英雄の魔法と最終の人類   作:koth3

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ネギとエヴァの戦いのさいの真心の行動の一部をこの話で記入する予定だったんです。
これからも折々に合わせて真心の行動を書いていくつもりです。

前回から一部戯言シリーズの言い回しに近い物を書いてみましたがどうでしょうか?
良ければ感想をお願いします。


第十八話

第十八話 節酩 説明

 

 「どういうことなの一体」

 

 あの後、ネギたちが呆然としていながら見ていると、刹那が連絡した関西呪術協会の手により彼女らは回収された。

 過激派の回収をしたのは関西呪術協会の穏健派による手であり、木乃香をさらった敵はもう修学旅行中どころか裏の世界に関われないといっても過言ではない。

 

 「まあ、なんか呪術協会ってのも大変なのはわかったわ。

  けど、何で想影さんまで魔法に関わりがあるの」

 

 アスナは先ほどから感じていた疑問を真心に問いかける。

 

 「ん? まあ昔、賢者の石を見つけた時に関わってな」

 「いやいやいや、賢者の石って伝説の魔法具じゃないですか!?」

 

 真心の説明を聞いた途端ネギは驚愕しながら聞き返す。

 アスナはよくわかっていないようで、ネギがなぜそこまで驚くのかわかっていない。

 

 「もう疲れました」

 

 ネギは自分の驚愕を理解してくれない人たちに囲まれ自分の常識がゲシュタルト崩壊しかけ、疲れ切ったサラリーマンのように言う。

 

 「あれ? 魔法の関係者ということはまさかあの時のアドバイスも」

 「うん? あの時?」

 「期末テストの後に相談していた時のことです」

 「ああ、あのときか。悩んでいたから相談したやつか」

 

 かつてネギが期末試験を終えた後エヴァと戦う羽目になった時、真心から助言されたことがあった。

 その助言により強大な力を誇る吸血鬼にほとんどの魔法を使わず、ネギはエヴァに勝つことができた。

 

 「あれって、僕が大変だということを知って相談に乗ってくれたんですか?」

 「いや、別に」

 

 簡単に真心はネギの言葉を否定する。ただ見かけて相談に乗った。それだけのことなのだから。

 

 「というより、何故そんなことをしなけりゃならない。わざわざお前にかまってやり続けるほど俺様はひまじゃない」

 

 身もふたもない言葉だが、それにより本当に真心が気まぐれで自分を助けてくれたということをネギは理解する。

 

 「それより、明日お前たちはどうするつもりなんだ?」

 「明日ですか? 奈良の班別行動でどうしようか考えていますが?」

 「そうか、ならネギの行動の補佐をする形で俺も行動しよう」

 「補佐ってなにを?」

 

 アスナが疑問に思い口をはさむ。

 

 「これでも一応副担任なんでな。担任の補佐は当たり前だろう」

 

 実際今日の行動でも真心はほかのクラスの先生などと予定の調整などやいたずらの対処に参加していた。

 なので、明日も同じようにするつもりなのだ。

 

 「ふむ。早いうちに寝ておけよ」

 

 真心はそう言い、用意された部屋へ帰っていく。

 

 「ネギ先生。まー、真心先生となにか接点があったんですか?」

 

 刹那は先ほどから疑問に思ったことをネギに聞く。

 それにネギもその時のことを思い浮かべ話していく。

 

 「ええ、少々困っていた時に助けてもらって」

 

 

 

 

 

 

 

 あの時僕はどうすればいいかわからなかった。

 エヴァさんのことでタカミチにも相談できずにアスナさんを巻き込むわけにもいかず、どうしようもいかなくなっていました。

 そんなとき、真心さんが以前のように僕が悩んでいることを理解したんでしょう。

 相談に乗ってくれました。最初はごまかそうとしたんですが、気づいたら悩みを話していました。

 

 「こういうわけで困っているんです」

 「ああー、要約すると自分一人で解決できない問題それも勝負事があって、けど誰の手も借りられないということか」

 「そうなんです。うう、僕はどうすれば」

 「じゃあ、手を借りればいいじゃないか。

  いいか、ネギ。自分ができないことなら手を借りればいい」

 「それができないんですって」

 

 いつもならこれくらいのことなら察してくれる真心さんなのに、今日は理解してくれないよ。

 

 「勘違いしているがネギ。俺様が言いたいのはそういう意味じゃない。

 そうだな、例えば一人用のゲームをしていて、誰の手も借りれない所謂ボス戦になったとする。

 戦いながら相談することは不可能だが、どんな攻撃が有効化などはほかの人に聞けば分かるだろう。

 これも一つの借りだ。戦いごとは相対した時にもう終わっている」

 「戦うのに既に決まっている? どういうことですか」

 「簡単なことだ。またたとえ話になるが敵が百人で襲ってくる。ネギが一人で彼らを倒すのにどうすればいいと思う? 

 簡単に言えば罠を張ることや策を練る。これさえできれば基本負けることはない。

 敵が進軍しているのなら進軍先に地雷をうめるように、相手の嫌がることをし続ける。

 それが勝つ方法だ」

 

 それは卑怯なんじゃと思い真心さんに尋ねると、

 

 「卑怯? そんな言葉に意味はないよ。卑劣に怯えるから卑怯になる。堂々と策を練り、相手を翻弄すればいい。策とは力のない物が強者に勝つ理だからな。

 たとえ相手が悪魔だって策をねろ。それが脆弱な人間が繁栄した理由だ。

 それでも人は望みに叶わない。

 いつだって戦士は戦死し、策士は錯死した。ならば動かない人間は?

 それを人はね、無駄死にというのだ。ならば、せめて一矢報いるくらいした方がいいだろう」

 

  

 

 

 

 

 「何それ、全然意味が分からないんだけど」

 「僕もわからなかったんですけど、たぶん行動しなきゃ何にもならないと言いたかったんじゃ?

 実際そのあとアスナさんと仮契約し、カモ君にも手伝ってもらいましたし」

 「そんなことがあったんですか、まーく、真心先生らしいですね」

 

 そうして三人は明日のために別れ、床に就く。

 この修学旅行がこれから先の道にどれほどの影響を与えるか知らずに。




今回の題名

節 小説の節目
酩 銘柄など物事をはっきりさせる際の名前から

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