俺たちと謎と青春と S2   作:ちゃんま2

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前回のあらすじ
藤井家で盗撮カメラと盗聴器、そして輝樹の部屋から謎のSDカードを手に入れた廻。そこには衝撃の映像が映っていて?
さらに信条の協力でついに事件の真相にたどり着いた!

それでは本編どうぞ!



愛の行方は… その5

 

翌日 音楽スタジオ「TRY」

 

灯「で、真人くんがいる場所が分かったんだよね?早く助けにいかないと!」

 

廻「早く真人くんの安否を確認したいのは分かるけど落ち着け。」

 

そう言って灯を落ち着かせる。

 

廻「それに正確には『俺は』分からないからな?」

 

灯「?…え?どういうこと?」

 

廻「まあ、簡単に言うとわかっている人に案内してもらうんだよ。」

 

弘人「何言ってるかは分かんねえけど、犯人は分かってるんだよな?」

 

廻「そうだ。ま、今から行くか。」

 

そうして信条さんに連絡してから俺たちは移動した。

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

数分後 藤井家

 

智子「…それで今日はなんのようですか?」

 

今日も不機嫌そうな表情で対応される。

ていうか、元はと言えばこの人が俺たちに依頼してきたんだけどな…

 

廻「今日はご報告に来ました。」

 

智子「報告?なんのですか?」

 

廻「無事に真人くんを見つけることができました。」

 

智子「ほ、本当なの!?」

 

廻「えぇ。」

 

智子「どこにいるの?迎えにいかなきゃ!」

 

廻「落ち着いてください。必ず真人くんをここに連れてきますから。それに今はあなたは無茶はできないはずですよ?」

 

智子「それってどういう?…」

 

廻「新しい命、と言えば分かりますか?」

 

智子「!? いつそのことを!?」

 

廻「ちょっと知り合いに調べてもらいました。そして、これから説明することはあなたにはかなりの負担をかけます。聞かないほうがいいですよ。」

 

智子「…分かりました。」

 

よし、智子は納得してくれたな。

……さて、そろそろ動き出した頃かな?

 

廻「じゃ、俺たちはもう行きますね。」

 

智子「はい…」

 

廻「…あ、最後にもう一つだけいいですか?」

 

智子「なんですか?」

 

廻「輝樹くんのことなんですが…」

 

智子「何で輝樹が?」

 

廻「まあ、それは置いといて。輝樹くん、最近何か『探しもの』してなかったですか?」

 

智子「…そういえば、『SDカード』がなんとかって言って家中探し回ってましたね。それがなにか?」

 

廻「そうですか。ありがとうございます。では失礼します。」

 

智子「…」

 

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

同日 某所

 

?「ッチ。まさか気づかれるなんてな。」

 

ある場所で刃物を持った人物がいた。

 

?「ンー!、ンー!!」

 

そしてもう一人。口にテープを巻かれた男がいた。

 

?「けど、これで最後だ。…なあ、真人兄さん…」

 

刃物を持った人物が真人に近づきテープを外していく。

 

真人「バカなまねはやめろ、輝樹!」

 

輝樹「…」

 

真人「こんなことしたって何も変わらないぞ!」

 

輝樹「『何も変わらない』?そうだろうなぁ、お前が俺から全部奪ったんだからな!」

 

真人「わ、分かった!今までのことは謝る。だから!」

 

輝樹「フッ。もう遅いんだよ!」

 

そこで輝樹が刃物を真人に刺そうとして手を振りかざす。

 

真人「ッ!……?」

 

しかし、その刃物が真人を貫くことはなかった。

 

廻「ギリギリ間に合ったな…」

 

廻がギリギリのところで輝樹の腕を掴んでいた。

 

輝樹「てめぇ…!」

 

弘人「大丈夫か!?」

 

あとから入ってきた弘人たちが真人を輝樹から引き離す。

 

廻「っと、これは没収だ。」

 

そして、廻が輝樹から刃物を奪う。

 

輝樹「…なんでここがわかった?」

 

廻「最近のこのあたりでこの物置小屋から『物音がする』って話しがあったのと、君のこの投稿からだね。」

 

そうして、例の『裁きのとき』と書かれて物置小屋の写真と一緒に投稿されたものを見せた。

 

廻「そして、一週間前以上にもう一つ投稿をしていた。それは、お金で釣って複数人を呼び集めていた。これも俺の仲間に調べてもらったよ。」

 

灯「あ、そのことを玲央に調べてもらってたんだ!」

 

そういうことだ。

 

廻「で、物音がするようになったのは一週間前、そしてそこの真人くんが行方不明になったのも一週間前…。輝樹くん、真人くんを誘拐したのは君だね。」

 

輝樹「…ふん、そうだよ。よくわかったな。」

 

もう逃げられないと悟ったのか輝樹くんはすんなりと認めた。

 

智子「輝樹、どうして!?」

 

廻「智子さん、どうしてここに?」

 

智子「やっぱり私も何があったか知りたいからです。」

 

廻「…想像以上にあなたの体に負担をかけるかもしれませんよ?」

 

智子「はい。覚悟はできてます。」

 

廻「分かりました。」

 

智子「それであなたはなんでこんなことをしたの!」

 

廻「…それは智子さん、あなたが関係してるんですよ。」

 

智子「私が?」

 

智子さんが覚悟を決めたんだ。俺も全てを話すか。

 

廻「事は数年前に遡ります。まだ真人くんが施設にいたころです。お父様が慈善事業をしていて真人くんを引き取ることになったんですよね?」

 

智子「はい、そうですけど…」

 

廻「そうして、真人くんを引き取ることになったんですけど、一つ真人くんが抱える問題があったんですよ。」

 

灯「問題って?」

 

真人「…」

 

廻「『愛に飢えていた』。施設にいた頃の真人くんの担当の人から聞きました。他の保護者や智子さんによく甘えに行ってたとか。親からの愛情を全く受けてこなかったから、その反動でしょうね。」

 

灯「それが今回のことと、どう繋がってくるの?」

 

廻「それは二人の、真人くんと輝樹くん、そして智子さんの3人の関係だよ。」

 

そもそも今回の事件はこの関係が変わったことから始まる。

 

廻「小さい頃は二人は仲が良かったみたいですね?これも施設の人から聞きました。」

 

智子「はい、喧嘩もあんまりなくて本当の兄弟のようでした。」

 

そうここまで良かったんだ。ここまではな…

 

廻「けど、高校に入学した頃から関係は変わってきます。ここから二人が喧嘩をするようになったんですよ。」

 

これは近所の人や生徒からも聞いたことだ。

 

廻「そして、智子さんに近寄ってくる異性を二人で徹底的に排除してきた。そうですよね?」

 

俺は二人の方を向いて質問する。

 

真人「…そうです。」輝樹「そうだよ!」

 

やっぱりか…

 

廻「智子さんによってくる異性の生徒、教師、独身の保護者が近づいてくるたびにそうしてたんでしょう。智子さんは美人だからほいほいと男がよってきますからね。」

 

おそらく、告白した先生たちを脅してたのもこの二人だろうな…

 

灯「けど、どうしてそこまでするの?」

 

そうだな、ここらへんで核心を突くか。

 

廻「それは、二人が智子さんを好きだからじゃないですか?勿論、母親としてじゃなくて、一人の女性としてですよ。」

 

「「!!!」」

 

俺がそういうと周りの人たちがざわつき始めた。

まあそうだろうな。けど、これが真実なんだよ。

 

廻「つまり、今回のことは二人のその愛で起きた事件なんですよ。」

 

弘人「けど、そうだとして何で真人くんを誘拐することに繋がるんだよ?」

 

廻「おそらく二人は互いにこの愛が許されないことを知っていながらも、智子さんのことを諦めることができなかった。」

 

それは同級生の告白を断っていることで信憑性が増すな。

見たところ二人ともイケメンの部類に入るからな。俺からの目線だが。

 

廻「二人の間には暗黙のルームがあったんじゃないですか?『好意は伝えない』とかですかね。で表向きは頼れる母親として接していた。けど、ある日それが破られたんですよ。」

 

弘人「つまりその暗黙のルールを破ったから真人くんが輝樹くんに誘拐されたんだな?けど、誘拐するって一体何をしたんだよ?」

 

真人「…」

 

そうして弘人が真人くんの方を見るが、何も答えようとはしない。

…まあそうだろうな。

 

廻「…ここでは言いたくないけど、智子さん聞きますか?」

 

一応智子さんに確認する。

 

智子「はい。」

 

廻「分かりました。では、続きを話します。」

 

廻「実は、藤井家に盗聴器と盗撮カメラが仕掛けられたんですよ。何故か輝樹くんの部屋からはどちらも見つかりませんでした。」

 

灯「てことは?」

 

廻「そう、仕掛けたのは輝樹くんだろうな。で、それとは別に輝樹くんの部屋でSDカードを見つけたんですよ。」

 

そうしてSDカードをポケットから取り出す。

 

輝樹「!てめえが持ってたのか!」

 

廻「まあ、部屋を探したときにちょっとね。で、実はこの中身なんですが……」 

 

灯「?廻どうしたの?そんなにやばいものだったの?」

 

廻「まあな。」

 

ここまで来たら言うしかないか……

 

廻「この中にある映像は、智子さんあなたの情事の動画が映してありましたよ。それも真人くんとのね。」

 

弘人「はぁ!お前それ見間違いじゃないのか!?」

 

廻「間違いないよ。はっきりこの目で見た。」

 

灯「け、けどなんで!?血が繫がってないとはいえ親子でしょ!?」

 

廻「理由までは分からねえよ。けど、これが二人の暗黙のルールを破ったってことですよ。」

 

弘人「って、ま、まさか!?」

 

やっと気づいたか。

 

廻「そう。二人はこうして恋仲になったわけだ。当然それには輝樹くんが黙っているわけはない。問い詰めたはず。けどそれで納得できない輝樹くんは真人くんを誘拐することを計画して今回の事件を起こしたわけだ。」

 

廻「これが事件の真相ですよ。」

 

要するに輝樹くんの嫉妬で起きた誘拐ってことだな。

 

灯「けど、今日までなんで生かしておいたの?」

 

まあ、普通じゃまなら始末するよな…

 

廻「そこは、最後の理性で抑えていたんじゃないのか?」

 

輝樹「そうだよ。それに、一応兄弟だったからな。」

 

弘人「『だった』?」

 

輝樹「真人、お前俺が気づいてないとでも思ったか!てめえ養子縁組の手続きしてねぇんだろうが!だから親子でもねぇ!だからそれを逆手にとって母さんに近づいてやったんだろ!」

 

真人「ッ!!」

 

輝樹「は!図星か!」

 

なるほど、だから真人くんは養子縁組の手続きを拒否してたのか。

 

智子「やめて!」

 

輝樹「何だよ!やっぱり母さんは輝樹をかばうのかよ!母さんは俺だけの母さんだろ!何でだよ!」

 

智子「ごめんなさい。本当は知ってたの」

 

輝樹「え?」

 

智子「二人が私を女として見てたことに。そりゃ長く一緒に生活してたら嫌でも分かるわよ…」

 

真人「!」

 

この反応、真人くんもそれは知らなかったのか…

そう言えばさっき智子さんだけ驚いてなかったな。知ってたのか…

 

灯「じゃあなんで?」

 

智子「言えばよかったの?二人に『私を女として見てるの気づいてるよ』って」

 

灯「そ、それは…」

 

普通言えないよな…

 

智子「だから黙ってたの。けど、いつの日か私よりもいい人と出会って忘れてもらえる、一時の気の迷いだと思っていたのよ。けど、全然そうはならなかった。むしろ私への気持ちが行動に現れてきて露骨になってた。そしていつからかそれがエスカレートしてきて怖くなってきたのよ…」

 

灯「怖くなってきた?」

 

智子「盗聴器つけてたの輝樹だけじゃないのよ。真人もつけてたのよ。」

 

輝樹「は、はぁ!?」

 

智子「真人、気づいてるのよ。バックに入れてたでしょ?それにあなたは盗聴器だけじゃなくてGPSもいれてて私の行動まで把握してきていた。だから怖くなったのよ。あなたたちをもう以前のかわいい子我が子として見れなくなっていたの…」

 

おいおい、流石にそれはやりすぎだろ。

けど、今ならなんで輝樹くんを避けていたのか分かるな。確かにこんな事情があれば自分から引き離したくなるよな。

 

灯「じゃあ、真人くんとのじ、情事は?」

 

灯が恐る恐る智子さんに聞く。

 

智子「輝樹の言うとおりにね、養子縁組をしてないことを理由に迫ってきたの。『一回やれば諦めがつくから』って。で、私も一度の過ちですむならと思って誘いにのってしまったの。けど、それを見られて誘拐にまで発展するなんて…」

 

それで今回の事件につながったのか。

 

灯「けど、誘拐までするなんて…喧嘩してでも話し合えなかったの?」

 

真人「無理だな。だって、こいつはもう俺には持ってないものを持ってるからな。母さんがもう俺のもとに戻ってこない、手に入らない決定的なものをな!」

 

弘人「『決定的なもの』?なんだ?そんなものあったか?」

 

廻「簡単だよ。智子さん、あなた妊娠してますね?」

 

智子「…はい。」

 

灯「ま、まさか…」

 

弘人「智子さんと真人くんの?」

 

そういうことだな。

 

真人「は、ハハ!そ、そうだよ!もう智子さんはお前のものにはならないんだよ!ざまーねぇな!」

 

今まで黙っていた真人がここにきて喋り始める。

助かった安心感と欲しい物を手に入れれた達成感と優越感からだろうな。

 

けど…真人くんにとっても残酷な現実があるんだよな…

 

廻「優越感に浸ってるとこ悪いけど、真人くんにも話さないといけないことがあるんじゃないですか?」

 

真人「話すって何を?」

 

智子「…そう、やっぱりそこまで見抜いていたのね…」

 

廻「まあ、そうですね。…俺から話しましょうか?」

 

智子「いえ、私からちゃんと話します。元はと言えば私が招いたことなので。」

 

真人「な、なんだよ!」

 

ただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、さっきの余裕が嘘のように話しかけてくる。

 

智子「真人、このお腹の中にいる子はあなたの子じゃないの。」

 

真人「…は?」輝樹「はぁ?」

 

真人「な、何言ってるんだよ?確かに俺たちでやっただろ?」

 

すかさず俺も補助に入る。

 

廻「真人くん、智子さんは今妊娠4ヶ月目だよ。君たちがやったのは、2ヶ月前だろ?普通に考えて子供ができるわけないんだよ。」

 

そう、盗撮カメラの撮影日をみたら2ヶ月前になっていた。だから4ヶ月目だと計算が合わないんだよな。

 

真人「そ、そんな、じゃ、じゃあそれ誰の子だよ!?」

 

智子「私もね、いい人と会ってたの。その人との子ね。」

 

真人「だ、だってGPSを仕掛けてたのに…」

 

廻「そんなの気づいてたら、家においていくなり別の場所においておいたら簡単に誤魔化せるよ。」

 

真人「…の」

 

智子「?」

 

真人「こんの、クソアマー!」

 

真人くんが智子さんに殴りかかる。しかし…

 

弘人「はい、ストップ。どこにいくのかな?」

 

弘人が真人くんを抑える。

 

真人「離せ!俺を馬鹿にしやがって!俺の気持ちを弄んでたんだろ!」

 

はぁ…いい加減終わらせるか。

 

廻「いい加減にしたらどうだ。」

 

真人「はぁ!?」

 

廻「『俺の気持ちを』って言うならお前、輝樹くんや智子さんの気持ちを考えたのか?」

 

智子・輝樹「「!!」」

 

廻「確かに輝樹くんもお前とやってることは同じだよ。けど、少なくともそれより先の行動は起こそうとはしなかった。一歩手前で踏みとどまってたんでしょう。そんな輝樹くんが『行為をした』なんて分かればどうなるかなんてわかったはずだ。」

 

真人「ッ!」

 

廻「智子さんに対してもそうだ。気持ちも考えずに強引に迫って。正直親子じゃなかったら強○と変わらねえよ。」

 

真人「クソっ」

 

そこまで言うと、真人くんはうなだれてそこから何も言わなくなった。

 

廻「…信条さん、後はお願いします。」

 

信条「…分かった。二人とも行こうか……」

 

智子「真人、輝樹……」

 

そうして二人は詳しい話しを聞くために信条さんに連れて行かれた。

 

 





事件の真相
輝樹が真人と智子の情事を知って嫉妬から誘拐した。というのがこの事件の真相だった。

次回予告
いつも通り事件について語り合う廻たち。今回の件はやるせない気持ちのようで?

それではまた次回お会いしましょう!
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