私立リディアン音楽院の高等科二年に所属する“立花響”は、人生に一度しかない学園生活を満喫していた。
「とぅあちばぁなすぅわああああああああああんッ!!」
「ごめんなさいぃぃぃぃぃ!!」
その人生に一度しかない学園生活の一日は、先生からのとてもありがたいお説教で始まります。
「ただでさえ出席日数が足りないっていうのに、三学期のはじめから冬休みの宿題をやっていないとはどぅおぉいぃうぅことですぅかぁ!?」
「めんぼく、ございません」
「このままじゃどこをどう帳尻合わせようとしても立花さんの進級は絶望的になってしまいます! たしかにあなたは冬休みの間も忙しかったのかもしれませんが、それとこれとは話が別です!! なんなら春休みの補習でさえ生ぬるいくらいです!! 」
「··············はい」
「とにかく! 今日が期限だったはずの課題については一週間後まで待ちますから、必ずやるように!!」
「··············かしこ、まりましたぁ··············」
夢であってほしかった。
だが、昨日まで頑張って課題を進めるために徹夜した寝不足の頭と、任務で限界まで体を行使した代償の筋肉痛がいまの出来事は全て現実だよとしっかりと証明してくださっている。
いつもは元気に『ありがとうございます先生!!』とハイテンションで言っていただろうが、今はオーバーワークのしすぎで返す気力もない。
そんなわけで、一週間後までに冬休み中にやっておくべきだった課題をやらなくてはいけなくなった。
授業と授業の間も勉強、勉強、勉強だらけ。
少しでも進めようと頑張っているが、進んでいる実感が全く湧かない。
お昼に突入しても、まだまだ終わる気配がありません。
昼休み開始直後には、食堂へと向かう生徒達はすでに消えていた。「お昼なに食べる?」とか「次の授業なんだっけ?」とか「昨日の翼さんが出ているバラエティ番組見た!?」「うん見たよ! 凄かったよね! まさかアイドルが超極寒の危険なカニ漁に出てえんやこらぁするなんてかっこよすぎだよ!」などという声が交錯している。
····························そっちに行きたい、もう課題なんてやめてよろしいだろうか?
「ダメに決まってるでしょ」
と、そこへ近づいてきたのは小さな巾着を持った“小日向未来”だ。
後ろに束ねた髪を大きな白いリボンで止めている少女で、立花響の親友兼ルームメイトである。
「未来ぅ~」
「そんな声だしても手伝ってあげられません。冬休み初日から少しずつやろうよって言ったのに、大丈夫冬休みは長いんだから年明けからやるって言った響が悪いんだから」
言いながら未来はその辺にあった椅子をずずずと引きずってきて響の前へとすわり、小さな巾着を開封していく。
「それでも、頑張ってる親友にご飯を食べさせることはできるよ。ほら、お弁当」
「!! ありがとう未来~!」
お弁当を持ってきた未来に突撃するように抱きついた。
それと同時に、持っていた鉛筆は放り投げられて宙を舞い、未来の持ってきたお弁当をぶんどってがぶりつく。
昼休み開始直後のクラスメイト達の会話は、全クラスの大半をしめる食堂組や購買組が消えていったことで一時的に静寂が包んでいた。残りの弁当組は庭に行って食べるか屋上行って食べるかで食事スペースを確保しに行ったようだ。
未来は麦茶の入った水筒を鞄の中からごそごそ取り出しつつ、
「そんなに慌てて食べなくても誰も取らないよ」
「もう休み時間中課題ばっかやってて栄養が全部脳に持っていかれてお腹ペコペコだったんだよぉ! それに、お弁当も作る時間どころか朝御飯すら食べてないからもう限界まで来ちゃっててさ~」
「昨日遅くまで課題頑張って終わらせようとしてたもんね。そのせいで朝寝坊しちゃったのは痛いけど」
「それでも未来が早起きして作ってくれてなかったら私はいまこの世に存在してないよ! 本当持つべきものは、“愛する親友”だね!!」
なんてことを言いながら弁当に入っているおかずを滑らせるように口へと運んでいる。箸は止まることを知らず、残像が見えるくらいのスピードであった。
(··············響///)
そんな中、未来は顔を赤く染めていた。
(もう、愛してるなんて············///)
「?」
未来が何故手を止めているのかわかっていないのか、首を傾げる響。そんな視線に気づいたのか、未来は一度首を横にブルブルと振った。
「ところで順調そう? 冬休みの課題」
「まだまだたくさんあるよぉ~········! このままじゃ、一週間経つ前に私が先に力尽きるかも」
響は改めて課題について問われると箸でおかずをつつき始めた。
貧乏ゆすりの代わりに箸で焦りを見せるところを見ると、やはり相当参っているようだ。
「まあ、早めから少しずつやらなかった響も悪いけど、冬休みの間も“任務”で忙しかったもんね」
「そうなんだよ。まさか年末も急な任務で出かけなきゃならなかったし、本当、私って呪われてる~」
落ち込むようにポツリと呟く響は、空気が抜けるように机に項垂れていた。
ここで彼女の正体を説明しておこう。
“任務”と言ったが、彼女は国連直轄の超常災害対策機動部タスクフォース【S.O.N.G.】と呼ばれる組織に属している。
【S.O.N.G.】とは、日本政府の特務機関「特異災害対策機動部二課」であり、安保理が定めた規約に従って世界中での救助活動が認められている組織。【聖遺物】と呼ばれる異端技術に起因する大規模な超常脅威から世界を守るための、『正義の味方』と言った方がいいだろう。
彼女は、訳あってそこの一員である。
「年末にも【ノイズ】が現れるなんて、本当貴重な最後の一日だったのに」
「それでも、あの後なんとか翼さんやクリス達と無事に初日の出見られたんだからよかったじゃない」
「私は未来とも見たかったんだよ~!」
その組織には、もう一つ重要な仕事がある。
【ノイズ】と呼ばれる化物を討伐することだ。
人類共通の脅威とされ、人類を脅かす認定特異災害。
特異災害対策機動部もまた、このノイズをはじめとした超常の災厄に対応するための組織である。
しかし、ノイズは普通の攻撃では倒せない。ノイズに対抗するには「聖遺物」の欠片より作られた異端技術の結晶たる「シンフォギア」と呼ばれるものが必須となる。
これを纏うって戦うもの達を『装者』と呼び、響はその装者の一人である。
これ以外にノイズに対する有効手段は存在せず、一般的な対処法はノイズが一定時間で自壊するまで逃げることのみとされる。
しかしノイズはフロンティア事変と呼ばれる騒乱以降は存在が確認されておらず、今では完全に絶滅した。
が、ここでノイズの亜種のようなものが現れた。
それが、【アルカ・ノイズ】。
このアルカ・ノイズ、スペックとしては通常のノイズと変わらないのだが、最大の強味は対抗手段であるシンフォギアでさえも分解してしまうことだった。
だが、今ではそれも強化改修されることにより克服された。
そしてアルカ・ノイズはある“錬金術師の少女”が生み出したのだが、『魔法少女事変』と呼ばれる事件以降は、兵器として、独裁国やテロ組織、特に錬金術師達へと横流しされているのである。
故に、あらゆる場所でのノイズ出現は以前と変わらない状況だ。
響達の主な任務は、ノイズの撃退。
冬休みとはいえ、ノイズが現れたら即対応。だから課題をしたくてもうまく進まないし、余計にやれる時間が限られてくる。
····················しかし何もね、年末にまで現れなくてもいいじゃない?
めでたい日だっていうのに、年に一度のお祭り日だっていうのに何故その日を選んでノイズなんて呼び出す?
こちとら任務と学業を両立させて生活せねばならんというのに、何故錬金術師とかテロ組織とかは空気を読んでくれないのか。めでたい年末を台無しにしたいという理由でやったんなら、死よりも恐ろしい目に遭わせてやると思いながら任務に当たったんだそうな。
「たしかに、一緒に初日の出が見れなくて残念だったけどね。それでも私は、響が無事に帰ってきてくれただけで満足だよ」
「未来··············」
「たとえすぐ近くで一緒に年を越せなかったとしても、響と一緒に新しい一年の最初の日を迎えられたことには変わりはないんだから。私は、それだけで十分。響と一緒にまたこうやって過ごせるだけで幸せだよ」
「うぅ··············未来ぅ~!!」
「うわッ!?」
たとえ離れていても、一緒に生きて過ごすことができる。それが、彼女達にとってどれだけ幸運なことか。
無事を祈って帰るべき場所を守る。これだけでも対したもんだ。
響はぶわっ!! と目尻に涙を浮かべ、まるで離れ離れになった家族と再会した時のように未来の温かいボディにすがりついた。
・・・・・・・・・・_
潜水艦仕様の『S.O.N.G.』本部。
放課後、未来の優しい一言とまだ終わりきっていない課題に涙を流しつつも、本部からの緊急の任務が入った。
元々リディアン地下が本部であったが、全壊して機能不全となったことで潜水艦が仮設用の本部として建造された。そして、S.O.N.Gに再編されてから海外に関与するのに都合がいいからという理由で、ここが正規の設備という扱いとなる。
ノイズ発生の検知システムや、シンフォギアシステムの各種バックアップなどの機能をそのまま組み込んでおり、医療施設や生活居住区、娯楽施設までもが設けられており、作戦遂行における長期間の搭乗であっても、職員たちの健康を損なわないよう配慮されている。
日本から南米、南極大陸までを2,3日で横断することすら可能な航行力を誇り、船首に陸上車両の発車ハッチ、甲板部に装者を緊急発進させるためのミサイル風ロケットの発射台、小型潜水艦を最低1台搭載、管制ブリッジを含んだエリアを中型艇として緊急離脱させることが可能など、高機能だらけの超高級品だ。
そんな中に彼女達、【シンフォギア装者】がいた。
「遅くなりました!」
「遅ぇぞバカ」
着いた途端罵倒してきたのは一つ年上の“雪音クリス”。
彼女も響と同じシンフォギアを纏う装者だ。
「揃ったな。では早速今日の本題に入る」
渋い声を発して皆に今回の任務の内容を話そうとしているこの男が、先程紹介した風鳴弦十朗。
いくつものモニター画面が存在している中で、中心の大型のモニターにある映像が映し出される。
そこに映っていたのは何処かのとある島。
一見どこにでもありそうな島だが、弦十朗は大きく息を吸って、
「単刀直入にまずは何があったのか説明しよう·························
一言。
それだけで、響達は胸の真ん中に太い杭でも刺されたかのような気分になった。
今までありとあらゆる不可思議な現象を目の当たりにし、それを解決してきた装者であったが、風鳴司令から告げられた理解不能な説明を聞いて、
「それは一体どういうことですか?」
風鳴弦十朗の姪で世界から愛されるアイドル、“風鳴翼”がそう聞いた。
「言葉通りだ。ここに住んでいた住民達が一晩で全員いなくなった」
「··············ここに住んでいた人達はどれくらいなの?」
そして、もう一人たった二ヶ月ほどで世界の頂点にまで登り詰めた伝説的な歌姫、“マリア・カデンツァヴナ・イヴ”が、この島にいる住民達が何人いたのか尋ねた。
それに、ここに勤めてもう何年にもなるベテラン職員“藤尭朔也”がキーボードを叩きながら答える。
「調べた結果、ここに住んでいたのは1500人ほど。だけど、ここは旅行先としても有名らしいから、旅行者や宿泊者などの一時滞在者も合わせれば、約3000人ほどいただろうね」
それが一晩にして消えた。
悲鳴をあげることもなく、助けを求めることもできず、この島に住んでいた全員が消え去った。
「何故そうなったのか現在調査中だが、いくつかわかったことがある」
「それは·······」
「なんデスか?」
月読調と暁切歌が続けるように尋ねる。
司令は腕を組んで眉間にやや力をいれて、
「この島には、【パヴァリア光明結社】の残党が潜んでいたことが明らかになった」
その組織の名前を聞いて、全員が目を見開いた。
【パヴァリア光明結社】
響達はこれまでに何度も世界を救っている。
いずれも放っておけば世界が滅亡していたかもしれないほどの騒乱であったが、奴らは世界の裏側で暗躍しているとされる秘密結社である。
現在、あそこは響達の活躍によって壊滅したはずだが、その残党の何人かは世界のあちこちで身を隠すようにして今も逃亡している。
その一部がどうやらこの島にいたようだ。
···································だが、違和感はないか?
「つーことは、この事件の騒動は全部そいつらの仕業って訳か?」
「そう見るのが妥当だろう··············だが」
「だが?」
「先程も言った通り、全ての人達が姿を消していたんだ。勿論その中には、
モニターに人の入っていないボロボロのローブが映される。
砂浜、宿泊施設、道路の真ん中など、島のあらゆる場所で奴らを象徴するマークの入ったローブが散らばっていた。
「は? んだよそりゃ。ならそいつらは自分達で騒ぎを起こしておいて、自ら自滅したってことか?」
「そうとしか考えられない。今のところはな」
クリスは腹を立てたのか舌打ちする。
わざわざ騒ぎを起こしておいて自分達まで巻き込まれたのであればとんだ間抜けだ。
「それじゃあ師匠」
響はそっと言葉を置く。
そして強く、司令の目を見て尋ねる。
「私たちの今回の任務は、何なんですか?」
「無論、何があったのかの調査と“生存者の捜索”だ。さっきは全員消滅したと言ったが、それは100%調べた結果じゃない。もしかしたら、今回の事件から難を逃れた生存者がいるかもしれない。君達には、生存者の捜索を優先して調査を進めて欲しい。出発は明日の午前4時。忙しくなるぞ」
「「「「「「了解(デース)!」」」」」」
ざっくりとだが、作戦会議は終わった。
装者達は明日からの任務の準備をするために一度解散する。全員機械的な模様をした全自動ドアから全員退出し、潜水艦の外に出るための出口を目指す。
「·····························」
そんな中、立花響はわずかに沈黙する。
さっきの任務の内容を思い出して、思わず立ち止まる。
(全員消えてしまった。生き残っている人は現段階ではまだわからない··············それでも、もしかしたらまだ助けを求めている人がいるかもしれないんだ。だったら私は、困っている人に手を伸ばす!)
振りきるようにして、不安や疑問から視線を外した。
希望は捨てない。
助けを求める人が一人でもいるのなら、迷わず危険な場所へと赴く。自分のこの拳が誰かの命を救えるのなら、勇気を振り絞れる。
たとえ目の前にどれほどの脅威があろうとも、
「何やってんだ? 早くしねぇと置いてっちまうぞ」
「あ! 待ってよクリスちゃ~ん!!」
立花響は、胸の歌を信じて突き進むのだ。
・・・・・・・・・・_
「はぁ··············はぁ··············ッ!!」
件の島で、一人の錬金術師が全力疾走している。
「くそッ!!」
走る錬金術師の喉が干上がる。
金属製の直線的な通路を駆け抜けると、遠くの方でべちゃっ! と汚い音が聞こえてきた。
(来た!?)
その音を聴いて反射的に振り返る。
自分が通ってきた通路から、嫌な音が法則的に聴こえてくる。
固いなにかを引っ掻ける音、何かを徐々に溶かす音、空気を鳴き声で切断する音、嫌な雑音があちこちから鳴り響いている。
「····························ジュル」
「!?」
見えた。見えてしまった。
男の顔はさらに曇っていく。“何”かに怯え、死を恐れているかのようだ。
「ッ!!」
走っている最中、錬金術師は掌を壁に叩きつけた。
手近にあるボタンを押すと、鋼鉄でできた侵入者を閉じ込めるために設計されたシャッターがギロチンのように素早く下がり、部屋と部屋を分断した。
「はぁ、はぁ··············」
思わず目を瞑りながら身構えるが、改めて目を開けると、シャッターには傷一つついていない。
「は、はは·······」
全身を安堵が包む。
恐怖は消え去り、自分は助かったのだという事実で思わず力が抜ける。近くの壁に寄りかかり、ズルズルと地面へと座り込む。
······················その時だった。
ビュオッ!!
「··································································································へ?」
何が起こったのかはこの時はまだわからなかった。
だが、これからやってくる鈍い感覚でそれが何を意味するのかすぐに実感することになる。
「ぐッ、あああああああああああああああああッ!?」
錬金術師の体が大きく仰け反った。
肩を見てみると、赤黒い風穴が出来ている。錬金術師はなんとか踏ん張ろうとしたが、そのまま地面に倒れ込んだ。
錬金術師は“そいつ”へ顔を向けたまま、眼球だけを動かして周囲の様子を見る。
逃走経路を見つけようとしても、鋼鉄のシャッターが道を塞いでいるだけで、何処にも逃げられる場所はなかった。
「ひっ、ひひ·····················な、なんなんだよお前ら。
壊れた嗤い声。
切羽詰まった表情でなんとかコンタクトを試みようとするが、相変わらず“そいつ”は無表情だった。
「あ、
「···································」
「なあ、頼むよ。命だけは·····················ッ!!」
のたうち回りながら懇願する錬金術師は、悲痛に満ちた瞳でそいつを見つめていた。
それに対してそいつは、ろくに表情も動かさずに瞼をミチミチと動かして、何の感情も籠っていない目で見つめている。
そして、ついには、
「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
「ぎぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
最初は顔からだった。
さらに脂肪や筋肉が順番に消えていき、最後には脳ミソもなくなり、血だらけの服と骨だけになって地面に崩れていく。
カラカラというプラスチックよりも軽い音だけが、この無人の施設の中で響き渡った。
・・・・・・・・・・_
「ッ!!」
私は背骨辺りに鈍い痛みを感じて目を覚ました。
あのあと、ワームホールに吸い込まれてからというものどこかへ飛ばされたらしく、スターシップは不時着をしたかのように不安定な状態で地面に足をつけていた。
『スターシップシステムチェック·····················警告:システムエラーによって、スターシップの多数の機能がオフラインとなりました』
馴染み深いAIの声。
シップはかろうじて生きているようだが、未知のワームホールの引力に捕まった影響でシステムがうまく機能しなくなってしまったようだ。
「····························」
ここにいても何も始まらない。
私はモニターを操作し、なんとか出られないか試してみる。
『ハッチ、開放します』
無事に出られるようだ。
そうとわかった私はスターシップのハッチが開く場所まで行くと、自動的に上へと移動して外へと出た。
「····························っ!」
外に出て最初に目に入ってきたのは暗い森だった。
時間はどうやら真夜中みたいだが、バイザーを駆使すれば何の問題もなく見える。だが、かなり深い森に墜落したようで、黒一色の闇しか見えない。
私はここが何処なのか調査するために、まずはスターシップ付近の森から探索しようと決めた。
「························································」
だがその前に、パワードスーツのシステムをチェックし、全て問題ないか確かめねば。
私は右腕のアームキャノンを操作して、パワードスーツに問題ないかAIにチェックさせた。
『パワードスーツシステムチェック····························』
·················································································································································································································································································。
『ビームウェポン:オンライン』
『ミサイルウェポン:オンライン』
『スペースジャンプ:オンライン』
『バイザーシステム:オンライン』
『モーフボール:オンライン』
『ボム:オンライン』
『パワーボム:オンライン』
『システムクリア。全て正常です』
どうやらパワードスーツは問題ないようだ。
全ての準備を終えた私は、ここが一体何処なのかを明らかにするために探索しようとした。
その時だった。
Beep Beep Beep Beep
「!」
急な信号をキャッチした。
私はバイザーを切り替え、即座にその信号の発信位置を特定する。
··············ここから遠くない場所で発せられている。
もしかしたら、行方不明になった輸送船の生存者か?
「···································」
私は、最初からそう決められていたかのように、そこに向かうことに決めた。
謎の信号···································
それが何を意味するのかわからないが、この未知の惑星で唯一キャッチした信号を目指し、私は歩きだした。