英雄の魔法と最終の人類   作:koth3

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初めまして作者のkoth3です。
処女作なのでグダグダですし、更新も遅いですがよかったら見てください。


第0章 喪騙 ≪物語≫
第一話


第一話 すべての始まり

 

うっすらと瞳を開けたら見えた景色は、一言でいうなら異常だった。

どこまでも白くどこまでも黒い世界。対立する二極であり、矛盾を突き詰め続けた結果のような色。

そこには何もなく、全てがあった。

 

「ふむ、そこの魂ちょうど良い。我の仕事を手伝え」

 

突然声が響き、驚いて後ろを振り返るとそこには龍がいた。

 

「その認識は間違いだ。迷い込みし魂よ。我は貴様らでいう龍に近いが龍ではない」

 

心を覗かれたかのように話しかけられた。

 

「あたりまえじゃ、魂が剥き出しになっているのなら考えたことは世界に伝わる」

 

それが本当なら俺はなぜ魂が剥き出しになっているのだろうか。

 

「ふむ、少し待って。お前の疑問を解く」

 

少しその龍のようなものが考え出した。それと同時に少しずつ思い出してきた。

そうだ、俺は死んだ。

後悔もないし、悔いもない人生だった。

ならここは死後の世界なのだろうか。

 

「いや、違う。ここは死後の世界ではない。ここは世界の中心だ。数多ある世界はここで生まれ、ここで滅ぶ。故に世界で異常ができればここにも連動して異常が発生する。その異常とはお前のことだ。ここには我以外は存在できないが、お前は存在し続けている」

「さて、お前の疑問はすべて答えたぞ。そろそろお前の生涯を把握したな。先ほども言ったがお前には協力してもらうぞ。迷い込んだ魂よ」

 

協力?確かに最初にそんなことを言っていたな。するとしても何をすればいいんだ。

 

「うむ。お前にはここで生まれたとある世界に行ってもらう。どうやらほかの存在がその世界に干渉した結果歪みが生まれたようだ。そのためお前にはその世界に行き、そこで暮らしてもらいたい。我の力の一部をお前に植え付ける。わが力はその世界の秩序を直していく」

 

つまり、俺に生まれ変わりその世界で生活しろと?

 

「そうだ。ちなみに拒否権はないぞ」

 

なんて横暴だ。だが生まれ変われるのなら、また新しい人生を歩めるのならその案に乗らせてもらおう。

 

「では、頼むぞ。世界に干渉したのはどうやら我と同じように世界へ干渉できるもののようだ。お前と同じ生まれ変わりを利用し、世界を混沌に陥れようとしているようだ。その生まれ変わった魂の力は強い。今のお前ではすぐに見つかり殺されるだろう。故に我もお前に力を授けてやる。」

 

力?それはどんなものだ。

 

「ふむ。お前にわかりやすいイメージでいうと小説に登場する力、漫画に登場する力、アニメに登場する力などだな。世界を乱した者の力はFateという作品に登場する英霊の力などのようだな。 お前にもその存在と同じくらいの力をやろう。故に答えろ。お前が望む力を」

 

Fate。確か聖杯と呼ばれる聖遺物をかけての戦争だったはず。人型でありながら驚異的な身体能力と魔術的な力で敵と戦い、全ての敵を倒し願いをかなえる願望器の奪い合い。その中に出てくる英霊の力は非常に強力だ。

 

「一つ聞こう。その敵とやらの力は具体的にどのような力だ?それに敵とやらは倒さなければならないのか?」

「倒す必要はない。お前がそこにいるそれだけで世界は保たれる。力とやらは、エミヤと呼ばれたものの魔術と心象風景。さらにランスロットの武器を使いこなす力。最後にギルガメッシュとやらの能力などに英霊の身体能力。さらに規格外の魔力などのようだ」

 

その能力ならば索敵能力は低そうだ。目立たないように隠れて生活できるだろう。だがもし見つかった場合戦闘できる力が必要だな。俺だって生き残りたい。そのためにも派手な力ではなく、軍隊に対して使うわけではないから一人に効く力もしくは自身に作用する力だな。

 

「決まったようだな」

「ああ、一つ目は戯言シリーズに登場するキャラクター人類最終の能力を」

「よいだろう」

 

「二つ目は戯言および人間シリーズに登場するキャラクターたちの固有する能力及び技術を」

「ふむ、では次になにを」

 

今までの力はどちらかというと肉体的な面だったが、呪いなどを行えるなら魔術的な力も必要だろう。

 

「最後に新本格派魔法少女りすかの全ての魔法を」

 

少し考え込むようにした龍は

 

「いいだろう。力の総量自体もほとんど同じになったようだし、お前はその力を暴走させる危険性もないだろう」

 

「では生まれ変わるお前に力を授けよう」

 

特にこれと言って変わった気がしないがあの龍が言うのだ。何か変わっているのだろう。

 

「ではな、迷い込みし魂よ。生まれ変わった地での祝福があらんことを」

「ああ、ありがとう。じゃあな龍。いや、全ての始まりである混沌」

「くくく、我の本質を見抜いたか。ではまたお前が死んだときにでもここへ来い。話し相手ぐらいにはなってやる」

 

そこにはもはや龍はいない。

ただ、白くて黒い空間が混じっているだけだった。

そしてそれが最後の風景だった。

 

 

 




今回はここまでです。次回は出来上がったら投稿します。

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