カフェの幼馴染の物語です。

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お久しぶりです。



マンハッタンカフェ

「ブレンドコーヒーがお二つですね? かしこまりました。」

 

ここは街の中にひっそりとある2階建ての喫茶店 Cafe Manhattan

 

そこで起こる一つの物語。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「オーナー、ブレンド二つお願いします」

 

俺の名前は谷町 蓮(たにまち れん)

喫茶店で働きながらトレーナー育成学校に通う学生だ。

 

そして、今注文を受けたコーヒーを淹れてるのは、ここの喫茶店のオーナーだ。

 

「オーナー、今日帰って来るんだよね? カフェ」

 

「ああ、そうだよ…もうそろそろじゃないかな?」

 

そう、この喫茶店は現役で活躍中のウマ娘 マンハッタンカフェの実家なのだ。

 

「いやー、久しぶりに会うなー、元気かなー?」

 

2月、トゥウインクルシリーズを終え、ウマ娘たちがそれぞれの道を進む時期。

彼女も道を進むための準備をしに今日帰ってくるのだ。

 

「今日こそ言うんだ……」

 

俺は彼女に恋をしている。

小学校の時、運動会で彼女が走る姿を見て恋に落ちてしまった。

艶がある黒髪、走っているときの表情、走り終わった後の仕草、すべてが美しく魅力的に見えた。

少しでも彼女に近づきたくていろんな事をした。

彼女が好きなコーヒーを飲んだり、彼女のお店にお手伝いに行ったり、彼女が目指している競走バについて勉強をしたりだ。

 

 

彼女がトレセン学園に行くとき想いを伝えようと思った。

 

だけど……できなかった。

 

怖かった。

 

彼女との関係が壊れてしまうことが。

そして想いを伝えれないまま……彼女は行ってしまった。

 

後悔したなんであの時言わなかったのかを。

 

 

だけどそこで決意した。

 

『彼女のもとに行く、胸張ってトレーナーになってこの想いを伝えたい!』と。

 

そこからは死ぬ気で勉強した。

 

周りが遊んでる中、勉強し続けた。

 

家族や、元トレーナーのオーナーも応援してくれた。

 

そのくらいしないと彼女のもとには行けないから。

 

そして2年前、トレーナー育成学校に合格した。

 

みんな自分以上に合格したことに喜んでくれた。

 

やっと、やっと第一歩を踏み出せたのだ。

 

 

 

 

そして月日は流れ、今に至る。

 

あと1年したらトレーナーだ、やっと彼女もとへ胸張って行ける。

 

 

 

 

カラン カラン

 

店のドアが開く

 

「いらっしゃいま……あ、カフェちゃん!」

 

「あ、蓮さん…こんにちは……ここでアルバイトをしていらっしゃるのですか?」

 

「うん、そうだよ!」

 

「エプロン姿……お似合いですよ」

 

「そう!?いやーそうかなー?」

 

思わず頬が緩んでしまった。

 

いかんいかん、気を引き締めなきゃ。

 

大事な時なんだから。

 

持ってきた荷物を置きカフェはなにやら携帯を操作している。

 

言うなら今だ!

 

緊張で震える足を抑えながら勇気を振り絞る。

 

待ちに待った瞬間だ、言うんだ、今、ここで!

 

 

 

「あのさ、カフェちゃん……」

 

「はい?…なんですか?」

 

カフェは携帯のから顔こちらに向ける。

 

「俺さ来年トレーナーになるんだ……」

 

「え、そうなんですか……おめでとうございます」

 

「うん、ありがとう」

 

「だからさこれを機に伝えたかったんだ、俺とt」

 

「?」

 

カラン カラン

 

 

「カフェ? もう入っていいかい?」

 

告白しようとした瞬間に店内にスーツ姿優しそうな男の人が入ってきた。

 

「あ、トレーナーさん」

 

「え?トレーナーさん?」

 

俺が呆気にとられていると

 

「あ…蓮さん……お話の途中でごめんなさい、紹介します。 私のトレーナーで……///今…お付き合いしている○○さんです」

 

今お付き合いしている?

 

「あ、君が蓮くんかい? カフェからたくさん話を聞いてるよ、これからよろしく」

 

そう言うと握手をしてきた。

わからなかった、あしもとがふわふわした。

 

「蓮さん、お話の…途中でしたね、続きを…」

 

「あ、いや何でもない……ただトレーナーになることを伝えたかっただけ」

 

俺はそう答えてしまった。

 

「? そうですか…わかりました。 蓮さん、お父さんとお母さんはどこにいますか?」

 

「あ……奥に居ると…思う」

 

そう言うとカフェ達はオーナーいる厨房へ行った。

 

「……」

 

視界が滲む。

 

 

 

 

しばらくして、オーナーとカフェ達が厨房から出てきた。

 

「蓮、しばらく店、任してもいいか?」

 

そう言ったオーナーは俺の顔を見て複雑な顔をした。

 

オーナーは知っている、俺がカフェを好きなことを。

 

「わかり…ました」

 

そう答えるとオーナー達はお店の二階へ上がっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜

 

 

 

 

 

 

閉店時間

今日は幸いにもお客さんはあまりこなかった。

 

閉店作業をしてると二階からカフェ達が降りてきた。

 

「蓮さん……お疲れ様です。」

 

「ああ、うん」

 

「また…来ますね」

 

「うん」

 

そうカフェは言うとトレーナーと手を繋ぎながらお店を出ていった。

 

表情はとても幸せそうだった。

 

カフェの表情を見るにオーナーはこれまでの俺の話を聞かせてないみたいだった。

 

 

カフェに俺の今までの話を聞かせたら、カフェの一生の枷になってしまう。

 

そんなのは望んでない。

 

俺はカフェには純粋に幸せになって欲しいから。

 

 

 

 

 

 

 

って…………そんなに男前にはなれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

悔しい………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

閉店作業が終わり、一人外で座っていると。

 

「……大丈夫か?」

 

オーナーが話掛けてきた。

 

「競バはウマ娘とトレーナーの二人三脚……三年間、その道のりでトレーナーの事を好きになるのは当然……冷静になって考えればそんなことくらい……」

 

「俺にチャンスなんて始めっからなかったんですよ……」

 

「蓮……」

 

「オーナー、俺、わかんなくなりました。 これまで何のために頑張ったのか」

 

「……」

 

「オーナーも知らなかったなら…しょうがないですよ」

 

「……」

 

ポタッ ポタッ

 

月の光に反射した雫は地面へ消えていった。

 

 

 

 

数時間……

 

 

 

いろんな事を思い出す。

周りにバカにされたこと、無理だと心が折れかけた事、友達が離れていったこと、いろんなことを思い出す。

なんでこんなに辛い目に。

だけど辛いことを思い出す度に最後まで支え続けてくれた家族や、めげそうな時や折れそうな時に励ましてくれた友達。

 

そしてなにより、オーナーがウマ娘の可能性や凄さを教えてくれて、俺にウマ娘の素晴らしさを教えてくれたこと、俺が辛いときにいつも気に掛けてくれて俺を支え続けてくれたこと。

他にもたくさんの温かい思い出の数々。

 

辛い思い出の数だけ、幸せで温かい思い出のがあること。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうだったのか…

 

今の俺を作っているのは俺だけじゃない。

みんなが俺を支えて、俺の夢を応援してくれて今の俺があるんだ!

俺一人じゃここまでやってこられなかった。

みんなの期待をこんな形で裏切っちゃ駄目だ!!

返しきれない程の恩を少しでも返すためにここで諦めちゃ駄目だ!!

 

 

 

俺の中で何かが変わった。

 

 

 

「……なあ、蓮」

 

「俺、トレーナーになりますよ」

 

「ッ…」

 

「『トレーナーになりたい』て思ったのは彼女がきっかけだけど…今は、これまで支えてくれた人たちの想いに答えたい!!」

 

「これから育つウマ娘たちを支えたい!!」

 

「こういう競バ、ウマ娘の素晴らしさを教えてくれたのは…オーナーなんですから」

 

「だからオーナー、そんな辛そうな顔をしないでください」

 

「蓮っ…」

 

 

 

目に意志の赤い炎が灯る。

その目にはもう負の感情はない。

未来へ進むための意志がだけが燃えたぎっていた。

 

 

「よっしゃぁぁぁ、あと一年がんばるぞぉぉぉ!!」

 

 

そう大声で叫んだ言葉は住宅街にこだまする。

 

目には揺るがない意志の炎を燃やしながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《うるさいよー!》

 

ヤベッ、夜なの忘れてた。

 

「ごめんなさーい!」

 

 

 

一度挫折をした青年はもう立ち止まらない。

どんな経験も力に変える力を手にいれたのだから。

彼はこれからどんな道を歩み、どんな娘と出会い、物語を進めて行くのかまだわからない。

でもそれで良い、まだ長い道の途中なのだから。




ブラボが楽しい。

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