前回のあらすじ
今回の騒動が自作自演じゃないかと疑われていることを知った廻たち。
そして防犯カメラを確認すると事故か事件かは分かったようで?
それでは本編どうぞ!
あれから胡桃を家に送ってから有栖川学院に戻ってきたわけだが、ある問題に直面していた。
それは……
校長「これ以上廻さんを潜入させておくのは無理があります…」
そう、朝の件で悪い意味で目立ちすぎてコソコソとできなくなった。
灯「どうするの、廻!」
廻「どうするも何も俺がここにいたってもう意味がないだろ…」
灯「じゃあ、私だけで調べるってこと!?」
廻「そうなるな。」
灯「『そうなるな』じゃないよ!私一人でなんて無理だよ…」
廻「別にお前一人じゃないだろ。弘人だっているし。」
灯「そうだけど…」
廻「灯なら大丈夫だ。」
灯「そんな無責任に言わないでよ…」
廻「別に無責任に言ってるわけじゃねえよ。」
灯「え?」
驚いた様子で俺を見てくる灯。そんなに驚くことじゃねえだろ。
廻「お前、いつも俺たちを見てきただろ?そのとおりにすれば大丈夫だよ。」
灯「…」
廻「俺は灯を信じてる。大丈夫だ、何かあったらすぐに駆けつける。」
灯「…分かった。」
灯「廻が私を信じてくれるんだから、私も廻を信じないとね。」
廻「決まりだな。じゃ、後は任せたぞ。」
灯「うん、任せて!」
頼もしいな。
校長「…話しはまとまりましたか?」
廻「はい。僕はここで抜けさせてもらいます。」
校長「分かりました。後の処理は私がしておきます。」
灯「でも、廻はこれからどうするの?」
廻「ちょうど調べたいことがあったからそれを調べることにする
。」
正直それさえ分かれば一気に事件解決に繋がるからな。
灯「分かった。廻、気をつけてね。」
廻「灯も無茶するなよ?あと防犯カメラの確認を忘れるなよ。」
灯「うん!」
そうして俺は有栖川学院を離れた。
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数分後…
廻「さて、教えてもらった住所だとここらへんのはずだが……」
俺は今、有栖川学院の先生たちに聞いたある住所を訪れていた。
…っと、どうやらここみたいだな。
そうして一つの古い木造住宅に着いた。
廻「(…なるほど、離婚してからはここに住んでるのか…)」
そんなことを考えながらも進んで目的の部屋の番号のインターフォンを押す。
ピンポーン
?「はい?」ガチャ
すぐに中から一人の女性が出てきた。
廻「…あなたが黒木、いや、『白城玲子(しろぎ れいこ)』さん、ですね?」
そう、俺が会いに来た人は、黒木達郎の元妻の玲子さんだ。
玲子「…そうですけど、あなたは?」
廻「音咲廻って言います。実はあなたの子どもたちについてお話しを聞きに来たんですけど…」
玲子「…取り敢えず中へどうぞ。」
そうして部屋の中に入った。
玲子「それであの子たちの何を聞きたいんですか?」
廻「実は…」
そこで今回の事件のことを話した。
玲子「!! あ、あの子、そんなことを!」
廻「落ち着いてください。まだ娘さんたちがやったという証拠はありません。」
玲子「けど、あの子たちならやりかねないわ。」
廻「何故そう思うんですか?」
玲子「分かるわよ。数年とはいえ一緒に過ごしたんだから…」
そういう玲子さんはどこか寂しげな表情をしていた。
まあ、中が悪かったとはいえ玲子さんにとっては娘の事実は変わらないから思うところはあるんだろうな…
玲子「話しが逸れたわね。で、その事件と関係して娘たちのことを聞きたい、ということでいいのかしら?」
廻「そうです。できればどんな子たちだったのかを聞きたいです。」
玲子「…そうね、小さい頃は何も問題はなかったのよ。自分で言うのもなんですけど、第三者から見れば仲の良い家族に見えていたでしょうね。」
そうして玲子さんが話し始めた。
玲子「けど、それはあくまで第三者から見ればの話しです。現実はそうではありませんでした。」
廻「というと?」
玲子「もともと、元夫とは望まない結婚だったんです。元夫がお金をチラつかせて、それで両親を味方につけて結婚したんです。」
廻「…愛の無い結婚だった、ということですか。」
静かに玲子さんが頷く。
玲子「今だから言いますけど、例えお金持ちでもあんな人と結婚はしませんよ。パワハラやセクハラを当たり前にやってる人だから。けど、私は運悪く新卒で入社したときに目をつけられてさっき言ったようにお金で無理やり結婚させられたんです。」
なんで達郎みたいなやつと結婚したのか不思議だったが、そういう事情があったのか……
玲子「それに子どもだって元夫との間に作る気はなかったんです。けど、これも無理やり迫られて三人も子どもたちを生みました。」
これは既に玲央から聞いたことだな。
玲子「けど、無理やりとはいえできた子どもたちを見捨てるような真似はできずにしっかりとした人に育てるように育児も頑張ってきました。幸いにも元夫も子どもたちには虐待はせずにむしろ子どもたちの前では気持ち悪いくらいの笑顔で接していました。」
玲子「けど、私が見ていないところでは娘たちに私の悪口などを吹き込んで印象操作をしてました。その結果、少しずつ元夫の言うことだけを聞くようになって私の言うことは全然聞いてくれないようになったんです…」
玲子「そうして、とうとう私が離婚を決意する出来事が起こったんです。」
廻「離婚を決意する出来事ですか?」
玲子「はい。あれは中学校に入学したばかりのときでした。」
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玲子『ただいま。…あら、まだ誰も帰ってないのかしら?』
近所への用事で数分間離れて家に戻ってきたときでした。
その時はちょうど友里愛の友達が遊びに来ているときでした。
そうして部屋に入っていくととんでもない光景を目にしたんです。
玲子『あら、友里愛帰ってた…、あ、貴方何してるの!』
友里愛『!!』
そこには友達の財布からお金を抜き取っている友里愛の姿があったんです。
友里愛の友達『友里愛ー、遅いよ…な、何してるの?』
友里愛『ご、ごめんなさい…〇〇。お母さんからお金を取れって言われて…』
友里愛の友達『!』
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廻「…それでどうなったんですか?」
玲子「結局私がやったことにされたんです。それで、私からもうやっていけないと判断して離婚してもらいました。」
なるほどな…
廻「子どもたちは過去にもそんな経験はあるんですか?」
玲子「はい。私の財布からもお金を取ろうとしてたときもありました。幼稚園の頃から他の子の物でも自分が気に入れば力づくで奪い取っていました。そのたびに注意してたんですけど、元夫は『そんなことでいちいち怒鳴るな』って。本当にいい加減でしたよ…。」
玲子「それに、結局は全部元夫がお金で解決してきたので、そういうのが嫌で私にママ友ができなかったです。それに娘たちも友達はいたけど、一緒になって他人を馬鹿にしたり、娘たちにはかわいそうですけど、純粋に仲良くなりたいってわけじゃなくて『大企業の副社長の娘』っていう肩書きだけで見られていたような気がします…」
達郎もだが、娘たちもなかなかやばいな……
多分、父親である達郎の影響が大きいんだろうな…
廻「…」
玲子「もう、このくらいでいいですか?当時のことを思い出すと今でも辛くて…」
廻「はい。ここまで聞けたら大丈夫です。辛いことを思い出させてすみません。それじゃ失礼します。」
玲子「待ってください!」
廻「?」
玲子「…娘たちに伝言をいいですか?」
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その日の夜 廻の部屋
ピコン♪
おっ、来たな。
『灯さんからのメッセージがあります。』
そうしてスマホの画面を開くと、そこには防犯カメラの映像が送られてきていた。
数分後…
なるほど。これで今回の件がハッキリしたな。
ピコン♪
ん?また灯からのメッセージか。
灯『映像送ったよ。見れるか確認してね。あ、それと映像に映っている生徒は友里愛ちゃん、真理ちゃん、美緒ちゃんで間違いないって確認できたよ!』
三人はやっぱり達郎の娘たちか…ってことは…
俺はヘッドフォンを耳に当てていつものように考え始めた。
………なるほど。そういうことか。これで全てが繋がったな。
廻『そうか。確認ありがとう。』
そのメッセージを送ると俺は信条さんに電話をかけた。
確か今日は夜勤って言ってたから忙しくなければ出るはずだ。
信条『なんだよ、こんな夜遅くに…』
廻「悪い。ちょっと調べてほしいことがあってな。」
信条『何だ?』
そうして信条さんに事情を説明する。
廻「…ってことだ。」
信条『なるほどな。俺はそれを確認すればいいんだな?』
廻『そうだ。』
信条『ったく、しょうがねえな。明日すぐにでも行ってやるよ。』
廻「助かる。」
信条『じゃ、俺はこれから仮眠を取るから切るぞ。証拠は明日にでも送っておく。じゃあな。』ピッ
さて後は信条さんが証拠を手に入れればバッチリだな。
事件メモ
・娘たちは子供ころから性格が悪かった
・達郎の元妻である白城玲子はお金と権力で無理やり結婚されられた。
遂に今回の騒動が分かった廻!後は信条からの証拠を待つだけだ!
果たして胡桃を助けることができるのか!
ではまた次回お会いしましょう!