錬金術師様、骸骨騎士と共に異世界へお出掛け中 作:ジェイ・デスサイズ
季節外れの猛暑だったり、季節に合った気温だったり、体調を崩される方も少なくないと思われます。私も崩しましたし、2回目のコロナにかかりました…2回目だとしても、中々身体に来ますね…
さて、今回はキャロルがケモミミ忍者の話を聞いて今後の動きを決める回になります。皆様の暇つぶし程度になれば幸いです。
それでは本編どうぞ
「・・・本当に居るとはな」
翌日、早朝に宿を出た私はあのケモミミ忍者に言われた所へ行く事にした、すると居た。救出した女の子は疲労が激しかったのか、まだ眠っておりガリィが抱えている。
「・・・!お待ちしていました。ボクの名前はチヨメ、刃心一族【六忍】の1人です。この度は来て下さりありがとうございます」
元気に自己紹介、礼を言うとペコっと頭を下げるケモミミ忍者。素直と言うか、真面目と言うか。
「気にするな、こちらも予定がある訳ではないからな。オレはキャロル・マールス・ディーンハイム。錬金術師だ・・・というか、じんしん?」
「
―【刃心一族】・・・【刃+心=忍】よね!?凄い、初めて忍者見た!ー
でも、今の私は【キャロル】冷静に落ち着いた感じにしないと・・・!
「なるほどな・・・それはそうと、わざわざオレを此処に呼んだ理由は?」
「門の前ではあれですので、話は歩きながらさせて下さい」
街道を歩く彼女の後を追う私達。先頭に私とチヨメ、後ろにガリィだ。それはそうと・・・
―この子は昨日、危険と分かってて単独で何かを探していた。それがエルフ族じゃないとしたら・・・―
「獣人族の・・・仲間の救出を手伝って欲しいのです!」
―やっぱり、正解か。エルフ族と人族の関係から、人族と他種族の関係なんて容易に想像出来るものね―
「救出、か・・・『お前達はどう思う』」
私は考える様な動きをし、念話でガリィ達と会話をする。
『私は別に構いませんよ~マスターが言った通り、特に予定もありませんしね~』
『私も問題ありません。強いて言うなら、その子の安全を第1にしなければいけないと言った所でしょう』
『私も派手に賛成。地味な旅は似合わない』
『アタシも大丈夫だゾ!戦えるかもしれないシナ!』
反対無し・・・決まったわね。
「・・・幾つか質問させてもらう。1つ目、何故オレに?」
「貴女は昨夜、その子を救いました。損得や己の危険を省みず・・・それにその時、ボクは気配を完全に消して奇襲しました。それを防ぐのは常人では出来ません。従者がそれ程の実力者なら、主であるキャロル殿はそれ以上と考えています。この2つが、キャロル殿にお願いした理由です」
「なるほど・・・2つ目、お前は幼い時から修行しているのか?」
「はい、修行を重ねて参りました。強くなる為、1人でも多くの仲間を助ける為に」
実力があるとはいえ、まだ年端もいかない少女がこんな危険な事を・・・全員では無いと思いたいけど、この世界の人間ってヤバい奴ばっかりなのね
「そうか・・・。良し、協力してやろう」
「ほ、本当ですか!」
「あぁ。元々、オレは世界を知りたくて旅をしている様なものだからな。目的地等は無い・・・強いて言うなら、この子を故郷へ連れて行く事。それが今の目的だな」
私はガリィが抱いている眠っている女の子の頭を撫でる。気持ち良かったのか笑顔を見せてくれた。
「ありがとうございます、キャロル殿!」
「つまり、私達を雇うって事なのだから。報酬は期待して良いのよね?」
良い感じに纏まった所を悪い顔をしたガリィが壊す。まぁ、気にはなってたけど。
「もちろんです、キチンとお支払い致しますので御安心を」
「了解~。確認はしておかないといけませんからねぇ」
「まぁ、それもそうだな。ではチヨメ、改めて宜しく頼む」
「こちらこそ、宜しくお願いします。キャロル殿」
私はチヨメちゃんと握手をする。ふふ、物語が動き出したって感じ!
「さてと、では出発か?」
「はい、目的地は【王都オーラヴ】。仲間の情報では、1番大きな奴隷商”エツアト商会”に捕らわれていることが判明しました。他の仲間と合流次第襲撃を仕掛ける予定です」
「了解した。その王都にはどれくらいで着くんだ?」
チヨメは地図を広げ問いに答える。
「そうですね・・・このまま街道を南下していけば4日程で着くはずです」
―4日・・・元の世界だったら1日もかからないのになぁ。なんて思っても、無い物強請りは悲しくなるだけね―
「そこそこかかるな・・・流石にそれまでにはこの子も目が覚める筈だ。もしかするともっとかかるかもな」
「この子も混乱しますものね~」
そう。今の私の最優先事項はこの子の安全・・・まぁ、守りをガリィ達に任せれば問題ないとは思うけど、念には念をだ。
「確かに、その子を危険に巻き込む訳にはいきませんね・・・」
「まぁ、その時はガリィ達に守らせれば大丈夫だ。オレは作戦に参加しよう」
「ありがとうございます、キャロル殿」
私達は街道・・・と言っても人目に付かないように森の中を歩く。地図を見ると隣には【カルカト山群】と言う山群があり、その奥に隠れ里があるとの事。行く機会があったら行ってみたいものだ。
休憩をはさみながら南下する事1日、夕日が私達を照らしもうすぐ今日の終わりなのだと告げる。野営の為にチヨメが色々探しに行こうとしたのを止め、私は魔法を唱える。
「
すると地面から鉱物で出来た家が現れた。人数も少なく長居もしない為小屋寄りの家にした。
「こんなものか。今日は此処で泊ま・・・どうした、チヨメ」
「え、詠唱も無しに、しかも一瞬で・・・」
あぁ~無詠唱と速度が速かったからそんなありえないみたいな顔してたのね。
「この程度、オレにとっては造作もない・・・ほら、入るぞ」
私達は家の中に入った。中も石造りではあるが、ベッド等もちゃんと完備してある。そこは私のこだわりで
『外だとしても家のようにリラックスして寝たい』
からである。
私は街で買っておいた食材で料理を、ガリィは女の子をベッドに寝かせる為に寝室へ、チヨメはテーブルに食器等を並べてくれている。するとガリィから念話が飛んできた。
『マスター、あの子が目を覚ましました。飲み水や軽食等お願いします』
私はチヨメにこの事を伝え、水と食べ物を持ち寝室へと向かった。ノックし、ガリィから返事を受け取り部屋に入る。そこにはベッド上で身体を起こしていた・・・が、流石に目が覚めたら別の場所にいたせいで身体を小さくしており、眼は明らかに怯えていた。
私はこの子が怖がらないように目線を合わせ話しかける・・・まぁ元々目線は近いかもだが。
「大丈夫だ、オレ達は敵じゃない。地下の牢屋で弱っていたお前を保護した者だ。オレはキャロル、キャロル・マールス・ディーンハイム、錬金術師だ。青いのがガリィ「どうもっ♪」黒いのがチヨメ「もう大丈夫ですからね」。お前の名前を聞いても良いか?」
「・・・シルヴィ」
「シルヴィ、だな。身体で痛い所は無いか?違和感は無いか?」
私の質問に対して、シルヴィは自分の身体をペタペタと触り始める。すると元々身体に何かあったのか、無くなっている事に驚いていた。
「傷があったのに・・・無くなってる、よ」
「オレの魔法で身体の傷等は全部治したぞ・・・大丈夫そうで何よりだ」
私は安心し、シルヴィの頭を優しく撫でる。シルヴィは拒否せず、素直に受け入れてくれた・・・可愛い。すると彼女の思い出に触れたのか、声が出ていた。
「・・・ママ」
「は?」「え?」「へ?」
「ママもこうして撫でてくれた、の・・・今は天国に居る、の」
「・・・」
シルヴィは母親を思い出し、眼が潤んできていた。そして涙となり、流れ・・・私はそれを拭う。
「んっ・・・。ねぇ、お願い。シルヴィのママになってほしい、の」
と、私の眼を真っすぐ見て言ってきた。最初に声を出したのは私ではなく・・・。
「ねぇ、シルヴィ。ちょっと良いかしら?」
後ろに控えていたガリィが目線を合わせるように屈みながら訊ねる。
「何でマスターにお願いしたのかしら?ママと言うより、良くて姉妹だと思うのだけど」
それは私も思っていた疑問だ、ナイスガリィ。
「魔力が2人より凄い、の。だからお姉ちゃんより、ママなの」
「・・・オレの魔力が見えるのか?」
「うん。見える、よ?」
「凄いです・・・魔力が直接見える方は極稀と聞いています。もしかすると彼女の種族特有のものかもしれませんが」
チヨメが説明をしてくれた・・・え、凄っ。この子。
「それと・・・少しだけど、ママに似ている、の」
そう言いながら私を見るシルヴィ・・・あぁ、もうっ。
「分かった・・・なってやるよ。生憎子供なんて育てた事無いから、母親らしい事が出来るか分からんぞ」
そう言うと、シルヴィは満開の花の様な笑みを浮かべ私に抱き着いてきた・・・いやはや、独身恋人無しだった私が、いきなり子持ちになるとは・・・人生分かりませんねぇ。
女の子、シルヴィがキャロルの保護下に入りました〜。この後の展開でシルヴィをどうにか活躍させたいと思っている作者でございます。
皆さんの想像、意見、感想などお待ちしております