。誰の子かはわからないけどな。』
廻「そうなのか?」
それは初耳だな…。
信条『あぁ。俺も近くで聞き込みをしたところいろいろ聞けてな。そこで病院で見たっていう目撃情報があったから調べたら産婦人科を受診しててな。話しを聞いたら妊娠してたんだと。今は4ヶ月目だそうだ。』
4ヶ月目か…結構経ってるな…
……ん?何か引っかかるな…
信条『それとな、二人は最近は智子さんのことで近所に聞こえるぐらいの大声で喧嘩してたみたいだ。』
二人で?一体なんで?
信条『で、これが本当に最後なんだが、最近あのへんで変な騒動があってるみたいだ。』
廻「『変な騒動』?なんだそれ…」
まだ何か事件があったのか?トラブル続きだなあのへん…
信条『なんでも最近物置小屋で物音がするんだとさ。』
廻「何だそんなことか…」
対して重要な情報とは思えないな…
信条『まあ、俺も重要とは思ってはないけどな。古いし誰も近づかない所で音がするからあの近隣の人は怖がってるみたいだな。幽霊がいるとでも思ってるのかね…』
物置小屋…古い…
廻「…信条さん、その物音っていつから聞こえてくるようになったか分かるか?」
信条『ん?あー、確か一週間前からって言ってたぞ。それがどうした?…お前まさか、幽霊がいるとでも思ってるんじゃないだろうな?』
廻「まさか。俺も信じてないよ。それにいるのは『幽霊』ではないよ。」
俺の考えが正しければな…
信条『何か知らないが俺からはもう言うことはないぞ。廻からは何かあるか?』
廻「明日には解決するからいつもどおり来てもらっていいか?」
信条『分かった。じゃあな。』ピッ
さて、いつもどおりにやりますか。
俺は耳にヘッドフォンを当てる。
弘人「お、きたな。」
『一週間前から…』『物音が…』『SDカード、盗聴器、盗撮カメラ…』
『美男美女…』『二人で喧嘩』
なるほどな…
考えがまとまったのでヘッドフォンを外す。
廻「真実が繋がった!」
後は、明日を迎えるだけだな。
事件メモ
・藤井家に盗聴器と盗撮カメラが仕掛けられていた。
・映像が入ったSDカードが輝樹の部屋にあった。
・最近輝樹は夜に外出している。
・真人は養子縁組の手続きをしていない。
・最近物置小屋で音がするらしい。
以上です。
次回予告
事件の真相が分かった廻!一体真人はどこにいるのか?そして無事なのか!?
それではまた次回お会いしましょう!