【完結】冒険譚「希望の指輪」 アルゴノゥト・ウィザード 作:れいが
蜘蛛のソレは地面を抉る様に2本の腕を使い、足払いをしようとする。
指輪の魔法使いは体を回転させながら華麗に宙を舞って回避し、着地した。
その隙を突いて別の腕が襲いかかってくるも、ウィザーソードガンを
突き出す事で威力を相殺する。
「やるではないか!」
「ムンッ!」
また横方向に別の腕が振るわれてくると、指輪の魔法使いは宙返りを
しながらもう一度回避し、銃の形態へ変形させたウィザードから
銀の弾丸を撃ち放つ。
蜘蛛のソレに向かって銀の弾丸は軌道を変幻自在に変えながら進んで
いき、胴体に命中する。
火花が飛び散り、蜘蛛のソレが怯んだ所を狙って指輪の魔法使いは
自身に纏わせた翠色の風による推進力で一気に接近していった。
蜘蛛のソレは接近させまいと腕を突き出してくるが、指輪の魔法使いは
手刀で弾き、攻撃が届く範囲まで接近した。
斜め下から斬撃を繰り出し、続けて横一文字に斬り付ける。
斜め上から斬り付ける、と見せかけたフェイントで腕を上げさせると
脇腹部に回し蹴りを叩き込んだ。
「小癪なァアッ!」
「タァアッ!」
蜘蛛のソレは先端を鋭く尖らせた腕を突き出し、指輪の魔法使いも
ウィザーソードガンで対抗する。
ウィザーソードガンは蜘蛛のソレの腕を粉砕し、そのまま勢いに乗って
蜘蛛のソレの胸部に切っ先が突き刺さった。
「グウゥ、オォ...!」
「(これ程までに威力があるとは...流石だな、クロッゾ)」
クロッゾに感心していると蜘蛛のソレは奇声を上げながら、突進して
来るのが目に入る。
指輪の魔法使いは素早く左の中指に嵌めている指輪を外し、山吹色の
指輪を嵌めた。
‹‹Shabadoobie Touch HENSHI~N››
‹‹LAND››
‹‹PLEASE››
‹‹DO!DO!DO!DO!DO!DON!DON!DO!DO!DON!››
仮面に埋め込まれていた魔皇石が四角いトパーズのような山吹色へ
変化する。
胸部の魔皇石も同様に変色し、胴体中央部に定置された魔装具も
地の力を宿す呪文にへと変わった。
「何!?姿が...!?」
「大人しくしてもらおうか!」
指輪の魔法使いは足腰に力を込め、蜘蛛のソレと取っ組み合う様にして
突進を止めた。
衝突の衝撃で蜘蛛のソレの下半身が浮かび上がり、身動きが取れなく
なる。
片手で持ち上げたまま指輪の魔法使いは顔面に掌底を叩き込んで、
上空へ蜘蛛のソレを上空へ突き飛ばした。
再び指輪を外し、蒼色の指輪を嵌める。
‹‹Shabadoobie Touch HENSHI~N››
‹‹WATER››
‹‹PLEASE››
‹‹SUI~!SUI~!SUI~!SUI~››
蒼色の菱形をしたサファイアの様な形状へ仮面に埋め込まれた魔皇石が
変化し、胸部の魔皇石も変化する。
胴体中央の魔装具も水の力を宿す呪文へと変わった。
「ハァッ!」
両手を地面に翳すと、足元から魔法によって精製された水が
湧き出して水溜まりとなる。
‹‹Lupachi Magic Touch Go››
‹‹Lupachi Magic Touch Go››
‹‹BIND››
‹‹PLEASE››
上空に投げ飛ばされた蜘蛛のソレの周囲に魔法陣が展開され、水で
形成された鎖が飛び出してくると全身に絡み付いて拘束した。
「グッ!ヌゥウッ!う、動けん...!?」
蜘蛛のソレは引き剥がそうと藻掻くが、全く外れる気配はない。
指輪の魔法使いは、次に紅い指輪を嵌める。
‹‹FLAME››
‹‹PLEASE››
‹‹HI!HI!HI・HI・HI!››
紅い楕円形のルビーの様な形状に仮面に埋め込まれている魔皇石が
変化する。
同じく、胴体の魔装具も炎の力を宿す呪文へと変わる。
「フィナーレだ!」
‹‹Lupachi Magic Touch Go››
‹‹Lupachi Magic Touch Go››
‹‹ChoIine!Kick Strike!››
‹‹Saiko~!››
足元に展開された魔法陣の上で指輪の魔法使いは一回転をした。
利き足となる右脚にエレメントが蓄積され、炎が纏われる。
十分に炎を蓄えると指輪の魔法使いは走り出し、跳び上がって
空中で体を捻らせる。
飛び蹴りの構えに入ると前方に魔法陣が出現し、それを潜り抜けて
三つに分裂しながら蜘蛛のソレに足蹴りを叩き込んだ。
魔法陣は一つに戻ると、蜘蛛のソレを包み込む様に封じ込めて
追撃に炎で熱する。
「グアァァアアァアアアアッ!!」
断末魔を上げながら蜘蛛のソレは爆発四散し、爆炎を巻き上げる。
「...ふぅー」
指輪の魔法使いは爆炎を背にし、残心の構えを取った。